螺旋の中の欠片

まみか

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第1章 玖珂家

1 出逢い

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車に揺られて近づいて行くのは、狭い日本に不釣り合いなほどに広い庭と豪邸を含む敷地。
自動の門からさらに車で入り込んで、やっと辿り着いた。
出会って間もなく、名前も知らないスーツ姿の男に促されて屋敷の中へと入れられる。
入ってすぐの大きな玄関ホールには豪華なシャンデリアが浮かび、あまりに今までの生活とかけ離れた景色に、れいは息を呑んだ。
思わずキョロキョロと見回していると、男に制されてしまい、俯いた。
しばらくそのままホールで男とともに立ち尽くす。
Ωオメガを連れてきたのか」
階段の上から声が掛けられ、見上げると澪よりも少し幼い感じのする少年が見下ろしながら降りてきた。この距離でもわかる強いαアルファ
まだ少し膨らみのある頬に、不釣り合いな鋭い眼光。
物腰も育ちの良さがわかるキビキビとした動き。
身につけている服はシンプルなシャツとデニムだったが、質感が澪の見慣れているものとは違う。
無理に取り繕っているのがはっきりわかる連れの男とも違う。
育ちが違う、とはこう言うことか、と澪は納得した。
その上、澪は今、男に着せられた安っぽい奇妙に派手な服を着せられていて。
恥ずかしくて、澪は服をぎゅっと握りしめた。
「はい、旦那様にお見せしに参りました」
「親父ならまだ帰ってこないぞ」
低くもなく高くもなく、けれども威圧感を持って少年の声が玄関ホールに響く。
「…あ、はい、待ってろと…」
賢木さかきには?」
「連絡済みです」
少年はホールへ降り立つと、澪を値踏みをするように一周しながら眺めると、にっと笑った。
「気に入った。俺が連れてく」
そして澪の腕を取ると、ぐいぐいと引っ張り階段を登り始める。
澪は戸惑いながらも引っ張られるままについていく。
男は慌てて追いかけてきた。
悠真はるま様、困ります。旦那様に…。せめて賢木様にお目通ししてから」
「俺のΩだ。俺が選ぶ。ご苦労だったな、帰っていいぞ」
振り返りもせず、少年は階段を登りきる。
「しかし、悠真様!」
「賢木には俺が帰らせたと伝える」
踊り場で男を見下ろしながらそう言うと、さっさと澪の腕を引きながら奥に消える。
踊り場から一歩入ると左右に長い廊下。
そこを左に折れて一番奥の扉に少年に腕を引かれながら入れられる。
中は広いリビングにちょっとしたキッチンがあって、右手に書斎のような部屋その先にも扉。そして左側にも幾つか扉があって、その隙間に小さな短い通路とその奥にガラス戸、バスルームだろう、があった。
ちょっとしたマンションのような作りに思わず呆然と見渡した。
少年は部屋に入った途端に澪の腕を開放して、自分はリビングの奥に歩いていく。
「ここ、俺の部屋だからリラックスしていい。勝手に入ってくるやつも…あー、1人いるけど気にしなくていい」
「あ、はい。旦那様」
澪の返事に悠真は思いっきり顔を顰めた。
「その呼び方はやめろ。俺はあんたより年下のはずだぞ。呼び捨てでいい」
「でも…」
それでも澪は自分がここにいる理由や意味を考えると、そう簡単に頷けなかった。
澪は売られてきた。
この少年の愛人、または愛玩具になるために。
この屋敷の主人、つまり少年の父親がαの息子に与えるΩを探していて、澪はいつの間にか両親が作っていた借金の穴埋めに売られてきた。
なんとも時代遅れな、作り物の世界の話に有り勝ちなパターンだ。
今ではαもΩも少なくなってきていた。故にΩは貴重。裕福なαがΩを買うパターンが増えている。何よりもαを増やすためにはΩは必要不可欠と言えた。
βからはβが生まれる可能性がかなり高い。
αとの子であってもほぼβしか生まれない。
故にαがαの子供を求めるならば、βよりもΩ。しかも良質なΩはαの才能や特徴をより良く引き継いだ子供を産むと、迷信のように信じられていた。
澪は、少年に与えられるΩの中の一人なのだ。
正妻にはおそらく政略を含んだ良家の娘が選ばれるはず。
と、澪を売り買いして、ここまで連れてきた男から聞いた。
澪が良質なΩだと判断されれば、愛人ぐらいにはなれるだろうが、そうでなければ愛玩具。
自分が良質なΩであるとは澪には思えなかったので、せめてすでに帰るところなどない自分の居場所を確保するために、この少年に振りたくもない尻尾を振って見せなくてはならないのだ。
せめて尻尾でも振って、これから起こる悲惨で惨めな状況を、出来るだけ減らしたい。
その想いだけで、澪はここに立っていた。
少年は澪の思いに気付いたのか、少し悲しげに眉を寄せる。
「俺はあんたを愛人やおもちゃにするつもりはないからな。親父が勝手にやってることだ。俺は望んでもいないし、何度も反論した。が、結局あんたはここにいる。あんたにも色々事情があるだろうから、成人するまでここにいればいい。そのあとはあんたの自由だ」
少年の言葉が俄かには信じられず、澪は少年を凝視した。
「ここにいる間は俺が守ってやる」
そしてにっこりと笑いかけられれば、澪は頷くよりなかった。
「さて、まず問題がある」
「問題?」
「おそらくあんたはこの後、親父に対面させられる。そこでうまくやらないとあんたは仲介人の元へ戻されてしまう。そしたらどこへ売られるかもわからないし、どんな目にあうかもわからない。それだけは避けたい。わかるよな?」
澪はこくん、と頷いてみせた。
悠真はにっと笑うと頷いた。
「まあ、あんたの容姿なら問題ないかもしれないし、俺が説得もするが、念のため手を尽くしておこう」
「手を尽くすって、何を」
「あんたを磨く」
そう言って笑う悠真を澪は呆然と見つめた。
悠真はスタスタと歩き出し、携帯を手に取った。
電話をかけながら、澪を振り向く。
「そうだ、あんた名前は?」
「澪…」
「俺は悠真。呼び捨てでいいからな。あと敬語もやめろ」
命令のような口調に澪はただ頷いただけだった。

悠真は知り合いだという服屋を呼んだ。
身体中のサイズを図られて、その男は悠真と親しげに話すと「出直してくる」と去っていった。その間、お風呂を使うことを勧められた。
仲介人に引き取られて以来、お風呂を使えたのはここに来る直前の一回だけ。
あとはずっと狭い部屋に閉じ込められていた。
期間は一週間ほどとそれほど長くはないが、気分が落ち込むには十分だった。
食事は与えられていたが、それ以外はトイレと小さなTVぐらいしか無く。
澪は大半を格子のついた窓越しの景色を眺めて過ごしていた。
悠真に案内されたバスルームは、その閉じ込められていた部屋ほどの広さで、その半分が埋め込み式の湯船だった。二畳ほどの広さはある。
バスルームを唖然と眺めながら、ゆっくりと足を湯船に入れ、恐る恐る身を沈めた。温かいお湯に浸かっていると、少しずつ気持ちも解れてくる。
ここへ向かうまでの車内。
仲介人の男からは注意事項ばかり聞かされ、その間ずっと緊張と恐怖に支配されていた。どんなαに会うのか、どんな目に合うのか。そんな心配ばかり。
実際に会ったαが自分よりも幼い少年で、余計に緊張した。
日本に不似合いなやたらとでかい屋敷で堂々と歩き、仕草や言葉遣いは今まで身近にいたどの少年とも違う。
不安に囚われ、入り込んで発せられた少年の言葉に信じられない気持ちが最初はあった。けれどお湯に解されて、やっと実感が湧いてきた。
それでもまだこの屋敷の主人に会わなければならないが。

バスルームから出て再び現れた男が持ってきた服を着せ替えられている最中に、部屋のドアがおもむろに開いた。
細身の体にぴったりとした紺色のスーツを着込んで、きっちりとネクタイを締めた30代後半の男性がそのままつかつかと入ってくる。
「悠真さん、どういうことですか」
まっすぐ悠真の元へ向かうと、その目の前で腰に手を当てて立った。
「見ての通りだ。澪、こいつがさっき言ってたこの部屋に唯一勝手に入ってくる賢木だ。親父の秘書をしていて、俺の…」
悠真が言葉を探すように視線を向けると、賢木が小さく溜息をつきながら澪を向いた。
「教育係です。実質、私が悠真さんを育てました」
「あ、澪です。…よろしくお願いします…」
澪は戸惑いながらも、ぺこりと頭を下げた。
頭を上げた澪を賢木はじっくりと眺めた。
「…あなた、面食いでした?…」
ぽそりと賢木から呟かれた言葉に、悠真は少しだけ頬を染めた。
この屋敷に来て初めて見た悠真の子供らしい顔だった。
「とにかく!こいつは俺が貰う」
「それで?どうするつもりですか。あれだけ要らないとダダを捏ねて、昨夜も旦那様と派手に言い合いをしたじゃないですか。ですから私は旦那様には品定めして来いと言われましたが、追い返すつもりで来たんですよ?なのに途中で仲介人からあなたが受け取ったと聞いて…」
「追い返したら、こいつはどうなる」
「…別の、買い手の元に行くことになるでしょう…」
二人のやりとりを呆然と眺めていた澪がぎくりと背を震わせた。
それをちらりと見やった悠真は、すっと少しきつい視線を賢木に向けた。
「俺にオメガバースの歴史の間違いを教えたのはお前だぞ」
「…確かに、教えました…」
「ならば俺がこいつを見捨てられるわけがないこともわかるだろ?何よりお前がそう教えたんだぞ」
賢木は頭を抱えて、溜息をついた。
「…引き取って、どうするつもりですか…」
「二十歳になるまで俺が預かる。その先はこいつの自由にさせる」
再び大きな溜息が聞こえる。
「…どうせなら大学卒業まで面倒みなさい…」
賢木の諦めたような口調に悠真は嬉しそうに笑顔を見せた。
「…わかりました。私も口添えしましょう…」
「ありがとう、賢木」
「保証はありませんよ」
賢木の言葉に悠真はにっこりと頷く。
「それにまだ最大の難所、旦那様との面談が待っています。…まあ、澪さんの容姿なら問題ないかもしれませんが…」
「わかってる。今、磨かせてるところだ」
賢木は澪に向き直ると、考えるように腕を組む。
「学校はどちらに?」
澪が通っていた高校を答えると、賢木は少し感心したように頷いた。
「では成績表など取り寄せさせていただきますが、よろしいですか?」
「あ、はい」
「悠真さんと同じ学校でよろしいですね」
「ああ」
悠真が答えると、スタスタと歩き出す。
「では色々と手続きがありますので、一旦失礼します」
「ああ」
入ってきた時と同じように足早に出て行った。
「もう安心していいぞ」
悠真ににっこり笑い掛けられて、澪は困った顔をした。
「で、でもまだ確定したわけじゃ」
そもそも何をどう安心していいのやら。
「ここだけの話だが、この屋敷で一番強い、というか影の主人は賢木なんだ。秘書という立場上、人前では親父に絶対逆らったりしないし、意見したりしないが、一歩引っ込めば親父を操縦してるのは賢木だから。おれの前とかじゃ親父は賢木に逆らえないんだ。その賢木が口添えしてくれるんだ、確定したも同然だな」
そして楽しそうに笑う。
「賢木だってそのつもりで手続きがどうとか言ってたしな」
「………」
「大丈夫だ、心配いらない」
安心させようと笑いかけてくる悠真に、澪は曖昧に笑顔を返した。

落ち着かない思いを抱え迎えたその瞬間。
澪だけを連れて行こうとする賢木に、悠真が無理やり付いてきた。
連れてこられたのは一階の奥の部屋。
書斎のようで大きな本棚が壁一面に陣取り、重そうな本と写真や装飾品が並べられている。
その真ん中にでん、と腰を据えた重そうなデスクで、手を組みじっと澪を見つめてくる。
中肉中背、だががっしりとした体躯を思わせる少しきつい眼つき。どことなく悠真に似ていて、2人が親子だとわかった。
三人で部屋に入ってきてから、賢木はすぐ主人である惣一そういちの隣に立った。
惣一の机の正面に立たされ、鋭い視線を注がれる。
落ち着かなく、視線や顔を背けたくなるのをぎゅっと拳を作って堪えた。
やはり父親もα。
しかもかなり強い。
だが若干、悠真の方が強いかも。
そんな観察でもしていなければ、とても耐えられなかった。
「賢木から聞いたぞ。お前の部屋に連れ込んだそうだな」
「ああ。気に入ったから、貰った」
悠真が答えると、惣一はちらりと賢木を見る。
賢木は目を閉じて素知らぬふりを決め込んでいるようで、反応がない。
惣一が視線を悠真に向けると見計らったように賢木は目を開けた。
「昨夜とは随分と態度が違うようだが」
「こいつを見て気が変わった」
悠真と惣一が睨みあうように視線を交わすと、賢木が口を開いた。
「あなたが望まれた通りです。何かご不満でも?」
「ああ、あるな。お前が何も言わないのが気に入らない!」
声を荒げながら賢木を向く。
「仲介屋からの連絡で、見定めてこい、といった俺にお前は追い返してくる、と言って出て行ったんだぞ。なぜこんな展開になる!?」
「悠真さんが望まれたからです。仕方ありません」
ぐぅっと音がするほど、惣一が言葉に詰まったのがわかった。
「…俺が望んだのは良質なΩを悠真にあてがうことだ…。それを見定めろと俺は言った」
「何度も申し上げておりますように、良質かどうかは産ませて、育ててみないことにはわかりません」
「…賢木…」
「はい」
「はっきり答えろ。お前が悠真に弱いことはわかっている」
「ならば答える必要もありませんね」
二人のやりとりを見ていると澪は緊張を忘れてしまった。
悠真の言葉を初めて納得した。
圧倒的に惣一が押さえ込まれているように見える。
「なあ、二人の喧嘩なら後でやってくれよ。俺はこいつを連れて行く」
悠真が口を挟むと、賢木が顔を向けた。
「わかりました」
「ちょっと待て!まだ話は…」
惣一が言うのも聞かず、悠真は澪の腕を掴んで歩き出した。
「賢木!」
「何でしょう?」
澪が腕を引かれながらも振り向くと、賢木に詰め寄る惣一の姿が見えた。
足を止めようとすると、さらに悠真に強く引っ張られそのままドアの外に出され、パタンと閉められる。
「い、いいのか、な」
「大丈夫だ」
悠真が賢木に絶大な信頼を寄せているがわかる。
実質育てられた、からなのか。
腕を引かれながら部屋へ戻る途中、澪は戸惑いながら、気になっていたことを口にした。
「賢木、さんてΩだよね」
敬語は使うな、と言われたので、普段通りを装って。
「よくわかったな。ってそうか、Ωは見分けられるんだったな」
「…子供が、いるの?…」
「そんなこともわかるのか。ああ、息子が二人いる。βベータとΩだ」
「βとΩ…」
澪が呟くように繰り返した。
つがいもいないし、結婚もしてない。子供二人も父親は知らないって言ってる」
「面識あるんだ?」
澪の言葉に悠真は少し笑う。
「俺は賢木に育てられたって言っただろ。二人とは兄弟同然に育ってるよ。俺の上の二人、二人ともβだが、同じように賢木に育てられてるから、実質5人兄弟みたいに育ってるんだ」
「悠真、のお母さんは?」
「…育児をしない人なんだ…。だから早々に賢木にみんな預けられて。今は別館で二人の子供と暮らしてる」
まるで他人事を話してるようで、澪は違和感を覚えた。
「俺は特に嫌われてる。だから一緒に住めない。ずっとここで賢木に育てられた。母さん、とは数回しか会ったことがない」
少し寂しそうに悠真は笑った。
「でも兄さん達はよく遊びに来るよ。本当はここに住みたいらしいけど、母さんを一人にするわけにはいかないって。賢木が良く母さんの留守中に別館に二人の様子を見に行ってるみたいだ。賢木も母さんに嫌われてるからな」
「…複雑、なんだね…」
「まあな。子供ら5人は仲いいんだけどな。大人は複雑みたいだな。父さんも別館には近付かないし。…理由は知らないけど」
「………」

部屋に戻ると、夕食を悠真が運ばせて二人で食べた。
その後TVを見ながら話していると、賢木が入ってきた。
「どうなった?」
悠真が聞くと賢木は溜息を吐く。
「なんとか説得しました」
「さすが、賢木」
悠真が笑いかけると賢木は眉を寄せ、こんな時ばかり、と呟いた。
「明日の予定をお伝えに参りました」
そして澪に向き合う。
「成績表を見させていただきましたよ。なかなか優秀でしたので、おそらく編入試験も問題なく通るかと思います。ですが念のため、3日ほどここで勉強していただいて、それから試験を受けていただきます」
澪は賢木の言葉に頷きながら、悠真にこっそり学校名を聞いて驚いた。
「名門校じゃないか」
「当たり前です。玖珂くが家の跡取りがその辺の学校に通えるわけがないでしょう」
「え、跡取り?君、長男なの」
でも確かさっき兄さん、と言う単語を聞いた気がした。
「いや、次男」
「αは悠真さんだけですから」
「………」
「その後、少し病院に付き合っていただきます。軽く健康診断を受けて下さい」
「はい」
「俺は?」
「あなたはいつも通り学校でしょ?」
ちえ、っと小さな舌打ちをした悠真に思わず笑みが漏れた。
「では、また明日」
来た時と同じように唐突に出て行こうとした賢木を悠真が呼び止めた。
「あ、書斎の奥の部屋、澪に使わせてもいいよな」
悠真は確認の為だったようだが、賢木が思いっきり眉を寄せて振り向いた。
「何言ってるんですか。ダメに決まってるでしょう」
「なんでだよ、誰も使ってないだろ」
悠真が唇を尖らせて言うと、賢木がつかつかと戻ってきて、悠真の前で腰に手を当てた。
「そういう意味じゃありませんよ。あなたはこのΩと寝食を共にするんです。そういう意味で引き取ったことになってるんですからね?別々の寝室を使っていることを旦那様に知られたら、このΩは追い出されかねませんよ?引き取った意味がないって。それでもいいんですか?」
ぐっと喉を鳴らして黙り込んだ悠真に、賢木は溜息を吐いてみせる。それに悠真がぷうっと頬を膨らませたので、澪は思わずくすくすと笑った。それを見てさらに悠真が口を尖らせた。
あんなに偉そうで年齢以上の態度をみせる悠真が、賢木の前では年相応の表情を見せるのが面白かった。
「…では、明日…」
そして再び出口に向かった賢木がドアを開けてから、澪を振り向いた。
「ああ、澪さん」
「はい?」
「その方、寝坊助なんです。朝、7時には起こしておいて下さい」
「わかりました」
澪の返事に初めてにっこりと笑うと、扉を閉めて行った。

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