どうして俺だったんだ

青い縞猫

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陵と龍城Ⅱ

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「ところで、ここはどこなんですか?」

陵は気が付けばこの部屋に連れてこられていたので、自分の置かれた状況が今更ながらに気になった。

「ここは、右京っていう俺の連れの家だね。」

「どういう部屋ですか? なんかいろいろ仕掛けがあるみたい…。」

「SM専用の監禁部屋ってところかな。」

「監禁… 龍兒も監禁されてたってことですか?」

「ううん。 それは違うよ。 今はずいぶん落ち着いてるけど、両親がそばにいないことで随分やんちゃな子になっちゃってね~。躾のために時々お仕置きしてたんだよ。さっきみたいな。 ね?」

お仕置きで、手足を縛られてローター攻めされるのか…
陵の顔が少し引き攣っていたとしても、仕方がないと思う。

「お互い同意のもとなら、この部屋を使ってもいいよ。っていうことにはしてたんだけど…
今回は意識のない君を担いできたって右京から連絡あって。」

「そうだったんですね。 でも、俺服着てましたよね?」

「あぁ。 ちゃんと君の意思を確認しようと、君が逃げないようにお互いの手首を手錠でつないで隣で一緒に眠ってた。」

「それなのに… あれですか…」

「だって、攫ってきたのは事実でしょ? 君の意思でこの部屋に来たわけではないのだから。」

「確かに、それはそうですが…。」

「大事な甥を犯罪者にするわけにはいかないからね」

ニコッといい笑顔で言い切る龍城に何も言えない。

「陵君も泊っていくといい。」

そう言って、地下室からでて来客用の寝室に移動した。

「明日、龍兒が起きてからもう少し話をしよう。」

「そうですね、おやすみなさい。」

何故かその夜、龍城さんと一緒のベッドで寝た。
人の体温が近くにあるって、なんでこんなに安心するんだろう。
暖かい… と思っている間に意識を手放した。


翌朝すっきり目が覚めた俺と違って、さんざん2人に責められた龍兒はなかなかベッドから出てこなかった。

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