婚約者を奪われたけど、イケメン騎士団長が私を選んでくれました

マミナ

文字の大きさ
4 / 8

第4話復讐の始まりと騎士団長の甘い囁き

しおりを挟む
私は静かに決意を固め、エドガーの前に立っていた。レオンとリリアへの裏切りは、私の中に深い憤りと復讐心を芽生えさせた。彼らを許すつもりは、もう微塵もない。

「エドガー様…私は決めました」

「何を、だ?」

エドガーが優しく問いかける。その瞳は私を気遣っているが、今の私は誰の優しさも必要ない。ただ、彼らへの報いを――それだけが私の心を支えている。

「私は、レオンとリリアに復讐します。彼らに、私がどれほど傷ついたか思い知らせる。二人が勝利者だと思っているのなら、それを根底から覆してやるわ」

「アリス…」

「私はもう、あの無力な自分には戻りません。彼らが私を見下してきた日々、全てを取り返してやる。聖女だろうと、王子だろうと関係ない。私が正しいことを証明して、彼らを後悔させるまで終わらせない。私を侮辱したこと、必ず後悔させてやる」

エドガーは私の真っ直ぐな瞳を見つめ、しばし沈黙した。その後、静かに息をつく。

「君は本当に強くなったな、アリス。そんな決意ができるようになったのは、僕にとっても誇らしいことだ。でも――」

彼が私に一歩近づいてくる。距離が縮まり、彼の温かい体温が感じられるほど近くに立つ。突然の近さに、胸がドキッとした。

「復讐はいつも簡単ではない。それに、自分自身をも苦しめる可能性がある。それでも君は進むのか?」

エドガーの声は優しく、しかしどこか鋭い。その言葉には重みがあったが、私は動じなかった。

「私はもう苦しんでいます、エドガー様。だからこそ、この苦しみを無駄にしたくないんです。彼らに同情なんて必要ない。私は彼らの甘い夢を打ち砕き、彼らが得た全てを奪ってやる」

私は強く握りしめた拳を見つめ、再び決意を新たにする。エドガーが何を言おうと、もう止まらない。私はもう、過去のアリスではない。

「分かった。君の覚悟を信じよう。だが、僕も君を一人にはしない。どんな時でも、君のそばにいるから」

エドガーの声は優しく、私の心に深く響いた。彼は本当に私のことを信じてくれている。そして、その優しさに心が少しだけ揺らぐ自分がいることにも気づいた。

「…エドガー様、ありがとうございます。あなたがいることが、私にとってどれだけ大きな支えか…言葉では言い表せません」

「僕も同じだよ、アリス。君と一緒にいると、どこか安心できる。だからこそ、君が無理をしないでほしいとも思う」

彼の言葉に、少しだけ頬が熱くなる。いつも冷静で強いエドガーが、こんな風に私に甘く接してくれるなんて、まるで夢のようだ。

「でも、エドガー様…」

私は彼の瞳をまっすぐに見つめ、告げる。

「私の復讐を見届けてください。あなたが見ていてくれるなら、私はもっと強くなれる気がします。レオンとリリアを打ち砕いて、新しい未来をあなたと共に歩みたいんです」

エドガーは驚いたように一瞬だけ目を見開いたが、すぐに微笑みを浮かべた。その笑顔は、私に安心感を与える。

「分かった、アリス。君の決意に従おう。そして、僕は君を守る。それが僕の役目だ」

彼の言葉に、胸が高鳴る。私はこの手で、全てを取り戻す。そして、その時にはエドガーが隣にいてくれる。そう確信しながら、私は再び歩みを進めた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

今日から護衛と言われても。~元婚約者に、騎士として仕えることになりました。

みこと。
ファンタジー
「クラリス嬢! きみとの婚約は破棄する!」高らかに宣言した第一王子アルヴィン。けれどもあれよあれよと転落し、気付けば自分が捨てた令嬢クラリスに、護衛騎士として雇われる羽目に。 この境遇には耐えられない! よりにもよってアルヴィンは、自分の意識と記憶を一部放棄、代わりに務めるのは新しく生まれた人格で──。 "孤高の冷酷王子"という噂とはまるで違う、有能でフレンドリーな新・アルヴィンに、同僚の騎士たちは「王子の身代わりが来た」と勘違い。弟王子はクラリス嬢に求婚しに来るし、狩猟祭ではハプニング。 果たして最後に勝利を収めるのは誰? そしてアルヴィンが封じた記憶に潜む秘密とは? 真の敵を排除して、王子と婚約者が幸せになるお話! ※本編(全5話)。 ※同タイトルを「小説家になろう」様「カクヨム」様でも公開しています。

【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!

月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、 花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。 姻族全員大騒ぎとなった

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜

有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。 「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」 本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。 けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。 おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。 貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。 「ふふ、気づいた時には遅いのよ」 優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。 ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇! 勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!

何もしてない無自覚聖女が、国を滅ぼし『建国の女神』と称えられるまで

越智屋ノマ
恋愛
「聖女サーシャ! 貴様との婚約を破棄する!!」 王太子から婚約破棄を言い渡された聖女サーシャ。 婚約破棄の理由は、聖女のくせに【何もしない】から。 国民の全員が回復魔法を使えるようになり、聖なる力の溢れる国内には一匹の魔物も湧かなくなったため、サーシャの出番は消滅したのだ。 「何もしない偽聖女」呼ばわりされて、死霊の森へと追放された聖女サーシャ。 ところが……?? なぜか勝手に滅びていく祖国。 一方のサーシャは、血まみれで死にかけていた美貌の男性を救う。 美貌の彼はレオカディオ。隣国の王子だという彼と、サーシャは愛を育んでいく。 そして5年後、サーシャは。国は。

地味で結婚できないと言われた私が、婚約破棄の席で全員に勝った話

といとい
ファンタジー
「地味で結婚できない」と蔑まれてきた伯爵令嬢クラリス・アーデン。公の場で婚約者から一方的に婚約破棄を言い渡され、妹との比較で笑い者にされるが、クラリスは静かに反撃を始める――。周到に集めた証拠と知略を武器に、貴族社会の表と裏を暴き、見下してきた者たちを鮮やかに逆転。冷静さと気品で場を支配する姿に、やがて誰もが喝采を送る。痛快“ざまぁ”逆転劇!

馬鹿にされて追い出されたけど、スキルを有効利用しましょう

satomi
恋愛
アイスノース王国で暮らすレイカのスキルは『氷創造』。役立たずと家を追い出されてしまった。それもレイカの姉のスキルが『炎創造』。アイスノースは年中北国。わざわざスキルで氷を出さなくても…という話だ。 極寒の中追い出されたしまったレイカ。凍死しそうなところで、助けられサンドサウス王国へ行くことに…常夏のサンドサウス王国へと。

「不吉な子」と罵られたので娘を連れて家を出ましたが、どうやら「幸運を呼ぶ子」だったようです。

荒瀬ヤヒロ
恋愛
マリッサの額にはうっすらと痣がある。 その痣のせいで姑に嫌われ、生まれた娘にも同じ痣があったことで「気味が悪い!不吉な子に違いない」と言われてしまう。 自分のことは我慢できるが娘を傷つけるのは許せない。そう思ったマリッサは離婚して家を出て、新たな出会いを得て幸せになるが……

処理中です...