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後編

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「あまり無理しては駄目よサラー。あなたは十分に頑張っているわ。だからもし困った事があればいつでも相談に来てくれて構わないのよ、いつでも待ってるから。」

「大丈夫かサラー。シドニーとリナリーの事を引きずっているんじゃないのか。すまない、私達が不甲斐ないばかりに、リナリーはお前の婚約者と知らぬ間に駆け落ちをしていたとは…。」

「ごめんねサラー……。」

酷く落ち込んで謝罪をする両親に私は大丈夫、心配しないでと慰めた。

領民も私の様子を心配しており、緊張しながらも私の様子を聞くことが少なくない。

特に小さな子供達は意外と感が鋭い為、私がどれだけ笑顔を見せていても、言葉には出さないけど心配しているのが見て取れる。

私の心の中ではまだ、二人に対する怒りや憎しみは消えていないのだから。

そんなある日、サラーはシドニーの弟であるベスベリア・スクアルド子爵と出会う。

私が聞いた話しでは、ベスベリアでは元々、騎士の一員として従事していたが、実の兄であるシドニーが私の妹であるリナリーと突然駆け落ちしてしまったので、すぐさま彼が子爵も地位に就いたのだという。

ベスベリアはシドニーのした事を深く謝罪した。

彼はシドニーとは正反対の性格で、誠実で優しく、勇敢で正義感が強く、私をいつも気にかけては慰めてくれる。

私とベスベリアはいつの間にか互いに協力し合い、領地の発展に貢献し、領民や家臣、友人や同盟者とより強固な関係を築くことができた。

私は笑顔を取り戻し、ベスベリアに愛された。

ベスベリアと婚約し、結婚した私は子供に恵まれ、母としても領主としても幸せな結婚生活を送っている。

一方、シドニーとリナリーはすぐに上手くいかなくなったの。

二人はお互いに飽きて喧嘩ばかりをするようになった。

次第がお金に困り、仕事に失敗した為、友人に見捨てられてしまったのだ。

貧しくて惨めな暮らしをしているシドニーとリナリーは自分の選択が間違いだったと後悔しているという。

でも私はベスベリアと幸せで充実した生活をしている為、二人の悲惨な現象を知らないままでいる。

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