2 / 2
ショッピングモールで戦闘(1/3)
しおりを挟む
今日も兎に角同じような日常があった。
道路にはやっぱり車が通っているし、逆走してくる自転車には年寄りが乗っている。クラクションが雄叫びを上げる。最初の一、二週間は肩が驚いてしまったが今ではすっかり慣れ、日常のBGMの一つになっている。
いつも通る道は小学生の通学路になっており、何時も指を刺されて「こけしや! 日本人形や!!」と笑われている。毛量が違いすぎやしないか? と、突っ込みを毎回入れたくなるチトセだったがそれも日が経つにつれ、日常のBGMになっていた。一週間後にはイヤホンをしていたからまあ、BGMという表現はあっていなくもない。
徒歩で通える位置にある学校なのだが、道中にはこれ幸いと放課後の高校生達の溜まり場になる大型ショッピングモールが鳴りを潜めている。
ガンガンにのぼりが上がっているので潜めてはいないが。
そんな大型ショッピングモール。なうなヤング曰く「ヨオン」やしい。言い難くないか? と、思っていたチトセなのだがショッピングモールに行く理由も、友達も居ないので特に問題はない。悲しいね。
平日の午後過ぎである。高校生はまだ5時限目最中な時間であるが故に制服姿のチトセは凄く目立つ。
が、そんなチトセ以外に目を引く存在がもう一人いた。
何の因果か、チトセは筋肉質なイケメンとヨオンデートをしているのだ。相乗効果でヤバイがやばたにえんになっている。
まあ、日本人形とスポブラ筋肉マントという歪な組み合わせなので常人が見たら目を疑うだろう。当たり前の事である。
だが生憎とそんな人間はその場にいなかった。
場面は変わりお洋服コーナー。
値段はそこまで気にする必要はない。と、赤髪のスポブラ筋肉イケメンーー赤城アカサカはチトセにしたり顔で言う。
なら、言葉に甘えて…と、自身が思う可愛い洋服を手に取る。花柄でどうしてもおばちゃんみたいだった。
自身に服を重ねて、鏡で確認する。日本人形みたいな風貌に花柄はそこまで似合わなかった。すぐに戻す。
「…あの、デートですよね? 何でヨオンに来るんですか? 私はショッピングデートより古本屋デートの方が好きなんですけど」
そうは言っているが手にはアカサカが見繕ったワンピースやスカート。様々なジャンルの服が入った袋を持っている。終わってから言う種族なのだろう。出された料理を食べ終わってから「私、これ頼んでないんですけど」って言うタイプの人だと例えればわかりやすいだろうか。わかり難くなっている気がしないでもない。
一方、言われたアカサカだがそんな事を気にしていないのか冷房が効きすぎている為、マントで体を包んでいる。露出する前の露出狂ばりに包んでいるので本当に変質者だった。
取り出していた財布を仕舞う。
「いや、俺の妹になったのだからせめてファッションには気を使わせないと、と思ってな。ロングは好きだが日本人形はちょっと…」
しかも伸びるタイプの日本人形だろ?
と、付け加える。
「いえ、日本人形じゃないんですけど…て、ファッションですか? 今?」
疑問を浮かべる。
確かに見た目は日本人形言われるだけの事はあるが、数分前にはファンタジーすぎる事件が目の前で起こったのだ。しかも当事者が義兄である。いきなりファッションに気を使えよ、と言われていても体面は冷静を装えるが、内面はそうもいかない。心と体がついていかないのだ。上の空、といえば正しいだろう。心がふわふわして身に付かないのだ。
まあ、すぐに適応するが。
場面が変わり、美容室である。
「へえ、お姉さん高校生なんだ~? 結構大人びているから大学生かとお姉さん思っちゃったよ~~。あ、ここはどうする? カール? クルクル行っちゃう?」
バチバチにパープルに髪を染めたイケイケなお姉さんにカットされていた。
美容室特有のグイグイ来る感じに若干気圧されてしまっていたが、毛量が減り、清楚系とまで思われるほど整った時には仲が深まったんじゃないか? と、思うところまできた。チトセの勘違いかもしれないが。
元々が目鼻立ちが整っている綺麗系なのだ。
髪を切り揃え、伊達眼鏡を取り、服装をそれっぽくしたら美容師が言った大人びている風貌になる。清楚系であった。
「結構良い感じです…ですよね? 何年ぶりだろ、ここまで視界が開けたのは…私ってここまで視力良かったんですね。もう、アカサカさんの毛穴まで見える勢いですよ」
いつの間に女体化したアカサカ(女体の姿)に問いかける。毛穴までは見えていないが前髪が減ったことによって視界が開けているのだ。これで体育の時間でボールが顔面にぶつかる事はないだろう。ぶつかったか、ぶつけられたかはチトセ自身には判断できないが、毎週毎時間ぶつけられるのだ。人為的だ、と仮定しても良いのではないだろうか。まあ、確定なのだが。
アカサカは大剣を背中に背負い直し、緩くなった胸元の大胸筋サポーターの締めを強くする。
「毛穴まで見られたらそれは怖いが…まあ、開けたのは良かった。が、気を引き締めろよ。来るぞ」
「来るって…警備員さんとかですか? それは…」
警備員が来てまで高校生を咎めさせるとは思えないのだが。
視界が開けた事で良く見える、奥の方から四足歩行で向かってくる蜥蜴のような見た目をした白い異形が場違い感を際立たせる。
のしのし、とではなくシュパバババシュ!!! と、猛スピードで走ってくるのだ恐怖を覚えない方がおかしいだろう。見た目のグロさに身を怯ませているチトセとは対照的にアカサカは体制を沈ませ、抜刀のようなスタイルになる。大剣を抜刀とな。と、少し変な形なのだが美少女になったアカサカなので絵になっていた。
2人がいる場面は絵面的に華やかなのでガチガチのドジョウすくいとかをやらない限りは何をしても花になるだろう。
道路にはやっぱり車が通っているし、逆走してくる自転車には年寄りが乗っている。クラクションが雄叫びを上げる。最初の一、二週間は肩が驚いてしまったが今ではすっかり慣れ、日常のBGMの一つになっている。
いつも通る道は小学生の通学路になっており、何時も指を刺されて「こけしや! 日本人形や!!」と笑われている。毛量が違いすぎやしないか? と、突っ込みを毎回入れたくなるチトセだったがそれも日が経つにつれ、日常のBGMになっていた。一週間後にはイヤホンをしていたからまあ、BGMという表現はあっていなくもない。
徒歩で通える位置にある学校なのだが、道中にはこれ幸いと放課後の高校生達の溜まり場になる大型ショッピングモールが鳴りを潜めている。
ガンガンにのぼりが上がっているので潜めてはいないが。
そんな大型ショッピングモール。なうなヤング曰く「ヨオン」やしい。言い難くないか? と、思っていたチトセなのだがショッピングモールに行く理由も、友達も居ないので特に問題はない。悲しいね。
平日の午後過ぎである。高校生はまだ5時限目最中な時間であるが故に制服姿のチトセは凄く目立つ。
が、そんなチトセ以外に目を引く存在がもう一人いた。
何の因果か、チトセは筋肉質なイケメンとヨオンデートをしているのだ。相乗効果でヤバイがやばたにえんになっている。
まあ、日本人形とスポブラ筋肉マントという歪な組み合わせなので常人が見たら目を疑うだろう。当たり前の事である。
だが生憎とそんな人間はその場にいなかった。
場面は変わりお洋服コーナー。
値段はそこまで気にする必要はない。と、赤髪のスポブラ筋肉イケメンーー赤城アカサカはチトセにしたり顔で言う。
なら、言葉に甘えて…と、自身が思う可愛い洋服を手に取る。花柄でどうしてもおばちゃんみたいだった。
自身に服を重ねて、鏡で確認する。日本人形みたいな風貌に花柄はそこまで似合わなかった。すぐに戻す。
「…あの、デートですよね? 何でヨオンに来るんですか? 私はショッピングデートより古本屋デートの方が好きなんですけど」
そうは言っているが手にはアカサカが見繕ったワンピースやスカート。様々なジャンルの服が入った袋を持っている。終わってから言う種族なのだろう。出された料理を食べ終わってから「私、これ頼んでないんですけど」って言うタイプの人だと例えればわかりやすいだろうか。わかり難くなっている気がしないでもない。
一方、言われたアカサカだがそんな事を気にしていないのか冷房が効きすぎている為、マントで体を包んでいる。露出する前の露出狂ばりに包んでいるので本当に変質者だった。
取り出していた財布を仕舞う。
「いや、俺の妹になったのだからせめてファッションには気を使わせないと、と思ってな。ロングは好きだが日本人形はちょっと…」
しかも伸びるタイプの日本人形だろ?
と、付け加える。
「いえ、日本人形じゃないんですけど…て、ファッションですか? 今?」
疑問を浮かべる。
確かに見た目は日本人形言われるだけの事はあるが、数分前にはファンタジーすぎる事件が目の前で起こったのだ。しかも当事者が義兄である。いきなりファッションに気を使えよ、と言われていても体面は冷静を装えるが、内面はそうもいかない。心と体がついていかないのだ。上の空、といえば正しいだろう。心がふわふわして身に付かないのだ。
まあ、すぐに適応するが。
場面が変わり、美容室である。
「へえ、お姉さん高校生なんだ~? 結構大人びているから大学生かとお姉さん思っちゃったよ~~。あ、ここはどうする? カール? クルクル行っちゃう?」
バチバチにパープルに髪を染めたイケイケなお姉さんにカットされていた。
美容室特有のグイグイ来る感じに若干気圧されてしまっていたが、毛量が減り、清楚系とまで思われるほど整った時には仲が深まったんじゃないか? と、思うところまできた。チトセの勘違いかもしれないが。
元々が目鼻立ちが整っている綺麗系なのだ。
髪を切り揃え、伊達眼鏡を取り、服装をそれっぽくしたら美容師が言った大人びている風貌になる。清楚系であった。
「結構良い感じです…ですよね? 何年ぶりだろ、ここまで視界が開けたのは…私ってここまで視力良かったんですね。もう、アカサカさんの毛穴まで見える勢いですよ」
いつの間に女体化したアカサカ(女体の姿)に問いかける。毛穴までは見えていないが前髪が減ったことによって視界が開けているのだ。これで体育の時間でボールが顔面にぶつかる事はないだろう。ぶつかったか、ぶつけられたかはチトセ自身には判断できないが、毎週毎時間ぶつけられるのだ。人為的だ、と仮定しても良いのではないだろうか。まあ、確定なのだが。
アカサカは大剣を背中に背負い直し、緩くなった胸元の大胸筋サポーターの締めを強くする。
「毛穴まで見られたらそれは怖いが…まあ、開けたのは良かった。が、気を引き締めろよ。来るぞ」
「来るって…警備員さんとかですか? それは…」
警備員が来てまで高校生を咎めさせるとは思えないのだが。
視界が開けた事で良く見える、奥の方から四足歩行で向かってくる蜥蜴のような見た目をした白い異形が場違い感を際立たせる。
のしのし、とではなくシュパバババシュ!!! と、猛スピードで走ってくるのだ恐怖を覚えない方がおかしいだろう。見た目のグロさに身を怯ませているチトセとは対照的にアカサカは体制を沈ませ、抜刀のようなスタイルになる。大剣を抜刀とな。と、少し変な形なのだが美少女になったアカサカなので絵になっていた。
2人がいる場面は絵面的に華やかなのでガチガチのドジョウすくいとかをやらない限りは何をしても花になるだろう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる