異世界に来たけど、どうする?

ほうれん草オバケ

文字の大きさ
21 / 55

20話 恥ずかしい出逢い

しおりを挟む
   前が見えない。あまりにも暇だったので庭でフェイ達と遊んでいたらメイルとレックスがよじ登り俺の顔に張り付いた、これはこれでモフモフが気持ちいいので良し。
 
「ようこそ、ヘリック様のお屋敷へ」
「「えぇ………」」

  あれ?もしかして勇者達が来ちゃった!?
   ……やっべ、俺は顔に子狼張り付けてるし隣からは「ドゥヘヘヘ……」とか聴こえるし……。
「では、ご案内致します」
  執事の人の声が聞こえ足音と気配が遠ざかって行く。取り敢えず二匹を顔から剥がしミリーに声を掛ける。
「おい、ミリー?勇者達が来たぞ」
「むふふ………、ええ、そうみたいですね挨拶に行きましょう」
「いや、もう修正は無理だと思う」
  頑張ってキリッとしようとしたミリーの顔が暗くなる。
「ど、どうしましょう……変な所を見られてしまいました………」
「これで掴みはバッチリだな」
「うう……そんな事の為にやったんじゃありません!」
「取り敢えず部屋に戻るか?」
「………もう少ししたら戻ります」
「それ戻らない奴だから」
「戻ります、絶対に戻りますから~!」
「……じゃあ俺ももう少し」
「コウタさんも戻りにくいじゃないんですか~

「ば、俺はちっげーよ!俺はただミリーが心配で心配で」
「私をダシに使って逃げようとしないで下さい!」
「え、何?ちょっとオレ言葉がワカラナイ」
  そんなくだらない事を言い合っている俺達をフェイ達は呆れながら眺めていた。そのあとメイルとレックスの介入により二人で顔をだらしなくしながらモフって喧嘩は終わった。




「ヘリック様、勇者様が参られました」
「ありがとう」
「皆様もどうぞ」
「失礼します……」
  俺が入り皆も入っていく、部屋の中には俺よりも少し上の男性と女性がいた。

「やぁ、ようこそ……僕がここの家の主のヘリック・ギルバルド」
「私がミミル・ランドールと申します」
「あ、はい。自分はタクトって言います、こっちがユミです。」
「ミスティでございます」
「うん、よろしくね」
「あの、ヘリックさんは王子でミミルさんは?」
「私はここの街の領主の娘なんです」
「そうだったんですか……」
「実はもう一人いる予定だったんですけどね」
  そう言いながら苦笑するヘリックさんとミミルさん。
   ………もしかして、あの庭にいた人の事か………?
  みんなもどうやらそう思ったらしく微妙な表情をしている中、黙っていた優実が聞く。
「もしかして庭にいた人ですか?」
「あぁ、会ったんだね。そうだよその男の人がもう一人なんだ」
「でも会ったのにまだ帰って来てないのはおかしいですね?」
  優実がどうするか目線を送ってくる。
(どうする、言う?)
(もし違う人だったらあれだし言ったほうがいいな)

「庭で狼と遊んでましたよ」
「遊んでて忘れたのかな?」
「小さい女の子はドゥヘヘヘ……と笑いながら、男の人は小さい狼を二匹顔に張り付けて棒立ちしてました」
「………」
「わかりました………多分ですけど二人は恥ずかしくて帰って来ないんですね………」
「そうだね……ルーフェス、すまないけどーーー」






「はぁ、今までこんなに脚が重い時なんて無かったです………」
「そうだなー、戻りたくねぇな~」
「「はぁ………」」
「わふ?」「がふぅ~……」
「………」
  部屋に戻っている時間ずっとこんな調子だ、フェイの視線が痛い………。
「コウタさん着きました………」
「あぁ……着いてしまった………」
  ヘリック達のいる部屋にたどり着いた。だけどノックが出来ない、あんな姿を見られて普通の顔で入れないっ!
「やべぇ、腹が痛くなってきた……」
「うぅ、そんなこと言わないで下さい、こっちまで痛くなりますぅ………」
「………うぉん」
「「あっ………」」
  二人して扉の前で腹を抱えているとフェイが我慢出来なかったのか扉を開けてしまった。
  扉の先には若い男が一人女が二人(美少女)、
強キャラ臭がするおじさんがいた。
「ど、どうも」
「どうもじゃないわよ………」
「はは………」
  ミミルが怒ってる今までに無いぐらい怒ってる、ヘリックも流石に庇いきれないらしい。
「コウタ……後で話す時間を作ってみるから別の部屋で待っててくれる?」
「お、おう……すまん」

  大人しくしてよ………。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。  彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。  彼女は思った。 (今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。  今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。 

さら
恋愛
 私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。  そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。  王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。  私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。  ――でも、それは間違いだった。  辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。  やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。  王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。  無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。  裏切りから始まる癒しの恋。  厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

処理中です...