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33話 図書館
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「その…… まぁ、勘違いされる様な言い方をしたのは認めるわ……」
「へー」
「で、でもね!今日言おうとしたのよ」
「今日?」
「えっとーーー」
ヒルダが言い訳をしようと口を開いたのと同時に周りの人が少し騒がしくなり俺を見ている。いや、俺の後ろを見ている様な………。
後ろを振り向くとヒルダの家族、皇帝陛下御一行が立っていた。
親父さんはイタズラが成功して楽しそうに笑顔、お母さまは少し困った様に親父さんを微笑ましく見ている。ジークは本当に申し訳なさそうな顔で俺を見ている。
するとヒルダは御一行の中に並び言った。
「ーーー実はこのタイミングで言うつもりでした」
「アハハーコレハケッサクダー」
「あ、あれ?やり過ぎた?ご、こめんね?」
この後、めちゃくちゃ飯を喰った。
「最近、時間の流れが早い」
「何よ急に」
昼頃、俺はヒルダの部屋で紅茶を飲みながら愚痴を聞いたりしていた。
「いや~、ここに来て一ヶ月過ぎたのを昨日知って驚いたわけさ」
「街を散歩して食って寝るだもんね」
「それはお前もだろ」
「私は付き合い何かで色々あんのよ」
「うへぇー……、俺もいつ頃に帰るかな」
「……そう、ね」
ん?何故かヒルダの顔を下に向け黙りこむ。
「……まぁ、なんだ。別に帝国に二度と来れない訳じゃ無いし、また来るよ」
「なに言ってるのよ……」
「いーや別に、それに帰る目処も立ってないしまだ先の話かな」
「さっさと帰っちゃえ」
「残念、俺はここを遊び尽くすまで帰らんぞ」
「遊び尽くすって……、ここに永住でもするの?」
「それも選択肢のーーー「無い」 ーーさいですか……」
「ふふ、あ、ヒルダ様ご報告が」
「どうしたの?」
「はい、どうやらデイリース王国のヘリック様と勇者様御一行がこちらに向かっているそうです」
一瞬、紅茶を吹きそうになった。
手紙を送って気付いて迎えでも寄越して貰えるかな? とか思っていたが、まさか本人達が来るとは思わなかった………。
「どうかしたのですか、コウタ様?」
「ん?何でもない、何でもない」
「はぁ…?」
「………」
ヒルダが俺の事を凄い見てくる、流石に怪しいか……。
「ごほっごほっ…… いや、王子様が勇者とはいえ4、5人で来るとは思わなくてさ」
「ーーー人数なんて言ってないんだけど」
「おー、そりゃあお前……、勇者って言ったら5人位のパーティーが妥当だろう?」
「ふーん………」
「あ!?紅茶を飲み過ぎて腹がぁぁぁぁ!」
「……あっそ、行ってらっしゃい」
「……あ、はい。行ってきます………」
最近は勇者の来訪、魔族の襲撃、帝国に転移やら色々ありすぎてここ一ヶ月の平和な毎日は混乱していた俺の頭を冷静にするには充分過ぎる位だった。
だからこそ気付いた……、俺が真っ先に調べるべき事を………。
ーーー"使徒"の事である。
いやむしろこの一ヶ月に毎日、美少女と街に出掛けて旨い飯を食って、ふかふかのベッドで寝る。考える暇が無かった……。
あれだけ魔族が意味深に言って、しかも自分の意識を弄られたのに目先の欲に駆られてすっかり使徒の事が抜け落ちていた。
「ーーーえっと、図書館…図書館……」
調べるなら図書館しか無い!というかそれ以外の調べ方を知らない。いつもヒルダと朝食を食べに行ってる店のおばさんに聞いてみた。
「図書館かい? ーーほら、あそこに緑色の屋根の大きい建物があるだろう?」
「えー、あったあった。あれかぁー、ありがとおばさん」
「あいよー、またいつでも来な」
「おーう」
店を出て少し歩くと図書館の前まで着いた。立派な建物で首が痛くなるほど見上げ思わず声が出てしまった。
「「おぉ~……」」
ん? 隣を見ると小さな男の子が俺と同じように建物を見上げ声を出していた。すぐに母親が男の子を迎えに来て隣にいた俺に微笑んできた。
端から見れば男の子と同じ格好で声を出していたと……。
なんとなく気まずくなりさっさと図書館に入った。
室内に入ると元の世界でもそうそう見ないようなデカい本棚がいくつも並んでおり「ファンタジーだなぁ……」 等と呆けていたら職員らしき人が近寄ってきた。
「なにかお探しでしょうか?」
「あ……、えっと"使徒"に関するーーー」
「使徒…ですか?」
「えぇ……」
「ちょっと分かりませんね……」
「そう、ですか……、じゃあ女神アルテミシアの事等は」
「はい、それでしたら。ーーー少々お待ち下さい」
それから数分後、職員が何冊か本を抱えて来てくれた。
「ふぅ……、こちらが女神アルテミシアについての本になります」
「ありがとうございます」
「いえ、では頑張って下さい」
「はい」
持ってきてくれた本を机に置き一冊のページ数の多さにやる気が削がれそうになる。
「ーーーはぁ……、あの女神にどんだけページを使ってんだ………」
その日は閉館時間まで6割位を休憩に使い本を読んだ。
一冊の半分も行かなかった………。
「へー」
「で、でもね!今日言おうとしたのよ」
「今日?」
「えっとーーー」
ヒルダが言い訳をしようと口を開いたのと同時に周りの人が少し騒がしくなり俺を見ている。いや、俺の後ろを見ている様な………。
後ろを振り向くとヒルダの家族、皇帝陛下御一行が立っていた。
親父さんはイタズラが成功して楽しそうに笑顔、お母さまは少し困った様に親父さんを微笑ましく見ている。ジークは本当に申し訳なさそうな顔で俺を見ている。
するとヒルダは御一行の中に並び言った。
「ーーー実はこのタイミングで言うつもりでした」
「アハハーコレハケッサクダー」
「あ、あれ?やり過ぎた?ご、こめんね?」
この後、めちゃくちゃ飯を喰った。
「最近、時間の流れが早い」
「何よ急に」
昼頃、俺はヒルダの部屋で紅茶を飲みながら愚痴を聞いたりしていた。
「いや~、ここに来て一ヶ月過ぎたのを昨日知って驚いたわけさ」
「街を散歩して食って寝るだもんね」
「それはお前もだろ」
「私は付き合い何かで色々あんのよ」
「うへぇー……、俺もいつ頃に帰るかな」
「……そう、ね」
ん?何故かヒルダの顔を下に向け黙りこむ。
「……まぁ、なんだ。別に帝国に二度と来れない訳じゃ無いし、また来るよ」
「なに言ってるのよ……」
「いーや別に、それに帰る目処も立ってないしまだ先の話かな」
「さっさと帰っちゃえ」
「残念、俺はここを遊び尽くすまで帰らんぞ」
「遊び尽くすって……、ここに永住でもするの?」
「それも選択肢のーーー「無い」 ーーさいですか……」
「ふふ、あ、ヒルダ様ご報告が」
「どうしたの?」
「はい、どうやらデイリース王国のヘリック様と勇者様御一行がこちらに向かっているそうです」
一瞬、紅茶を吹きそうになった。
手紙を送って気付いて迎えでも寄越して貰えるかな? とか思っていたが、まさか本人達が来るとは思わなかった………。
「どうかしたのですか、コウタ様?」
「ん?何でもない、何でもない」
「はぁ…?」
「………」
ヒルダが俺の事を凄い見てくる、流石に怪しいか……。
「ごほっごほっ…… いや、王子様が勇者とはいえ4、5人で来るとは思わなくてさ」
「ーーー人数なんて言ってないんだけど」
「おー、そりゃあお前……、勇者って言ったら5人位のパーティーが妥当だろう?」
「ふーん………」
「あ!?紅茶を飲み過ぎて腹がぁぁぁぁ!」
「……あっそ、行ってらっしゃい」
「……あ、はい。行ってきます………」
最近は勇者の来訪、魔族の襲撃、帝国に転移やら色々ありすぎてここ一ヶ月の平和な毎日は混乱していた俺の頭を冷静にするには充分過ぎる位だった。
だからこそ気付いた……、俺が真っ先に調べるべき事を………。
ーーー"使徒"の事である。
いやむしろこの一ヶ月に毎日、美少女と街に出掛けて旨い飯を食って、ふかふかのベッドで寝る。考える暇が無かった……。
あれだけ魔族が意味深に言って、しかも自分の意識を弄られたのに目先の欲に駆られてすっかり使徒の事が抜け落ちていた。
「ーーーえっと、図書館…図書館……」
調べるなら図書館しか無い!というかそれ以外の調べ方を知らない。いつもヒルダと朝食を食べに行ってる店のおばさんに聞いてみた。
「図書館かい? ーーほら、あそこに緑色の屋根の大きい建物があるだろう?」
「えー、あったあった。あれかぁー、ありがとおばさん」
「あいよー、またいつでも来な」
「おーう」
店を出て少し歩くと図書館の前まで着いた。立派な建物で首が痛くなるほど見上げ思わず声が出てしまった。
「「おぉ~……」」
ん? 隣を見ると小さな男の子が俺と同じように建物を見上げ声を出していた。すぐに母親が男の子を迎えに来て隣にいた俺に微笑んできた。
端から見れば男の子と同じ格好で声を出していたと……。
なんとなく気まずくなりさっさと図書館に入った。
室内に入ると元の世界でもそうそう見ないようなデカい本棚がいくつも並んでおり「ファンタジーだなぁ……」 等と呆けていたら職員らしき人が近寄ってきた。
「なにかお探しでしょうか?」
「あ……、えっと"使徒"に関するーーー」
「使徒…ですか?」
「えぇ……」
「ちょっと分かりませんね……」
「そう、ですか……、じゃあ女神アルテミシアの事等は」
「はい、それでしたら。ーーー少々お待ち下さい」
それから数分後、職員が何冊か本を抱えて来てくれた。
「ふぅ……、こちらが女神アルテミシアについての本になります」
「ありがとうございます」
「いえ、では頑張って下さい」
「はい」
持ってきてくれた本を机に置き一冊のページ数の多さにやる気が削がれそうになる。
「ーーーはぁ……、あの女神にどんだけページを使ってんだ………」
その日は閉館時間まで6割位を休憩に使い本を読んだ。
一冊の半分も行かなかった………。
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