とある少年の非行

如月圭

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 家出して九カ月、またネオン街を彷徨った。出会い系アプリで一泊二食付き、SEX込みで五万円、と打ち込み、自分の顔写真を撮る。それを投稿すると、直ぐに女性が食い付いた。後腐れがないような、女性や男性を探し、気の合いそうな人の所へ会いに行くと、大抵の人は、秋の存在を知っていて、アプリに食い付く、自分はそれを利用した。冬の間は、そうやって、人の家に転がり込んでは、料理とSEXをして、暖かい家を確保した。


 春になり、中二になると、不良に絡まれる事が多くあった。右近さん直伝の喧嘩で、相手を負かすと、無性に煙草が吸いたくなる。久しく忘れていた煙草を、不良から一本貰うと、ライターを借り、煙草に火をつけて吸った。喧嘩の後の煙草が美味いと教えてくれたのも右近さんだった。

 一ヶ月ほど、喧嘩ざんまいが続き、持っている所持金が少なくなってきた頃、不良達も自分を避けるようになった。そして、また、自分を買ってくれそうな女性や男性を探す。そんな毎日に飽きてきた、中二の春、ネオン街で彷徨っていると、一人の男に声を掛けられる。


 「なぁ、そこのお兄さん、俺の店で働かないか?」

 「俺?何の店?」

 「バーテンダー、そのルックスなら酒の作り方と接客を覚えれば、店が潤う!月三十万円でどうだ?」

 「俺、未成年、十四歳だよ」

 「なっ……。まぁ、良い。四歳年を偽れ」

 「十八歳ってこと?」

 「そうだ、お前は十八歳の大学生、バーテンダー見習い、良いな?」

 「良いですけど、俺、住む場所が無いので」

 「あぁ、それなら、住み込みか、良いぜ!」

 「住み込み……。良いですよ、どうせ、行くあてないんで」

 そうナンパされ、雑居ビルの四階にそのBARがあり、五階の六畳一間でキッチン、バス、トイレ付きで月五万円の家賃、バーテンダー見習いとして、店の掃除、カクテルの作り方を必死に憶えた。そのBARの店長である吉井と言う男に、

 「秋か、……名前春に変更しろ」

 「別に良いですけど」

 「髪も、オールバックにしろ!その方が大人びて見える」

 「わかりました」

 言われるまま、髪を後ろへ撫でつけ、ワックスで整えると、バーテンダー見習いの春として、夏頃に店のバーカウンターに立てるまでになった。注文を必死でさばき、お客と会話しながら、楽しんでもらえる様に頑張った。

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