旦那様と僕~それから~

三冬月マヨ

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それぞれの絆

【旦】雪旦那と紫緒【六】

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 軽く目を伏せて頷く雪緒ゆきおを見てから、俺はその腰に手を伸ばし、帯を解いて浴衣を開けた。
 露わになったそれは、雪緒の白く華奢な物ではない。日々の訓練、任務で鍛えられた、余計な肉の無い肉体だ。処々に傷痕がある。中でも大きいのは…仰向けの今は解らないが、背中にある傷か。雪緒がそっと、慈しむ様に撫でる背中の傷。それは俺の勲章となっている。
 掌でそっと腹を撫でれば、ぴくりとその腹が動いた。己の腹の肉の動きなぞ、そうじっくりと見る機会等無いから、面白くてそのまま掌を滑らせて行く。

「…っ…あ、の…っ…!」

「どうした?」

 答えは解っているが、それを聞きたくて俺は意地悪く訊ねてみた。

「…は…ずかし…です…っ…!」

 涙が混じった様な声で、途切れ途切れに叫んで、雪緒は両手で顔を覆ってしまった。
 手の隙間から除く顔の色は、紅く色付いていた。

「すまんな…嫌だったか?」

 言いながら、俺は腹をなぞり、腰へと滑らせて行く。

「い、嫌な…訳では…あり、ません…っ…!」

「なら、そのまま感じていろ」

 腰骨の辺りをゆっくりと撫でながら褌の紐を緩めて行けば、ゆるりと鎌首をもたげたそれが顔を現した。
 ぷくりと浮かぶそれに、知らずごくりと喉が鳴る。
 己の一物を銜えたいなぞとは思わないし、大体、そんな事が実現出来る筈も無い。
 だが。

「ゆっ、ゆ、旦那様っ!?」

 俺は、今、雪緒だ。
 雪緒の、あの可愛らしい口が、どの様に俺の物を…と、想像した事が無いと云えば、嘘になる。

「だ、旦那様、いけませんっ!!」

 立てた雪緒の脚の間に入り込み、身体を曲げて、右手で竿を掴み、れろりとそれを舐め上げれば、雪緒は両腕を伸ばして、俺の頭に押し当てて離そうとして来たが、それは逆効果だ。
 それは、ただ、俺を煽るだけの物に過ぎない。
 雪緒の口で、唇で、舌で、刺激を与える度に、それは硬度を増し、天を目指して行く。
 我ながら正直な物だと、目元を緩め、ふっと息を吐く様に笑えば、雪緒の身体がぴくりと跳ねた。

「そっ、その様な、場所で笑わないで下さい…っ…!」

「すまんな。俺が、余りにも正直者で、つい、可笑しくなってしまったのだ」

「しょ…ぅじ…き…」

 頭を上げて、雪緒の顔を見て笑えば、雪緒は一度大きく目を見開いた後、俺の頭から手を離し、再び顔を覆ってしまった。その顔は先程よりも紅く熟れて破裂しそうに見えた。

「…心配せずとも、お前に無理強いするつもりは無いから、安心しろ」

「…あ、あん…しん…って…ふぁ…っ…!」

 緩く笑ってから、再び、今は雪緒の一物を口に含む。竿を持つ手をずらし、玉袋をやわやわと揉めば、雪緒は堪らず色のある声を上げた。
 自分の声で興奮するのもどうかと思うが、雪緒が口にした様に、俺とは声の出し方が違う、息の継ぎ方が違う。ちろちろと先端を舐めれば、ヒクヒクと震えるそれが愛しくて堪らない。
 空いていた左手で帯を緩め、苦しくなって来た褌の紐を緩めて解き、後ろへと左腕を伸ばす。
 風呂に入っている時に解してはいたが、念の為だ。
 己の一物を銜え、腰を高く上げて尻の穴を弄る俺は、雪緒の目にはどう映っているのだろうか?
 こんな自分を見たくは無かったと泣くだろうか?
 雪緒に泣かれると弱いが…。
 そろりと視線を上げれば、顔から手を離し、目元を紅く染め、息を乱しながらも、俺をじっと見詰める雪緒の視線とかち合った。
 にやりと挑発的に笑ってやれば、とろりと蕩けた微笑を雪緒は浮かべた。
 どうやら、問題は無いらしい。
 いや、あるのだろうが、無いと云う事で良いだろう。
 そろそろ頃合いかと、だらしなく涎を垂らすそれに、軽く口付けてから身体を起こし、俺は浴衣から腕を抜いて、ばさりと布団の外へと放った。

「…雪緒…」

 再び雪緒の腰を跨ぎ身を屈め、安心させる様に、長い前髪を掻き上げ、汗の滲む額に唇を寄せて、頬を撫でた。

「俺が逃げない様に、腰を掴んでくれ」

 雪緒は初めてでは無いが、俺自身は初めてだし、何より、これからやる事は、雪緒自身も経験が無い事だ。

「…え…は…?」

 言われるがままに、俺の腰に手を伸ばした処で、今更ながら雪緒は何が行われるのか、気が付いた様だ。

「…俺をくれてやると言っただろう?」

 不敵に笑いながら、片手ですっかり硬くなったそれを孔に宛てがい、先端をくぷりと銜えさせ、俺は両手を雪緒の腹の上に置いた。

「ふ、あ、ふ、ふえぇぇえぇ――――――――――っ!?」

 目を見開いて全力で叫ぶ雪緒の情けない声に、脱力しそうになる。
 いや、ここまで来て、本当に気付かなかったのか? お前は、今まで何を見て来たのだ?
 大体、俺がお前の初めてを、筆おろしを貰う訳にはいかないだろうが。お前に俺が抱ける筈も無いし。
 ならば、互いに慣れているこれが一番良いに決まっている。

「…そら…しっかりと支えてくれ…」

 逃げそうになる腰に、震え出しそうな脚に、力を入れて、ぬぷぬぷとそれを飲み込んで行く。

「ふえっ…ふえっ…ふえっ…」

 情けない声を出す雪緒だが、それでも両手で俺の腰を支えてくれる。
 刀を握り続けて、すっかり硬くなった俺の手だが、それが素肌を撫でるのは、存外悪くはないのだなと思った。

「…ぐぅ…っ…」

 張りのある部分を飲み込み、そのまま腰を落としてしまいたくなるが、それでは駄目だ。
 雪緒にしっかりと、抱く側の気持ちを味わわせてやりたい。
 ゆっくりと、じっくりと。

「ふえ…ふえ…」

 狭い胎内を押し広げ、侵入して来る熱に気が狂いそうになる。

「…あ、つい、な…お前は…」

「…っふ、あ、ふぇ…ぼ、僕も…あ、ついでふぇ…」

「…そうか」

 ゆるゆると円を描く様に腰を動かせば、雪緒がぴくぴくと脈を打つのが伝わって来る。

「ふぇ…ふぇっ…ふぇえ…」

 …しかし…姿形が変わっても、雪緒のこれは変わらんのだな…。…いや、慣れたし…。…今更だが…だが…少しは違う声が出ても良いと思うのだが…。

 少しだけ遠い目をしながら、俺は腰を浮かせ、ずろりと抜けそうなそれを再び飲み込む。僅かに勢いをつけて。

「がっ!?」

「ふぇっ!?」

 僅かのつもりだったが、勢いがあり過ぎたらしい。目の前に光が走り、一瞬、頭が真っ白になってしまった。しかも、口惜しい事に、俺の口から出た声は、望んでいた物とは違う、雪緒では発しない類の親父臭い声だった。

「…っそ…!」

 思わず悪態が口をついてしまうが、仕方が無い。己の言葉の喘ぎ声なぞ聞きたくも無い。
 が、雪緒がそうである様に、例え、雪緒の声を持っていても、中身が俺なのだから、発する言葉は普段のそれになってしまうのだろう。
 …残念過ぎる…。
 残念過ぎるが、仕方が無い。
 誰が、雪緒の声で、親父臭い喘ぎ声を聞きたいと思うのだ。

「…根比べと…行くか…?」

「…ふえ…?」

 思い通りに行かないのが、世の常だ。
 これは、もう、俺が自分の声に耐えられるか否かの戦いだ。
 雪緒には悪いが、早々に果てて貰うしかないだろう。
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