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それが、幸せ
14.最後の恋
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「…ど、どうだ…?」
「…うーん…ウメボシ…?」
不安そうな、心細そうな先生の声に、俺は首を捻りながら答えた。
「梅干し…?」
俺が呟いた言葉に、先生は納得いかない様な声を出した。
俺は今、ベッドの上で仰向けで寝て、膝を立てて脚を開いた先生の間に陣取って、必死に隠していたそこを見ていた。で、その感想がウメボシ。
「ウメボシや食べた時に、口を窄めるだろ? そんな感じ?」
「…なる程…梅干し…梅干し、か…っ…!」
ぷはっと眉を下げて笑う先生は、すっかりいつもの先生で、俺は安心する。
「…なあ…触ってみても良いか?」
安心したら、そう思った。
見られるのを嫌がったんだから、触られるのも嫌がると思うけど。
「は? えっ!?」
ほら、やっぱり。
見て不安が少しでも消えたんなら、次は触って、更に不安を消してやりてーじゃん。
「そんなに驚く事か? 的場だって俺のチンコ触ったじゃん」
ちょっと拗ねた様に言えば、先生は顔を赤くしてふいって横を向いた。
「あ、れは…っ…! ペ…ニスとアナルとでは違うだろう…」
…チンコにケツ穴じゃないのか…覚えておこ。
「…触られるの嫌か?」
「…お前は嫌じゃないのか?」
「聞き返すなよ、ずりー。嫌だったら言わねーし」
「…そうだな…」
肩を竦めて笑う先生のそれをオッケーとして、俺は左手を先生の膝の上に置いて、右手をそろそろと伸ばした。
そっと触れば、先生の身体がピクリと動く。それが、膝の上に置いた手にダイレクトに伝わって来た。
「…怖いのか…?」
ぷるぷる小さくまだ震える先生に声を掛ける。
怖いって言われても、止めねーけど。
先生の不安が消えるまで、絶対止めねー。
「…まあ…そんな処を他人に触られるのは、病院ぐらいでしかないからな…」
「座薬とか浣腸とか?」
俺のチョイスに先生は目を丸くした後、噴き出した。
「ぶっ。それもあるが、健康診断もあるだろうが」
あ。俺の歳だと、まだだけど…何歳からか忘れたけどケツも診るんだっけ?
「あ、そっか。ところでさ、何か濡れてね? 身体ちゃんと拭いてねーのかと思ったけど…何か、ぬるってしてるし…」
「……」
先刻から疑問に思ってた事を口にしたら、先生の唇がキュッて結ばれた。
「的場?」
どうしたんだ? って思って名前を呼べば、先生は何度か口を閉じたり開いたりしてから、話しだした。
「…じゅ…準備…終わってると言っただろう…」
「うん?」
軽く首を傾げる俺に、先生は目を閉じて言った。
「…それ…ローション…」
「ろーすん…」
って、コンビニの名前だっけ?
「…じょ、せいみたく…自然と濡れたりはしないから…ほ、ぐすのに使って…その…そ、挿入の時も…あった方が…」
違う、そうじゃない、ろーしょんだって、セルフ突っ込みしてる間に、先生はまた両手で顔を覆っていた。手の隙間から見える顔は、やっぱり赤い。
「…なるほど…」
ってか、するってそんな言葉が出るんだ。
何か、もやっとする。
そりゃ、先生は俺より全然大人だし、経験だってあるんだろうけど。それは、仕方のない事だけど。でも、やっぱり。
「…ムカつく」
「は? いきなり何だ?」
唇を尖らせた俺に、先生が手を退けて不思議そうな顔で見て来た。
「的場、モテたろ? 恋人居たんだよな? ヤる時はあんなカッコ良いなんて詐欺だろ。ギャップあり過ぎ」
うん、ずりー。
あの落差はずりー。
「は!? いや!? モテ…って、俺が!? って、カッコ良かった…?」
慌てる先生だけど、本当に自覚ねーの?
あんな先生知ったら、絶対惚れるしかねーじゃん。
「謙遜とかいーし。もう、的場は俺のだし」
先生の膝にある俺の手が、ビクンって跳ねた。
違うか。先生の脚が動いたんだ。
だから、何で驚くんだよ?
「いや、謙遜なんて…って、ほ、穂稀、お前、自分で言った事忘れたのか?」
「何をだよ」
「…身なりを整えなければって言ったのは穂稀だろう。前世を思い出す前の俺は、自分で言うのもあれだが…ずっと昔からボサボサのヨレヨレの冴えない男だったんだぞ?」
「あ」
そう言えば、そうだった。
初めて見た時、そう思ったんだった。
「そっか…的場が身なりを整え出したのが、俺に会った後で良かった」
でなきゃ、わらわらと周りに虫が飛んでて近付けなかったよな。
「~~~~~~~…いぃ……」
「…的場…?」
良かったって笑って、うんうんって頷いていたら、下から声にならない声が聞こえた。
また、両手で顔を隠してるし。
「…推しが無自覚に殺しに来てるぅ~死ぬぅ~…」
身体を倒して胸に顔を押し付けて頭の方に意識を向ければ、そんな悶える様な声が聞こえた。てか、小刻みに身体が揺れてるから、本当に悶えてんのか?
「…殺さねーし、死ぬなよ…てか、そうなるの俺だけだよな? 俺の前だけ、だよな?」
胸から顔を離して聞けば、先生はコクコクと頷いた。
「なら、いーし。顔隠したり、声を殺したりするなよ」
ぺったりくっつくのも気持ち良くて、そのままで居たいけど、首が痛いから俺は身体を起こす。
軽く手を置いた先生の胸がドクドクなってて、それに俺はやっぱり笑ってしまう。
こんな風になんのも、俺だけなんだよな?
「…穂稀…?」
「フダンシな的場、面白いし可愛いからもっと見せろよ」
指の隙間から俺を見る先生がやっぱり可愛くて、俺はニッて笑った。
「かは…っ…!! 仰げば尊死とは、この事か…っ…!!」
仰げば尊し? 仰ぐのは生徒とか弟子だろ?
「いや、解んねーし…てか、まだ死ねねーだろ?」
先生の胸から手を動かして、顔を隠す先生の手を退ける。
「え?」
瞬きする先生に、俺はひょいって肩を竦めて笑う。
「…教えてくれよ。ちゃんと。俺、どうすれば良い?」
「…あ…」
「…ここ、俺のチンコ挿れるのに、どうしたら良いんだ?」
先生の手を離して、今度は先生の腹へと動かして、そこをゆっくりと掌で撫でた。
「…っ…! 推しが雄に雄が推しに推しが雄み推しが…!」
「早口言葉言ってねーで教えてくれよ」
トンッて軽く先生の下の口を突いたら、ピクンッてその身体が跳ねた。
「…っ…、風呂…で…解したから…その…だが…時間が経ったから…不安…かな…。…その…そこのチェストに…一番上の引き出しに…ローション…ボトルがあるから…」
もごもごと話す言葉を聞き取って、俺は一旦ベッドから下りて、ベッド脇にあるチェストへと周る。
言われた通りに一番上の引き出しを開けたら、英字で書かれたボトルと長細い箱があった。ボトルの中にあるのは透明な液体だ。軽く振れば、とろんとろんと揺れた。
「ローション…と…」
ごくりと唾を飲んで、ボトルと長細い箱を持ってベッドへと上がる。
「ああ、ありがとう」
先生が照れた様に手を伸ばして来たから、俺はペチンとその手を叩いた。
「穂希?」
「俺がやるから」
「え」
「何で固まるんだよ。二人でヤるもんだって言ったろ」
「い、いや…しかし…」
「…じゃあ、これで的場はどうするつもりだったんだよ? 風呂っつってたけど、それをここでするつもりだった? 俺に見られながら?」
「う…」
俺がそう言えば、先生の顔はもうこれ以上ないってぐらいに赤くなった。火を噴くかも知れない。
◇
先生に教えられた通りに、ボトルからローションを掌に流して温めて指に纏わせる。
最初はゆるゆると穴の周りをなぞった。
先に先生がいじっていたからか、そこは柔らかくて、指で押せば、ぬぷぅって喰い付いて来た。
爪、切る習慣があって良かった。パン屋でのバイトの時に、店長に『爪は短く!』って怒られてて良かった。
「…っ…ふ…っ…」
気持ち良いのか悪いのか解んねーけど、漏れる先生の声も、吐く息も熱い。そんな先生の声を聞いたり、恥ずかしそうな顔を見る俺の身体も熱い。何だかんだで、しょんぼりしてた俺のチンコも、先生のチンコも、元気が出て来てる。
「手、退けてくれよ。声、聞かせて」
三本に増えた指を動かしながら、俺は先生の顔を見る。先生は恥ずかしいのか、きつく両目を閉じて、両手で口を押さえていた。目尻に浮かぶ涙が明かりに光って、綺麗だなって思った。
でも、先生は首を横に振る。
きっと、また『こんな親父の声なんて』って、思ってんだろな。
親父じゃなくて、先生の声だから聞きたいんだけどな。
「…指…難なく動かせるし…良い、のか?」
熱い先生の中で、三本の指をうにうに動かしながら聞けば、先生はやっぱり口を押さえたままで首を縦に振った。
「…声、聞かせてくれよ。俺、一人でヤってるみてーじゃん…こんなの寂しいし…」
「…ほ…まれ…」
ずっと口を押さえていたからか、上手く動かなくて掠れた様な、呂律が回らない様な、そんな声だった。けど、真っ直ぐと俺を見て、名前を呼んでくれた事が嬉しい。
「うん」
だから、その気持ちのまま笑えば、ふっと先生も笑った。
ゆっくりと先生の中から指を抜いて行けば、ヒクヒクとその身体が揺れる。
手を伸ばして、ローションと一緒に持って来た長細い箱から新しいゴムを取り出す。先生が着けてくれたゴムを外すのは、何か勿体ねーけど。けど、もう、俺の汁でグチョグチョで緩い気がするし…交換した方が良いよな?
慣れない手付きでゴムと格闘する俺を、先生が優しい顔で…でも、熱い目で見て来る。
期待…してんだ…?
初めてだし、上手く出来るか自信なんて微塵もねーけど。
けど。
この熱い中に入りたい。
俺の全部で先生が好きだって教えたい。
最後の恋だって、先生は言った。
俺以外、絶対に好きにさせないし、俺だって、先生を最後の恋にする。
だから。
教えてやるよ。
俺の全部。
「…的場…」
先生の膝裏に手を掛けて、持ち上げれば。
「…ああ、来い…」
先生はいつもの様に、へにゃりと笑った。
「…うーん…ウメボシ…?」
不安そうな、心細そうな先生の声に、俺は首を捻りながら答えた。
「梅干し…?」
俺が呟いた言葉に、先生は納得いかない様な声を出した。
俺は今、ベッドの上で仰向けで寝て、膝を立てて脚を開いた先生の間に陣取って、必死に隠していたそこを見ていた。で、その感想がウメボシ。
「ウメボシや食べた時に、口を窄めるだろ? そんな感じ?」
「…なる程…梅干し…梅干し、か…っ…!」
ぷはっと眉を下げて笑う先生は、すっかりいつもの先生で、俺は安心する。
「…なあ…触ってみても良いか?」
安心したら、そう思った。
見られるのを嫌がったんだから、触られるのも嫌がると思うけど。
「は? えっ!?」
ほら、やっぱり。
見て不安が少しでも消えたんなら、次は触って、更に不安を消してやりてーじゃん。
「そんなに驚く事か? 的場だって俺のチンコ触ったじゃん」
ちょっと拗ねた様に言えば、先生は顔を赤くしてふいって横を向いた。
「あ、れは…っ…! ペ…ニスとアナルとでは違うだろう…」
…チンコにケツ穴じゃないのか…覚えておこ。
「…触られるの嫌か?」
「…お前は嫌じゃないのか?」
「聞き返すなよ、ずりー。嫌だったら言わねーし」
「…そうだな…」
肩を竦めて笑う先生のそれをオッケーとして、俺は左手を先生の膝の上に置いて、右手をそろそろと伸ばした。
そっと触れば、先生の身体がピクリと動く。それが、膝の上に置いた手にダイレクトに伝わって来た。
「…怖いのか…?」
ぷるぷる小さくまだ震える先生に声を掛ける。
怖いって言われても、止めねーけど。
先生の不安が消えるまで、絶対止めねー。
「…まあ…そんな処を他人に触られるのは、病院ぐらいでしかないからな…」
「座薬とか浣腸とか?」
俺のチョイスに先生は目を丸くした後、噴き出した。
「ぶっ。それもあるが、健康診断もあるだろうが」
あ。俺の歳だと、まだだけど…何歳からか忘れたけどケツも診るんだっけ?
「あ、そっか。ところでさ、何か濡れてね? 身体ちゃんと拭いてねーのかと思ったけど…何か、ぬるってしてるし…」
「……」
先刻から疑問に思ってた事を口にしたら、先生の唇がキュッて結ばれた。
「的場?」
どうしたんだ? って思って名前を呼べば、先生は何度か口を閉じたり開いたりしてから、話しだした。
「…じゅ…準備…終わってると言っただろう…」
「うん?」
軽く首を傾げる俺に、先生は目を閉じて言った。
「…それ…ローション…」
「ろーすん…」
って、コンビニの名前だっけ?
「…じょ、せいみたく…自然と濡れたりはしないから…ほ、ぐすのに使って…その…そ、挿入の時も…あった方が…」
違う、そうじゃない、ろーしょんだって、セルフ突っ込みしてる間に、先生はまた両手で顔を覆っていた。手の隙間から見える顔は、やっぱり赤い。
「…なるほど…」
ってか、するってそんな言葉が出るんだ。
何か、もやっとする。
そりゃ、先生は俺より全然大人だし、経験だってあるんだろうけど。それは、仕方のない事だけど。でも、やっぱり。
「…ムカつく」
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唇を尖らせた俺に、先生が手を退けて不思議そうな顔で見て来た。
「的場、モテたろ? 恋人居たんだよな? ヤる時はあんなカッコ良いなんて詐欺だろ。ギャップあり過ぎ」
うん、ずりー。
あの落差はずりー。
「は!? いや!? モテ…って、俺が!? って、カッコ良かった…?」
慌てる先生だけど、本当に自覚ねーの?
あんな先生知ったら、絶対惚れるしかねーじゃん。
「謙遜とかいーし。もう、的場は俺のだし」
先生の膝にある俺の手が、ビクンって跳ねた。
違うか。先生の脚が動いたんだ。
だから、何で驚くんだよ?
「いや、謙遜なんて…って、ほ、穂稀、お前、自分で言った事忘れたのか?」
「何をだよ」
「…身なりを整えなければって言ったのは穂稀だろう。前世を思い出す前の俺は、自分で言うのもあれだが…ずっと昔からボサボサのヨレヨレの冴えない男だったんだぞ?」
「あ」
そう言えば、そうだった。
初めて見た時、そう思ったんだった。
「そっか…的場が身なりを整え出したのが、俺に会った後で良かった」
でなきゃ、わらわらと周りに虫が飛んでて近付けなかったよな。
「~~~~~~~…いぃ……」
「…的場…?」
良かったって笑って、うんうんって頷いていたら、下から声にならない声が聞こえた。
また、両手で顔を隠してるし。
「…推しが無自覚に殺しに来てるぅ~死ぬぅ~…」
身体を倒して胸に顔を押し付けて頭の方に意識を向ければ、そんな悶える様な声が聞こえた。てか、小刻みに身体が揺れてるから、本当に悶えてんのか?
「…殺さねーし、死ぬなよ…てか、そうなるの俺だけだよな? 俺の前だけ、だよな?」
胸から顔を離して聞けば、先生はコクコクと頷いた。
「なら、いーし。顔隠したり、声を殺したりするなよ」
ぺったりくっつくのも気持ち良くて、そのままで居たいけど、首が痛いから俺は身体を起こす。
軽く手を置いた先生の胸がドクドクなってて、それに俺はやっぱり笑ってしまう。
こんな風になんのも、俺だけなんだよな?
「…穂稀…?」
「フダンシな的場、面白いし可愛いからもっと見せろよ」
指の隙間から俺を見る先生がやっぱり可愛くて、俺はニッて笑った。
「かは…っ…!! 仰げば尊死とは、この事か…っ…!!」
仰げば尊し? 仰ぐのは生徒とか弟子だろ?
「いや、解んねーし…てか、まだ死ねねーだろ?」
先生の胸から手を動かして、顔を隠す先生の手を退ける。
「え?」
瞬きする先生に、俺はひょいって肩を竦めて笑う。
「…教えてくれよ。ちゃんと。俺、どうすれば良い?」
「…あ…」
「…ここ、俺のチンコ挿れるのに、どうしたら良いんだ?」
先生の手を離して、今度は先生の腹へと動かして、そこをゆっくりと掌で撫でた。
「…っ…! 推しが雄に雄が推しに推しが雄み推しが…!」
「早口言葉言ってねーで教えてくれよ」
トンッて軽く先生の下の口を突いたら、ピクンッてその身体が跳ねた。
「…っ…、風呂…で…解したから…その…だが…時間が経ったから…不安…かな…。…その…そこのチェストに…一番上の引き出しに…ローション…ボトルがあるから…」
もごもごと話す言葉を聞き取って、俺は一旦ベッドから下りて、ベッド脇にあるチェストへと周る。
言われた通りに一番上の引き出しを開けたら、英字で書かれたボトルと長細い箱があった。ボトルの中にあるのは透明な液体だ。軽く振れば、とろんとろんと揺れた。
「ローション…と…」
ごくりと唾を飲んで、ボトルと長細い箱を持ってベッドへと上がる。
「ああ、ありがとう」
先生が照れた様に手を伸ばして来たから、俺はペチンとその手を叩いた。
「穂希?」
「俺がやるから」
「え」
「何で固まるんだよ。二人でヤるもんだって言ったろ」
「い、いや…しかし…」
「…じゃあ、これで的場はどうするつもりだったんだよ? 風呂っつってたけど、それをここでするつもりだった? 俺に見られながら?」
「う…」
俺がそう言えば、先生の顔はもうこれ以上ないってぐらいに赤くなった。火を噴くかも知れない。
◇
先生に教えられた通りに、ボトルからローションを掌に流して温めて指に纏わせる。
最初はゆるゆると穴の周りをなぞった。
先に先生がいじっていたからか、そこは柔らかくて、指で押せば、ぬぷぅって喰い付いて来た。
爪、切る習慣があって良かった。パン屋でのバイトの時に、店長に『爪は短く!』って怒られてて良かった。
「…っ…ふ…っ…」
気持ち良いのか悪いのか解んねーけど、漏れる先生の声も、吐く息も熱い。そんな先生の声を聞いたり、恥ずかしそうな顔を見る俺の身体も熱い。何だかんだで、しょんぼりしてた俺のチンコも、先生のチンコも、元気が出て来てる。
「手、退けてくれよ。声、聞かせて」
三本に増えた指を動かしながら、俺は先生の顔を見る。先生は恥ずかしいのか、きつく両目を閉じて、両手で口を押さえていた。目尻に浮かぶ涙が明かりに光って、綺麗だなって思った。
でも、先生は首を横に振る。
きっと、また『こんな親父の声なんて』って、思ってんだろな。
親父じゃなくて、先生の声だから聞きたいんだけどな。
「…指…難なく動かせるし…良い、のか?」
熱い先生の中で、三本の指をうにうに動かしながら聞けば、先生はやっぱり口を押さえたままで首を縦に振った。
「…声、聞かせてくれよ。俺、一人でヤってるみてーじゃん…こんなの寂しいし…」
「…ほ…まれ…」
ずっと口を押さえていたからか、上手く動かなくて掠れた様な、呂律が回らない様な、そんな声だった。けど、真っ直ぐと俺を見て、名前を呼んでくれた事が嬉しい。
「うん」
だから、その気持ちのまま笑えば、ふっと先生も笑った。
ゆっくりと先生の中から指を抜いて行けば、ヒクヒクとその身体が揺れる。
手を伸ばして、ローションと一緒に持って来た長細い箱から新しいゴムを取り出す。先生が着けてくれたゴムを外すのは、何か勿体ねーけど。けど、もう、俺の汁でグチョグチョで緩い気がするし…交換した方が良いよな?
慣れない手付きでゴムと格闘する俺を、先生が優しい顔で…でも、熱い目で見て来る。
期待…してんだ…?
初めてだし、上手く出来るか自信なんて微塵もねーけど。
けど。
この熱い中に入りたい。
俺の全部で先生が好きだって教えたい。
最後の恋だって、先生は言った。
俺以外、絶対に好きにさせないし、俺だって、先生を最後の恋にする。
だから。
教えてやるよ。
俺の全部。
「…的場…」
先生の膝裏に手を掛けて、持ち上げれば。
「…ああ、来い…」
先生はいつもの様に、へにゃりと笑った。
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