王道ですが、何か?

樹々

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第四王道『異世界にトリップ、てきな? Ⅱ』

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「ぁ……」

 張り詰めた先輩のモノが苦しそうに揺れている。あえてそこからは手を離している。

 筋肉質な太ももを柔らかく触りながら、自分のモノを出し入れさせる。項のあたりにキスをしていると、突然、先輩がイッた。

 仰け反る体がヒクついた。出したばかりの先輩のモノを握ってやる。

「まだ、出しますか?」

「……もう……無理だ。君も早くイッてくれ・・・…」

「俺はまだ、先輩のここから離れたくないです」

 イッたばかりの先輩の太ももを借りたままでいた。出し入れする俺から離れていこうとしている。

「やだ。まだ触りたい」

 腰にしがみついた。ついでに先輩のあそこも握ってしまう。

「萩野君!」

「ね、先輩?」

 先端を弄ってあげた。先輩の体が丸まっていく。どんどん、元気になっていくモノに興奮せずにはいられない。腰が自然と揺れてしまう。

「先輩……!」

「……!」

 逞しい背中にキスをした時だった。握っていた俺の手が強い力で振り払われてしまう。しがみついていた腰も引き離された。

 拒絶された、やりすぎた。

 慌てて起き上がろうとした俺よりも先に、先輩に両足首を持ち上げられていた。

「……ぇ?」

「くっ……!」

 仰向けにされた俺は、太ももの間に先輩のモノが差し込まれるのを見ることしかできない。素股を、素股を先輩がしている。

「ぁ……! ちょっ……!」

 力は強かった。掴まれた足首はほどけそうにない。眉間に皺を寄せた先輩の熱い視線が俺の顔から離れない。

 太ももから覗く先輩のモノ。それを見ていると俺のモノも一緒に腫れていく。

 まるで先輩に抱かれているようで。一気に頭に血が昇る。

「ぁ……やばっ! 先輩……出る!」

 顔をくしゃっと歪ませた俺に、先輩の目が血走った。奥歯を噛み締めながらイッている。俺の太ももの間から先輩のモノが吐き出された。俺もまた、握りしめた手の中でイッた。

 体中に力を入れていたせいか、脱力感が半端なかった。解放された足首にも力が入らない。だらりと横たわる俺に、先輩が覆い被さってくる。

 間近にある綺麗な顔。ぼうっと放心した先輩は、おもむろに唇を重ねてきた。ためらいもなく舌が差し込まれている。

「……!」

「ん……こう……か?」

 俺の舌を探り当てながら、夢中で吸っている。わなわな体が震えた。先輩からキスしてくれた上に、ディープキスとは。

 サキイカは克服できたのか?

 分からない。分からないけれどこのチャンスは逃せない。

 先輩の首に両腕を回してキスに応えた。次にいつできるか分からない。俺からも差し込もうとしたらバッと顔を離された。

「駄目だ」

「……え? な、何で?」

「なんとなく駄目だ」

 急に冷静になった先輩に戸惑うことしか出来ない。顔に出ていたのだろう、大きな手で俺の頬を包み込みながら、唇をなぞってくる。

「やはり、そうなんだと思う」

「な、何がでしょうか?」

「僕は……どうやら君を抱きたいようだ」

 ひたりと、胸に手を添えられた。ふにっと唇も揉まれてしまう。

「子供ができるわけではない。この行為に意味があるとも思えない。だが、僕の体は君を抱こうとしているとしか思えない」

 まるで他人ごとのように自分を分析した先輩は、スッと立ち上がっている。綺麗なその立ち姿を見上げた俺に手を差し出している。

「考えてみてくれないか? 抱く側なら、最後までできると思う」

 言われた意味が理解できない、したくはない俺の手を掴んで引き起こした先輩は、シャワーを手に取った。

「さ、洗ってしまおう」

 いつもの、冷静な先輩に戻ると、俺の体にシャワーを当てている。無意識に頷きながら、ボディーソープを手に取った。



 ……大ピーーーーンチッ!!



 気付いた俺は、脳内絶叫をすることしかできなかった。




第四王道『異世界にトリップ、てきな? Ⅱ』

 終わり

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