王道ですが、何か?

樹々

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第一王道『異世界にトリップ、てきな?』

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「先輩?」

「換わってみようか」

「……え?」

 萩野を引き寄せると反転させた。僕が覆い被さり、彼のモノを握ってみる。落ち込んでいるからか、しょんぼりしている。

「妹の漫画では、こうやって、こうか?」

「え……ぁっ! うっ……」

 右手は彼の顔横へ突いたまま、左手で撫でてみた。僕とは違ってすぐに反応してくる。握ったり扱いたりしてやると、立派にたち上がった。

 彼の太ももが震えてくる。左足を股ごすように覆い被さっていたせいで、震えている足と触れあった。

 桃色の照明が、彼の顔を淡い色に染めている。感じているのだろう、胸元を仰け反らせている。

「せん……ぱいっ! 俺……」

「なるほど」

 ギュッと強く握るとイッている。飛び出さないよう、左手で受け止めた。どろりとしたものが溢れてくる。自分とは違う男のもの。

 汗ばんだ萩野の体。なんとなく、黒髪を掻き上げてやる。潤んだ瞳が僕を見上げた。

「先輩……ぁっ!」

「気持ち良かった?」

「……先輩も? 俺のイキ顔で感じたんですか!?」

「……え?」

 何のことだろう。思っているとギュッと握ってくる。両手で握られた僕のモノは、彼が言うように反応していた。

「今なら……! 俺、頑張ります!」

「いや、ちょ、ちょっと待って……!」

 萩野に覆い被さったまま握られてしまった。先ほどとは違い、体から力が抜けるようだ。突っぱねていた右腕からも力が抜けてしまう。彼の肩に崩れ落ちてしまった。

 腰が震えてしまう。何だ、この感覚は。

 いつの間にか、出したばかりの彼のモノと一緒に擦られている。萎んでいたはずの彼のモノは復活していた。彼の両手が、僕達のモノを熱心に擦ってくる。

「ぅっ……!」

 感じたことがないものだった。下半身が熱くて仕方が無い。萩野の肩から顔を上げられなくなっていた。

「先輩……!」

 耳に吹き込まれる彼の声。いつも僕を呼ぶ声なのに、下半身をますます疼かせた。反応してしまったのが伝わったのだろう、何度も僕を呼んでいる。

「先輩……明先輩……!」

「もっ……離してくれ……! 駄目だ……!」

 萩野を抱き締めならがイッていた。彼のモノにかけてしまう。それに合わせるように萩野もイッていた。

 信じられなかった。僕が他人の手でイクなんて。しかも、他人のモノと一緒に?

 乱れてしまった息を戻そうにも、体がヒクついてなかなか上手くいかない。萩野の顔を見ることもできなかった。

 だから、気付かなかった。

 彼の眼が血走り、顔を寄せていることに。

「先輩……! 色気たまりません!」

 肩に埋めていた顔を掘り出され、キスをされてしまう。慌てて唇を見ないよう、瞼を閉じたけれど、口に何か入ってきた。

 動いている。

 僕の口の中で何か動いている!

 目を見開いた時、ちょうど彼が一度、唇を離していて。

 再びキスをしようと寄せてきたその唇から見えた僅かな舌に、何が僕に入っていたのかを理解した。

「……うっ!!」

「……えっ」

「うぅっ!!」

 込み上げてくる。もう、これは我慢できない。

「ま、待って! と、トイレ! トイレ行きましょう!!」

 丸まって吐き出そうとした僕を抱え上げた萩野はトイレまで運んでくれた。

 僕はもう、我慢せずに全てを吐き出した。

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