3 / 50
本編
3.地下室に来た人達
しおりを挟む
長い間地下室に閉じ込められていたマインには、今が何月何日の何曜日なのかわからない。それどころか、ここにどのくらい閉じ込められていたのかも。
体内時計は、一日を過ごす中でも自然と狂ってくるのだという。それをリセットし正常に戻すのが太陽の光だ。そんな知識を得たのはどこでだったか。
太陽の光を浴びることも許されなかったマインの狂いに狂った体内時計では、自分がどのくらい眠っていたのかすらもわからない。
もしかしたら一日眠っていたのかもしれないし、一時間程しか眠れていないのかもしれない。そんな曖昧な覚醒と微睡みを繰り返していたマインは、ふとした違和感を覚えた。
「お腹……空いた……」
普段なら、激しい空腹を感じる前にメイドか召使いの誰かしらが食事を持ってくる。それが今、マインは激しい空腹を感じていた。
最後に食事が運ばれてきたのはいつだろう。正確には覚えていないけれど、もう随分前のような気がする。
(ああ……ついに見限られてしまったのかな……)
いつだったかに来たメイドが、自分が死んでしまうとあの男に怒られると言っていた。それが誰も食事を運んでこなくなったということは、もういつ自分が死んでも支障がなくなったということだ。
もしかしたら、欠陥品の宝石しか作り出すことが出来ないマインよりも大金を稼ぐ他の方法を、彼らは見付け出したのかもしれない。そうして自分への興味は薄れ、忘れられてしまったのだろう。
(それはそれで……好都合かも……)
長く続く痛みや苦しみから解放されるのなら。どんな形だって終わってくれるのなら。
(次に目が覚めたら、温かい場所がいいな……)
地下室は寒過ぎて、石の床は冷た過ぎた。
きっと次に眠ってしまえば、何もかもから解放されている時だと思うから。だから次に目が覚めたら、まともな暮らしが出来ている人生を送れますように。
そう願いながら、マインは目を閉じた。
~*~*~*~
次に目が覚めたら、温かい場所にいたい。そんな彼女の願いは、そう簡単には叶わなかった。
「何だこの扉は? 地下室か……?」
「間取り図にこんな場所はなかったが……あのクソ野郎め、こんな場所に何を隠していたんだ」
扉の外から話し声が聞こえ、彼女は目を覚ます。
どのくらい眠っていたのだろう。やっぱりそれはわからなかった。
「鍵がかかっているな……ヤツから押収した鍵束に、それらしいものはあったか?」
「待っていろ、試してみる」
会話の内容はよく聞こえないけれど、聞こえる声は彼女の知らない声ばかりだ。もしかしたら新しい召使い達かもしれない。
ガチャガチャと聞こえるけれど、どうも扉を開けようとして手こずっているらしい。鍵は、あの男から受け取っていないのだろうか。
やがて、ガチャンと施錠が外れる音がする。
「開いたぞ!」
「中から音は……聞こえないな」
「油断はするなよ? なんせ悪徳男爵が、隠し部屋まで作って隠そうとしていた物だ。何が中にいるかわかったもんじゃない」
「わァってるよ」
ノブがゆっくりと回され、扉が開く。入ってきたのは二人。両方共に男だろう。顔は暗くてよく見えないけれど、足音と共にガチャガチャと金属が鳴る音がしている。鎧でも着ているのだろうか。
「しかし暗ぇな……」
「うわっ、何だこの臭い……何かいるのか?」
「暗くて何も……いや待て、何かあるぞ……?」
部屋の隅に眠っていた彼女を、二人の男は見付けたらしい。
「待ってくれ、明かりをつける」
室内を照らし出した明かりの眩しさに、彼女は少し目をしかめる。
「子供……じゃないか……!?」
「子供ォ? この家には、ジュスティーヌ以外の子供はいねぇはずだぞ?」
近付いてきた二人の男が着ているのは、彼女が見たことのない鎧だ。その雰囲気は、〝新しい召使い〟とは言い難い。
「ひでぇ怪我だ……死んでるのか?」
「いや、辛うじて呼吸はしてるみたいだ。ただこのまま放置してたら……」
「お、おい待て! この顔……この方は……!」
半ば無理矢理、顔が上を向かされる。彼女の顔を覗き込む二人の男の表情が、瞬く間に驚愕なものへと変わっていった。
「っ、す、すぐに公子様をお連れしろ!」
「あ、ああ!」
一人の男が、慌ただしく地下室を出ていく。
(一体何……?)
彼らが何者なのか、今がどういう状況なのかはわからない。しかしそれを彼らに直接問いかけるような体力は、もう残されてはいなかった。
「公女様ッ! お気を確かに……!」
公女、とは一体誰のことだろうか。わからないけれど、男の言葉が自分に向いていることは確かだった。
「……ぁ、う」
しかし答えようにも、声が掠れて上手く出ない。
「ッ、あのクソ野郎、なんてことしやがった……!」
強い怒りをはらんだ悪態が聞こえ、次いで体がふわりと浮く感覚がする。浮くというよりは、男に抱き上げられたという方が正解だろうか。
彼女を抱き抱えたまま、彼は地下室の扉の方へと歩いていく。
「あ……」
ダメ、と思ったのは、長い間あの男から地下室の外へは出てはいけないと言い付けられていたからだろうか。出てしまったら、何をされるかわからない。
彼女が体を硬直させたことに、男は気が付いたらしい。
「大丈夫です。もうあのクソ野郎共はここにはいません。いたとしても、俺達がもう手出はさせません」
男は、歩みを止めることなく地下室の扉から外へと出た。階段を上がるにつれ、屋敷内の騒がしさに気付く。それと同時に、窓から差し込んでくる長く浴びていなかった太陽の光が眩しくて、彼女はぎゅうと目を閉じた。
知らない匂いに知らない声。どこか屋敷内の様子がおかしい。しかし様子を確かめようにも、目が霞んで周りの様子がよく目えないのだ。
「おい! 軍医を連れてこい! 早急にだ!」
「は、はい!」
男の怒鳴り声と共に、複数人が慌ただしく動き出すような足音や声が聞こえる。
自分はどうなるのだろう。これから何をされるのだろう。わけのわからない現状と、これからのこととに不安を感じて。
やがてこちらに向かってくる二つの足音に気が付いた。
「確かなのか!?」
「はい! 間違いなく公女様です!」
ひとつは先程地下室に来た男のものだ。もうひとつは、足音も声も聞いたことのない男のもので。
その足音がすぐ近くまで来た時、ゆっくりと止まった。
「ぁ……リリィ」
誰かを呼ぶ愕然とした声と共に、ゆっくり、ゆっくりと足音が近付いてくる。
あの男から貰った自分の名前は〝マイン〟だったはずだ。しかし、力ない声で何度も呼ばれる〝リリィ〟という名前が、どうしてだか自分の名前だと認識出来てしまって。
「リリィ……ああ、リリィ……どうして、こんな……」
彼の手が、彼女の頬へと触れる。
「体中傷だらけで、ひどく衰弱もしています。辛うじて生きてはいますが、早く対処しなければ……今、軍医を呼んでいます」
「ッ、馬車も用意しろ。ここでは応急処置程度しか出来ない。それと、我がルヴェール邸と王宮へ……ジュードへ使いを走らせろ。リリィは絶対、死なせるな」
「はっ、御意に」
彼女の体に、もう一組の腕が添えられた。きっと彼のものだろう。今まで触れていた男の腕が離れ、自分の体が明け渡されたのだとわかった。
「リリィ、僕だ。わかるかい?」
霞む視界の中、彼が覗き込んでくる。はっきりとは見えないけれど、その顔に見覚えはなかった。けれどどうしてだろうか、懐かしさも感じて。
彼女はその服の襟を、弱く引く。
「おなか……すい、た……」
これから自分を害するかもしれない男に助けを乞うなんて笑えてしまうけれど。しかしそれでも安心感を覚えてしまったのは、彼の腕の温かさにやられてしまったからだろうか。
しかしやっぱり、体力がなくなりすぎてしまったらしい。だんだんと、瞼が重くなる。
「リ、リィ……? ダメだ、リリィッ……!」
何度も何度も名前らしきものを呼ばれているけれど、それに応えて目を開ける体力はもう残っていない。
せっかく外へ出してもらったのに、自分はここで死んでしまうんだろうか。悔しいけれど、これはこれでいいのかもしれない。
どうしてだか自分のために泣いてくれる彼の涙が頬に落ちてくるのを感じながら、彼女の意識はゆっくりと沈んでいった。
体内時計は、一日を過ごす中でも自然と狂ってくるのだという。それをリセットし正常に戻すのが太陽の光だ。そんな知識を得たのはどこでだったか。
太陽の光を浴びることも許されなかったマインの狂いに狂った体内時計では、自分がどのくらい眠っていたのかすらもわからない。
もしかしたら一日眠っていたのかもしれないし、一時間程しか眠れていないのかもしれない。そんな曖昧な覚醒と微睡みを繰り返していたマインは、ふとした違和感を覚えた。
「お腹……空いた……」
普段なら、激しい空腹を感じる前にメイドか召使いの誰かしらが食事を持ってくる。それが今、マインは激しい空腹を感じていた。
最後に食事が運ばれてきたのはいつだろう。正確には覚えていないけれど、もう随分前のような気がする。
(ああ……ついに見限られてしまったのかな……)
いつだったかに来たメイドが、自分が死んでしまうとあの男に怒られると言っていた。それが誰も食事を運んでこなくなったということは、もういつ自分が死んでも支障がなくなったということだ。
もしかしたら、欠陥品の宝石しか作り出すことが出来ないマインよりも大金を稼ぐ他の方法を、彼らは見付け出したのかもしれない。そうして自分への興味は薄れ、忘れられてしまったのだろう。
(それはそれで……好都合かも……)
長く続く痛みや苦しみから解放されるのなら。どんな形だって終わってくれるのなら。
(次に目が覚めたら、温かい場所がいいな……)
地下室は寒過ぎて、石の床は冷た過ぎた。
きっと次に眠ってしまえば、何もかもから解放されている時だと思うから。だから次に目が覚めたら、まともな暮らしが出来ている人生を送れますように。
そう願いながら、マインは目を閉じた。
~*~*~*~
次に目が覚めたら、温かい場所にいたい。そんな彼女の願いは、そう簡単には叶わなかった。
「何だこの扉は? 地下室か……?」
「間取り図にこんな場所はなかったが……あのクソ野郎め、こんな場所に何を隠していたんだ」
扉の外から話し声が聞こえ、彼女は目を覚ます。
どのくらい眠っていたのだろう。やっぱりそれはわからなかった。
「鍵がかかっているな……ヤツから押収した鍵束に、それらしいものはあったか?」
「待っていろ、試してみる」
会話の内容はよく聞こえないけれど、聞こえる声は彼女の知らない声ばかりだ。もしかしたら新しい召使い達かもしれない。
ガチャガチャと聞こえるけれど、どうも扉を開けようとして手こずっているらしい。鍵は、あの男から受け取っていないのだろうか。
やがて、ガチャンと施錠が外れる音がする。
「開いたぞ!」
「中から音は……聞こえないな」
「油断はするなよ? なんせ悪徳男爵が、隠し部屋まで作って隠そうとしていた物だ。何が中にいるかわかったもんじゃない」
「わァってるよ」
ノブがゆっくりと回され、扉が開く。入ってきたのは二人。両方共に男だろう。顔は暗くてよく見えないけれど、足音と共にガチャガチャと金属が鳴る音がしている。鎧でも着ているのだろうか。
「しかし暗ぇな……」
「うわっ、何だこの臭い……何かいるのか?」
「暗くて何も……いや待て、何かあるぞ……?」
部屋の隅に眠っていた彼女を、二人の男は見付けたらしい。
「待ってくれ、明かりをつける」
室内を照らし出した明かりの眩しさに、彼女は少し目をしかめる。
「子供……じゃないか……!?」
「子供ォ? この家には、ジュスティーヌ以外の子供はいねぇはずだぞ?」
近付いてきた二人の男が着ているのは、彼女が見たことのない鎧だ。その雰囲気は、〝新しい召使い〟とは言い難い。
「ひでぇ怪我だ……死んでるのか?」
「いや、辛うじて呼吸はしてるみたいだ。ただこのまま放置してたら……」
「お、おい待て! この顔……この方は……!」
半ば無理矢理、顔が上を向かされる。彼女の顔を覗き込む二人の男の表情が、瞬く間に驚愕なものへと変わっていった。
「っ、す、すぐに公子様をお連れしろ!」
「あ、ああ!」
一人の男が、慌ただしく地下室を出ていく。
(一体何……?)
彼らが何者なのか、今がどういう状況なのかはわからない。しかしそれを彼らに直接問いかけるような体力は、もう残されてはいなかった。
「公女様ッ! お気を確かに……!」
公女、とは一体誰のことだろうか。わからないけれど、男の言葉が自分に向いていることは確かだった。
「……ぁ、う」
しかし答えようにも、声が掠れて上手く出ない。
「ッ、あのクソ野郎、なんてことしやがった……!」
強い怒りをはらんだ悪態が聞こえ、次いで体がふわりと浮く感覚がする。浮くというよりは、男に抱き上げられたという方が正解だろうか。
彼女を抱き抱えたまま、彼は地下室の扉の方へと歩いていく。
「あ……」
ダメ、と思ったのは、長い間あの男から地下室の外へは出てはいけないと言い付けられていたからだろうか。出てしまったら、何をされるかわからない。
彼女が体を硬直させたことに、男は気が付いたらしい。
「大丈夫です。もうあのクソ野郎共はここにはいません。いたとしても、俺達がもう手出はさせません」
男は、歩みを止めることなく地下室の扉から外へと出た。階段を上がるにつれ、屋敷内の騒がしさに気付く。それと同時に、窓から差し込んでくる長く浴びていなかった太陽の光が眩しくて、彼女はぎゅうと目を閉じた。
知らない匂いに知らない声。どこか屋敷内の様子がおかしい。しかし様子を確かめようにも、目が霞んで周りの様子がよく目えないのだ。
「おい! 軍医を連れてこい! 早急にだ!」
「は、はい!」
男の怒鳴り声と共に、複数人が慌ただしく動き出すような足音や声が聞こえる。
自分はどうなるのだろう。これから何をされるのだろう。わけのわからない現状と、これからのこととに不安を感じて。
やがてこちらに向かってくる二つの足音に気が付いた。
「確かなのか!?」
「はい! 間違いなく公女様です!」
ひとつは先程地下室に来た男のものだ。もうひとつは、足音も声も聞いたことのない男のもので。
その足音がすぐ近くまで来た時、ゆっくりと止まった。
「ぁ……リリィ」
誰かを呼ぶ愕然とした声と共に、ゆっくり、ゆっくりと足音が近付いてくる。
あの男から貰った自分の名前は〝マイン〟だったはずだ。しかし、力ない声で何度も呼ばれる〝リリィ〟という名前が、どうしてだか自分の名前だと認識出来てしまって。
「リリィ……ああ、リリィ……どうして、こんな……」
彼の手が、彼女の頬へと触れる。
「体中傷だらけで、ひどく衰弱もしています。辛うじて生きてはいますが、早く対処しなければ……今、軍医を呼んでいます」
「ッ、馬車も用意しろ。ここでは応急処置程度しか出来ない。それと、我がルヴェール邸と王宮へ……ジュードへ使いを走らせろ。リリィは絶対、死なせるな」
「はっ、御意に」
彼女の体に、もう一組の腕が添えられた。きっと彼のものだろう。今まで触れていた男の腕が離れ、自分の体が明け渡されたのだとわかった。
「リリィ、僕だ。わかるかい?」
霞む視界の中、彼が覗き込んでくる。はっきりとは見えないけれど、その顔に見覚えはなかった。けれどどうしてだろうか、懐かしさも感じて。
彼女はその服の襟を、弱く引く。
「おなか……すい、た……」
これから自分を害するかもしれない男に助けを乞うなんて笑えてしまうけれど。しかしそれでも安心感を覚えてしまったのは、彼の腕の温かさにやられてしまったからだろうか。
しかしやっぱり、体力がなくなりすぎてしまったらしい。だんだんと、瞼が重くなる。
「リ、リィ……? ダメだ、リリィッ……!」
何度も何度も名前らしきものを呼ばれているけれど、それに応えて目を開ける体力はもう残っていない。
せっかく外へ出してもらったのに、自分はここで死んでしまうんだろうか。悔しいけれど、これはこれでいいのかもしれない。
どうしてだか自分のために泣いてくれる彼の涙が頬に落ちてくるのを感じながら、彼女の意識はゆっくりと沈んでいった。
15
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
朝日みらい
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる