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本編
10.夫から見る、母親としての妻
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気高く、美しく、堂々としていて、それでいて陽の光のように暖かい優しさを持つ女性。しかしその中に硝子のように脆い心が隠れているのを、夫であるデイビッドは知っていた。
───八年もの間行方不明だったリリィが見付かった。
そんな知らせを、警察隊として悪徳男爵の屋敷へ家宅調査をしに乗り込んでいたアンドリューからの使者から受け取って。彼が抱き抱えて帰ってきたリリィの凄惨な姿を見て、クリスティーは膝から崩れ落ちた。
八年もの間無事に見付かることを祈ってきた愛娘がそんな姿で帰ってきたのだ。生きているとはいえ、無理もないだろう。
「クリスティー、無理にここにいる必要はないよ。ここは私達に任せて、君は部屋で休んでいるといい」
彼女には少々荷が重すぎる。リリィのことも心配ではあるけれど、それと同時にクリスティーも心配なのだ。しかし彼女は言われた通りにしようとはせず、リリィを抱え部屋に走るアンドリューの後ろを追おうとしていて。
「リリィ、そんな……イヤ……イヤよ……」
壊れた絡繰人形のようにそんなことを繰り返して、フラフラとアンドリューの後をついていく。
母として、子を守る本能が働いていたのだろうか。今にも倒れそうなのに、覚束無い足取りで我が子の元へと向かおうとするその姿にデイビッドは心を痛めた。そっとその体を支えながら彼女の歩調に合わせて、随分と先に行ってしまったアンドリューの後を追う。
無理矢理部屋に押し込めるのもひとつの手段ではあったけれど、それをしてしまう方がこの先の彼女の心を壊してしまうような気がして。その判断が正しかったのか、デイビッドには今でもわからない。
「リリィ……リリィ、お母さんよ……ああ、どうしてこんな……お願い、目を覚まして……」
ジュードがルヴェール邸へ駆け付けるまでの間、ベッドへ横たえさせたリリィへと縋り付き涙を流すクリスティーの姿に、少しだけ後悔してしまったのは確かだ。
服とも言えないボロ布を着させられ、そこから覗く体や四肢はやせ細っていて。そしてその肌にはいくつもの傷が刻まれ、痣が浮かび上がっている。デイビッドやアンドリューですら、ショックを受けて呆然とする姿だったのに。手放しで大丈夫だと言えるわけがなくて、何も言えずにその背中を支えてやるしか出来なくて。
その日から、クリスティーはすっかりと憔悴しきってしまった。リリィが行方不明になってしまった日から、体調の優れない日々を送っていたから仕方ない話ではある。それに、その一週間後に目を覚ましたリリィが自分達のことを忘れてしまったとわかったのだから尚更だ。
しばらくは、部屋どころかベッドの上からすら動けない日々が続いた。
それでもその一週間後、無理にでもベッドから出ようとしたのは母親故だからだろうか。直接顔を合わせる勇気はないからか、リリィが寝静まった後で彼女の部屋を訪ねていたのだけれど。しかし、それでも十分な進歩だった。
「無理をしなくてもいいんだよ?」
フラついている彼女を支えながら、デイビッドもそれに付き添っていて。
「いいえ……そういうわけにはいきませんわ」
やっぱり彼女は強かで、そして脆い。だからつい、デイビッドは過保護になってしまうのだ。案外、臆病で脆いのは彼の方かもしれない。
寝息を立てるリリィの頬を、クリスティーは寂しそうに撫でていた。
「情けない母親でごめんなさいね……」
情けない、だろうか。人間、誰にだってキャパシティというものはある。大きなショックを受ける出来事が続いたら、自分を守るために防衛本能が働くのは当たり前のことだろうに。
ゆっくり歩み寄っていけばいい。そう思っていたデイビッドの計画が崩れたのは、そんなことを続けて一週間しか経っていない時だった。
「……お嬢様が悲しがっておりました」
夕食の時、リリィの専属メイドであるシンシアがそんなことを言ってきた。
付きっきりでいられない分、一日の終わりに彼女の様子を専属のメイドに聞いているのが日課になっていて。その日もそうしていたのだけれど、どこか言いづらそうにしたシンシアはそう言ったのだ。
「悲しがっていた? どういうことかな?」
「ええ、と……」
シンシアの視線が向いたのはクリスティーの方で。彼女自身の顔も悲しそうに歪んだ後で、ゆっくりと口を開いた。
「この件に関して、奥様を責めているわけではありません。仕方がないことですから……」
そう前置きをして、言いづらそうに顔を伏せる。
「奥様が顔を見せてくださらないのは、自分を嫌っているからではないかと……」
「そう、なのね……」
クリスティーは、持っていたナイフとフォークを置いて眉を下げた。
失敗したかもしれない、とデイビッドは思った。シンシアに、毎日夕食時にリリィの様子を教えてほしいとの命を与えていたのは彼だ。しかし半分ほどの食事を残してカトラリーを置いてしまったクリスティーはもう、この後の食事を楽しむことは出来ないだろう。ただでさえ今の彼女には、リリィと同じくらい食事や睡眠も大切だと言うのに。
しかし同じ屋敷で暮らす以上、これはいずれぶつかる問題だった。
「……無理をしなくていいんだよ、クリスティー。リリィの記憶が戻ってくれば、君のことも思い出してくれるさ」
「ですが……」
慰めるようにその手を握るけれど、眉を下げた泣きそうな表情が変わることはない。デイビッドは、彼女のその顔を見たくはないのだ。笑った顔や怒った顔や……大抵の表情は好きなのだけれど、この顔だけは心がザワついてしまう。
結構その後、あまり食が進まなかったクリスティーの表情が穏やかになることはなかった。
自分の妻と娘。二人について今後どうしていくべきか考えながら、夕食後の執務室で昼間に残してしまった仕事を片付けていた。どうすれば彼女達に心の負担を与えずに済むか、どうすれば二人に平穏な生活を与えることが出来るのか。その悩みは、数十分後に思わぬ形で解決したのだ。
考え事をしながらの仕事で予定よりもだいぶん遅くに寝室へ向かったのだけれど、そこに先に来ているはずのクリスティーの姿はなかった。どこへ行ったのか、この場合は悩んだり慌てたりする必要もない。
(無理はしなくていいと言ったはずなんだがなぁ……)
責任感が強い彼女を焦らせてしまっただろうか。そんな必要はないのに、なんて。
しかしまた、自分の方が臆病だったのだと知ったのは向かった先……リリィの部屋の前にたどり着いてからだ。
扉の前に立てば、二人の泣き声が聞こえて。心配になって少しだけ扉を開けて覗いてみれば、抱き合って泣いている二人が見えた。
(ああ、やはり……)
臆病なのは自分の方なのかもしれない、なんて。
後ろから廊下を歩いてくる足音が聞こえ、静かに扉を閉めて音の方を見る。
「アンドリュー」
しーっ、と人差し指を唇の前へとかざした。彼は、それに頷いて。
「母上御一人でリリィの部屋へ入っていく足音が聞こえて、心配で来たのですが……」
「ああ。どうやら、私達が出る幕はなさそうだよ」
それでも二人してそこを動かないのは、やっぱり心配だったからで。邪魔にならないよう、アンドリューと音を立てずに中の様子に耳をそばだてる。
数分経った頃だ。泣き声が聞こえなくなったのを見計らって、デイビッドは控え目に扉をノックした。
「私だよ。入ってもいいかな?」
「は、はい……!」
中から緊張しているようなリリィの声が聞こえて、アンドリューと顔を見合せてゆっくりと扉を開き部屋の中へ入る。
「あ……」
泣いた後の少しだけぼんやりとしているらしいリリィの体が、入ってきたデイビッドとアンドリューを認めた瞬間ふらりと動いた。まだ歩くことさえやっとだろうに、ベッドから出ようとしていて。
「リリィ……!」
クリスティーが止める間もなく、二人の方へと歩き出す。案の定、覚束無い足がもつれて傾く。
「危ない……!」
「ッ……」
デイビッドとアンドリューが同時に動き、彼女が床に倒れる前に同時に支えて。
「無理しないでおくれ。話したければ私達の方から行くから」
そう窘めれば、まだ細く弱々しい手がそれでもしっかりと自分を支える二人の腕を掴む。
「お父様と、お兄様……だったのですね……」
ここにきて、帰ってきた彼女に初めてそう呼ばれた。自然とその細い体を支える腕に力がこもる。
「私は……私の名前は、リリィ・ルヴェールなのですね……」
「そうだよ。思い出してくれたかな……?」
嬉しさでどうにかなってしまいそうな気持ちを抑え、冷静を装って彼女の顔を覗き込んだ。それでも上がった口角や弾む声は隠しきれなかったけれど。
「まだ……名前と、断片的にしか……」
「それでいいんだよ……! ああ、よく思い出してくれたね……!」
アンドリューは、嬉しさを隠そうともせずリリィを抱き締めた。
「おかえり、リリィ……!」
「ただいま帰りました、お兄様……お父様とお母様も……忘れてしまって、ごめんなさい……」
「リリィのせいじゃないわ。だから、謝らないで」
「そうだよ。私達はリリィが思い出してくれるだけで嬉しいんだから」
感涙にむせぶアンドリューと、そんな彼に抱き締められるままにまた泣くリリィ。彼女から零れる涙の宝石は、傷一つなく輝いていて。そんな二人を見守りながら寄り添い微笑み合うルヴェール夫妻の目にもまた、涙が浮かんでいた。
───八年もの間行方不明だったリリィが見付かった。
そんな知らせを、警察隊として悪徳男爵の屋敷へ家宅調査をしに乗り込んでいたアンドリューからの使者から受け取って。彼が抱き抱えて帰ってきたリリィの凄惨な姿を見て、クリスティーは膝から崩れ落ちた。
八年もの間無事に見付かることを祈ってきた愛娘がそんな姿で帰ってきたのだ。生きているとはいえ、無理もないだろう。
「クリスティー、無理にここにいる必要はないよ。ここは私達に任せて、君は部屋で休んでいるといい」
彼女には少々荷が重すぎる。リリィのことも心配ではあるけれど、それと同時にクリスティーも心配なのだ。しかし彼女は言われた通りにしようとはせず、リリィを抱え部屋に走るアンドリューの後ろを追おうとしていて。
「リリィ、そんな……イヤ……イヤよ……」
壊れた絡繰人形のようにそんなことを繰り返して、フラフラとアンドリューの後をついていく。
母として、子を守る本能が働いていたのだろうか。今にも倒れそうなのに、覚束無い足取りで我が子の元へと向かおうとするその姿にデイビッドは心を痛めた。そっとその体を支えながら彼女の歩調に合わせて、随分と先に行ってしまったアンドリューの後を追う。
無理矢理部屋に押し込めるのもひとつの手段ではあったけれど、それをしてしまう方がこの先の彼女の心を壊してしまうような気がして。その判断が正しかったのか、デイビッドには今でもわからない。
「リリィ……リリィ、お母さんよ……ああ、どうしてこんな……お願い、目を覚まして……」
ジュードがルヴェール邸へ駆け付けるまでの間、ベッドへ横たえさせたリリィへと縋り付き涙を流すクリスティーの姿に、少しだけ後悔してしまったのは確かだ。
服とも言えないボロ布を着させられ、そこから覗く体や四肢はやせ細っていて。そしてその肌にはいくつもの傷が刻まれ、痣が浮かび上がっている。デイビッドやアンドリューですら、ショックを受けて呆然とする姿だったのに。手放しで大丈夫だと言えるわけがなくて、何も言えずにその背中を支えてやるしか出来なくて。
その日から、クリスティーはすっかりと憔悴しきってしまった。リリィが行方不明になってしまった日から、体調の優れない日々を送っていたから仕方ない話ではある。それに、その一週間後に目を覚ましたリリィが自分達のことを忘れてしまったとわかったのだから尚更だ。
しばらくは、部屋どころかベッドの上からすら動けない日々が続いた。
それでもその一週間後、無理にでもベッドから出ようとしたのは母親故だからだろうか。直接顔を合わせる勇気はないからか、リリィが寝静まった後で彼女の部屋を訪ねていたのだけれど。しかし、それでも十分な進歩だった。
「無理をしなくてもいいんだよ?」
フラついている彼女を支えながら、デイビッドもそれに付き添っていて。
「いいえ……そういうわけにはいきませんわ」
やっぱり彼女は強かで、そして脆い。だからつい、デイビッドは過保護になってしまうのだ。案外、臆病で脆いのは彼の方かもしれない。
寝息を立てるリリィの頬を、クリスティーは寂しそうに撫でていた。
「情けない母親でごめんなさいね……」
情けない、だろうか。人間、誰にだってキャパシティというものはある。大きなショックを受ける出来事が続いたら、自分を守るために防衛本能が働くのは当たり前のことだろうに。
ゆっくり歩み寄っていけばいい。そう思っていたデイビッドの計画が崩れたのは、そんなことを続けて一週間しか経っていない時だった。
「……お嬢様が悲しがっておりました」
夕食の時、リリィの専属メイドであるシンシアがそんなことを言ってきた。
付きっきりでいられない分、一日の終わりに彼女の様子を専属のメイドに聞いているのが日課になっていて。その日もそうしていたのだけれど、どこか言いづらそうにしたシンシアはそう言ったのだ。
「悲しがっていた? どういうことかな?」
「ええ、と……」
シンシアの視線が向いたのはクリスティーの方で。彼女自身の顔も悲しそうに歪んだ後で、ゆっくりと口を開いた。
「この件に関して、奥様を責めているわけではありません。仕方がないことですから……」
そう前置きをして、言いづらそうに顔を伏せる。
「奥様が顔を見せてくださらないのは、自分を嫌っているからではないかと……」
「そう、なのね……」
クリスティーは、持っていたナイフとフォークを置いて眉を下げた。
失敗したかもしれない、とデイビッドは思った。シンシアに、毎日夕食時にリリィの様子を教えてほしいとの命を与えていたのは彼だ。しかし半分ほどの食事を残してカトラリーを置いてしまったクリスティーはもう、この後の食事を楽しむことは出来ないだろう。ただでさえ今の彼女には、リリィと同じくらい食事や睡眠も大切だと言うのに。
しかし同じ屋敷で暮らす以上、これはいずれぶつかる問題だった。
「……無理をしなくていいんだよ、クリスティー。リリィの記憶が戻ってくれば、君のことも思い出してくれるさ」
「ですが……」
慰めるようにその手を握るけれど、眉を下げた泣きそうな表情が変わることはない。デイビッドは、彼女のその顔を見たくはないのだ。笑った顔や怒った顔や……大抵の表情は好きなのだけれど、この顔だけは心がザワついてしまう。
結構その後、あまり食が進まなかったクリスティーの表情が穏やかになることはなかった。
自分の妻と娘。二人について今後どうしていくべきか考えながら、夕食後の執務室で昼間に残してしまった仕事を片付けていた。どうすれば彼女達に心の負担を与えずに済むか、どうすれば二人に平穏な生活を与えることが出来るのか。その悩みは、数十分後に思わぬ形で解決したのだ。
考え事をしながらの仕事で予定よりもだいぶん遅くに寝室へ向かったのだけれど、そこに先に来ているはずのクリスティーの姿はなかった。どこへ行ったのか、この場合は悩んだり慌てたりする必要もない。
(無理はしなくていいと言ったはずなんだがなぁ……)
責任感が強い彼女を焦らせてしまっただろうか。そんな必要はないのに、なんて。
しかしまた、自分の方が臆病だったのだと知ったのは向かった先……リリィの部屋の前にたどり着いてからだ。
扉の前に立てば、二人の泣き声が聞こえて。心配になって少しだけ扉を開けて覗いてみれば、抱き合って泣いている二人が見えた。
(ああ、やはり……)
臆病なのは自分の方なのかもしれない、なんて。
後ろから廊下を歩いてくる足音が聞こえ、静かに扉を閉めて音の方を見る。
「アンドリュー」
しーっ、と人差し指を唇の前へとかざした。彼は、それに頷いて。
「母上御一人でリリィの部屋へ入っていく足音が聞こえて、心配で来たのですが……」
「ああ。どうやら、私達が出る幕はなさそうだよ」
それでも二人してそこを動かないのは、やっぱり心配だったからで。邪魔にならないよう、アンドリューと音を立てずに中の様子に耳をそばだてる。
数分経った頃だ。泣き声が聞こえなくなったのを見計らって、デイビッドは控え目に扉をノックした。
「私だよ。入ってもいいかな?」
「は、はい……!」
中から緊張しているようなリリィの声が聞こえて、アンドリューと顔を見合せてゆっくりと扉を開き部屋の中へ入る。
「あ……」
泣いた後の少しだけぼんやりとしているらしいリリィの体が、入ってきたデイビッドとアンドリューを認めた瞬間ふらりと動いた。まだ歩くことさえやっとだろうに、ベッドから出ようとしていて。
「リリィ……!」
クリスティーが止める間もなく、二人の方へと歩き出す。案の定、覚束無い足がもつれて傾く。
「危ない……!」
「ッ……」
デイビッドとアンドリューが同時に動き、彼女が床に倒れる前に同時に支えて。
「無理しないでおくれ。話したければ私達の方から行くから」
そう窘めれば、まだ細く弱々しい手がそれでもしっかりと自分を支える二人の腕を掴む。
「お父様と、お兄様……だったのですね……」
ここにきて、帰ってきた彼女に初めてそう呼ばれた。自然とその細い体を支える腕に力がこもる。
「私は……私の名前は、リリィ・ルヴェールなのですね……」
「そうだよ。思い出してくれたかな……?」
嬉しさでどうにかなってしまいそうな気持ちを抑え、冷静を装って彼女の顔を覗き込んだ。それでも上がった口角や弾む声は隠しきれなかったけれど。
「まだ……名前と、断片的にしか……」
「それでいいんだよ……! ああ、よく思い出してくれたね……!」
アンドリューは、嬉しさを隠そうともせずリリィを抱き締めた。
「おかえり、リリィ……!」
「ただいま帰りました、お兄様……お父様とお母様も……忘れてしまって、ごめんなさい……」
「リリィのせいじゃないわ。だから、謝らないで」
「そうだよ。私達はリリィが思い出してくれるだけで嬉しいんだから」
感涙にむせぶアンドリューと、そんな彼に抱き締められるままにまた泣くリリィ。彼女から零れる涙の宝石は、傷一つなく輝いていて。そんな二人を見守りながら寄り添い微笑み合うルヴェール夫妻の目にもまた、涙が浮かんでいた。
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