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本編
17.主治医から見る、トラウマが消えない白百合
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鋭く光るナイフに。
〝マイン〟という名前を呼ばれたことに。
驚きや恐怖で動けないでいたリリィの体を咄嗟に引き寄せたのはジュードだった。小さな体を守るように抱き寄せて、ナイフの切っ先から守るように庇って。
そのローブの人物は、彼らに接触する寸前でルヴェール家の護衛達によって取り押さえられた。カランと、ナイフが広場の石畳に落ちて。
「離しなさいよ無礼者! 私を誰だと思ってるの!?」
じたばたと暴れ回る人物のその声に聞き覚えがあって、リリィはさらに身を固める。ジュードはそれに気が付いて、彼女の視界からその人物を消すように抱き締めた。
「なんでアンタなんかが公爵様の家に引き取られてるのよ!! 自分の特異体質チラつかせて押しかけたってわけ!? 出来損ないのくせに!!」
喚くその人物のローブが、頭から取り払われる。その下から出てきたのは、やっぱり予想した通りの顔で。
「ジュスティーヌ……」
思わず名前を呼べば、彼女はジュードの腕の中にいるリリィを睨む。
「呼び捨てを許可した覚えはないわよ! 〝お姉様〟って呼びなさいって言ったでしょ!! 本当に生意気なんだから!!」
怒鳴り声が響く度、リリィの体が萎縮していった。体が震えて、呼吸が浅くなって。
ジュードの腕が、彼女の頭を覆う。外の世界の音が遮断され、少しばかり聞こえるジュスティーヌの声が小さくなった。
「でも残念ね! アンタが出来損ないだってわかったら、すぐに公爵家を追い出されるんだから! 贅沢な暮らしが出来るのも、そうやって威張れるのも今だけなのよ!!」
しかしその全てを遮断出来るわけもない。
ジュードは、ふらりと傾き始めたリリィの体を抱き上げる。そうすれば、彼女の手が力なく服の襟を握った。
「後は頼んだ」
「はっ、お任せ下さい」
一刻も早く、リリィをこの場から避難させなければいけない。一刻も早く、安全な場所へ。
「あの方もあの方よ! いくらお父様からアンタの婚約者だって言われたかなんだか知らないけど! 私のことを放ったらかしにして、アンタを連れ戻そうとしてるなんて!!」
しかし、歩き出したジュードの足がジュスティーヌのその言葉で止まった。
婚約者? 一体、誰の?
「私がいるのに、あの方はマインマインマインマイン!! 欠陥品の宝石しか生み出せないアンタの何がいいわけ!? そもそも、アンタがあの方の婚約者に選ばれること自体がおかしいのよ!! 出来損ないのアンタなんかより、私の方がいいに決まっているじゃない!!」
理解したくない、しかし理解しなくてはいけないであろうそのジュスティーヌの言葉達。
「ッ……」
怯えるリリィの体の震えが強くなったことで、ジュードは我に返った。
「っ、リリィ」
違う。今は、彼女をここから連れ出すことが最優先で。なるべく外の音を遮断出来るよう、その頭を強く抱き寄せる。
「すまない……すぐここを離れよう……」
一歩出遅れたジュードの横を、誰かがすり抜けて通る気配がした。振り返れば、つい今し方までは随分と前を歩いていたデイビッドとクリスティーで。
「公爵様、奥様、危険です……!!」
護衛が止めているにも関わらず、まだ暴れているジュスティーヌの方へと近付いていく。
「ジュード、リリィを頼んだよ。君、彼らについていって護衛をしてくれないかな。馬車まで戻るといい。あそこが今一番安全だからね」
「危険です、ルヴェール公爵」
ジュスティーヌは女性で戦いの心得がない貴族の令嬢とはいえど、興奮状態にあるし、武器まで持参していたとなると明確な殺意を持ってリリィへ接触してきたのだろう。
しかしジュードの言葉に、デイビッドは笑顔で振り返った。
「私なら大丈夫だよ。君はよく知っているだろう、ジュード? それにね、一度男爵家の関係者と話してみたいと思っていたんだ。男爵夫妻はアンドリューに一任してしまったからね」
間違いなく、彼は怒っている。
これはいくら止めたところで無駄だろう。それに彼は、いくら興奮状態とはいえジュスティーヌごときに怪我をさせられるような人では確かになかった。
「……お気を付けて」
「ああ、任せなさい」
ジュードはひとつデイビッドと同じくその場を動こうとしないクリスティーに頭を下げ、先導する護衛の男に続き騒動にざわつく大衆を避けながらリリィを抱えて走る。
護衛の道選びがよかったのか、それほど時間がかからず馬車へと戻ることが出来て。マーケットの中心部はジュスティーヌの襲撃により半ば混乱状態ではあったものの、そこから離れてしまったここはまだ静かだ。
彼の手も借りながら馬車へ乗り込み、長椅子へと横たえさせて抱き起こした。
「もう大丈夫だ」
安心させるように優しく声をかけ、恐怖に体を震わせているリリィの背中や頭を撫でる。
「ごめ、ん、なさい……じゅ、ど、さま……」
「謝る必要はない。悪いのは、お前じゃない」
悪いのはあの男爵一家とその使用人達なのであって、彼女は被害者に過ぎない。
「もう、へいきだと……おもって……」
しばらくこんな状態になることはなかったから。体の傷や痣も消え始め、外出が出来るくらいには体調が整っていっていたここ最近。それと同時に心の方も回復していると思っていたのだけれど、そうじゃなかったらしい。
「よわい、ですね……わたしは……」
「それは違う」
自分を責めるリリィを抱き締めた。
「心の傷は治るのが遅い。その傷を付けた元凶に遭遇したんだ。塞がりかけた傷口が開いてしまうのも、無理はない」
八年間分の傷が、たった五ヶ月で治るはずがないのだ。
だから、リリィのせいじゃない。
大丈夫、大丈夫。
そう声をかけ続け、体を震わせ呼吸とも言えない呼吸を繰り返している彼女の背中や頭を撫でる。弱く服を掴んできた彼女の手をそっと握って。
しかし、やっぱり耐えられなかったのだろう。
「ッ…………」
かくんと、リリィの体から力が抜けた。
「リリィッ……!」
くたりと目を閉じている彼女に、ジュードは背筋を凍らせる。慌てて呼吸や脈を確認すれば、正常で規則正しいそれらに安堵して。
どうやら、限界を迎えてしまい気絶してしまったようだった。その寝顔は、決して安らかと言えるものではない。避難した夢の中でさえ、彼女にとって安心出来る場所ではなかったようで。
悪夢から逃がしてやれるように、ジュードは彼女の頭を撫で続ける。せめて夢の中では安らかに過ごせますように。
(余計なことをしてくれたものだ)
地下室から助け出されてから五ヶ月。リリィは心身共に回復していたというのに、これがきっかけでまた悪い方向に落ちていってしまうだろう。彼女にはもう、苦しみや恐怖を感じてほしくはなかったのだけれど。
ジュードは一度リリィを抱き上げると、長椅子へと腰掛けた自分の膝の上へ彼女を乗せた。自分の体に寄りかからせて、そっと抱き締めながらその髪や頭、背中を撫でる。なるべく、夢の中では安らかな時間を過ごせるように。
「リリィ……もう、大丈夫だ」
今度こそは、絶対に守ってみせると誓ったのだ。何も出来なかった〝あの時〟とは違う。強くなったのだ、自分も。
───あの方もあの方よ!
───いくらお父様からアンタの婚約者だって言われたかなんだか知らないけど!
───私のことを放ったらかしにして、アンタを連れ戻そうとしてるなんて!!
ついさっき、喚いていたジュスティーヌの言葉を思い出す。誰かが、リリィに害を与えようとしているのは確かで。
リリィを強く抱き締めながら、怒りに震えそうになる気持ちを抑えてひとつの深い息を吐き、開け放していた馬車の出入口の方へと目を向ける。そこには、入ってきた時はいなかった人影が見えて。
「ライマー」
「はいよ」
呼びかければ、場違いに明るく、そしてどこかこの状況を面白がっているような声が聞こえた。
ついてくるなと言ったはずが、また勝手に行動して。しかし今はどうでもよかった。
「……あの男爵家に出入りしていた人間を洗い出せ。今の今までジュスティーヌを匿っていたんだ。恐らくは貴族の男だろう。必ず見付け出せ」
「了解しました、ジュード坊ちゃん」
彼のことは信用していない。しかし、彼の腕なら信頼出来る。『リリィを見付け出せ』という命令を受けた彼は、あの男爵の人身売買や横領の証拠を持ってきた。きっと偶然ではないのだろう。
ライマーが去ったのを確認して、ジュードはリリィの瞼に口付けた。
───リリィの、婚約者と呼ばれた男
それは一体誰なのだろう。
ジュードの中で、怒りの炎が一層激しく燃え上がった。
〝マイン〟という名前を呼ばれたことに。
驚きや恐怖で動けないでいたリリィの体を咄嗟に引き寄せたのはジュードだった。小さな体を守るように抱き寄せて、ナイフの切っ先から守るように庇って。
そのローブの人物は、彼らに接触する寸前でルヴェール家の護衛達によって取り押さえられた。カランと、ナイフが広場の石畳に落ちて。
「離しなさいよ無礼者! 私を誰だと思ってるの!?」
じたばたと暴れ回る人物のその声に聞き覚えがあって、リリィはさらに身を固める。ジュードはそれに気が付いて、彼女の視界からその人物を消すように抱き締めた。
「なんでアンタなんかが公爵様の家に引き取られてるのよ!! 自分の特異体質チラつかせて押しかけたってわけ!? 出来損ないのくせに!!」
喚くその人物のローブが、頭から取り払われる。その下から出てきたのは、やっぱり予想した通りの顔で。
「ジュスティーヌ……」
思わず名前を呼べば、彼女はジュードの腕の中にいるリリィを睨む。
「呼び捨てを許可した覚えはないわよ! 〝お姉様〟って呼びなさいって言ったでしょ!! 本当に生意気なんだから!!」
怒鳴り声が響く度、リリィの体が萎縮していった。体が震えて、呼吸が浅くなって。
ジュードの腕が、彼女の頭を覆う。外の世界の音が遮断され、少しばかり聞こえるジュスティーヌの声が小さくなった。
「でも残念ね! アンタが出来損ないだってわかったら、すぐに公爵家を追い出されるんだから! 贅沢な暮らしが出来るのも、そうやって威張れるのも今だけなのよ!!」
しかしその全てを遮断出来るわけもない。
ジュードは、ふらりと傾き始めたリリィの体を抱き上げる。そうすれば、彼女の手が力なく服の襟を握った。
「後は頼んだ」
「はっ、お任せ下さい」
一刻も早く、リリィをこの場から避難させなければいけない。一刻も早く、安全な場所へ。
「あの方もあの方よ! いくらお父様からアンタの婚約者だって言われたかなんだか知らないけど! 私のことを放ったらかしにして、アンタを連れ戻そうとしてるなんて!!」
しかし、歩き出したジュードの足がジュスティーヌのその言葉で止まった。
婚約者? 一体、誰の?
「私がいるのに、あの方はマインマインマインマイン!! 欠陥品の宝石しか生み出せないアンタの何がいいわけ!? そもそも、アンタがあの方の婚約者に選ばれること自体がおかしいのよ!! 出来損ないのアンタなんかより、私の方がいいに決まっているじゃない!!」
理解したくない、しかし理解しなくてはいけないであろうそのジュスティーヌの言葉達。
「ッ……」
怯えるリリィの体の震えが強くなったことで、ジュードは我に返った。
「っ、リリィ」
違う。今は、彼女をここから連れ出すことが最優先で。なるべく外の音を遮断出来るよう、その頭を強く抱き寄せる。
「すまない……すぐここを離れよう……」
一歩出遅れたジュードの横を、誰かがすり抜けて通る気配がした。振り返れば、つい今し方までは随分と前を歩いていたデイビッドとクリスティーで。
「公爵様、奥様、危険です……!!」
護衛が止めているにも関わらず、まだ暴れているジュスティーヌの方へと近付いていく。
「ジュード、リリィを頼んだよ。君、彼らについていって護衛をしてくれないかな。馬車まで戻るといい。あそこが今一番安全だからね」
「危険です、ルヴェール公爵」
ジュスティーヌは女性で戦いの心得がない貴族の令嬢とはいえど、興奮状態にあるし、武器まで持参していたとなると明確な殺意を持ってリリィへ接触してきたのだろう。
しかしジュードの言葉に、デイビッドは笑顔で振り返った。
「私なら大丈夫だよ。君はよく知っているだろう、ジュード? それにね、一度男爵家の関係者と話してみたいと思っていたんだ。男爵夫妻はアンドリューに一任してしまったからね」
間違いなく、彼は怒っている。
これはいくら止めたところで無駄だろう。それに彼は、いくら興奮状態とはいえジュスティーヌごときに怪我をさせられるような人では確かになかった。
「……お気を付けて」
「ああ、任せなさい」
ジュードはひとつデイビッドと同じくその場を動こうとしないクリスティーに頭を下げ、先導する護衛の男に続き騒動にざわつく大衆を避けながらリリィを抱えて走る。
護衛の道選びがよかったのか、それほど時間がかからず馬車へと戻ることが出来て。マーケットの中心部はジュスティーヌの襲撃により半ば混乱状態ではあったものの、そこから離れてしまったここはまだ静かだ。
彼の手も借りながら馬車へ乗り込み、長椅子へと横たえさせて抱き起こした。
「もう大丈夫だ」
安心させるように優しく声をかけ、恐怖に体を震わせているリリィの背中や頭を撫でる。
「ごめ、ん、なさい……じゅ、ど、さま……」
「謝る必要はない。悪いのは、お前じゃない」
悪いのはあの男爵一家とその使用人達なのであって、彼女は被害者に過ぎない。
「もう、へいきだと……おもって……」
しばらくこんな状態になることはなかったから。体の傷や痣も消え始め、外出が出来るくらいには体調が整っていっていたここ最近。それと同時に心の方も回復していると思っていたのだけれど、そうじゃなかったらしい。
「よわい、ですね……わたしは……」
「それは違う」
自分を責めるリリィを抱き締めた。
「心の傷は治るのが遅い。その傷を付けた元凶に遭遇したんだ。塞がりかけた傷口が開いてしまうのも、無理はない」
八年間分の傷が、たった五ヶ月で治るはずがないのだ。
だから、リリィのせいじゃない。
大丈夫、大丈夫。
そう声をかけ続け、体を震わせ呼吸とも言えない呼吸を繰り返している彼女の背中や頭を撫でる。弱く服を掴んできた彼女の手をそっと握って。
しかし、やっぱり耐えられなかったのだろう。
「ッ…………」
かくんと、リリィの体から力が抜けた。
「リリィッ……!」
くたりと目を閉じている彼女に、ジュードは背筋を凍らせる。慌てて呼吸や脈を確認すれば、正常で規則正しいそれらに安堵して。
どうやら、限界を迎えてしまい気絶してしまったようだった。その寝顔は、決して安らかと言えるものではない。避難した夢の中でさえ、彼女にとって安心出来る場所ではなかったようで。
悪夢から逃がしてやれるように、ジュードは彼女の頭を撫で続ける。せめて夢の中では安らかに過ごせますように。
(余計なことをしてくれたものだ)
地下室から助け出されてから五ヶ月。リリィは心身共に回復していたというのに、これがきっかけでまた悪い方向に落ちていってしまうだろう。彼女にはもう、苦しみや恐怖を感じてほしくはなかったのだけれど。
ジュードは一度リリィを抱き上げると、長椅子へと腰掛けた自分の膝の上へ彼女を乗せた。自分の体に寄りかからせて、そっと抱き締めながらその髪や頭、背中を撫でる。なるべく、夢の中では安らかな時間を過ごせるように。
「リリィ……もう、大丈夫だ」
今度こそは、絶対に守ってみせると誓ったのだ。何も出来なかった〝あの時〟とは違う。強くなったのだ、自分も。
───あの方もあの方よ!
───いくらお父様からアンタの婚約者だって言われたかなんだか知らないけど!
───私のことを放ったらかしにして、アンタを連れ戻そうとしてるなんて!!
ついさっき、喚いていたジュスティーヌの言葉を思い出す。誰かが、リリィに害を与えようとしているのは確かで。
リリィを強く抱き締めながら、怒りに震えそうになる気持ちを抑えてひとつの深い息を吐き、開け放していた馬車の出入口の方へと目を向ける。そこには、入ってきた時はいなかった人影が見えて。
「ライマー」
「はいよ」
呼びかければ、場違いに明るく、そしてどこかこの状況を面白がっているような声が聞こえた。
ついてくるなと言ったはずが、また勝手に行動して。しかし今はどうでもよかった。
「……あの男爵家に出入りしていた人間を洗い出せ。今の今までジュスティーヌを匿っていたんだ。恐らくは貴族の男だろう。必ず見付け出せ」
「了解しました、ジュード坊ちゃん」
彼のことは信用していない。しかし、彼の腕なら信頼出来る。『リリィを見付け出せ』という命令を受けた彼は、あの男爵の人身売買や横領の証拠を持ってきた。きっと偶然ではないのだろう。
ライマーが去ったのを確認して、ジュードはリリィの瞼に口付けた。
───リリィの、婚約者と呼ばれた男
それは一体誰なのだろう。
ジュードの中で、怒りの炎が一層激しく燃え上がった。
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