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本編
32.婚約者から見る、平穏な日々への一歩
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暗い暗い階段を、ライマーは一歩一歩下りていく。
その先にあったのは、陽の光さえも届かない地下牢だ。鉄格子の向こう、カンテラの明かりに照らされたのはボロ雑巾のようになった一人の男で。
その姿を見て、ライマーはケラケラと笑う。
「やるねェ坊ちゃん。流石、凄腕のオイシャサマだ」
生かさず殺さず。そんな状態に出来るのは、この屋敷では主であるジュードただ一人だろう。この男の身柄を、処刑までの間クラーク邸で与ることにしたのは正解だった。
ライマーは借り受けた鍵で鉄格子の扉を開け、牢の中へと入る。冷たい石の床に倒れる男のその顎を爪先で持ち上げ、顔を上げさせた。
「ははっ……男前が台無しじゃねェか」
まあ最も、顔が良かっただけの男だ。
ぼんやりと焦点の合っていない目が、ライマーを見上げる。
「オレの主、すんげぇー優しくてさァ。今回頑張ったご褒美にって、ここの鍵貸してくれたんだよね~」
ひゅうと口笛を吹きながら、高く振り上げた足でボロ雑巾の背中を踏み付けた。小さな呻き声が聞こえたような気がしたけれど、そんなの知らない。
「オレがあの肘打ち一発で満足するわけねェだろ」
彼女はあんなにも、この男によって傷付けられたというのに。
~*~*~*~
「フォークナー伯爵子息を手引きしていたメイドも、買収され自分の制服を貸した護衛も、警察隊の方に引き渡したよ。彼らは脅されて動いていたようだから、情状酌量の余地はあるけれどね」
揺れる紅茶の水面を、デイビッドは悔しそうに見つめている。
「不覚を取ったよ。メイドの経歴の詐称も見抜けず、信頼していた護衛には裏切られ、後ろで糸を引いている伯爵家子息の尻尾を掴むことも出来ず、しかもそれが八年前のあの子の誘拐に関与している可能性がでてきたなんて……まったく、ルヴェール家当主の名が泣くね」
「いえ……今回は相手が悪過ぎました」
彼の言葉に、ジュードは首を横に振った。
経歴の詐称に使われた書類は、きちんとしたところから発行されたものだ。それにアルバートが上手く隠れていたものだから、ライマーのように多少汚い手を使わないと、例え警察隊でも証拠を掴むのは難しかっただろう。
「慰めは不要だよ、ジュード。私は、自分の失敗が許せないのだから」
しかしそれは、デイビッド本人によってきっぱりと切られてしまった。
「私はまた、娘を失いかけた……親として情けないよ」
そうして彼は弱々しく笑う。
何年もその姿を見てきたけれど、これ程までに憔悴しきっているのを見るのは初めてだった。
「ありがとう、娘を救ってくれて。ルヴェール家当主として、そしてあの子の父親として、礼を言うよ」
「いえ……俺も、彼女を失いたくなかったので……」
数日経った今でも鮮明に覚えている。
だんだんと薄れていったあの体温も、苦しそうに歪んだあの寝顔も、なかなか息を吹き返す気配を見せなかった時間に感じていたあの恐怖も。
取り乱しかけていたなんて、医者失格だろうか。しかし大切な存在がこの手からすり抜けていきそうになったあの感覚は、冷静さを奪い正気ではいられなくなっていくもので。
顔を歪めたジュードを見て、デイビッドは優しく笑った。
「ああ。そんな君だから、私はリリィを君に任せようと思ったんだ。子供の頃、私達家族以外に心を閉ざしてしまったあの子に寄り添ってくれた君を見ていたから、私は君にあの子との婚約を打診した」
「……はい」
リリィと初めて会った時のことは、今でも覚えている。こちらをじっと睨み付け、誰をも寄せ付けない暗い雰囲気をまとっていて。あのルヴェール家の令嬢がどうしてそんな顔をしているのかと不思議だったけれど、今思えば当然のことで。
「あの子は君のことも思い出して、誤解も解けたのだろう? それならもう、何も心配はいらないね」
「はい。彼女は……リリィは必ず、幸せにします」
ジュードは、デイビッドの目を見て真っ直ぐと告げる。
それは誓いであり、決意だった。もう二度とリリィの手を離さないという。そして、これから先誰にも傷付けさせず、あの笑顔を生涯守っていくという。
「ああ、頼りにしているよ」
ジュードならそれをいつまでも守ってくれるだろう。彼の真っ直ぐな瞳にそう確信したデイビッドは、優しく笑って頷いた。
「この屋敷は、まだもう少しだけ慌ただしくなりそうなんだ。だからもうしばらく、あの子のことをお願い出来るかい?」
「はい、お任せください」
リリィがクラーク邸で過ごすようになって数日。体調は安定しているものの、心の傷はまだ深く残っている。
リリィにとっても、未だ慌ただしさの残るルヴェール邸にいるよりクラーク邸で過ごす方が、ゆっくり休むことが出来るだろう。
「将来、リリィはそちらに住むことになるんだからね。あの子にとっても、いい予行練習になるだろう」
でも、と。デイビッドは寂しそうに笑った。
「この件が落ち着いたら、もうしばらくはリリィをこちらに預けてくれないかな? 八年間誘拐されていたあの子が帰ってきてからまだ半年だ。デビュタントもまだ済ませていないし……それになにより、八年間一切の愛情を受けらず虐げられてきたあの子に、家族としての愛情を注いであげる時間が欲しいんだ。あの子に愛情を与える役目を独り占めしてはいけないよ、ジュード」
「はい、勿論です」
夫妻やアンドリューだけではない、リリィにも家族と過ごす時間は必要だ。誘拐され監禁されていた八年間、記憶を消され、家族を騙る一族や使用人に虐待を受けてきたのだ。その傷を癒すためにも、またその空白を埋めるためにも、たくさんの愛情を与えなければ。
~*~*~*~
デイビッドとの話が終わり案内された庭園へと向かえば、リリィは東屋で、クリスティーやアンドリューと共に午後の一時を楽しんでいた。
傍で待機していた使用人達に声をかけられ、アンドリューが席を立つ。彼はリリィとクリスティーに声をかけ、ジュードの元へとやってきた。
「やあ、父上との話は終わったかい」
「はい」
「そうか、それならよかった」
彼はそのまま、ジュードのすぐ近くへと寄ってくる。その顔がリリィの方からは見えないようになった途端、表情は警察隊隊員アンドリュー・ルヴェールのものへと変わった。
「アルバートの身柄は、まだしばらくクラーク家に預けておくよ。処遇が決まり次第、追って連絡する」
彼はリリィには聞こえないよう、声を潜めた。
それに合わせ、ジュードもリリィの方へと体の角度を変えて。
「お任せください。護送の際は、少々面倒をかけてしまうと思いますが……」
「ああ、それは構わないさ。生きてさえいれば、それで」
リリィは何も知らなくていいのだ。彼女に底知れない程の優しさを見せる兄と婚約者の、残虐な一面は。
「今回の件でようやく、フォークナー伯爵家へ家宅捜索に入る許可が得られてね。先日行ってきたよ」
頭が回る奴だからか、あの男爵家と繋がっていた証拠は見付からなかった。しかし彼の部屋からは、本来であれば彼が手に入れられないはずのリリィが八年間流し続けていた宝石が見付かり、それが証拠となったようで。
それと警察隊によって捕らえられた使用人達、そして何よりリリィ本人の証言によって、八年前のルヴェール公爵家令嬢誘拐事件へ関与していると認められた。
アルバートの親や使用人達は、彼が何か良からぬことをしていることには気付いていたらしい。それでも見て見ぬ振りをしていたのは、彼が家族の中でも腫れ物扱いされていたからだそうで。
「とんだ狂人だったということだ」
アンドリューは忌々しげに吐き捨てた。
「男爵一族の処刑も終わり、アルバートも捕らえたとはいえ、まだ全て終わったわけではない。まだ逃亡中の使用人も残っているからね。雑草は少しでも根を残すとしつこく生えてきてしまうから、徹底的に刈り取らなければ」
アンドリューは横目で、クリスティーと談笑しているリリィの方を見た。
こことは違う穏やかな空気に包まれるその光景を見ている彼の顔は、先程見たデイビッドの寂しそうな笑顔と似ていて。
「もう妹を、あんな目に遭わせるわけにはいかない」
「……協力します」
「ああ、それは助かるよ。君の護衛……ライマーだっけ? 彼は私達が手を伸ばせないところまで入り込めるようだ。君共々、是非力を貸してほしいな。礼は、私から相応のものを与えよう。彼にも伝えておいてくれ」
「わかりました」
まあ彼が断ろうとも、無理矢理引きずり出すだけだ。
「その時は頼んだよ、ジュード。さて、警察隊としての話はこれで終わりだ」
そう言うと、リリィの兄であるアンドリューの表情へと戻り彼女の方へと振り返る。
「どうかな、夕食はここで済ませて帰るというのは? あの騒動以降、ここでゆっくり過ごせる日なんだ。そして、まだもう少し慌ただしい日々は続く……母上にも、父上や僕にも、今日はもう少しリリィと過ごす時間を分けてほしいな」
ジュードも表情を緩め、彼の視線の先を見た。
そこには相も変わらず、穏やかな空気が流れていて。
「ええ、勿論。そうしていきます」
ジュードはきゅうと目を細めた。
もう二度と、あの風景が壊されるようなことがあってはいけない。守らなければ。一生を掛けて、守ると決めたのだ。
その先にあったのは、陽の光さえも届かない地下牢だ。鉄格子の向こう、カンテラの明かりに照らされたのはボロ雑巾のようになった一人の男で。
その姿を見て、ライマーはケラケラと笑う。
「やるねェ坊ちゃん。流石、凄腕のオイシャサマだ」
生かさず殺さず。そんな状態に出来るのは、この屋敷では主であるジュードただ一人だろう。この男の身柄を、処刑までの間クラーク邸で与ることにしたのは正解だった。
ライマーは借り受けた鍵で鉄格子の扉を開け、牢の中へと入る。冷たい石の床に倒れる男のその顎を爪先で持ち上げ、顔を上げさせた。
「ははっ……男前が台無しじゃねェか」
まあ最も、顔が良かっただけの男だ。
ぼんやりと焦点の合っていない目が、ライマーを見上げる。
「オレの主、すんげぇー優しくてさァ。今回頑張ったご褒美にって、ここの鍵貸してくれたんだよね~」
ひゅうと口笛を吹きながら、高く振り上げた足でボロ雑巾の背中を踏み付けた。小さな呻き声が聞こえたような気がしたけれど、そんなの知らない。
「オレがあの肘打ち一発で満足するわけねェだろ」
彼女はあんなにも、この男によって傷付けられたというのに。
~*~*~*~
「フォークナー伯爵子息を手引きしていたメイドも、買収され自分の制服を貸した護衛も、警察隊の方に引き渡したよ。彼らは脅されて動いていたようだから、情状酌量の余地はあるけれどね」
揺れる紅茶の水面を、デイビッドは悔しそうに見つめている。
「不覚を取ったよ。メイドの経歴の詐称も見抜けず、信頼していた護衛には裏切られ、後ろで糸を引いている伯爵家子息の尻尾を掴むことも出来ず、しかもそれが八年前のあの子の誘拐に関与している可能性がでてきたなんて……まったく、ルヴェール家当主の名が泣くね」
「いえ……今回は相手が悪過ぎました」
彼の言葉に、ジュードは首を横に振った。
経歴の詐称に使われた書類は、きちんとしたところから発行されたものだ。それにアルバートが上手く隠れていたものだから、ライマーのように多少汚い手を使わないと、例え警察隊でも証拠を掴むのは難しかっただろう。
「慰めは不要だよ、ジュード。私は、自分の失敗が許せないのだから」
しかしそれは、デイビッド本人によってきっぱりと切られてしまった。
「私はまた、娘を失いかけた……親として情けないよ」
そうして彼は弱々しく笑う。
何年もその姿を見てきたけれど、これ程までに憔悴しきっているのを見るのは初めてだった。
「ありがとう、娘を救ってくれて。ルヴェール家当主として、そしてあの子の父親として、礼を言うよ」
「いえ……俺も、彼女を失いたくなかったので……」
数日経った今でも鮮明に覚えている。
だんだんと薄れていったあの体温も、苦しそうに歪んだあの寝顔も、なかなか息を吹き返す気配を見せなかった時間に感じていたあの恐怖も。
取り乱しかけていたなんて、医者失格だろうか。しかし大切な存在がこの手からすり抜けていきそうになったあの感覚は、冷静さを奪い正気ではいられなくなっていくもので。
顔を歪めたジュードを見て、デイビッドは優しく笑った。
「ああ。そんな君だから、私はリリィを君に任せようと思ったんだ。子供の頃、私達家族以外に心を閉ざしてしまったあの子に寄り添ってくれた君を見ていたから、私は君にあの子との婚約を打診した」
「……はい」
リリィと初めて会った時のことは、今でも覚えている。こちらをじっと睨み付け、誰をも寄せ付けない暗い雰囲気をまとっていて。あのルヴェール家の令嬢がどうしてそんな顔をしているのかと不思議だったけれど、今思えば当然のことで。
「あの子は君のことも思い出して、誤解も解けたのだろう? それならもう、何も心配はいらないね」
「はい。彼女は……リリィは必ず、幸せにします」
ジュードは、デイビッドの目を見て真っ直ぐと告げる。
それは誓いであり、決意だった。もう二度とリリィの手を離さないという。そして、これから先誰にも傷付けさせず、あの笑顔を生涯守っていくという。
「ああ、頼りにしているよ」
ジュードならそれをいつまでも守ってくれるだろう。彼の真っ直ぐな瞳にそう確信したデイビッドは、優しく笑って頷いた。
「この屋敷は、まだもう少しだけ慌ただしくなりそうなんだ。だからもうしばらく、あの子のことをお願い出来るかい?」
「はい、お任せください」
リリィがクラーク邸で過ごすようになって数日。体調は安定しているものの、心の傷はまだ深く残っている。
リリィにとっても、未だ慌ただしさの残るルヴェール邸にいるよりクラーク邸で過ごす方が、ゆっくり休むことが出来るだろう。
「将来、リリィはそちらに住むことになるんだからね。あの子にとっても、いい予行練習になるだろう」
でも、と。デイビッドは寂しそうに笑った。
「この件が落ち着いたら、もうしばらくはリリィをこちらに預けてくれないかな? 八年間誘拐されていたあの子が帰ってきてからまだ半年だ。デビュタントもまだ済ませていないし……それになにより、八年間一切の愛情を受けらず虐げられてきたあの子に、家族としての愛情を注いであげる時間が欲しいんだ。あの子に愛情を与える役目を独り占めしてはいけないよ、ジュード」
「はい、勿論です」
夫妻やアンドリューだけではない、リリィにも家族と過ごす時間は必要だ。誘拐され監禁されていた八年間、記憶を消され、家族を騙る一族や使用人に虐待を受けてきたのだ。その傷を癒すためにも、またその空白を埋めるためにも、たくさんの愛情を与えなければ。
~*~*~*~
デイビッドとの話が終わり案内された庭園へと向かえば、リリィは東屋で、クリスティーやアンドリューと共に午後の一時を楽しんでいた。
傍で待機していた使用人達に声をかけられ、アンドリューが席を立つ。彼はリリィとクリスティーに声をかけ、ジュードの元へとやってきた。
「やあ、父上との話は終わったかい」
「はい」
「そうか、それならよかった」
彼はそのまま、ジュードのすぐ近くへと寄ってくる。その顔がリリィの方からは見えないようになった途端、表情は警察隊隊員アンドリュー・ルヴェールのものへと変わった。
「アルバートの身柄は、まだしばらくクラーク家に預けておくよ。処遇が決まり次第、追って連絡する」
彼はリリィには聞こえないよう、声を潜めた。
それに合わせ、ジュードもリリィの方へと体の角度を変えて。
「お任せください。護送の際は、少々面倒をかけてしまうと思いますが……」
「ああ、それは構わないさ。生きてさえいれば、それで」
リリィは何も知らなくていいのだ。彼女に底知れない程の優しさを見せる兄と婚約者の、残虐な一面は。
「今回の件でようやく、フォークナー伯爵家へ家宅捜索に入る許可が得られてね。先日行ってきたよ」
頭が回る奴だからか、あの男爵家と繋がっていた証拠は見付からなかった。しかし彼の部屋からは、本来であれば彼が手に入れられないはずのリリィが八年間流し続けていた宝石が見付かり、それが証拠となったようで。
それと警察隊によって捕らえられた使用人達、そして何よりリリィ本人の証言によって、八年前のルヴェール公爵家令嬢誘拐事件へ関与していると認められた。
アルバートの親や使用人達は、彼が何か良からぬことをしていることには気付いていたらしい。それでも見て見ぬ振りをしていたのは、彼が家族の中でも腫れ物扱いされていたからだそうで。
「とんだ狂人だったということだ」
アンドリューは忌々しげに吐き捨てた。
「男爵一族の処刑も終わり、アルバートも捕らえたとはいえ、まだ全て終わったわけではない。まだ逃亡中の使用人も残っているからね。雑草は少しでも根を残すとしつこく生えてきてしまうから、徹底的に刈り取らなければ」
アンドリューは横目で、クリスティーと談笑しているリリィの方を見た。
こことは違う穏やかな空気に包まれるその光景を見ている彼の顔は、先程見たデイビッドの寂しそうな笑顔と似ていて。
「もう妹を、あんな目に遭わせるわけにはいかない」
「……協力します」
「ああ、それは助かるよ。君の護衛……ライマーだっけ? 彼は私達が手を伸ばせないところまで入り込めるようだ。君共々、是非力を貸してほしいな。礼は、私から相応のものを与えよう。彼にも伝えておいてくれ」
「わかりました」
まあ彼が断ろうとも、無理矢理引きずり出すだけだ。
「その時は頼んだよ、ジュード。さて、警察隊としての話はこれで終わりだ」
そう言うと、リリィの兄であるアンドリューの表情へと戻り彼女の方へと振り返る。
「どうかな、夕食はここで済ませて帰るというのは? あの騒動以降、ここでゆっくり過ごせる日なんだ。そして、まだもう少し慌ただしい日々は続く……母上にも、父上や僕にも、今日はもう少しリリィと過ごす時間を分けてほしいな」
ジュードも表情を緩め、彼の視線の先を見た。
そこには相も変わらず、穏やかな空気が流れていて。
「ええ、勿論。そうしていきます」
ジュードはきゅうと目を細めた。
もう二度と、あの風景が壊されるようなことがあってはいけない。守らなければ。一生を掛けて、守ると決めたのだ。
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