断罪された悪役令嬢はそれでも自分勝手に生きていきたい

たかはし はしたか

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リリの場合7

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元国王
机の引き出しからルビーを出して、ため息をつく。
弟の執着がこんなことになるとは。
父王と王妃の母から生まれた自分と、則妃から生まれた弟。
子供の頃からいつも慕ってくれた弟。
仲は悪くなかった。
体が弱い王妃である母は社交も外交も出来なくて、子育てを中心に暮らしていた。
則妃が外交や社交を取り仕切っていた。
則妃といえど王家に連なる家系の女性で、外交や政治に関わりたい人で自身の地位を確立するために子を産んだと公言する人だった。
だから、父王を中心とした家族関係は悪くなかった。
則妃が子に興味がなかった以外は。
乳母もいたが、実質的な育児は王妃である母がしてきた。
自分も弟も分け隔てなく育てられたと思う。
弟も母を慕っていた。
時々、自分より母に目をかけてもらいたいと張り合ってくることがあってきにはなっていた。
母が亡くなってからも兄弟仲は良かったと思う。
だが父が歳を取り退位して、自分が国王となり結婚してから弟は少し自分に粘着するようになった。
妻を追い詰めたりするようにもなった。
私は弟より妻を取った。
そもそも弟が求めているのは自分ではない。
母、弟自身の母だ。
それに気づかない弟が哀れだ。
気付いたところで相手が故人では如何ともし難いのだろうが。
とうとう妻の寝室に入り子作りを指南しようなどと言い出したから切り捨てた。
このルビーはそれでも繋がりを持とうとする弟の工作だろう。
熟慮の末、ルビーはわざとメンテナンスやリフォームを繰り返し、少しずつ形を変えていった。
子の代になって子の妻の母国にリフォームに出され、孫の代になった頃には分割され、小さな指輪やブレスレット、帽子の飾りとなっていく。

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