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~第一章~
贈り物
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混乱が止まらないまま案内されて、トロイの家に来てしまった。極秘の話をするからと言ってオリヴァーさん達を家に帰らせてーー。
「まだ越してきたばかりで何もありませんが……」
そう言いながらも新品の家具が溢れた室内に案内するトロイ。木で出来た食卓や寛げるソファー、高そうな食器や調理器具もあった。
……朝、隣の家の人が住んでるの見てるんだけど私。
何なの? この別世界は……
絶対に一人じゃ出来ないでしょ。これ……
明らかに第三師団の部下も関わっていそうな事態に思わず溜め息が溢れた。
しかも調理器具って……
料理のしないトロイには必要ないでしょ。
室内をジロジロと眺めているとーー
「いつかこの家で料理する方が現れるかもしれませんから、準備を整えました。アクア様も何か作りたい時は遠慮せずにいらしてくださいね。」
「……ありがとう。」
若干理由が腑に落ちないけど、とりあえずお礼を告げた。
「で、訳を聞かせてよ。何でトロイは此処にいるの? 騎士団辞めるなんてどういうつもりよ!」
ソファーに座らされた私は疑問がありすぎて興奮状態だった。
「一先ず私が遠征に行った経緯から説明しますね。」
「ええ……あれはかなり変だった。いつものトロイアスじゃなかった!」
いつも側にいた癖に、どんなに私が第三師団長の仕事に行けって言っても側から離れなかった癖にいきなり何の説明もなく旅立っていったんだから!
「あれは陛下から出された課題だったのです。私がアクリアーナ様の嫁ぎ先へ一緒に行けるように口添えして貰うための。いくつか難題を出されましてそれをクリアできたら護衛騎士として付いていっても構わないと言われました。」
「え……隣国までついてくるつもりだったの!?」
「もちろんですよ! 私は生涯貴女の側にいると自分に誓ってますからね! まぁアクリアーナ様が平民となるのなら身分なんて必要ありませんし、こうして騎士を辞めて来ました。」
私にじゃなくて、自分に誓ったの!?
本当に身勝手な男だ!
どんなに紳士な騎士風に装っても本来のトロイアスの荒っぽい強引な部分は隠しきれない。
まぁその行動の根底には必ず私の安全や私の幸せを願っているトロイアスの想いがあるからまだ我慢できるし、有り難いと思ってしまう。
トロイアスは私の一番近くにいて7年間、私の無茶な頼みを聞いてくれて、私の事を守ってくれた人だし。
「はぁ……でもお父様がよく認めてくれたね。トロイアスは騎士団最強なんでしょ? 普通辞められないでしょ。」
「いえ、陛下は私が騎士団を辞める事はわかっていらしゃいましたよ。こうしてすぐに辞めれたのも陛下が事前に根回しをしてくれたお陰ですし……」
「え? お父様が……?」
「退職祝いだといって大金と王族認可章を頂きました。あとアクリアーナ様の側を決して離れずに生涯守り通せと言われました。」
王家の紋章が入った金色の指輪を見せられた。
え? 王族認可章って……
王族がその者の行いを全て認可して許すっていう許可章? ここ数十年間使った事がないっていう? ……元王女なのに見るの初めてだよ。
……ッ!
そんな事言ってたの? お父様……
「「会いに行くと伝言残したのに約束を違えてすまない。……外の世界でどうか幸せになってくれ。」陛下からの伝言でございます。」
伝言? そんなのいつ……?
でも会いに来るつもりだったの?
私の幸せを願ってくれるの?
「此方も渡されました。」
そう言って王家の紋章が刻まれたトランクケースのような木箱を差し出された。
箱を開けてみると、そこには私が王城から持ち出したかった物が全て入っていた。
誕生日にもらったドレスやリボン、髪飾り。
そしてお姉様とお揃いのネックレスが入っていた。
それぞれマルヴィーア王国から離れて嫁ぐ事が決まっていた私達。それでもこの国を忘れずにいようとお姉様が用意してくれた。
王家の紋章が刻まれた金色のプレートその周囲を装飾する青色に輝くサファイヤと茶色に輝くアンダルサイトのネックレス。
箱の中には見覚えのない手紙が二通。そして小さな木箱が一つ入っていた。
「……お茶が冷めたので入れ直して来ますね。」
気をつかってくれたのか、トロイがその場から離れていくのを感じた。
恐る恐る手紙を開けてみるとーー。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
愛する娘 アクリアーナ
私は何とも不甲斐ない父であったな。
お前を周囲の悪意から守る事が出来ず、負担ばかり強いるひどい父であった。
最後の約束すら守れずに本当にすまない。
王族に生まれ、その重責や周囲からの悪意に耐えた事を誇りに思う。
私の愛しい娘よ。
妖精の取り替え子など関係ない。
どんな事実や周囲からの言葉があろうとも私達親子の縁は決して切れぬ。
何処にいてもアクリアーナの幸せを願っているよ。
愛しているよ、我が娘 アクリアーナ。
追伸、そのピアスは18歳の成人祝いに家族で用意した品だ。その宝石は遠い国の稀少な物らしく、テオドールがわざわざ商人に買い付けに行かせた物だ。
私達家族が一つだという事を示す宝石だとあやつが言っておった。
因みにこのピアスは5人分作ったからお揃いだ。
もしもアクリアーナが嫌ではなかったら付けてくれ。
いつまでも愛しているよ。私の大切な娘 アクリアーナ。
あとトロイアスはお前の騎士だ。
危険が迫ったら盾にでもして逃げなさい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
箱の中には茶色と金色が混ざったような美しい琥珀のピアスが入っていた。
私と家族の色が混ざったようなそんな色だった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私の可愛い娘 アクリアーナ
ごめんなさい。何度伝えても足りないわね。
私があの夜失態をしたばかりにこんな事になってしまったわ。本当にごめんなさい。
あんな小娘の歌に惑わされるなんてどうかしてたわ。
本当にごめんなさい。
最後だというのに会いにも行けなくて本当にごめんなさい。
私は貴女の母だというのに、いつも見ている事しか出来なかった。
体や心を傷つけて必死に王女になろうとしている貴女に何もしてあげられなかった。
私やエリアディーナの真似をして必死に淑女になろうとしていた貴女を昨日のように思い出せるわ。
頑張り屋さんで、真面目で、ちょっぴり頑固な私の可愛い娘。貴女を愛しているわ……
貴女に幸せな人生を与えられない酷い母でごめんなさい。
貴女の人生を見届けられないのは凄くつらい。
でも貴女を不幸にしかしない、この場所から離れられるのなら喜んで貴女を手放すわ。
どうか幸せになって……
貴女を本当に愛してくれる人の側で自分の人生を歩みなさい。
いつまでも貴女の幸せを願っているわ。
愛しているわ、私の可愛いアクリアーナ。
追伸、トロイアスは騎士としては信頼しても問題ないと思うわ。でもね、男としてはちょっと危険な香りがするから受け入れるのなら気をつけてちょうだい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ハラハラと自然に溢れ落ちていく涙。
何度も何度も手紙を読み返して、贈り物を全て抱き締めた。
「…………私、捨てられてなかった。」
愛情がこれでもかと詰まった手紙や贈り物。
これを見れば、見捨てられたなんて思えなかった。
私の幸せを願って、城から送り出してくれた。
きっとこの事実は家族内での秘密。
国としては違う発表になるのだろう。
それくらいは役立たずのダメ王女でもわかる。
だけどそれでもいい。
こうしてお父様達の本当の気持ちを知ることが出来たのだからーー。
17年間私を育ててくれて本当にありがとう。
私もずっと家族を愛しているよ。
「まだ越してきたばかりで何もありませんが……」
そう言いながらも新品の家具が溢れた室内に案内するトロイ。木で出来た食卓や寛げるソファー、高そうな食器や調理器具もあった。
……朝、隣の家の人が住んでるの見てるんだけど私。
何なの? この別世界は……
絶対に一人じゃ出来ないでしょ。これ……
明らかに第三師団の部下も関わっていそうな事態に思わず溜め息が溢れた。
しかも調理器具って……
料理のしないトロイには必要ないでしょ。
室内をジロジロと眺めているとーー
「いつかこの家で料理する方が現れるかもしれませんから、準備を整えました。アクア様も何か作りたい時は遠慮せずにいらしてくださいね。」
「……ありがとう。」
若干理由が腑に落ちないけど、とりあえずお礼を告げた。
「で、訳を聞かせてよ。何でトロイは此処にいるの? 騎士団辞めるなんてどういうつもりよ!」
ソファーに座らされた私は疑問がありすぎて興奮状態だった。
「一先ず私が遠征に行った経緯から説明しますね。」
「ええ……あれはかなり変だった。いつものトロイアスじゃなかった!」
いつも側にいた癖に、どんなに私が第三師団長の仕事に行けって言っても側から離れなかった癖にいきなり何の説明もなく旅立っていったんだから!
「あれは陛下から出された課題だったのです。私がアクリアーナ様の嫁ぎ先へ一緒に行けるように口添えして貰うための。いくつか難題を出されましてそれをクリアできたら護衛騎士として付いていっても構わないと言われました。」
「え……隣国までついてくるつもりだったの!?」
「もちろんですよ! 私は生涯貴女の側にいると自分に誓ってますからね! まぁアクリアーナ様が平民となるのなら身分なんて必要ありませんし、こうして騎士を辞めて来ました。」
私にじゃなくて、自分に誓ったの!?
本当に身勝手な男だ!
どんなに紳士な騎士風に装っても本来のトロイアスの荒っぽい強引な部分は隠しきれない。
まぁその行動の根底には必ず私の安全や私の幸せを願っているトロイアスの想いがあるからまだ我慢できるし、有り難いと思ってしまう。
トロイアスは私の一番近くにいて7年間、私の無茶な頼みを聞いてくれて、私の事を守ってくれた人だし。
「はぁ……でもお父様がよく認めてくれたね。トロイアスは騎士団最強なんでしょ? 普通辞められないでしょ。」
「いえ、陛下は私が騎士団を辞める事はわかっていらしゃいましたよ。こうしてすぐに辞めれたのも陛下が事前に根回しをしてくれたお陰ですし……」
「え? お父様が……?」
「退職祝いだといって大金と王族認可章を頂きました。あとアクリアーナ様の側を決して離れずに生涯守り通せと言われました。」
王家の紋章が入った金色の指輪を見せられた。
え? 王族認可章って……
王族がその者の行いを全て認可して許すっていう許可章? ここ数十年間使った事がないっていう? ……元王女なのに見るの初めてだよ。
……ッ!
そんな事言ってたの? お父様……
「「会いに行くと伝言残したのに約束を違えてすまない。……外の世界でどうか幸せになってくれ。」陛下からの伝言でございます。」
伝言? そんなのいつ……?
でも会いに来るつもりだったの?
私の幸せを願ってくれるの?
「此方も渡されました。」
そう言って王家の紋章が刻まれたトランクケースのような木箱を差し出された。
箱を開けてみると、そこには私が王城から持ち出したかった物が全て入っていた。
誕生日にもらったドレスやリボン、髪飾り。
そしてお姉様とお揃いのネックレスが入っていた。
それぞれマルヴィーア王国から離れて嫁ぐ事が決まっていた私達。それでもこの国を忘れずにいようとお姉様が用意してくれた。
王家の紋章が刻まれた金色のプレートその周囲を装飾する青色に輝くサファイヤと茶色に輝くアンダルサイトのネックレス。
箱の中には見覚えのない手紙が二通。そして小さな木箱が一つ入っていた。
「……お茶が冷めたので入れ直して来ますね。」
気をつかってくれたのか、トロイがその場から離れていくのを感じた。
恐る恐る手紙を開けてみるとーー。
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愛する娘 アクリアーナ
私は何とも不甲斐ない父であったな。
お前を周囲の悪意から守る事が出来ず、負担ばかり強いるひどい父であった。
最後の約束すら守れずに本当にすまない。
王族に生まれ、その重責や周囲からの悪意に耐えた事を誇りに思う。
私の愛しい娘よ。
妖精の取り替え子など関係ない。
どんな事実や周囲からの言葉があろうとも私達親子の縁は決して切れぬ。
何処にいてもアクリアーナの幸せを願っているよ。
愛しているよ、我が娘 アクリアーナ。
追伸、そのピアスは18歳の成人祝いに家族で用意した品だ。その宝石は遠い国の稀少な物らしく、テオドールがわざわざ商人に買い付けに行かせた物だ。
私達家族が一つだという事を示す宝石だとあやつが言っておった。
因みにこのピアスは5人分作ったからお揃いだ。
もしもアクリアーナが嫌ではなかったら付けてくれ。
いつまでも愛しているよ。私の大切な娘 アクリアーナ。
あとトロイアスはお前の騎士だ。
危険が迫ったら盾にでもして逃げなさい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
箱の中には茶色と金色が混ざったような美しい琥珀のピアスが入っていた。
私と家族の色が混ざったようなそんな色だった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私の可愛い娘 アクリアーナ
ごめんなさい。何度伝えても足りないわね。
私があの夜失態をしたばかりにこんな事になってしまったわ。本当にごめんなさい。
あんな小娘の歌に惑わされるなんてどうかしてたわ。
本当にごめんなさい。
最後だというのに会いにも行けなくて本当にごめんなさい。
私は貴女の母だというのに、いつも見ている事しか出来なかった。
体や心を傷つけて必死に王女になろうとしている貴女に何もしてあげられなかった。
私やエリアディーナの真似をして必死に淑女になろうとしていた貴女を昨日のように思い出せるわ。
頑張り屋さんで、真面目で、ちょっぴり頑固な私の可愛い娘。貴女を愛しているわ……
貴女に幸せな人生を与えられない酷い母でごめんなさい。
貴女の人生を見届けられないのは凄くつらい。
でも貴女を不幸にしかしない、この場所から離れられるのなら喜んで貴女を手放すわ。
どうか幸せになって……
貴女を本当に愛してくれる人の側で自分の人生を歩みなさい。
いつまでも貴女の幸せを願っているわ。
愛しているわ、私の可愛いアクリアーナ。
追伸、トロイアスは騎士としては信頼しても問題ないと思うわ。でもね、男としてはちょっと危険な香りがするから受け入れるのなら気をつけてちょうだい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ハラハラと自然に溢れ落ちていく涙。
何度も何度も手紙を読み返して、贈り物を全て抱き締めた。
「…………私、捨てられてなかった。」
愛情がこれでもかと詰まった手紙や贈り物。
これを見れば、見捨てられたなんて思えなかった。
私の幸せを願って、城から送り出してくれた。
きっとこの事実は家族内での秘密。
国としては違う発表になるのだろう。
それくらいは役立たずのダメ王女でもわかる。
だけどそれでもいい。
こうしてお父様達の本当の気持ちを知ることが出来たのだからーー。
17年間私を育ててくれて本当にありがとう。
私もずっと家族を愛しているよ。
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