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~第一章~
サマンサの絶望
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「いやぁぁぁあああああーー!!!」
突然甲高い若い女性の叫び声が王城内に響き渡った。
本日は第二王女サマンサのお披露目兼、隣国への出立式が民の前で行われる。
隣国へ一度帰国していたクリスディーク王子から迎えに行くと手紙が届いた為、いつもよりも早く目を覚ましたサマンサ。
昨日までちょっと羽目を外してダラダラしながら暴飲暴食を続けていた自覚のあるサマンサは久しぶりにマッサージでもしてもらって体の調子を整えようかと思って侍女を呼び出そうとした。
ちょっとムチっとなってる気がするけど、オイルマッサージでもして絞れば何とかなるでしょ。
どうせコルセットすればどうにかなるんだし、顔は以前の美少女のままなんだから問題ない! ない!
たるんだお腹や贅肉がついてむくんだ足や二の腕を見ても楽観的なサマンサ。
それもその筈だ。
本来なら部屋に必ずある姿見鏡がなくなっていたせいで現在の自分の姿を知らなかったのだ。
何故姿見鏡がないかというと貴族達からの多すぎる贈り物のせいで部屋から出されていたからだ。
侍女が贈り物は別室で保管すると言ったのをサマンサが信じきれず自分の部屋に運び込むよう無理矢理 命じていたのだ。その際に置き場が無くなってたのを見て、姿見鏡やドレッサー等を部屋から出した。
まさか数ヶ月で別人に成り果てているとは考えもせずに。
「お呼びでしょうか、サマンサさーー」
自室のベルを鳴らして呼び出した侍女がサマンサを見て固まった。
ここ最近ちょっとまずい方向へ進んでいる第二王女を知ってはいたが、たかが侍女が本物の王族に対して苦言など出来る筈もなく見てみぬ振りをしてきた。
料理やお菓子を運ぶ時もなるべく見ないようにして、素早く部屋を後にしていた。
侍女達の間では、きっとご自身で気がついて元の美しいサマンサ様に戻ってくださる。と期待していた。
だから侍女がこうやってまじまじとサマンサを見つめるのは久しぶりだった。
「どうしたの? 気分でも悪いの?」
基本身内以外には猫を被り良い子を演じてきたサマンサはきょとんとした表情で首を傾げた。
ったく! 今日は時間無いのよ? なに人の顔見て固まってんのよ!
可愛すぎて見惚れてるってわけ?
仕方ないわねー。美しすぎるっていうのも罪よね。
サマンサに話しかけられた侍女は真っ青な顔で震えていた。
どうやってこの事実を伝えるべきか?
自分一人がこの責を負わなければならないのか?
あと数時間後には第二王女としてのお披露目があるのに。王族や貴族、婚約者と会うというのに……これは人前に出しても良い姿なのか、一介の侍女には判断がつかなかった。
「しょ、少々お待ち下さいませ。」
侍女はサマンサからの返答を待たずに猛ダッシュで王城内を駆け抜けた。そして侍女長と執事に事実をありのまま伝えて判断を仰いだ。
「な、何を言ってるの? サ、サマンサ様が化け物に変わったなんて……」
「いえ、そうではなく化け物みたいになったんですよ! 顔がパンパンに膨れ上がってて、顔中には吹き出物がボコボコ出来てるんです! 体型もかなり変化しててぽっちゃり通り越してます!」
「な、あ、貴女達は今まで一体何をしてたの!? サマンサ様のお世話はどうしてたの!?」
「うっ…………そ、それは……サマンサ様の指示通りにお肉中心の食事やお菓子やデザートなどを運んだり、過ごしやすいワンピースを作ったりしてました。」
「過ごしやすいワンピース?」
「な、なんでもTシャツワンピと言うらしく、綿素材の生地をワンピース型にした物です。……サマンサ様が部屋着として着たいと申されまして。」
「お、王女がそんな物を着てたの? あ、貴女達一体何を考えてーー」
「だ、だって、サマンサ様の意向には全て従うようにと言ってたではありませんか!」
「それはあくまでも常識の範囲内です! 一体どうするつもりですか! そんなだらしない格好をしていたのなら気がつかない内に体型が崩れていても可笑しくありません! 本日はサマンサ様にとって特別な日なのにドレスが着れなければ式典に参加すら出来ませんよ! 」
「そんな事言われても……」
自分が王妃様担当だからとやって来たばかりの第二王女の生活を部下に任せきりにしていた侍女長は自分の無責任さを棚に上げて侍女を責め立てた。
そんな状況の中、ずっと黙り続けていた執事が重い口を開いた。
「事態はわかりましたが予定変更はできません。陛下達のスケジュールもこの日に合わせて調整してきたのです。隣国の王子もあと数時間もすればいらっしゃいます。一先ず貴女達は出来る範囲、第二王女を整えて連れてくればいい。どうせ民に顔を見せるのもこれっきりですし、隣国の王子との婚約も確定してるのですから後は彼方側に任せましょう。」
執事の言葉を要約すると、婚約者として隣国へ押し付けちゃえば自分達はもう関係ない。という使用人の言葉とは思えない無情っぷりだった。
だがこの緊急事態に救いと思える言葉に侍女達は「わかりました。そのように致します。」と如何にも自分達は命令に従うだけといった返答でその場を後にした。
1日1度、必ずサマンサの部屋に様子伺いとして訪れていた執事はこの事態を以前から把握していたが、さも今知ったかのように振る舞って、侍女長達を動かした。
そして侍女長は第二王女付きの侍女を全員叩き起こして事情を説明し、連帯責任として全員でサマンサの準備にあたるよう命じた。
「あ、戻ってきた。いきなり居なくなってどうしたの? 心配したよ?」
サマンサの自室へ戻ってきた侍女は「お待たせして申し訳ございません。本日の準備の為に他の侍女も呼んで参りました。」と言って、部屋の外に控えていた侍女達を室内に引き入れた。
「……ッ……!」
「……ヒッ!」
「…………ぁ……」
「…………。」
化け物に変貌を遂げたとは聞いていたが、実際に目の当たりにすると予想を遥かに越えていた。
あきらかに様子のおかしい侍女達の態度に不信感を抱いたが、すぐに表情を戻した姿を見て追求するのを止めたサマンサは、侍女達に言われるままマッサージを受けて準備を進めていった。
まずは浴室でオイルマッサージをして香油を隅々まで塗った。そして朝食を食べながら休憩してから本格的な準備が始まった。
「うぅぅっ……く、苦しっ……」
「頑張って下さい、サマンサ様! あと少しでございます!」
「……む、むり……」
「ですがこのドレスはーー」
「無理って言ってるでしょ! 他のにして!」
ドレスの着付け中だったのだが、きつめにコルセットを締めても数ヶ月前に測ったサイズのドレスが入らない。
パンパンにむくんだ二の腕がまず入りきらない。
贅肉がお腹周りについてくびれのなくなったウエストはドレスがつっかえてしまって、ピチピチを通り越してビチビチだった。
腕が太くなったせいか、肩幅までゴツく見える。
ドレスの着付けが痛くて苦しくて恥ずかしかったサマンサは無意識に猫が剥がれていき、口調が荒くなっていった。
「ドレスなんて他にもいっぱいあんでしょ! ゆとりのある、ふんわりとしたのを持ってきてよ! あんな姿で人前に出られるわけないでしょ! 少しは頭使って考えなよ!」
「で、ですが……」
「あのドレスは……」
「何よ! 王族に逆らうって言うの!?」
「い、いえ! すぐに用意致します!」
「少々お待ち下さいませ!」
式典用に用意した特別な金色のドレスに変わりなんて存在しない。だが豹変して怒りを露にする化け物の姿に恐れを感じた侍女達はドレスなんてもう何でもいいかと思い、一番ゆったりとした後ろを紐で編み上げるタイプのピンク色のドレスを選んだ。
ピンク色のドレスを着たサマンサはビチビチからムチムチくらいの変化だったが、さっきより息苦しくもなく身動きも取れる事に満足した。
そして少しでも小顔に見れるようにと侍女達が奮闘した結果、髪はハーフアップにして顔回りと首回りを髪を流して丸みのある肉を隠し、化粧もなるべく化け物感を消す努力をした。
まぁこの世界にカバー能力のある下地やコンシーラー等は存在しない為、白粉を塗るしかなかったが。
「…………。」
打てる手は尽くした。
だが侍女達は顔を見合せながら泣きたくなった。
手が止まった侍女達の姿に苛立ったサマンサは「ねぇ終わったの? なら鏡持ってきてよ!」と自ら首を絞める発言をした。
そして言われるまま侍女が持ってきた姿見鏡を見てサマンサは絶望の悲鳴をあげたのだった。
「いやぁぁぁあああああーー!!!」
自分の顔と姿見鏡を何度も触って見比べた。
違う、違うと首を振ってみたが、現実からは逃げられなかった。
「ぃや、何よ、これ……誰?」
助けを求めるように侍女達の方へと振り返った。
「ねぇこれ誰? 何でこんな白くてデコボコした顔になってんの? こんな化け物みたいなのが私なの? ドレスも全然似合ってない! デブが似合わないドレスを着せられちゃってるって感じだよ! 何よ、これ! どういう事!? 化け物の豚じゃないっ!?」
「…………ッ!」
侍女達は全員真っ青な顔で俯いて口をつぐんだ。
見た目を誤魔化す為に真っ白な白粉をこれでもかと塗りまくったがそれでも吹き出物が消える事はなく、顔はパンパンに膨れており、ぱっちりした目は肉で埋もれて小さくなっていた。
手を尽くしたつもりが余計に化け物感が増したかもしれない。
それが侍女達の正直な意見だった。
そして顔だけでなく、ドレス姿もかなり酷かった。
数ヶ月前の華奢な姿は何処にもなく、贅肉がついた腕や肩はガタイの良さを見せつけており、コルセットで絞めた筈なのにくびれのないウエスト、あきらかにお腹が膨れているのがドレスの上からもわかる見苦しい姿のサマンサがそこにはいた。
突然甲高い若い女性の叫び声が王城内に響き渡った。
本日は第二王女サマンサのお披露目兼、隣国への出立式が民の前で行われる。
隣国へ一度帰国していたクリスディーク王子から迎えに行くと手紙が届いた為、いつもよりも早く目を覚ましたサマンサ。
昨日までちょっと羽目を外してダラダラしながら暴飲暴食を続けていた自覚のあるサマンサは久しぶりにマッサージでもしてもらって体の調子を整えようかと思って侍女を呼び出そうとした。
ちょっとムチっとなってる気がするけど、オイルマッサージでもして絞れば何とかなるでしょ。
どうせコルセットすればどうにかなるんだし、顔は以前の美少女のままなんだから問題ない! ない!
たるんだお腹や贅肉がついてむくんだ足や二の腕を見ても楽観的なサマンサ。
それもその筈だ。
本来なら部屋に必ずある姿見鏡がなくなっていたせいで現在の自分の姿を知らなかったのだ。
何故姿見鏡がないかというと貴族達からの多すぎる贈り物のせいで部屋から出されていたからだ。
侍女が贈り物は別室で保管すると言ったのをサマンサが信じきれず自分の部屋に運び込むよう無理矢理 命じていたのだ。その際に置き場が無くなってたのを見て、姿見鏡やドレッサー等を部屋から出した。
まさか数ヶ月で別人に成り果てているとは考えもせずに。
「お呼びでしょうか、サマンサさーー」
自室のベルを鳴らして呼び出した侍女がサマンサを見て固まった。
ここ最近ちょっとまずい方向へ進んでいる第二王女を知ってはいたが、たかが侍女が本物の王族に対して苦言など出来る筈もなく見てみぬ振りをしてきた。
料理やお菓子を運ぶ時もなるべく見ないようにして、素早く部屋を後にしていた。
侍女達の間では、きっとご自身で気がついて元の美しいサマンサ様に戻ってくださる。と期待していた。
だから侍女がこうやってまじまじとサマンサを見つめるのは久しぶりだった。
「どうしたの? 気分でも悪いの?」
基本身内以外には猫を被り良い子を演じてきたサマンサはきょとんとした表情で首を傾げた。
ったく! 今日は時間無いのよ? なに人の顔見て固まってんのよ!
可愛すぎて見惚れてるってわけ?
仕方ないわねー。美しすぎるっていうのも罪よね。
サマンサに話しかけられた侍女は真っ青な顔で震えていた。
どうやってこの事実を伝えるべきか?
自分一人がこの責を負わなければならないのか?
あと数時間後には第二王女としてのお披露目があるのに。王族や貴族、婚約者と会うというのに……これは人前に出しても良い姿なのか、一介の侍女には判断がつかなかった。
「しょ、少々お待ち下さいませ。」
侍女はサマンサからの返答を待たずに猛ダッシュで王城内を駆け抜けた。そして侍女長と執事に事実をありのまま伝えて判断を仰いだ。
「な、何を言ってるの? サ、サマンサ様が化け物に変わったなんて……」
「いえ、そうではなく化け物みたいになったんですよ! 顔がパンパンに膨れ上がってて、顔中には吹き出物がボコボコ出来てるんです! 体型もかなり変化しててぽっちゃり通り越してます!」
「な、あ、貴女達は今まで一体何をしてたの!? サマンサ様のお世話はどうしてたの!?」
「うっ…………そ、それは……サマンサ様の指示通りにお肉中心の食事やお菓子やデザートなどを運んだり、過ごしやすいワンピースを作ったりしてました。」
「過ごしやすいワンピース?」
「な、なんでもTシャツワンピと言うらしく、綿素材の生地をワンピース型にした物です。……サマンサ様が部屋着として着たいと申されまして。」
「お、王女がそんな物を着てたの? あ、貴女達一体何を考えてーー」
「だ、だって、サマンサ様の意向には全て従うようにと言ってたではありませんか!」
「それはあくまでも常識の範囲内です! 一体どうするつもりですか! そんなだらしない格好をしていたのなら気がつかない内に体型が崩れていても可笑しくありません! 本日はサマンサ様にとって特別な日なのにドレスが着れなければ式典に参加すら出来ませんよ! 」
「そんな事言われても……」
自分が王妃様担当だからとやって来たばかりの第二王女の生活を部下に任せきりにしていた侍女長は自分の無責任さを棚に上げて侍女を責め立てた。
そんな状況の中、ずっと黙り続けていた執事が重い口を開いた。
「事態はわかりましたが予定変更はできません。陛下達のスケジュールもこの日に合わせて調整してきたのです。隣国の王子もあと数時間もすればいらっしゃいます。一先ず貴女達は出来る範囲、第二王女を整えて連れてくればいい。どうせ民に顔を見せるのもこれっきりですし、隣国の王子との婚約も確定してるのですから後は彼方側に任せましょう。」
執事の言葉を要約すると、婚約者として隣国へ押し付けちゃえば自分達はもう関係ない。という使用人の言葉とは思えない無情っぷりだった。
だがこの緊急事態に救いと思える言葉に侍女達は「わかりました。そのように致します。」と如何にも自分達は命令に従うだけといった返答でその場を後にした。
1日1度、必ずサマンサの部屋に様子伺いとして訪れていた執事はこの事態を以前から把握していたが、さも今知ったかのように振る舞って、侍女長達を動かした。
そして侍女長は第二王女付きの侍女を全員叩き起こして事情を説明し、連帯責任として全員でサマンサの準備にあたるよう命じた。
「あ、戻ってきた。いきなり居なくなってどうしたの? 心配したよ?」
サマンサの自室へ戻ってきた侍女は「お待たせして申し訳ございません。本日の準備の為に他の侍女も呼んで参りました。」と言って、部屋の外に控えていた侍女達を室内に引き入れた。
「……ッ……!」
「……ヒッ!」
「…………ぁ……」
「…………。」
化け物に変貌を遂げたとは聞いていたが、実際に目の当たりにすると予想を遥かに越えていた。
あきらかに様子のおかしい侍女達の態度に不信感を抱いたが、すぐに表情を戻した姿を見て追求するのを止めたサマンサは、侍女達に言われるままマッサージを受けて準備を進めていった。
まずは浴室でオイルマッサージをして香油を隅々まで塗った。そして朝食を食べながら休憩してから本格的な準備が始まった。
「うぅぅっ……く、苦しっ……」
「頑張って下さい、サマンサ様! あと少しでございます!」
「……む、むり……」
「ですがこのドレスはーー」
「無理って言ってるでしょ! 他のにして!」
ドレスの着付け中だったのだが、きつめにコルセットを締めても数ヶ月前に測ったサイズのドレスが入らない。
パンパンにむくんだ二の腕がまず入りきらない。
贅肉がお腹周りについてくびれのなくなったウエストはドレスがつっかえてしまって、ピチピチを通り越してビチビチだった。
腕が太くなったせいか、肩幅までゴツく見える。
ドレスの着付けが痛くて苦しくて恥ずかしかったサマンサは無意識に猫が剥がれていき、口調が荒くなっていった。
「ドレスなんて他にもいっぱいあんでしょ! ゆとりのある、ふんわりとしたのを持ってきてよ! あんな姿で人前に出られるわけないでしょ! 少しは頭使って考えなよ!」
「で、ですが……」
「あのドレスは……」
「何よ! 王族に逆らうって言うの!?」
「い、いえ! すぐに用意致します!」
「少々お待ち下さいませ!」
式典用に用意した特別な金色のドレスに変わりなんて存在しない。だが豹変して怒りを露にする化け物の姿に恐れを感じた侍女達はドレスなんてもう何でもいいかと思い、一番ゆったりとした後ろを紐で編み上げるタイプのピンク色のドレスを選んだ。
ピンク色のドレスを着たサマンサはビチビチからムチムチくらいの変化だったが、さっきより息苦しくもなく身動きも取れる事に満足した。
そして少しでも小顔に見れるようにと侍女達が奮闘した結果、髪はハーフアップにして顔回りと首回りを髪を流して丸みのある肉を隠し、化粧もなるべく化け物感を消す努力をした。
まぁこの世界にカバー能力のある下地やコンシーラー等は存在しない為、白粉を塗るしかなかったが。
「…………。」
打てる手は尽くした。
だが侍女達は顔を見合せながら泣きたくなった。
手が止まった侍女達の姿に苛立ったサマンサは「ねぇ終わったの? なら鏡持ってきてよ!」と自ら首を絞める発言をした。
そして言われるまま侍女が持ってきた姿見鏡を見てサマンサは絶望の悲鳴をあげたのだった。
「いやぁぁぁあああああーー!!!」
自分の顔と姿見鏡を何度も触って見比べた。
違う、違うと首を振ってみたが、現実からは逃げられなかった。
「ぃや、何よ、これ……誰?」
助けを求めるように侍女達の方へと振り返った。
「ねぇこれ誰? 何でこんな白くてデコボコした顔になってんの? こんな化け物みたいなのが私なの? ドレスも全然似合ってない! デブが似合わないドレスを着せられちゃってるって感じだよ! 何よ、これ! どういう事!? 化け物の豚じゃないっ!?」
「…………ッ!」
侍女達は全員真っ青な顔で俯いて口をつぐんだ。
見た目を誤魔化す為に真っ白な白粉をこれでもかと塗りまくったがそれでも吹き出物が消える事はなく、顔はパンパンに膨れており、ぱっちりした目は肉で埋もれて小さくなっていた。
手を尽くしたつもりが余計に化け物感が増したかもしれない。
それが侍女達の正直な意見だった。
そして顔だけでなく、ドレス姿もかなり酷かった。
数ヶ月前の華奢な姿は何処にもなく、贅肉がついた腕や肩はガタイの良さを見せつけており、コルセットで絞めた筈なのにくびれのないウエスト、あきらかにお腹が膨れているのがドレスの上からもわかる見苦しい姿のサマンサがそこにはいた。
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