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ー番外編ーヴィオレット*隣国編*
⑤
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(知ってるんだよね?
話を振ってくるって事は・・・)
私は恐る恐る、あの孤児院に住みついている謎の3人組の話をした。
「・・・で、レイが言うには暗殺者で、サンは元騎士だと言っているのだな?・・・」
「はい。・・・二人共、関わるべきじゃないと言っています。」
「・・・・・・ヴィオレットはそれでいいのか?」
試すように私を見つめてくるお祖父様に「諦めたくありません、でも私のワガママで護衛を危険になど晒すわけには参りません。・・・ですから最後の悪足掻きとしてその危険人物の身元調査の助言をお祖父様にして頂きたいと考えています。」
「お願い致します。お祖父様・・・お力を御貸しください。」
「うむ・・・・・・やはりいいなぁ・・・」
「・・・?・・・・・・」
顔が緩みきっているお祖父様を訳がわからず見つめていると、「ずるいわ。貴方ばかりヴィオレットに頼ってもらえて・・・」と不貞腐れているお祖母様がいた。
「・・・仕方なかろう。ヴィオレットが私を頼っておるのだから・・・」
と嬉しそう笑いながら顎髭を撫で付けるお祖父様・・・するとお祖母様は反撃をするかの如く楽しそうに話し始めた。
「いいわ・・・その代わりヴィオレットが好きな人が出来たら私とケイトとイブの4人でお茶会を開きましょう?フフフ・・・ヴィオレットの恋の相談を私達でうけるわ・・・」
「な、・・・そ、そんな事許す筈が・・・」
「あら、女同士の話ですもの・・・こういった事は貴方には話せませんわよ。ねぇ?ヴィオレット・・・」
「え・・・ええ?・・・す、好きな人?」
思いもよらない話になり、パニックになっていた私を不憫に思ったのか・・・ケイトが「旦那様、奥様、話が逸れております。」と話を止めてくれた。「「うッ・・・」」暴走していた事を自覚したのか、2人共ばつの悪そうな顔をして、おずおずと席へ座り直した。
「ウォッホンッッ!!・・・ああ。孤児院の危険人物だったな・・・」
「は、はい。調べたいのですが・・・」
「うむ。先日ヴィオレットのお祖父様であられるユーロ様に連絡をとった。するとその者達は事情があって公爵家の方々が囲っている人物みたいだった。
私や護衛のサンやレイは安全の為、事情を聞かされている。ヴィオレットは・・・とりあえずその暗殺者のような男の事は手負いの獣でだと思っていればいい。
あとはそうだな。人間不信で、訳あって女性を心の底から軽蔑し憎んでいるらしい・・・。ヴィオレットも関わるのなら気をつけなさい。」
「え・・・え・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
もう調査終了している?、ユーロお祖父様もこの一件に関わっている?
そしてなんと言っても手負いの獣?人間不信?女を心の底から軽蔑して憎んでる・・・?
訳がわからず、驚きのあまり叫んでしまった私は、その場にいた怒りの淑女2人から「何て声をあげているのですか、はしたない!」「淑女教育はまだまだ必要ですわね・・・」と恐怖の説教を受けることになった。
そしてユーロお祖父様とニーチェお祖母様のからの手紙渡された私は、自分が思っていた以上に随分と甘やかされているという事を自覚する事になった・・・
(お祖父様もお祖母様も・・・そしてユーロお祖父様もニーチェお祖母様、孫バカなの?
もっと厳しくしてくれていいんだよ!?手筈が整い過ぎてて驚いてしまうよ・・・)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
親愛なるヴィオレット
元気にしているかな?私の愛しい孫娘。
無事にモーラナ町に着いたと聞いて安心したよ。何か不自由している事や困っている事はないかな?
何かあったら直ぐに連絡をしておいで。
それとロイズ殿(お祖父様)から話は聞いたよ。ヴィオレットは孤児院に興味を持ったようだね?やってみたい事があるのなら頑張ってみるといい・・・その代わり、何かあったら直ぐに報告するんだよ?
公爵家には私が今度話をつけておこう・・・孤児院には暫くしたら視察へ行くと思うからそのつもりでね!
因みにヴィオレットが気にしている男は君と同じ心に傷を負ってしまった者だ。
手酷い対応を受けるかもしれないが、孤児院で何かを成すのなら頑張って乗り越えなさい。
本当は側で見守りたいけどヴィオレットは極力私達の力は頼りたくないだろうから離れた所から見守っているよ・・・
━━━ ヴィオレットの愛するお祖父様 ━━━
(え・・・ユーロお祖父様ってもっと聡明で紳士的な方かと思ってた。
何なのこの溺愛モードは・・・そ、それに叔父様に了承を得てないのに勝手に決めちゃだめでしょ?・・・いいの?本当に・・・)
とりあえず私はユーロお祖父様に今の段階でまとめた計画を手紙に書いた。
そして本当に叔父様に了承を得なくていいのか?必要であれば公爵家に挨拶へ伺い自分で説明をすると・・・。
だが・・・お祖父様からの返事は又も「確認したら悪い事ではないのだからヴィオレットの好きにしなさい。と言ってたから問題ないよ。」
「報告もきちんと受けてるからやりたいようにやってみなさい。」と書いてあった・・・
そして「美しくなったヴィオレットに皆会いたがっているから手があいた者から君に会いに行くかもね。」と、とんでもない事が書いてあった。
(う、美しくなった?・・・身内贔屓が過ぎるよ。ユーロお祖父様・・・
・・・それに皆って誰?)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
親愛なるヴィオレット
まだまだ肌寒い季節だけど体は壊してないかしら?馴れない土地で新しい生活は心も体にも負担があるかと思い、心配しています。
何か困った事や助けが必要なら連絡してきなさい・・・
さて、何やら孤児院で新しい事を始めるそうですね。恐らく人手が必要になる時が来る筈です。もし人手に困ったら私に声をかけなさい。これでも貴女よりはこの国で顔が利きますからいい人材を紹介しましょう。
ですが私に出来るのは紹介するまでです。その先は貴女が賢く考えて行動をおこしなさい。
貴女がこの国で何をするのか楽しみにしています。
そしてヴィオレットの幸せを願っています。
最後に、私のもう一人の孫で貴女の従兄弟のラーシュハルト・ウィルトリアには気をつけなさい。貴女が覚えているかはわかりませんが、 ウィルトリア公爵家の男はある意味、危険な男達です。
貴女がモーラナ町に居る事はもうバレています。再会を穏便に済ませたいのならラーシュハルトを否定してはいけませんからね・・・
追伸.曾孫に会えるのを楽しみに私も長生きを努めます。ですから良い方との出会いがあれば報告しなさい・・・確認に行きます。
━━━━━━━━貴女の祖母━━━━━━━━
「ふぅ・・・」
手紙を読み終わって一息ついた・・・
(ニーチェお祖母様も孫に甘い派なの?他の人達よりかは穏便な気はするけど・・・)
(それに・・・従兄弟に気をつけろってどういう意味なの?確か従兄弟とは6歳離れてて、昔は・・・あ、あれ?会った事あったっけ?思い出せない・・・)
私はわざと最後の追伸を見なかった事にして、ケイトに従兄弟がどんな人なのか聞いてみた。
(だって曾孫だよ?・・・相手すらいないのに、気が早すぎる。それに確認って怖ッ!!!)
「お嬢様の従兄弟でしょうか?」
「うん。お祖母様から気をつけるように言われてて、昔会った事はある筈なのに思い出せなくて、ケイトは何か覚えてる?」
「ええ・・・覚えていますわ。
最初、お嬢様はラーシュ兄様と呼んで遊んでいらしたり、お菓子を一緒に食べたり、一緒にいる事を楽しんでおられていたのです。ですが少し目を離した隙にヴィオレットは大泣きされていまして、その日からラーシュハルト様の事を怖がるようになっていたのですが・・・何も思い出せませんか?一週間程共に過ごされていたのですよ・・・」
ケイトは私が思い出しやすいように何処へ行って何をしたのか、私と従兄弟がどんな遊びをしていたのかを教えてくれた・・・
スペンサー侯爵家に従兄弟が遊びに・・・?
11歳だった従兄弟と5歳だった私・・・
従兄弟には本を読んでもらったり。お菓子を一緒に食べたりまるで本当の兄妹のようだったらしい。そして、ケイトがいっているあの日とは屋敷の池で遊んでいた時の事らしい・・・
・・・全然覚えてない・・・・・・
ラーシュ兄様・・・わ、わからないわ・・・
ケイトが言うには危害を加えられて怯えているとかではなさそうだったと。
ただラーシュ兄様何て大嫌いッッッ!!!と泣きわめいて部屋に閉じ籠もり、そのまま従兄弟は隣国へ帰る事になったらしい・・・
(わかんないよ・・・ユーロお祖父様とニーチェお祖母様は、たまに会うから覚えてるけど、叔父様だって今まで数回しか会っていなくて、うろ覚えなのに・・・5歳の時に一週間だけ会った相手なんて覚えていられないよ・・・)
ニーチェお祖母様の気を付けろの意味がわからず、とりあえず今度会える時に必ず聞いてみようと決めた・・・
話を振ってくるって事は・・・)
私は恐る恐る、あの孤児院に住みついている謎の3人組の話をした。
「・・・で、レイが言うには暗殺者で、サンは元騎士だと言っているのだな?・・・」
「はい。・・・二人共、関わるべきじゃないと言っています。」
「・・・・・・ヴィオレットはそれでいいのか?」
試すように私を見つめてくるお祖父様に「諦めたくありません、でも私のワガママで護衛を危険になど晒すわけには参りません。・・・ですから最後の悪足掻きとしてその危険人物の身元調査の助言をお祖父様にして頂きたいと考えています。」
「お願い致します。お祖父様・・・お力を御貸しください。」
「うむ・・・・・・やはりいいなぁ・・・」
「・・・?・・・・・・」
顔が緩みきっているお祖父様を訳がわからず見つめていると、「ずるいわ。貴方ばかりヴィオレットに頼ってもらえて・・・」と不貞腐れているお祖母様がいた。
「・・・仕方なかろう。ヴィオレットが私を頼っておるのだから・・・」
と嬉しそう笑いながら顎髭を撫で付けるお祖父様・・・するとお祖母様は反撃をするかの如く楽しそうに話し始めた。
「いいわ・・・その代わりヴィオレットが好きな人が出来たら私とケイトとイブの4人でお茶会を開きましょう?フフフ・・・ヴィオレットの恋の相談を私達でうけるわ・・・」
「な、・・・そ、そんな事許す筈が・・・」
「あら、女同士の話ですもの・・・こういった事は貴方には話せませんわよ。ねぇ?ヴィオレット・・・」
「え・・・ええ?・・・す、好きな人?」
思いもよらない話になり、パニックになっていた私を不憫に思ったのか・・・ケイトが「旦那様、奥様、話が逸れております。」と話を止めてくれた。「「うッ・・・」」暴走していた事を自覚したのか、2人共ばつの悪そうな顔をして、おずおずと席へ座り直した。
「ウォッホンッッ!!・・・ああ。孤児院の危険人物だったな・・・」
「は、はい。調べたいのですが・・・」
「うむ。先日ヴィオレットのお祖父様であられるユーロ様に連絡をとった。するとその者達は事情があって公爵家の方々が囲っている人物みたいだった。
私や護衛のサンやレイは安全の為、事情を聞かされている。ヴィオレットは・・・とりあえずその暗殺者のような男の事は手負いの獣でだと思っていればいい。
あとはそうだな。人間不信で、訳あって女性を心の底から軽蔑し憎んでいるらしい・・・。ヴィオレットも関わるのなら気をつけなさい。」
「え・・・え・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
もう調査終了している?、ユーロお祖父様もこの一件に関わっている?
そしてなんと言っても手負いの獣?人間不信?女を心の底から軽蔑して憎んでる・・・?
訳がわからず、驚きのあまり叫んでしまった私は、その場にいた怒りの淑女2人から「何て声をあげているのですか、はしたない!」「淑女教育はまだまだ必要ですわね・・・」と恐怖の説教を受けることになった。
そしてユーロお祖父様とニーチェお祖母様のからの手紙渡された私は、自分が思っていた以上に随分と甘やかされているという事を自覚する事になった・・・
(お祖父様もお祖母様も・・・そしてユーロお祖父様もニーチェお祖母様、孫バカなの?
もっと厳しくしてくれていいんだよ!?手筈が整い過ぎてて驚いてしまうよ・・・)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
親愛なるヴィオレット
元気にしているかな?私の愛しい孫娘。
無事にモーラナ町に着いたと聞いて安心したよ。何か不自由している事や困っている事はないかな?
何かあったら直ぐに連絡をしておいで。
それとロイズ殿(お祖父様)から話は聞いたよ。ヴィオレットは孤児院に興味を持ったようだね?やってみたい事があるのなら頑張ってみるといい・・・その代わり、何かあったら直ぐに報告するんだよ?
公爵家には私が今度話をつけておこう・・・孤児院には暫くしたら視察へ行くと思うからそのつもりでね!
因みにヴィオレットが気にしている男は君と同じ心に傷を負ってしまった者だ。
手酷い対応を受けるかもしれないが、孤児院で何かを成すのなら頑張って乗り越えなさい。
本当は側で見守りたいけどヴィオレットは極力私達の力は頼りたくないだろうから離れた所から見守っているよ・・・
━━━ ヴィオレットの愛するお祖父様 ━━━
(え・・・ユーロお祖父様ってもっと聡明で紳士的な方かと思ってた。
何なのこの溺愛モードは・・・そ、それに叔父様に了承を得てないのに勝手に決めちゃだめでしょ?・・・いいの?本当に・・・)
とりあえず私はユーロお祖父様に今の段階でまとめた計画を手紙に書いた。
そして本当に叔父様に了承を得なくていいのか?必要であれば公爵家に挨拶へ伺い自分で説明をすると・・・。
だが・・・お祖父様からの返事は又も「確認したら悪い事ではないのだからヴィオレットの好きにしなさい。と言ってたから問題ないよ。」
「報告もきちんと受けてるからやりたいようにやってみなさい。」と書いてあった・・・
そして「美しくなったヴィオレットに皆会いたがっているから手があいた者から君に会いに行くかもね。」と、とんでもない事が書いてあった。
(う、美しくなった?・・・身内贔屓が過ぎるよ。ユーロお祖父様・・・
・・・それに皆って誰?)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
親愛なるヴィオレット
まだまだ肌寒い季節だけど体は壊してないかしら?馴れない土地で新しい生活は心も体にも負担があるかと思い、心配しています。
何か困った事や助けが必要なら連絡してきなさい・・・
さて、何やら孤児院で新しい事を始めるそうですね。恐らく人手が必要になる時が来る筈です。もし人手に困ったら私に声をかけなさい。これでも貴女よりはこの国で顔が利きますからいい人材を紹介しましょう。
ですが私に出来るのは紹介するまでです。その先は貴女が賢く考えて行動をおこしなさい。
貴女がこの国で何をするのか楽しみにしています。
そしてヴィオレットの幸せを願っています。
最後に、私のもう一人の孫で貴女の従兄弟のラーシュハルト・ウィルトリアには気をつけなさい。貴女が覚えているかはわかりませんが、 ウィルトリア公爵家の男はある意味、危険な男達です。
貴女がモーラナ町に居る事はもうバレています。再会を穏便に済ませたいのならラーシュハルトを否定してはいけませんからね・・・
追伸.曾孫に会えるのを楽しみに私も長生きを努めます。ですから良い方との出会いがあれば報告しなさい・・・確認に行きます。
━━━━━━━━貴女の祖母━━━━━━━━
「ふぅ・・・」
手紙を読み終わって一息ついた・・・
(ニーチェお祖母様も孫に甘い派なの?他の人達よりかは穏便な気はするけど・・・)
(それに・・・従兄弟に気をつけろってどういう意味なの?確か従兄弟とは6歳離れてて、昔は・・・あ、あれ?会った事あったっけ?思い出せない・・・)
私はわざと最後の追伸を見なかった事にして、ケイトに従兄弟がどんな人なのか聞いてみた。
(だって曾孫だよ?・・・相手すらいないのに、気が早すぎる。それに確認って怖ッ!!!)
「お嬢様の従兄弟でしょうか?」
「うん。お祖母様から気をつけるように言われてて、昔会った事はある筈なのに思い出せなくて、ケイトは何か覚えてる?」
「ええ・・・覚えていますわ。
最初、お嬢様はラーシュ兄様と呼んで遊んでいらしたり、お菓子を一緒に食べたり、一緒にいる事を楽しんでおられていたのです。ですが少し目を離した隙にヴィオレットは大泣きされていまして、その日からラーシュハルト様の事を怖がるようになっていたのですが・・・何も思い出せませんか?一週間程共に過ごされていたのですよ・・・」
ケイトは私が思い出しやすいように何処へ行って何をしたのか、私と従兄弟がどんな遊びをしていたのかを教えてくれた・・・
スペンサー侯爵家に従兄弟が遊びに・・・?
11歳だった従兄弟と5歳だった私・・・
従兄弟には本を読んでもらったり。お菓子を一緒に食べたりまるで本当の兄妹のようだったらしい。そして、ケイトがいっているあの日とは屋敷の池で遊んでいた時の事らしい・・・
・・・全然覚えてない・・・・・・
ラーシュ兄様・・・わ、わからないわ・・・
ケイトが言うには危害を加えられて怯えているとかではなさそうだったと。
ただラーシュ兄様何て大嫌いッッッ!!!と泣きわめいて部屋に閉じ籠もり、そのまま従兄弟は隣国へ帰る事になったらしい・・・
(わかんないよ・・・ユーロお祖父様とニーチェお祖母様は、たまに会うから覚えてるけど、叔父様だって今まで数回しか会っていなくて、うろ覚えなのに・・・5歳の時に一週間だけ会った相手なんて覚えていられないよ・・・)
ニーチェお祖母様の気を付けろの意味がわからず、とりあえず今度会える時に必ず聞いてみようと決めた・・・
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