ヒロインはモブの父親を攻略したみたいですけど認められません。

haru.

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ー番外編ーヴィオレット*隣国編*

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あの後小屋にユーロお祖父様とニーチェお祖母様までやってきて収拾がつかなくなったので、とりあえずラーシュ兄様は今日この小屋に泊まらせるとセディルさんが譲らず、ラーシュ兄様の孤児院でのお泊まりが決定した・・・

私が公爵家の子息にそれはどうなのか・・・ちょっと不安になりユーロお祖父様に確認すると「問題ないよ・・・男なんですから、一晩くらい何処でも寝れます。」と言い、ラーシュ兄様を置いて私達とユーロお祖父様、ニーチェお祖母様は屋敷へと帰る事になった・・・

屋敷に戻ると、ユーロお祖父様とサンとレイはお祖父様に話があると言い会いに向かった。

そして私はというと・・・ニーチェお祖母様に連れられて、お祖母様とケイトやイブの元へ行き5人で例のお茶会が開催される事になった。

お祖母様達はセディルさんとの事を根掘り葉掘り私から聞き出し、キャッキャッと楽しそうにお喋りしている。

そして話はラーシュ兄様の話に変わった・・・

「ラーシュ兄様の態度は何だか、甘過ぎると言いますか、恋人を相手にしているかのようですわ・・・」

あれにはどう対応するのが正解なのか困りました・・・と私は苦笑してニーチェお祖母様にどういう事なのですか?と問いかけた・・・

「はあ・・・やはりあの子もそうなのね・・」

ニーチェお祖母様は本当に困っている表情をしながら説明してくれた。

ウィルトリア公爵家の男達は代々身内の女を大切に大切にする性格だ・・・本人達に自覚があるのかは怪しいが、それは異常の域に達しており監禁紛いや流血沙汰の事件があった事も過去には起きたそうだ・・・

そしてラーシュ兄様の父であり、私の叔父様もその血をしっかりと受け継いでいた。叔父様の溺愛する対象の女性は妹であるお母様だった。叔父様もラーシュ兄様と同じで甘い言動をしていたらしいが、お母様にとっては子供の頃からの事で不信に思う事はなかったらしい・・・
(周囲はウィルトリア家の執着や溺愛を知っている者達なので口出しする者は誰もいないそうだ)

だが社交界に出て、外の世界を知っていったお母様は自分とお兄様の距離は可笑しいのでは?と思うようになったらしい・・・。そして決定的な事が起きた。・・・お母様が結婚適齢期に入っても婚約者が居なかった為、夜会への参加を頻繁にするようになっていた。それなのに婚約者は決まらない。少し良い関係になったと思ったら、次の夜会では相手にもされなかった。お母様は夜会とは怖い所なのねと悲しんでいたらしい・・・。

そして結婚適齢期の最終年に入っても婚約者は決まらなかった・・・そこで思った。

可笑しい・・・自分は公爵家の令嬢なのに、ここまで婚約が決まらないなんて異常だ・・・

気がついたらお母様が声をかけれる男性はいなくなっていた・・・

このままでは行き遅れ令嬢として残ってしまう。危機感を覚えていた時・・・屋敷内で聞いてしまったという・・・叔父様がお母様の出会いをことごとく潰していたという話を・・・そして婚姻などさせないで、公爵家で面倒をみようと・・・画策していた事を。

お母様はその話を聞き・・・怒りと同じくらい、怯えていたらしい・・・そしてニーチェお祖母様はお母様の『ここから逃げたい。』という願いを聞き入れて別の国の夜会にこっそりとお母様を連れ出してくれた。
そこでお父様とお母様は出会ったらしい・・・

「・・・・・・話をまとめると、お母様は叔父様から逃げる為にお父様と婚姻したの?」

「・・・・・・・・・・・・それだけじゃない筈よ?・・・でも逃げたがっていたのは事実です・・・」

唖然としている私に苦笑いで昔の事を話してくれるニーチェお祖母様・・・そしてお祖母様とケイトも話に加わった・・・

「私から見た2人はどちらかといえば息子が先に好きになった様子でしたわ・・・」

「ですが・・・レイラ様も憎からず想っていた御様子でした・・・」

「・・・そうなのね。」

そこからは若き頃のお父様とお母様の恋物語をお祖母様達から聞いた・・・

国に戻ると叔父様に邪魔をされるからって強引にお父様を口説き落として押しかけるように屋敷に滞在する権利を得たお母様・・・

あれは殆ど押しかけ女房のようでしたわね。と笑うお祖母様とケイト・・・そしてお恥ずかしいですわ。と苦笑いのニーチェお祖母様

そして突然居なくなった妹を取り戻そうとする叔父様からの妨害にもめげずに、お父様達は貴族としては最短の半年で婚姻をしたという。 そして、式当日の叔父様は何か事件でも起こしそうな程怖かった。とニーチェお祖母様は遠い目をしながら教えてくれた・・・

(そうやって障害ありきのスピード結婚だったからお母様が亡くなってから、愛や刺激に飢えてしまったのかもね・・・お父様・・・)

(まあ・・・刺激が欲しくてあのロリにいったのなら完璧に選択ミスだけどね・・・)

そして問題はラーシュ兄様だ・・・

お祖母様やニーチェお祖母様が言うには叔父様の時よりは穏やかな溺愛だから対応さえ間違えなければ問題ないそうだ・・・

私は昔の話を聞いている内に思い出した・・・ラーシュ兄様との苦い思い出を・・・

あれは幼い私が初めて自分より歳上の従兄弟に会えてハシャいでいた頃だ・・・
ラーシュ兄様、ラーシュ兄様と私がラーシュ兄様の周りを彷徨いていた。だがラーシュ兄様も満更ではない御様子で、私の世話をして可愛がってくれていた。
まあ、あの頃からスキンシップ激しめだったけど、お互い子供だったからな・・・

そして問題のあの日・・・池で遊んでいた私達は蛙を見て楽しんでいた・・・

普段から生き物が好きで、池で遊ぶ時には蛙を見かけていたので、他の令嬢とは違い、蛙に嫌悪感はなかった・・・だがそれは蛙という生き物を知っていたから大丈夫だったのだ。

それなのにラーシュ兄様は事もあろうに私の周りにいきなり蛇を・・・それもかなり大きな蛇を何匹も上から落としてきた・・・ラーシュ兄様は輝かしい笑顔で私にプレゼントだよ。と言った

ボタボタボタボタッ・・・・・・

落ちてきた蛇は捕らわれていたせいか、落とされたせいか、殺気立っていて側にいた私に牙を向けて来た。その形相は今思い出しても恐ろしい・・・。
だが本当に恐ろしかったのはその後だ・・・

蛇が私に牙を向けた瞬間ラーシュ兄様の足が蛇の首をグシャッと押さえつけるように踏みつけた

苦しそうに悶える蛇・・・
怒りのあまり向かってこようとする他の蛇達を睨みつけるラーシュ兄様・・・

「何をしようとしたんだい?・・・ヴィオレットが怯えてるじゃないか・・・」

そう言って蛇を威嚇しながら踏みつけるラーシュ兄様の顔には笑みが浮かんでいた・・・

その瞬間訳がわからなくて、怖くて、その場から逃げ出したくて、私は「ラーシュ兄様なんて大ッ嫌い」とかなんとか言って部屋へと逃げたような気がする・・・

私がその思い出話をすると皆若干青ざめながら「そういう事でしたのね・・・」と納得していた。そして余談としてニーチェお祖母様が教えてくれた。あの後私に嫌いと言われて病んでいたラーシュ兄様に叔父様が助言をした。
「嫌われて逃げられたらおしまいだ。さじ加減を決して間違えるな・・やるなら、相手には絶対バレないように隠し通せ・・・」

(え・・・・・・何これ・・・これは怖い話なの?・・・)

その場はシーーーンとなり重い空気が漂っていた。

「で、でもそのお陰で今回は上手い事、事件解決出来たんですものね!・・・悪い事だけではありませんよ・・・きっと・・・」

空気を変えようと明るく話し出したイブだったが、周囲の視線に耐えきれずに声が段々と小さくなっていった・・・

(まあ、セディルさんの件で助かったのは事実だから・・・悪い人ではないんだよね。きっと。
)

それでも私は孤児院にラーシュ兄様を置いてきた事を不安に感じていた・・・

セディルさんや子供達や院長様達は無事に一晩過ごせるのかな・・・セディルさん・・・何もされていないよね・・友達だもの・・・




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