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愚兄と侍女の五年間①
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あの衝撃的な日から一週間が経った。
お母様はあれからあの男と孫に会わせろと毎日癇癪を起こすようになり、あの男も懲りずに毎日屋敷を訪ねていた。
「あの男はアルバート・ロブゾではないわ。絶対に屋敷へ入れないでちょうだい。お母様にも会わせないで」
使用人達へあの男をアルバート兄様として扱う事を禁じた私は、このありえない状況をケルヴィン叔父様に報告する手紙を書いた。
当然の事だが、ケルヴィン叔父様とイザベラ様は我が家で起きた出来事を知り大激怒された。
今更どの面下げて戻ってきたのか。
二度とアルバートを屋敷に入れてはいけない。
アルバートの子供を養子にするなんてとんでもない。
当主はジュリエッタなのだから毅然とした態度で対応するように。
僅か二日で返信が来た手紙にはそう書かれてあった。
これまで何もしてこなかったお母様の意見なんて気にする必要はない。
仕事が片付き次第、会いに行くともあった。
そして執事には、五年前の駆け落ち後あの男がどんな生活を送っていたのか、現在はどんな生活を送っているのかを徹底的に調べさせた。
そしてわかった事実はとんでもないものだった。
* * *
五年前に平民侍女のマリーと駆け落ちしたしたアルバートは、我が家から盗んだ大金を持ってマリーの実家へ向かった。
何処にでもある普通の街。
マリーの実家はそんな街の片隅にあるボロ宿屋だった。
五人兄妹の末っ子だったマリー。
自分の結婚資金や持参金を貯める為にわざわざ働き口を宿屋の常連に紹介してもらってトマゾ伯爵家の侍女になれたマリー。それなのにあろうことか主の婚約者を奪い結婚式当日に駆け落ちしたのだ。
マリーをトマゾ伯爵家へ紹介した常連客はいつ自分の元へ伯爵家から抗議がくるのかと怯えていたらしい。
そしてマリー達が実家へ帰って来た時、マリーの家族は泣きながら怒り狂いマリーは勘当された。
「仕える主人を平然と裏切り、女の幸せを踏みにじるのが自分の娘だと思うと恥ずかしい。あんたみたいな女、私の娘じゃない!」
「お前は自分の幸せを選んだだけかもしれないが、その影で不幸になった人達は大勢いるはずだ。その事を決して忘れるな……お前は被害者ではなく加害者なんだ。この先どんな事があろうと私達へ助けを求めたり、泣き言を言う事は許さん。……出ていけ。二度と此処へは来るな」
マリーとアルバートは駆け落ち早々行き場を失ったが、我が家から盗んだ大金を元に別の街で家を買い、暮らし始めた。
豪邸とは言えないが二人暮らしするには充分すぎるほど広い、大きな庭付きの一軒家。
アルバートとマリーは誰にも祝福される事もなく、二人きりで教会へ向かい夫婦となった。
それからの生活はロブゾ家から盗んだ大金の残りを当てにした道楽生活が始まった。最初の数ヵ月は新婚気分でイチャついていた二人だったが、厳しい現実にすぐマリーは気がついた。
毎日、たった一人で家事をこなしてアルバートの世話をしてきたマリー。宿屋の娘や侍女として働いてきたマリーにとって家事や雑用なんてお手の物だったが、ある時不安と不満が沸き上がってきた。
なんで自分だけ働かされているんだろう。
アルは毎日、食べて寝るだけの生活なのにあのお金で好き放題に買い物をしている。
あのお金ってあとどのくらいあるの?
我が家は収入がないけど大丈夫なの?
私、アルを信じて結婚したんだよ?
頼りにしてもいいんだよね……
本来の平民生活ならば数年間は安泰に暮らせた大金。
それを必要以上に大きな一軒家を購入し、アルバートの無駄遣いが多かったせいで僅か一年で大金を失った。
だがそれでも働きに出ようとはしないアルバート。
「俺は伯爵子息だ。 平民に混ざって労働するなんてありえない。お金が必要ならマリーが働いてきなよ? こういうのは適材適所だろ?」
悪びれることなく平然と言ってのけた。
マリーはその言葉に唖然とした。
周囲を傷つけても欲しかった男はこんな人間だったの?
信頼や仕事を捨て、家族や帰る場所を失い、得たものがこの男なの?
伯爵子息の頃のアルバートは侍女だったマリーにも優しくて思いやりのある男だった。
次期当主としてのプレッシャーに押し潰されそうになっており、アルバートが弱音を吐けたのはマリーの前だけだった。
だからこそマリーは全てを捨ててアルバートが自由になれる世界で生きていく決意をした……筈だった。
自分の全てをかけて愛すると決めた相手への失望だからこそ、ショックは大きい。
目の前が真っ暗になり、今のアルバートと目を合わせるのが恐ろしくなった。
だけどマリーの悪夢は終わらなかった。
アルバートとの関係に疑問を抱き始め、早めに側を離れるべきでは? と考えていた矢先、マリーは自分が妊娠した事に気がついた。
能天気なアルバートは自分が父親になる事を喜んでいたが、あくまでも伯爵子息のスタイルを崩そうとはしなかった。
妊婦の自分がこの家から出ていっても行く当てはないと悟ったマリーは頼りにならないアルバートを信じるのは止めにして妊婦の体で街へ働きに出た。
家の家事をこなしてアルバートの食事を用意しておく。そして街の食堂で朝から晩まで働いた。
臨月を過ぎてもその生活が続いた。
アルバートは頑張れと言うだけで何一つ手伝ってくれない。疲れたなら休んでもいいと言った口でお腹空いたから何か作ってくれと頼む。
ストレスは胎児によくないと食堂の女将さんが言っていたがアルバートとの生活でストレスを感じないのは不可能だった。
食堂での仕事中に産気づいた私は女将さん達のご好意で女将さん達が暮らす二階の一室で休ませてもらった。
マリーの為に急遽食堂を閉めて料理人の旦那さんがアルバートを呼びにいってくれた。
だけど待てども待てどもアルバートはやってこない。
走って十五分もかからない距離なのに何をしているのだろう。
マリーは嫌な予感がした。
まさかとは思うけど下街に来るのが嫌だからって迎えに来てくれないの? こんな非常事態で頼れるのはアルしかいないのに?
家に居ないって事は絶対にありえない。
だからあえて来ないのだろう。
私は信じられないほどの痛みで一歩も動けなくなってしまい、家に帰る事が不可能になってしまった。
「もうあんたの旦那を待っても仕方ない! 此処で産んじゃいな!」
女将さんは大慌ててお湯を沸かして、出産経験のある奥さん達に声をかけた。
数人がかりで世話をされていると、旦那さんが怒った表情をして産婆さんを背負って帰ってきた。
「すまん! お前の旦那は連れてこれなかったから代わりにユシ婆を連れてきた!」
「アンタ!よくやったよ!」
「ほら大騒ぎをするのはよしな。……どれ見せとくれ……ふんふん……良い感じだね……もう少しで出てくるよ」
「み、皆さん、御迷惑かけて本当にすみません……本当に……申し訳ありません……」
「迷惑なんかじゃないよ! 今、アンタはお腹の子の事だけを考えればいい! しっかり頑張んな!」
マリーは沢山の人達に見守られる中、小さな男の子を出産した。それがレオナルド。
淡い茶髪に薄緑色の瞳をした赤ん坊だった。
お母様はあれからあの男と孫に会わせろと毎日癇癪を起こすようになり、あの男も懲りずに毎日屋敷を訪ねていた。
「あの男はアルバート・ロブゾではないわ。絶対に屋敷へ入れないでちょうだい。お母様にも会わせないで」
使用人達へあの男をアルバート兄様として扱う事を禁じた私は、このありえない状況をケルヴィン叔父様に報告する手紙を書いた。
当然の事だが、ケルヴィン叔父様とイザベラ様は我が家で起きた出来事を知り大激怒された。
今更どの面下げて戻ってきたのか。
二度とアルバートを屋敷に入れてはいけない。
アルバートの子供を養子にするなんてとんでもない。
当主はジュリエッタなのだから毅然とした態度で対応するように。
僅か二日で返信が来た手紙にはそう書かれてあった。
これまで何もしてこなかったお母様の意見なんて気にする必要はない。
仕事が片付き次第、会いに行くともあった。
そして執事には、五年前の駆け落ち後あの男がどんな生活を送っていたのか、現在はどんな生活を送っているのかを徹底的に調べさせた。
そしてわかった事実はとんでもないものだった。
* * *
五年前に平民侍女のマリーと駆け落ちしたしたアルバートは、我が家から盗んだ大金を持ってマリーの実家へ向かった。
何処にでもある普通の街。
マリーの実家はそんな街の片隅にあるボロ宿屋だった。
五人兄妹の末っ子だったマリー。
自分の結婚資金や持参金を貯める為にわざわざ働き口を宿屋の常連に紹介してもらってトマゾ伯爵家の侍女になれたマリー。それなのにあろうことか主の婚約者を奪い結婚式当日に駆け落ちしたのだ。
マリーをトマゾ伯爵家へ紹介した常連客はいつ自分の元へ伯爵家から抗議がくるのかと怯えていたらしい。
そしてマリー達が実家へ帰って来た時、マリーの家族は泣きながら怒り狂いマリーは勘当された。
「仕える主人を平然と裏切り、女の幸せを踏みにじるのが自分の娘だと思うと恥ずかしい。あんたみたいな女、私の娘じゃない!」
「お前は自分の幸せを選んだだけかもしれないが、その影で不幸になった人達は大勢いるはずだ。その事を決して忘れるな……お前は被害者ではなく加害者なんだ。この先どんな事があろうと私達へ助けを求めたり、泣き言を言う事は許さん。……出ていけ。二度と此処へは来るな」
マリーとアルバートは駆け落ち早々行き場を失ったが、我が家から盗んだ大金を元に別の街で家を買い、暮らし始めた。
豪邸とは言えないが二人暮らしするには充分すぎるほど広い、大きな庭付きの一軒家。
アルバートとマリーは誰にも祝福される事もなく、二人きりで教会へ向かい夫婦となった。
それからの生活はロブゾ家から盗んだ大金の残りを当てにした道楽生活が始まった。最初の数ヵ月は新婚気分でイチャついていた二人だったが、厳しい現実にすぐマリーは気がついた。
毎日、たった一人で家事をこなしてアルバートの世話をしてきたマリー。宿屋の娘や侍女として働いてきたマリーにとって家事や雑用なんてお手の物だったが、ある時不安と不満が沸き上がってきた。
なんで自分だけ働かされているんだろう。
アルは毎日、食べて寝るだけの生活なのにあのお金で好き放題に買い物をしている。
あのお金ってあとどのくらいあるの?
我が家は収入がないけど大丈夫なの?
私、アルを信じて結婚したんだよ?
頼りにしてもいいんだよね……
本来の平民生活ならば数年間は安泰に暮らせた大金。
それを必要以上に大きな一軒家を購入し、アルバートの無駄遣いが多かったせいで僅か一年で大金を失った。
だがそれでも働きに出ようとはしないアルバート。
「俺は伯爵子息だ。 平民に混ざって労働するなんてありえない。お金が必要ならマリーが働いてきなよ? こういうのは適材適所だろ?」
悪びれることなく平然と言ってのけた。
マリーはその言葉に唖然とした。
周囲を傷つけても欲しかった男はこんな人間だったの?
信頼や仕事を捨て、家族や帰る場所を失い、得たものがこの男なの?
伯爵子息の頃のアルバートは侍女だったマリーにも優しくて思いやりのある男だった。
次期当主としてのプレッシャーに押し潰されそうになっており、アルバートが弱音を吐けたのはマリーの前だけだった。
だからこそマリーは全てを捨ててアルバートが自由になれる世界で生きていく決意をした……筈だった。
自分の全てをかけて愛すると決めた相手への失望だからこそ、ショックは大きい。
目の前が真っ暗になり、今のアルバートと目を合わせるのが恐ろしくなった。
だけどマリーの悪夢は終わらなかった。
アルバートとの関係に疑問を抱き始め、早めに側を離れるべきでは? と考えていた矢先、マリーは自分が妊娠した事に気がついた。
能天気なアルバートは自分が父親になる事を喜んでいたが、あくまでも伯爵子息のスタイルを崩そうとはしなかった。
妊婦の自分がこの家から出ていっても行く当てはないと悟ったマリーは頼りにならないアルバートを信じるのは止めにして妊婦の体で街へ働きに出た。
家の家事をこなしてアルバートの食事を用意しておく。そして街の食堂で朝から晩まで働いた。
臨月を過ぎてもその生活が続いた。
アルバートは頑張れと言うだけで何一つ手伝ってくれない。疲れたなら休んでもいいと言った口でお腹空いたから何か作ってくれと頼む。
ストレスは胎児によくないと食堂の女将さんが言っていたがアルバートとの生活でストレスを感じないのは不可能だった。
食堂での仕事中に産気づいた私は女将さん達のご好意で女将さん達が暮らす二階の一室で休ませてもらった。
マリーの為に急遽食堂を閉めて料理人の旦那さんがアルバートを呼びにいってくれた。
だけど待てども待てどもアルバートはやってこない。
走って十五分もかからない距離なのに何をしているのだろう。
マリーは嫌な予感がした。
まさかとは思うけど下街に来るのが嫌だからって迎えに来てくれないの? こんな非常事態で頼れるのはアルしかいないのに?
家に居ないって事は絶対にありえない。
だからあえて来ないのだろう。
私は信じられないほどの痛みで一歩も動けなくなってしまい、家に帰る事が不可能になってしまった。
「もうあんたの旦那を待っても仕方ない! 此処で産んじゃいな!」
女将さんは大慌ててお湯を沸かして、出産経験のある奥さん達に声をかけた。
数人がかりで世話をされていると、旦那さんが怒った表情をして産婆さんを背負って帰ってきた。
「すまん! お前の旦那は連れてこれなかったから代わりにユシ婆を連れてきた!」
「アンタ!よくやったよ!」
「ほら大騒ぎをするのはよしな。……どれ見せとくれ……ふんふん……良い感じだね……もう少しで出てくるよ」
「み、皆さん、御迷惑かけて本当にすみません……本当に……申し訳ありません……」
「迷惑なんかじゃないよ! 今、アンタはお腹の子の事だけを考えればいい! しっかり頑張んな!」
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