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これまで、ミシャルの中で「選択肢することは悪い事」だという固定観念があった。
妹のシャルルや両親、そして冷酷な使用人たちの目を避け、常に怯えながら日々を過ごしていたミシャルは誰にも邪魔だと思われないように、ただ、気配を消して暮らす。
それが、ミシャルが知っている唯一の「生き方」だった。
クロディクスに出会うまでミシャルの世界は狭い屋根裏の一室だけだった。
外に出る事は禁じられ、皆が寝静まった頃に身を清めて食べものを探す。
幸いにも家族とその使用人たちの眠る部屋はキッチンやお風呂場と言った作業場からは遠く、見つかる事はなかった。
でも、今は違っている。
一度死を覚悟して踏み出した事から出会った不思議な人々に囲まれて、ミシャルは「自分の意思で選ぶ」ことが許されるようになった。
「刺繍糸を見せて頂けますか?」
「はい、お色味はどれに致しましょう」
お菓子を選んでいた時とは違い、ミシャルは明確な意思を持って店員に次々と商品を注文し始めた。
クロディクスを思わせるのブルーグレー糸
ルークを思わせる鮮やかな緑の布
ヴァイスに似合いそうな白銀色のボタン
ゼリヌを思い起こす柔らかな青のリボン
一つ一つを手に取りながら、彼女は少しずつ、自分から「選択」していく。
その真剣な様子に店員はいつしか一人から二人、三人と増え、ミシャルの周りには彼女が選んだ沢山の材料たちが並び始めた。
「これはなんというものですか?」
「こちらはビーズと呼ばれるガラスを加工した物です。編み物にももちろん刺繍にも使って頂けます」
ミシャルは目についた様々な物を触ったり尋ねたりして今まで機会が無かった知識を吸収するように店内を動き回った。
大きなテーブルに所狭しと並べられたミシャルが選んだ商品は、彼女が知らない間にクロディクスが、買取の手続きを終わらせて、屋敷の方に送り届ける。
いつしか特上のお客様に店員達は普段店には並べないような貴重な商品までもミシャルに見せるようになっていた事をその場にいるミシャルだけが知らないままだった。
妹のシャルルや両親、そして冷酷な使用人たちの目を避け、常に怯えながら日々を過ごしていたミシャルは誰にも邪魔だと思われないように、ただ、気配を消して暮らす。
それが、ミシャルが知っている唯一の「生き方」だった。
クロディクスに出会うまでミシャルの世界は狭い屋根裏の一室だけだった。
外に出る事は禁じられ、皆が寝静まった頃に身を清めて食べものを探す。
幸いにも家族とその使用人たちの眠る部屋はキッチンやお風呂場と言った作業場からは遠く、見つかる事はなかった。
でも、今は違っている。
一度死を覚悟して踏み出した事から出会った不思議な人々に囲まれて、ミシャルは「自分の意思で選ぶ」ことが許されるようになった。
「刺繍糸を見せて頂けますか?」
「はい、お色味はどれに致しましょう」
お菓子を選んでいた時とは違い、ミシャルは明確な意思を持って店員に次々と商品を注文し始めた。
クロディクスを思わせるのブルーグレー糸
ルークを思わせる鮮やかな緑の布
ヴァイスに似合いそうな白銀色のボタン
ゼリヌを思い起こす柔らかな青のリボン
一つ一つを手に取りながら、彼女は少しずつ、自分から「選択」していく。
その真剣な様子に店員はいつしか一人から二人、三人と増え、ミシャルの周りには彼女が選んだ沢山の材料たちが並び始めた。
「これはなんというものですか?」
「こちらはビーズと呼ばれるガラスを加工した物です。編み物にももちろん刺繍にも使って頂けます」
ミシャルは目についた様々な物を触ったり尋ねたりして今まで機会が無かった知識を吸収するように店内を動き回った。
大きなテーブルに所狭しと並べられたミシャルが選んだ商品は、彼女が知らない間にクロディクスが、買取の手続きを終わらせて、屋敷の方に送り届ける。
いつしか特上のお客様に店員達は普段店には並べないような貴重な商品までもミシャルに見せるようになっていた事をその場にいるミシャルだけが知らないままだった。
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