勘違い白豚令息、婚約者に振られ出奔。~一人じゃ生きられないから奴隷買ったら溺愛してくる。~

syarin

文字の大きさ
59 / 66
ここから番外編(腹黒王が割と出ます)

21: 転がるヴィランと王子とがに股ビクビクン

しおりを挟む

「イテテ……ゲホゲホッゲホン!はぁ、何か、城に乗り込んだら変な植物モンスターにあっちゅう間に食べられて、そのままスポーーンて凄い勢いで此処に飛ばされて……。そしたらエンゼル、俺を王子だとか言って攻撃し出すし。
鞭も暴力も、エンゼルからなら若干御褒美感はあるけどさぁ。いやぁ~。エンゼル強くなったよねぇ……♡
しかもカカシ、触ったら痒くなる草の茎で作られてるから、俺めっちゃ止めたのにぃ。」

「何だって!?じゃぁ、あのしぶとく追い掛けてくる王子はゴートだったのか……!そういや、王子から攻撃はしてこなかったもんな…何だ、てっきり先手を打ててるのかと。」

「だって、可愛いエンゼルを攻撃なんて出来ないよ~♡」

くそぅ。半インキュバス化したのに、インキュバスの十八番の幻惑で此処まで翻弄されるなんて!腹立たしい!!!

俺の言葉にデヘヘ♡と情けない声で笑いながらゴートが何か言ってるが、俺はそんなのは無視して苛苛と二の腕を掻きむしった。

だがまぁ、幻惑のせいとは云え積年の怨みとばかりに攻撃したのに、ずっと逃げずに僕の目を覚まさせようと声をかけ続けてくれたゴートにはちょっと謝っておこうかな……。

「ふん、……まぁ、いっぱい殴って悪かったよ……て、なんだこれ、痒いな…ん?痒!?きぃー!カイカイ!!うわぁ、ふぉくのくひひるがぁ!」

「だからさぁ、そのカカシ、触ると痒くなる芋の茎で作ってあんだよ~。ヒルトゥーム王子ホント鬼畜過ぎんだろー……。」

何だって!?くっそーー!
慌ててあちこち見れば、手やら唇やら頬やら真っ赤に腫れてきていて、ジンジンと痒くて、燃えるように熱くて。
僕はあっという間に怒りと痒みで全身が真っ赤になった。

何て酷い!!キーー!くーやーしーいーー!!かーゆーいーー!!

「ヒクヒョーー!!あいふら!覚えへろよーー!!キーー!かーゆーいーー!!」

「酢水で洗えば痒いの収まんだよなー、それ。アテテテ…ちょっと川とかすっぱそーな木の実とか無いか見てくるなー…。まってろよ、えんぜるぅ……うっイテテ……。」

悔しくて痒くて、ホントーにムカついて、僕が地面をゴロゴロ転がって泣き叫べば、ゴートが満身創痍の体を引き摺って水やらを探してきてくれるという……。

(うう、後で抱き着かれても三秒くらいは笑顔でじっとしといてやろう…。それにしても……)

「めっっっひゃ悔ひーーーー!!覚えへろー!!ふぎはひゃならずヒクホールはまをいひゃらくからなーーー!!」

次こそは!!
そう固く誓って僕は拳で地面をドンドン叩き、力の限り吼えた。


ーーーーー
ーーー



一方、その頃のヒルトゥーム王城では、ツヤツヤピカピカの大理石の床の上を王子達(最近それぞれ国王になってるとかなってないとか…けど、知るもんかー!)が転げ回り、拳でドンドンと床を叩いて喚き散らしていた。

「アッハッハッハ!!ヤベェーー!!腹が!!」「ヒヒヒッヒーーーィ!フフッフヒッヒヒィッイヒヒヒッ…!!髪とおんなじ位ドピンクのたらこ唇になってるやん…!ウヒヒッ!」「ハッハッハ!コンにぃ、大ウケ過ぎやろー!ウヒッ!いや、おもろ過ぎるけどーー!」

近くの壁に設置された大きな魔法鏡に写し出されているのは、唇や体のあちこちを真っ赤に腫らし悔しそうに地面を転がる僕。

そう、この性格の悪い王子達はあろうことか、幻惑に惑わされてゴートを攻撃したり、荒れ野を城と信じてあちこち駆け回り、カカシにキスする間抜けな僕の姿を逐一魔法で鑑賞して嗤っていたのだ!くぅぅ何て悪趣味!!

そうとも知らない僕は未だ悔しさと痒さに地面を転がり叫び、王子達を楽しませてしまっていた。

「ウヒヒッ……はぁ、逃げて以来何処におったんか知らんけど、城に乗り込もうとしとるて聞いたから、今度こそブチ殺したろ思たけど……コンにぃの言う通りにして良かったわー。めっちゃおもろいやん…ウヒヒッヒーヒヒッ…!」「せやろー?ウフヒヒヒ……あかんww腹がよじれ…ww幻惑得意とかって裏ギルドに触れ回ってたのに、まんまと引っ掛かりよったなー!」

ヒクヒクと震えながら涙を拭うタンスィートの糞野郎に、同じくコンクィートの糞糞野郎が涙を拭き拭き相槌を打つ。そんな二人を尻目にバロックィートの糞糞糞野郎が伸びをしつつ部屋の角に向かって言った。

「はーぁ、それにしても……未だにちゃんとビクトールのコト好っきゃねんなーアイツ。良かったやーん?」

「けど、なんや彼氏みたいなん、くっついとるで。」「中々イケメンやんけ、ビクビクンもそーんな程度でビクビクンしとったらエンゼリヒト取られてまうかもなー。なぁ?」

バロックィートの言葉にコンクィートとタンスィートの馬鹿も床から起き上がりながら、部屋の角に視線を投げ掛ける。

「くっ……ふぅ…、は、はぁ……ンッ……!」

その視線の先には、半裸で全身を汗で濡らし、手を頭の後ろで組んでがに股で、太腿をブルブルガタガタと震わせ、苦悶の表情を浮かべるビクトール様がいた。




しおりを挟む
感想 980

あなたにおすすめの小説

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー AI比較企画作品

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。