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ここから番外編(腹黒王が割と出ます)
21: 転がるヴィランと王子とがに股ビクビクン
しおりを挟む「イテテ……ゲホゲホッゲホン!はぁ、何か、城に乗り込んだら変な植物モンスターにあっちゅう間に食べられて、そのままスポーーンて凄い勢いで此処に飛ばされて……。そしたらエンゼル、俺を王子だとか言って攻撃し出すし。
鞭も暴力も、エンゼルからなら若干御褒美感はあるけどさぁ。いやぁ~。エンゼル強くなったよねぇ……♡
しかもカカシ、触ったら痒くなる草の茎で作られてるから、俺めっちゃ止めたのにぃ。」
「何だって!?じゃぁ、あのしぶとく追い掛けてくる王子はゴートだったのか……!そういや、王子から攻撃はしてこなかったもんな…何だ、てっきり先手を打ててるのかと。」
「だって、可愛いエンゼルを攻撃なんて出来ないよ~♡」
くそぅ。半インキュバス化したのに、インキュバスの十八番の幻惑で此処まで翻弄されるなんて!腹立たしい!!!
俺の言葉にデヘヘ♡と情けない声で笑いながらゴートが何か言ってるが、俺はそんなのは無視して苛苛と二の腕を掻きむしった。
だがまぁ、幻惑のせいとは云え積年の怨みとばかりに攻撃したのに、ずっと逃げずに僕の目を覚まさせようと声をかけ続けてくれたゴートにはちょっと謝っておこうかな……。
「ふん、……まぁ、いっぱい殴って悪かったよ……て、なんだこれ、痒いな…ん?痒!?きぃー!カイカイ!!うわぁ、ふぉくのくひひるがぁ!」
「だからさぁ、そのカカシ、触ると痒くなる芋の茎で作ってあんだよ~。ヒルトゥーム王子ホント鬼畜過ぎんだろー……。」
何だって!?くっそーー!
慌ててあちこち見れば、手やら唇やら頬やら真っ赤に腫れてきていて、ジンジンと痒くて、燃えるように熱くて。
僕はあっという間に怒りと痒みで全身が真っ赤になった。
何て酷い!!キーー!くーやーしーいーー!!かーゆーいーー!!
「ヒクヒョーー!!あいふら!覚えへろよーー!!キーー!かーゆーいーー!!」
「酢水で洗えば痒いの収まんだよなー、それ。アテテテ…ちょっと川とかすっぱそーな木の実とか無いか見てくるなー…。まってろよ、えんぜるぅ……うっイテテ……。」
悔しくて痒くて、ホントーにムカついて、僕が地面をゴロゴロ転がって泣き叫べば、ゴートが満身創痍の体を引き摺って水やらを探してきてくれるという……。
(うう、後で抱き着かれても三秒くらいは笑顔でじっとしといてやろう…。それにしても……)
「めっっっひゃ悔ひーーーー!!覚えへろー!!ふぎはひゃならずヒクホールはまをいひゃらくからなーーー!!」
次こそは!!
そう固く誓って僕は拳で地面をドンドン叩き、力の限り吼えた。
ーーーーー
ーーー
ー
一方、その頃のヒルトゥーム王城では、ツヤツヤピカピカの大理石の床の上を王子達(最近それぞれ国王になってるとかなってないとか…けど、知るもんかー!)が転げ回り、拳でドンドンと床を叩いて喚き散らしていた。
「アッハッハッハ!!ヤベェーー!!腹が!!」「ヒヒヒッヒーーーィ!フフッフヒッヒヒィッイヒヒヒッ…!!髪とおんなじ位ドピンクのたらこ唇になってるやん…!ウヒヒッ!」「ハッハッハ!コンにぃ、大ウケ過ぎやろー!ウヒッ!いや、おもろ過ぎるけどーー!」
近くの壁に設置された大きな魔法鏡に写し出されているのは、唇や体のあちこちを真っ赤に腫らし悔しそうに地面を転がる僕。
そう、この性格の悪い王子達はあろうことか、幻惑に惑わされてゴートを攻撃したり、荒れ野を城と信じてあちこち駆け回り、カカシにキスする間抜けな僕の姿を逐一魔法で鑑賞して嗤っていたのだ!くぅぅ何て悪趣味!!
そうとも知らない僕は未だ悔しさと痒さに地面を転がり叫び、王子達を楽しませてしまっていた。
「ウヒヒッ……はぁ、逃げて以来何処におったんか知らんけど、城に乗り込もうとしとるて聞いたから、今度こそブチ殺したろ思たけど……コンにぃの言う通りにして良かったわー。めっちゃおもろいやん…ウヒヒッヒーヒヒッ…!」「せやろー?ウフヒヒヒ……あかんww腹がよじれ…ww幻惑得意とかって裏ギルドに触れ回ってたのに、まんまと引っ掛かりよったなー!」
ヒクヒクと震えながら涙を拭うタンスィートの糞野郎に、同じくコンクィートの糞糞野郎が涙を拭き拭き相槌を打つ。そんな二人を尻目にバロックィートの糞糞糞野郎が伸びをしつつ部屋の角に向かって言った。
「はーぁ、それにしても……未だにちゃんとビクトールのコト好っきゃねんなーアイツ。良かったやーん?」
「けど、なんや彼氏みたいなん、くっついとるで。」「中々イケメンやんけ、ビクビクンもそーんな程度でビクビクンしとったらエンゼリヒト取られてまうかもなー。なぁ?」
バロックィートの言葉にコンクィートとタンスィートの馬鹿も床から起き上がりながら、部屋の角に視線を投げ掛ける。
「くっ……ふぅ…、は、はぁ……ンッ……!」
その視線の先には、半裸で全身を汗で濡らし、手を頭の後ろで組んでがに股で、太腿をブルブルガタガタと震わせ、苦悶の表情を浮かべるビクトール様がいた。
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