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24.久々のお出掛け
しおりを挟む疲れるとすぐに眠くなってしまうのをどうにかしないとと焦るほど、上手くいかなくなる。
公爵は雨の日以外は欠かさない庭園の散歩で、宥めるようにオリヴィアの手を撫でる。何も言葉にはしていないのに、悟られている。この方には、何も隠せない。
ふたりきりでいると、腰を引き寄せられ肩や頬に触れられ、額や眉間に唇を当てられる。公表はしていないにしても、婚約状態にある男女であれば、これが普通なのだろう。
元婚約者も「脱がせなければセーフ」と言って、オリヴィアとの距離を詰めていた。以前から、公爵に触れられても鳥肌は立たない。むしろ心地よくて、止めてほしいと言うこともなかった。
◇
「失礼します、公爵閣下がお見えです」
朝になると、マーサと一緒にオリヴィアの私室に来て、扉の外で警備を始めるドリーの声がする。
「いつもより早く来たので、待っても構わないとおっしゃっていますが……」
「大丈夫、入ってもらって」
ドリーの開けた扉を潜り、にっこり笑みを浮かべた公爵がオリヴィアの前まで歩いてくる。
(今日は、お仕事の日ではないのね)
「おはよう、オリヴィア」
「おはようございます、閣下」
普段着の公爵が、ソファで紅茶を飲んでいたオリヴィアの横にすっと腰を下ろした。マーサが、彼の分を準備する。人払いをしないから、長居をするつもりはないらしい。
「今日、午後の予定は?」
「特にありません」
紅茶を飲みつつ、公爵はオリヴィアの顔を覗き込んだ。朝一の表情から、体調をうかがわれていると気付いたのは最近だ。
予定は把握しているはずなのに、公爵はいつも、オリヴィアに直接確認を取る。ひとりで本を読んでいることがほとんどで、急な用にも対応できると伝えていても、彼はその態度を変えない。
「オリヴィアが嫌じゃなければ、久々、湖に行こうかと思って。今日は、一緒にゆっくりしたい」
「かしこまりました」
「マーサも一緒においで」
「私もですか」
オリヴィアのそばに立っていたマーサにも、公爵が顔を向ける。その表情は少し、困惑しているようにも見えた。
「うん。あれ、知らないのか。いや、ごめん。なんでもないよ。午後から、マーサも出掛けるからね」
「はい、承知しました」
用件を告げるだけで、朝の挨拶を終え退出する公爵は珍しい。いつも何かと理由をつけ、レナルドかサミュエルが呼びに来るまでオリヴィアの私室に留まろうとするのに、今日はそれがなかった。
扉が閉まってすぐ、マーサと顔を見合わせる。
「……何か、抜けていたの? 今日は何か特別な日なの?」
「分かりません、お嬢様。私は特に聞いておりません」
「失望させてしまった?」
「それはないと思いますよ。今まで過ごされてきた時間もありますし、外出を止めるとは言われなかったので」
◇
馬車に繋がれていない、鞍が着けられた馬を初めて目にしたオリヴィアは、じっと見つめてしまった。黒い毛並みが、少しの風にすら揺れてはためく。公爵が騎士服で跨る姿は、きっと絵になるだろう。
(っ、なにを……!)
「お嬢様?」
「なんでもないわ」
公爵は、オリヴィアがすることを止めず、オリヴィアがしたいようにすることを望む。顔が火照ってしまい公爵のほうを向けなくなったオリヴィアに、マーサが声を掛けてくれなければ、出発が遅れていただろう。
馬車にはマーサと大きな籠を持ったレナルドが乗り、サミュエルとドリーは馬で周囲を見張るという。
「僕も訓練は受けてるからね、安心していいよ」
「お気遣い、ありがとうございます」
「こんなことを言うのも今更だね。でも、ここは属国が一番近い場所だから」
「はい」
その大きな手が、机に向かう勉学だけに努力されたものではないのを、オリヴィアは感じていた。たまに触れる手は、兄や元婚約者しか知らないオリヴィアでも分かるほど、硬い。
馬車が進み出す。公爵が一度、窓から外を見て、オリヴィアに向き直ってから口を開いた。
「オリヴィアに、ずっと言えなかったことがあって」
「はい」
公爵は、何か都合の悪いことを言おうとするとき、こうして前置きをする。元王族でオリヴィアよりも高位なのだから、気にする必要がそもそもないと毎回思うが、気遣われていると分かるのは少し嬉しい。
「結婚式の日程が決まった。屋敷を空けていただろう? 兄様へ相談に行っていたんだ。オリヴィアの心が向くのを待てなくて、ごめん」
「……」
「留学の成果褒賞と元貴族への制裁を含むから、これ以上延ばせなかった。オリヴィアを待ちたいのは僕個人の考えで、褒賞と制裁は国の方針だから」
(ついに、プレスコットではなくなる……、罪人の娘が、ようやく責務をひとつ果たせる)
公爵は、オリヴィアが無理に会話を持たせようとしなくても、伝えたいことは喋ってくれる。内容を理解して隣で頷いているだけでも、優しい水色の瞳を見せてくれる。
(恋愛小説で見た、『心が向く』というのはきっとこの、私が持つべきではないあたたかい気持ちのことよね?)
公爵がオリヴィアの心を望んでいるのは、言葉としては理解できる。貴族の政略結婚にありがちな、家柄や領地の釣り合いだけを考慮した結婚を、オルブライト王家は推奨していない。
だからといって、すんなりとこの気持ちを認めるわけにはいかなかった。オリヴィアは罪人の娘で、公爵は元第二王子なのだ。ふたりで過ごすことを公爵は考えてくれるが、国の方針が変われば関係も変わる。
貴族の初婚は自由に結べるが、離婚や再婚は王家の承諾が必要だ。離婚はしにくいからこそ、愛人を持つことや仮面舞踏会が流行るのだ。父や兄がそうだった。
公爵がオリヴィアに優しく、マーサやテッドとも円滑に仕事をしているのは感じ取れる。オーウェン公爵として、領地に早く馴染むためだろう。
態度を崩さない公爵がそばにいるが、それでもオリヴィアは、あと一歩を踏み出せなかった。
◇
久々眺める湖は水面も穏やかで、周囲の樹々や空を映しやはり綺麗だった。当然のように木陰に案内されたオリヴィアには、陽の光はそこまで強く当たらない。王家しか知らない場所なのか、今日も人の姿は見当たらず、小鳥のさえずりが響く静かな空間だ。
自然に身を置きながら、レナルドがいつもよりも注意深く籠から出したのは、小さめのホールケーキだった。白いクリームと果物がふんだんに装飾されている。
屋敷でもよく見る、外でも食べやすい焼菓子が出てくると思っていたオリヴィアは、あからさまに驚いてしまった。
「二十一歳、おめでとう、オリヴィア」
「あ、あの……」
「王宮で記録を見たからね。プレスコット家を調べたのは、知っているだろう?」
「はい……」
「ケーキの他に、紅茶も特別なものを用意したんだ。マーサ、淹れてくれる?」
「かしこまりました」
珍しく、公爵と目が合わない。オリヴィアが自分の誕生日を知らなかったことで、不快にさせたのだろう。「出掛ける」と誘いに来たときも、普段とは様子が違った。
「申し訳ありません、閣下。あの……」
「いや、いいんだ、謝ることはないよ。僕の問題だから」
顔を向けてくれた公爵は、少し伏し目がちにオリヴィアの頭を撫でた。動かないでほしいと言われているようで、明らかに瞳を見てほしくなさそうな様子に、無理矢理見るような真似はしない。
「君が自分の誕生日を知らないと、想定はできていたんだよ。本当だと、信じたくなかっただけ。貴族としては、デビュタントの年だけ把握していればいいから……、オリヴィアは、まともに祝われたこともないんだろう?」
「……記憶にありません」
(そういえば……)
プレスコット家で誕生日を祝われるのは、兄だけだった。いつの間にか、オリヴィアはその日への興味を失った。おそらく、マーサも触れないようにしてくれていたのだろう。
デビュタントの年が十六歳で、そこで自分の正確な年齢を知った。次のデビュタントが来れば十七歳と、毎年時期が多少前後する、王家主催のデビュタントの日を基準に考えていた。
今年は特に、大きく環境が変わったこともあって、デビュタントの日程すら把握できていなかった。毎年、新しい愛人候補を見つけるために父と兄が大騒ぎで準備をしていたため、尋ねなくとも気付けていたのだ。
(もしかして、今朝はわざと教えてくれなかった……? このために?)
「初めて踊ってからはもう一年以上経っているし、去年も祝いたかったけど基本情報すぎて見落としてたんだ。これからも僕と過ごしてくれるなら、何かしらお祝いするよ。もちろん、オリヴィアの負担にならない、好きに思えるものの中でね」
オリヴィアが日付を特に意識するようになったのは、公爵から執務を教えてもらうようになってからだ。それまでは、マーサが着付けてくれる普段着で季節を感じることが、オリヴィアにとっての年月だった。
「……このために、マーサも?」
「うん。オリヴィアの苦労を一番知っているのはマーサだし、今朝の様子で確信したよ。マーサも、オリヴィアの誕生日を知らなかったんだね」
「まだお嬢様が幼いころに一度、おうかがいしたことがありますが、『教える意味がない』と」
「マーサを責めているわけじゃないよ、もちろん。生命の誕生は奇跡だからね、しっかり祝って感謝しないとって、思ってる。僕は男で、その苦労は体験できないしね」
いつもの柔らかくて穏やかな目が、やっとオリヴィアに向いたものの、少し色が濃いように見えた。その瞳が何を現しているのか、考えることがオリヴィアの癖になりつつあった。
公爵がオリヴィアを妻とするのであれば、結婚後は、子を望むのかもしれない。今までは、婚約すら正式に公表はしていなかったから、話題にしなかったのだろう。
公爵とは、その行為はすでにしたことがある。結婚式の日程が決まったのなら、初夜も近づいてくる。
(今まで、気にしてこなかったけれど……っ)
「オリヴィア? 少し、顔が赤いよ」
オリヴィアの手よりも一回りほど大きい手が、頬を包んでくる。この距離感には慣れたと思っていたのに、少し身体を引いてしまい、公爵の手が離れた。
「……失礼いたしました。体調は問題ありません」
「そう? 楽な姿勢でいいよ。足を伸ばして、少し眠るのもいいかもしれない」
「お気遣い、ありがとうございます」
「ささ、おふたり、自信作を召しあがってください」
話の切れ目を待ってくれたのだろう、レナルドとマーサから、それぞれデザートプレートとグラスを受け取った。普段、屋敷内で使われているものよりも簡素だが、それでも草花のモチーフがあしらわれていて、オリヴィアのために公爵が選んだのは伝わってきた。
手で持って食べられる焼菓子より、生菓子のケーキは食べるのが大変だ。膝の上でフォークを使って口に運ぶことが、そもそも難しい。今日はマーサがいるため、ナイフで小さく切り分けてもらい、大事にいたらなかった。
公爵が気にせず、フォークで豪快に口へ運び、そのたびにレナルドが落ちたクリームを拭き果物を拾っている。「だから外では難しいと、あれほど言ったでしょう!」と、怒られている公爵を見るのは面白かった。
公爵の言い分としては、地面にシートを敷いて腰を下ろすスタイルに、こだわりたかったそうだ。
(そういえば『堅いのは苦手』と、おっしゃっていたわ)
ケーキには、オリヴィアが特に気に入っている果物のみが使われていた。「とても美味しいです」と伝えると、公爵は大きく口角を上げて、見つめてきた瞳の色も濃くなっていた。
(こんな風に祝っていただけるなんて、思ってもみなかった……。やっぱり、私にはもったいないほど、優しい方)
◇
「王家はさ、誕生日に貴族を集めて大々的に夜会をやるんだよ。オリヴィアは知らないだろう?」
「申し訳ありません」
「うん、侯爵家なのに、僕のでも兄様のでも見かけたことがなかったから、そうだろうなって。僕の誕生日も、聞いたことはない?」
「……存じ上げません、申し訳ありません」
「謝ることはないんだよ、言ってないからね。僕がオリヴィアの誕生日を知ったルートは、普通じゃないし」
心なしか、何かを企むような、目の奥に意図が見える。兄の顔が過ぎるが、目の前にいるのは公爵だ。彼の表情だから、安心して次の言葉を待っていられる。
「昨日だよ」
「っ、え?」
戸惑いのままに返してしまったオリヴィアに、公爵は一番の笑顔を向けてきた。こんなに破顔したところを見たことはなく、オリヴィアは慌てて謝ろうとしたが、彼の強くて濃い瞳を前に何も言えなくなってしまった。
「そんなふうに返してくれるようになったんだね。嬉しいよ、オリヴィア」
「あの、本当に?」
「うん、昨日だよ。オリヴィアのことを調べたときに知ったんだけど、僕たち、一時間も離れてないんだ」
公爵の言う意味が分からず、そのまま続きを待った。彼は、嬉しそうに笑ったままだ。
「僕は日付が変わる直前に生まれて、オリヴィアは日付が変わってすぐの生まれだ。本当に、びっくりしたよ。同い年だったら、もっとよかったけど、さすがにね。だから、今日は僕の二十五歳も祝って、オリヴィア」
オリヴィアは、公爵の年齢は把握していた。兄と同い年で、留学前には兄の自慢話の中によく登場していた。
今のオリヴィアが判断するに、その自慢話はほぼ兄のでっち上げで、きっと公爵が本当に関わった話はない。兄が、いかにオリヴィアを見下していたのかがよく分かる。
「……二十五歳、おめでとうございます、閣下」
「ありがとう。二十一歳のオリヴィアも、僕と過ごすことを嫌わないでくれる?」
「はい。必要とされる限り、おそばに」
「オリヴィア、僕にそんなつもりはないよ。オリヴィアしか要らないんだ」
そっと手の甲を撫でられていたが、その声の強さにはっとして顔を上げた。深い蒼色の瞳が、オリヴィアを貫いた。
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