16 / 40
第三章 もっこもこカフェメンバー!
もこもこメンバー紹介、其の一
しおりを挟む
「はぁぁ~。腹いっぱいにゃ~」
食事後のお茶を飲んで一服しているタルトが、ぽっこり膨らんだ腹を摩っている。
イケメンモードでファンの子たちにこんな姿見せたら、幻滅されたりしないだろうか?
ティーカップに口を付けたまま横目でタルトを眺めていると、何やら皆が一斉にお茶を飲むのを止めた――――。
「っ!?」
もう食べ終わったから片付けかな? ――――なんてありきたりなことを思ってみたりもしたけど、ちょっとそんな空気でもない雰囲気だ。
「あの……」
恐る恐るステラさんに話しかけると、毎度の可愛い笑顔でにっこりと微笑み返される。今はちょっと、この微笑みに身構えてしまう――――。
ステラさんはスクッと椅子から立ち上がり小さく飛び跳ねると、ふわふわの髪とスカートを軽やかに揺らして俺の方に身体を真っ直ぐ向けた。
「大変お待たせしました~。もこもこメンバーの紹介をしま~す! 全員整列!」
号令がかかった途端、今度は一斉に皆が立ち上がる――――。
「みゃ~い」
「はいぴょん!」
「承知わん」
「うっき~」
「……」
「並ぶっちゅ」
「はいっちゅ~!」
「はぁ~吾輩はもういいにゃろ」
――――また一匹だけテンション低めだけど。
横一列に並んだ美男美女のもこもこメンバーは、とっても圧巻だった。まるでこれから、舞台でも始まるみたいなデジャヴ感さえ覚える。
いよいよ、皆の真の姿を見れる瞬間だ――――タルトと、バウムさんを除くけど。
俺は眼鏡のフレームに指を掛けて、ステラさんを直視する。
「じゃぁ……この『忍びの眼鏡』を取っても良いんですよね?」
「はい! 思いっきりいっちゃってさい~!」
眼鏡を外すだけで思いっきりもないとは思うけど、何時間も待たされていた分、ドラマティックに勢いよく外したい気分になってきた。
「眼鏡、いきますっ!」
自分でも意味不明な掛け声を発して、眼鏡を天に掲げるように両腕を勢いよく上げた――――。
瞬間、天井の照明が物凄く眩しく輝いたみたいにキラキラし始める。
あぁ、眼鏡ないって楽だな――――じゃなかった!
慣れない眼鏡を外して視界が開けたせいか、目の前がチカチカ光が飛んで見える。目を瞑って片手の指先で鼻の根付を軽く掴むと、心地良い痛みが瞼に走る。
「大丈夫ですか?」
光が落ち着くまで瞼を閉じている俺に、ステラさんが心配そうに話しかけてきた。そろそろ大丈夫なころだろう、と思ってゆっくり目を開く――――。
「はい、普段眼鏡していないから、ちょっと疲れて……っ!」
言葉を失った――――。だって目の前に居るのは、皆『動物』になっているからだ。ステラさんを除いて――――。
「あら? 固まってしまいましたね?」
「こやつさっき吾輩の姿を見たのににゃ」
「俺のもだ」
俺の驚きの大きさに、ステラさんとタルト、バウムさんが容赦なく突っ込んでくる。てか、いくら話を聞かされていても、実際目の当たりにしたら驚くだろぉぉぉ――――!
「だって本当に、皆動物だったものだから……」
「あら、もう一緒に働く仲間に、嘘なんて言いませんわ!」
いや、そうじゃなくって!!
「じゃぁ皆、順番に自己紹介していきましょう~!」
俺に一言も発せさせないまま、ステラさんはもこもこ紹介を進めていく――――。
先ず最初に、真っ赤なチャイナドレスを着た妖艶な元美女が、大きな琥珀色の瞳をパッチンとウィンクしてきた。
「ウチはアンニンみゃ~。レッドテーブルは担当みゃ~。ヨロシクみゃ」
「宜しくお願い……します」
さっきまであんなにナイスバディーな美女だったのに、今はすっかりもこもこふわふわの『猫』になっている。
喋り方や雰囲気から猫っぽいとは思ってはいたけど、ギャップがあり過ぎる。
二番手は、燕尾服で紳士的な振る舞いがとっても素敵だった元長身イケメンが、お座りして深々と頭を下げた。
「わたくしはホワイトテーブル担当のカカオですわん。今後とも宜しくお願い致しますわん」
「はい、こちらこそ……」
「わんわん」口調だっただけに、カカオはやはり『犬』だった。それも優しそうな大型犬。犬になっても大人な落ち着きを醸し出しているし、普通に抱き付きたくなってしまう見事な毛並みである。
三番手は全身真っ白な様相に真っ赤な瞳が印象的だった女の子――――。
「わたしの名前はマカロン。ピンクテーブル担当しているぴょん。ちょっと人見知りしちゃうけど宜しくぴょん」
「宜しくね。真っ赤な瞳……綺麗だね」
「ぴょ! 照れちゃうぴょん!」
マカロンちゃんは恥ずかしそうに小さい手で顔を隠して、カカオさんの後ろに隠れてしまった。そんな仕草がとっても似合う、真っ白な『兎』。真っ赤な瞳なのも、頷けた。
四番手はバナナ大好きで、「うっき~」を連呼していたら間違いないでしょう!
「俺はズコットだっき~! 好物はバナナ!」
嬉しそうにバナナを俺に向けて、『猿』の姿でぴょんぴょん跳ねている。
「おいズコット、担当言ってないみゃ」
「そんなバナナ~!」
「それはいいわん」
ただボケたかったのかは分からないけど、絶妙なもこもこ掛け合いであることは確かである。
「えっと、イエローテーブル担当で良いのかな?」
ここまでくると流石に分かってきたし、何処までもバナナが続きそうなので、自分から確認してしまった。ただそれだけの理由なのに、ズコットはやたらはしゃぎだした。
「そうだっき~! お前凄いなっき~!」
バナナを両手に持って興奮気味に飛び跳ねるズコットを、もう止める気もないのか皆スルーしていた。
皆もこもこで可愛いのに、結構ドライなんだな――――。ちょっとだけもこもこ関係図を垣間見たように思えた
五番手は、俺様何様猫様のタルトだが、
「吾輩は、もう言うまでもないにゃ」
――――適当に終わらせられた。
まぁ。俺も今更タルトも紹介を聞くまでもないし、どうせ嫌味しか言わないだろうし。『ブルーテーブル担当』だけ覚えておいてやるさ!
食事後のお茶を飲んで一服しているタルトが、ぽっこり膨らんだ腹を摩っている。
イケメンモードでファンの子たちにこんな姿見せたら、幻滅されたりしないだろうか?
ティーカップに口を付けたまま横目でタルトを眺めていると、何やら皆が一斉にお茶を飲むのを止めた――――。
「っ!?」
もう食べ終わったから片付けかな? ――――なんてありきたりなことを思ってみたりもしたけど、ちょっとそんな空気でもない雰囲気だ。
「あの……」
恐る恐るステラさんに話しかけると、毎度の可愛い笑顔でにっこりと微笑み返される。今はちょっと、この微笑みに身構えてしまう――――。
ステラさんはスクッと椅子から立ち上がり小さく飛び跳ねると、ふわふわの髪とスカートを軽やかに揺らして俺の方に身体を真っ直ぐ向けた。
「大変お待たせしました~。もこもこメンバーの紹介をしま~す! 全員整列!」
号令がかかった途端、今度は一斉に皆が立ち上がる――――。
「みゃ~い」
「はいぴょん!」
「承知わん」
「うっき~」
「……」
「並ぶっちゅ」
「はいっちゅ~!」
「はぁ~吾輩はもういいにゃろ」
――――また一匹だけテンション低めだけど。
横一列に並んだ美男美女のもこもこメンバーは、とっても圧巻だった。まるでこれから、舞台でも始まるみたいなデジャヴ感さえ覚える。
いよいよ、皆の真の姿を見れる瞬間だ――――タルトと、バウムさんを除くけど。
俺は眼鏡のフレームに指を掛けて、ステラさんを直視する。
「じゃぁ……この『忍びの眼鏡』を取っても良いんですよね?」
「はい! 思いっきりいっちゃってさい~!」
眼鏡を外すだけで思いっきりもないとは思うけど、何時間も待たされていた分、ドラマティックに勢いよく外したい気分になってきた。
「眼鏡、いきますっ!」
自分でも意味不明な掛け声を発して、眼鏡を天に掲げるように両腕を勢いよく上げた――――。
瞬間、天井の照明が物凄く眩しく輝いたみたいにキラキラし始める。
あぁ、眼鏡ないって楽だな――――じゃなかった!
慣れない眼鏡を外して視界が開けたせいか、目の前がチカチカ光が飛んで見える。目を瞑って片手の指先で鼻の根付を軽く掴むと、心地良い痛みが瞼に走る。
「大丈夫ですか?」
光が落ち着くまで瞼を閉じている俺に、ステラさんが心配そうに話しかけてきた。そろそろ大丈夫なころだろう、と思ってゆっくり目を開く――――。
「はい、普段眼鏡していないから、ちょっと疲れて……っ!」
言葉を失った――――。だって目の前に居るのは、皆『動物』になっているからだ。ステラさんを除いて――――。
「あら? 固まってしまいましたね?」
「こやつさっき吾輩の姿を見たのににゃ」
「俺のもだ」
俺の驚きの大きさに、ステラさんとタルト、バウムさんが容赦なく突っ込んでくる。てか、いくら話を聞かされていても、実際目の当たりにしたら驚くだろぉぉぉ――――!
「だって本当に、皆動物だったものだから……」
「あら、もう一緒に働く仲間に、嘘なんて言いませんわ!」
いや、そうじゃなくって!!
「じゃぁ皆、順番に自己紹介していきましょう~!」
俺に一言も発せさせないまま、ステラさんはもこもこ紹介を進めていく――――。
先ず最初に、真っ赤なチャイナドレスを着た妖艶な元美女が、大きな琥珀色の瞳をパッチンとウィンクしてきた。
「ウチはアンニンみゃ~。レッドテーブルは担当みゃ~。ヨロシクみゃ」
「宜しくお願い……します」
さっきまであんなにナイスバディーな美女だったのに、今はすっかりもこもこふわふわの『猫』になっている。
喋り方や雰囲気から猫っぽいとは思ってはいたけど、ギャップがあり過ぎる。
二番手は、燕尾服で紳士的な振る舞いがとっても素敵だった元長身イケメンが、お座りして深々と頭を下げた。
「わたくしはホワイトテーブル担当のカカオですわん。今後とも宜しくお願い致しますわん」
「はい、こちらこそ……」
「わんわん」口調だっただけに、カカオはやはり『犬』だった。それも優しそうな大型犬。犬になっても大人な落ち着きを醸し出しているし、普通に抱き付きたくなってしまう見事な毛並みである。
三番手は全身真っ白な様相に真っ赤な瞳が印象的だった女の子――――。
「わたしの名前はマカロン。ピンクテーブル担当しているぴょん。ちょっと人見知りしちゃうけど宜しくぴょん」
「宜しくね。真っ赤な瞳……綺麗だね」
「ぴょ! 照れちゃうぴょん!」
マカロンちゃんは恥ずかしそうに小さい手で顔を隠して、カカオさんの後ろに隠れてしまった。そんな仕草がとっても似合う、真っ白な『兎』。真っ赤な瞳なのも、頷けた。
四番手はバナナ大好きで、「うっき~」を連呼していたら間違いないでしょう!
「俺はズコットだっき~! 好物はバナナ!」
嬉しそうにバナナを俺に向けて、『猿』の姿でぴょんぴょん跳ねている。
「おいズコット、担当言ってないみゃ」
「そんなバナナ~!」
「それはいいわん」
ただボケたかったのかは分からないけど、絶妙なもこもこ掛け合いであることは確かである。
「えっと、イエローテーブル担当で良いのかな?」
ここまでくると流石に分かってきたし、何処までもバナナが続きそうなので、自分から確認してしまった。ただそれだけの理由なのに、ズコットはやたらはしゃぎだした。
「そうだっき~! お前凄いなっき~!」
バナナを両手に持って興奮気味に飛び跳ねるズコットを、もう止める気もないのか皆スルーしていた。
皆もこもこで可愛いのに、結構ドライなんだな――――。ちょっとだけもこもこ関係図を垣間見たように思えた
五番手は、俺様何様猫様のタルトだが、
「吾輩は、もう言うまでもないにゃ」
――――適当に終わらせられた。
まぁ。俺も今更タルトも紹介を聞くまでもないし、どうせ嫌味しか言わないだろうし。『ブルーテーブル担当』だけ覚えておいてやるさ!
0
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
元恋人が届けた、断りたい縁談
待鳥園子
恋愛
シュトルム辺境伯の末娘ソフィに隣国の帝国第二皇子から届けられた『縁談』の使者は、なんと元恋人のジョサイアだった。
手紙ひとつで別れることになったソフィは、素直になれずジョサイアから逃げ回る。
「私に届けなければ、彼は帝国に帰ることが出来ない」
そう思いようやく書状を受け取ろうと決意したソフィに、ジョサイアは何かを言い掛けて!?
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる