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第三章 もっこもこカフェメンバー!
もこもこメンバー紹介、自分
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さて一通りもこもこ紹介が終わったけれども、本題はここからだ。このままの流れだと本当に俺はここで働く羽目になる。
このカフェ自体はとっても素敵だし、客としてくる分にはまた来たいくらい――――っだが~! 余りにも環境が特殊過ぎて、特技のない俺がここで務まるとは思えない。これだけはやはり、丁重にお断りせねばならぬであろう。
「あのステラさん、俺がここで働く話なんですが、やっぱり俺……」
「そうそう! お客様、お名前を聞かないとですわね。これから一緒に働くのに、いつまでもお客様なんて変ですもの!」
「え、名前!?」
てかステラさん、本気で俺を諦めていないのか!! 嬉しいような悲しいような、滅茶苦茶複雑な心境になる~。それに俺は、自分の名前が余り好きではない。名前を告げるくらいなら、もうこのまま『お客様』で終わってくれても良かったとさえ思う。
「名前……必要ですか?」
「はい、勿論ですとも! 一緒に働く仲間じゃないですか!」
「やっぱり変な奴にゃ~。まさか『名前はない』なんていうのかにゃ」
ステラさんは一緒に働く気満々だし、タルトの嫌味は炸裂するし、これで名前言ったら本当にカフェからも嫌味からも逃げられなくなるんじゃないのか――――。
「名前は……」
躊躇している俺をもこもこたちは興味深々の瞳で見つめてくる。嫌味を言ったタルトでさえ、横を向きながらも視線はこっちに向けている。
まるで主役にでもなったみたいなこのシチュエーションを素直に喜べる状況ではないけど、今までの人生で自分がここまで注目されて、必要とされて居ることは多分――――ない。
「俺の名前は……『森林樹木』って言います」
就活でも何度も告げた名前なのに、どうしても口ごもってしまう。
「もりばやし、たつき……」
「どういう字なのっぴゃ?」
「お菓子の名前ではなさそうだっき~」
「日本人だから、漢字があるはずみゃ~」
もこもこたちは、思いのほか名前を気にしてきた。自分たちと違ってお菓子じゃないから、余計に興味を持ったのか? 更にアンニンちゃんは、漢字まで気にしてくるし!
「俺の名前を聞いて字面を見ると、大抵笑われたんだ。だから必要以上は、名前は書きたくなくて」
「一体どんな字にゃ~。書いてみるにゃ~」
にんまりと意地悪そうな笑みを口元に浮かべながらタルトが、聞いてきた。この俺様猫、本当に性格悪いな!
ここまで来たら逃げ出せない状況に、俺は渋々と学生手帳を取り出してステラさんに渡すともこもこたちは、お宝でも見るみたいにまじまじと覗き込んでくる。
「森林樹木……」
「これは随分と木々がいっぱいですわん」
「あぁ……だから大抵、鬱蒼としているとか、名前だけで花粉症になりそうとか、樹海とか言われて笑われるんだよね」
漢字を覚えてくる学年になると、どんどんそれは酷くなった――――。嫌な記憶が蘇って、俺の気持ちまで樹海に引きずり込まれていきそうだ。
もこもこたちだって、可笑しな名前だって思うに決まっているさ――――。
「もういいかな。手帳を返して……」
「素敵……なんて清々しいお名前なんでしょう!」
「マイナスイオンが溢れてくる感じっぴょ」
「遊びに回りたくなるっちゅ」
「木の実がいっぱいありそうだっちゅ」
手帳を返して貰おう手を伸ばし掛けたのに、もこもこたちは何故か目を輝かせて頬を紅潮させていた。
「あの~手帳を……」
再び手を伸ばすと、ステラさんが凄い勢いで俺の手を握って来た。
「やはり樹木さん、これは運命です! 一緒に働きましょう!」
「え、ええ!?」
「こんな自然に満ちた素敵なお名前までお持ちなんて、私たちと巡り逢うためだったとしか思えません!」
「はぁぁぁぁ!?」
どこから来るんですか、その発想! ポジティブなのかそこまでして猫の手ならぬ人の手が欲しいのか! 握られた手が、一生鎖で繋がれてしまうような想像すら生まれる。
ここは一旦落ち着いて貰わないと、完全に俺はもこもこメンバーだ!
「ステラさん、冷静になって……」
「ねぇ皆、一緒に働きたいわよね!」
感涙で目を潤ませながら同意を求めるステラさんに、もこもこたちは二つ返事で頷いている。まるでスポーツ漫画のような青春場面になってきた。
唯一の頼みの綱のタルトは――――
「まぁ~居ないよりましかもにゃ~」
投げやりながらも、俺を受け入れてしまった。
「おい……お前……」
「明日からしっかりと働くにゃ~!」
短くなった足と手をぐい~んと伸ばして、タルトはのんびりと言い放つ。他のもこもこたちも一件落着と言わんばかりに、食器を片付け始める。
「あ、あの……」
「では明日から、宜しくお願いします!」
呆然と立ち尽くす俺にステラさんは嬉しそうに言って、ぴょこんと頭を深く下げた。
辞退どころか、一言も意見を言わせて貰えないまま俺はもっこもこカフェで働くことが決定してしまったのであった――――。
「樹木さん、明日は早めに来てくださいね! 色々説明しますので」
それも何気に、スパルタなんですけど~!
このカフェ自体はとっても素敵だし、客としてくる分にはまた来たいくらい――――っだが~! 余りにも環境が特殊過ぎて、特技のない俺がここで務まるとは思えない。これだけはやはり、丁重にお断りせねばならぬであろう。
「あのステラさん、俺がここで働く話なんですが、やっぱり俺……」
「そうそう! お客様、お名前を聞かないとですわね。これから一緒に働くのに、いつまでもお客様なんて変ですもの!」
「え、名前!?」
てかステラさん、本気で俺を諦めていないのか!! 嬉しいような悲しいような、滅茶苦茶複雑な心境になる~。それに俺は、自分の名前が余り好きではない。名前を告げるくらいなら、もうこのまま『お客様』で終わってくれても良かったとさえ思う。
「名前……必要ですか?」
「はい、勿論ですとも! 一緒に働く仲間じゃないですか!」
「やっぱり変な奴にゃ~。まさか『名前はない』なんていうのかにゃ」
ステラさんは一緒に働く気満々だし、タルトの嫌味は炸裂するし、これで名前言ったら本当にカフェからも嫌味からも逃げられなくなるんじゃないのか――――。
「名前は……」
躊躇している俺をもこもこたちは興味深々の瞳で見つめてくる。嫌味を言ったタルトでさえ、横を向きながらも視線はこっちに向けている。
まるで主役にでもなったみたいなこのシチュエーションを素直に喜べる状況ではないけど、今までの人生で自分がここまで注目されて、必要とされて居ることは多分――――ない。
「俺の名前は……『森林樹木』って言います」
就活でも何度も告げた名前なのに、どうしても口ごもってしまう。
「もりばやし、たつき……」
「どういう字なのっぴゃ?」
「お菓子の名前ではなさそうだっき~」
「日本人だから、漢字があるはずみゃ~」
もこもこたちは、思いのほか名前を気にしてきた。自分たちと違ってお菓子じゃないから、余計に興味を持ったのか? 更にアンニンちゃんは、漢字まで気にしてくるし!
「俺の名前を聞いて字面を見ると、大抵笑われたんだ。だから必要以上は、名前は書きたくなくて」
「一体どんな字にゃ~。書いてみるにゃ~」
にんまりと意地悪そうな笑みを口元に浮かべながらタルトが、聞いてきた。この俺様猫、本当に性格悪いな!
ここまで来たら逃げ出せない状況に、俺は渋々と学生手帳を取り出してステラさんに渡すともこもこたちは、お宝でも見るみたいにまじまじと覗き込んでくる。
「森林樹木……」
「これは随分と木々がいっぱいですわん」
「あぁ……だから大抵、鬱蒼としているとか、名前だけで花粉症になりそうとか、樹海とか言われて笑われるんだよね」
漢字を覚えてくる学年になると、どんどんそれは酷くなった――――。嫌な記憶が蘇って、俺の気持ちまで樹海に引きずり込まれていきそうだ。
もこもこたちだって、可笑しな名前だって思うに決まっているさ――――。
「もういいかな。手帳を返して……」
「素敵……なんて清々しいお名前なんでしょう!」
「マイナスイオンが溢れてくる感じっぴょ」
「遊びに回りたくなるっちゅ」
「木の実がいっぱいありそうだっちゅ」
手帳を返して貰おう手を伸ばし掛けたのに、もこもこたちは何故か目を輝かせて頬を紅潮させていた。
「あの~手帳を……」
再び手を伸ばすと、ステラさんが凄い勢いで俺の手を握って来た。
「やはり樹木さん、これは運命です! 一緒に働きましょう!」
「え、ええ!?」
「こんな自然に満ちた素敵なお名前までお持ちなんて、私たちと巡り逢うためだったとしか思えません!」
「はぁぁぁぁ!?」
どこから来るんですか、その発想! ポジティブなのかそこまでして猫の手ならぬ人の手が欲しいのか! 握られた手が、一生鎖で繋がれてしまうような想像すら生まれる。
ここは一旦落ち着いて貰わないと、完全に俺はもこもこメンバーだ!
「ステラさん、冷静になって……」
「ねぇ皆、一緒に働きたいわよね!」
感涙で目を潤ませながら同意を求めるステラさんに、もこもこたちは二つ返事で頷いている。まるでスポーツ漫画のような青春場面になってきた。
唯一の頼みの綱のタルトは――――
「まぁ~居ないよりましかもにゃ~」
投げやりながらも、俺を受け入れてしまった。
「おい……お前……」
「明日からしっかりと働くにゃ~!」
短くなった足と手をぐい~んと伸ばして、タルトはのんびりと言い放つ。他のもこもこたちも一件落着と言わんばかりに、食器を片付け始める。
「あ、あの……」
「では明日から、宜しくお願いします!」
呆然と立ち尽くす俺にステラさんは嬉しそうに言って、ぴょこんと頭を深く下げた。
辞退どころか、一言も意見を言わせて貰えないまま俺はもっこもこカフェで働くことが決定してしまったのであった――――。
「樹木さん、明日は早めに来てくださいね! 色々説明しますので」
それも何気に、スパルタなんですけど~!
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