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第五章 もっこもこカフェパワー全開!
洗い場専属もこもこ
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テーブルクロスも敷き終わり、其々のテーブルに花を飾ると、店内が一気に華やかになった。
整った店内を見渡すと、これからこの場所にお客様を迎えるのだとの高揚感が胸に衝きあがってきて、全身が熱くなってくる。
「今日も忙しくなりますよ」
「はい、頑張ります」
俺の横に並んで店内を見渡すステラさんのその言葉に、昨日見たもこもこたちの接客風景が目の前に再現されるような光景が浮かぶ――――。
まだまだ緊張感は抜けないし、ずっと続けられるかも自信はない。
だけど自分が少しでも携わった場所や食材が、お客さんたちを喜ばせるのだと思うと、ちょっと誇らしく思えるんだ――――。
「樹木さん、開店前のミーティングを始めましょう!」
「はい、ステラさん!」
俺とステラさんが顔を合わせて気合を入れたタイミングで、もこもこたちが二回の部屋から降りて来た。
「今日も予約がいっぱいみゃ~」
「ご新規さんも増えているぴょん」
「バナナパフェ、今日も注文して貰うっき~」
「無事に終わるといいわん」
「今日の吾輩もカッコいいにゃ~」
身だしなみを整えたらしきもこもこたちは、相変わらずわいわいと賑やかだ。
其々が毛並みを気にしているけど、お客さんには擬人化した姿しか見えないのにな――――なんてこと思ってしまったりする。
「ミーティングでちゅ」
「集まるでちゅ」
ビスケとサブレが飛び跳ねている後ろに、バウムさんが威風堂々と、タフィーさんは手を拭きながらやって来た。キッチン隊も集合すると、見事なもこもこ尽くして圧巻だった。
こんな光景、普通じゃ見れないよな。レア感が半端ない。
並んだもこもこたちを後ろから眺めていると、ステラさんが手招きして俺を呼び寄せる。「樹木さん、前に来てくださ~い。タフィーさんも紹介しますので!」
「え、あっ、はい!」
まさか前に立たされるとは予想しておらず、気恥ずかしい気持ちでステラの横に並ぶ。皆の前に立つと、もこもこたちが俺を刮目してきて、更に恥ずかしさが倍増してしまう。
昨日も皆の前に立たされたが、イレギュラーな客人扱いだった。今日は店のスタッフとして皆の前に立つのは、心持が全然変わる。
別の意味での緊張感がこそばゆくて、俺を不思議な感覚にさせていく――――。
ぴしっと伸ばした両手と腕を脇に当てて、背筋を伸ばして気を付けをする。
「では先ず、タフィーさんに樹木さんをご紹介したいと思います。今日からもっこもこカフェで働いてくださる森林樹木さんです」
「森林樹木です。宜しくお願い致します!」
タフィーさんに向けて深々とお辞儀をしたけど、下げた頭の中で『俺、試用期間なしなのかな?』との文字が過っていった。
そんな俺の疑問を知る由もなく、タフィーさんも両手をお腹に当ててペコリと頭を下げる。
「洗い場まかせるるる~。タフィーです~」
タフィーさんは、さっき洗い場で歌っていた鼻歌みたいな口調で自己紹介をしてきた。どうやら普段から鼻歌口調のようだ。
挨拶が終わるとステラさんはニッコリ微笑んで、俺に『忍びの眼鏡』を差し出してきた。
「お客様がご来店中は、この眼鏡を掛けていてくださいね」
「はい、分かりました」
受け取った眼鏡をゆっくりと顔に近付け、装着する――――。途端、さっきまでもこもこ、ふわふわだった生き物たちが瞬く間に擬人化されて、美男美女たちが現れる。
「……」
やっぱり理不尽だ――――。昨日散々この姿を見ていたけど、つい先程まで俺よりも小さいもこもこだったのに! そう思うと世の中なんて不平等なんだ――――とさえ感じてしまう。
「眼鏡でちゅ」
「人間になったでちゅ」
チュッチュトークのままだけど、小リスたちは可愛らしい双子の姿になり、バウムさんは今日もカッコいい欧風イケメンだ。
そしてこの人――――。
「タフィーさん……ですか?」
「タフィーだよぉぉぉ~」
タフィーさんは声量のあるビブラートの利かせた声で、思いっきり発声をする。それはまるでミュージカル俳優みたいだ。いや、寧ろミュージカル俳優でしょ! って言いきれそうなくらい、華やかで派手な出で立ちだった。そして美形だ。
バウムさんとは真逆な、アメリカンな雰囲気で少し垂れ目がちな瞳がセクシーさを際立たせ、赤みの掛かった金髪に付け根に斑にいったプラチナブロンドが凄くゴージャスで存在感があり過ぎる。
可愛らしい洗い物をしていた姿からは、程遠い――――。てかこんな派手なのに、皿洗いでいいのでしょうか?
ある程度の予想はしていたんだ。きっとタフィーさんだって、美形に違いないって。でもちょっとくらい予測を裏切ってくれたっていいんじゃなか!
「やっぱり……」
やっぱり、世の中も、もこもこの世界も物凄く理不尽だぁぁぁ――――!
整った店内を見渡すと、これからこの場所にお客様を迎えるのだとの高揚感が胸に衝きあがってきて、全身が熱くなってくる。
「今日も忙しくなりますよ」
「はい、頑張ります」
俺の横に並んで店内を見渡すステラさんのその言葉に、昨日見たもこもこたちの接客風景が目の前に再現されるような光景が浮かぶ――――。
まだまだ緊張感は抜けないし、ずっと続けられるかも自信はない。
だけど自分が少しでも携わった場所や食材が、お客さんたちを喜ばせるのだと思うと、ちょっと誇らしく思えるんだ――――。
「樹木さん、開店前のミーティングを始めましょう!」
「はい、ステラさん!」
俺とステラさんが顔を合わせて気合を入れたタイミングで、もこもこたちが二回の部屋から降りて来た。
「今日も予約がいっぱいみゃ~」
「ご新規さんも増えているぴょん」
「バナナパフェ、今日も注文して貰うっき~」
「無事に終わるといいわん」
「今日の吾輩もカッコいいにゃ~」
身だしなみを整えたらしきもこもこたちは、相変わらずわいわいと賑やかだ。
其々が毛並みを気にしているけど、お客さんには擬人化した姿しか見えないのにな――――なんてこと思ってしまったりする。
「ミーティングでちゅ」
「集まるでちゅ」
ビスケとサブレが飛び跳ねている後ろに、バウムさんが威風堂々と、タフィーさんは手を拭きながらやって来た。キッチン隊も集合すると、見事なもこもこ尽くして圧巻だった。
こんな光景、普通じゃ見れないよな。レア感が半端ない。
並んだもこもこたちを後ろから眺めていると、ステラさんが手招きして俺を呼び寄せる。「樹木さん、前に来てくださ~い。タフィーさんも紹介しますので!」
「え、あっ、はい!」
まさか前に立たされるとは予想しておらず、気恥ずかしい気持ちでステラの横に並ぶ。皆の前に立つと、もこもこたちが俺を刮目してきて、更に恥ずかしさが倍増してしまう。
昨日も皆の前に立たされたが、イレギュラーな客人扱いだった。今日は店のスタッフとして皆の前に立つのは、心持が全然変わる。
別の意味での緊張感がこそばゆくて、俺を不思議な感覚にさせていく――――。
ぴしっと伸ばした両手と腕を脇に当てて、背筋を伸ばして気を付けをする。
「では先ず、タフィーさんに樹木さんをご紹介したいと思います。今日からもっこもこカフェで働いてくださる森林樹木さんです」
「森林樹木です。宜しくお願い致します!」
タフィーさんに向けて深々とお辞儀をしたけど、下げた頭の中で『俺、試用期間なしなのかな?』との文字が過っていった。
そんな俺の疑問を知る由もなく、タフィーさんも両手をお腹に当ててペコリと頭を下げる。
「洗い場まかせるるる~。タフィーです~」
タフィーさんは、さっき洗い場で歌っていた鼻歌みたいな口調で自己紹介をしてきた。どうやら普段から鼻歌口調のようだ。
挨拶が終わるとステラさんはニッコリ微笑んで、俺に『忍びの眼鏡』を差し出してきた。
「お客様がご来店中は、この眼鏡を掛けていてくださいね」
「はい、分かりました」
受け取った眼鏡をゆっくりと顔に近付け、装着する――――。途端、さっきまでもこもこ、ふわふわだった生き物たちが瞬く間に擬人化されて、美男美女たちが現れる。
「……」
やっぱり理不尽だ――――。昨日散々この姿を見ていたけど、つい先程まで俺よりも小さいもこもこだったのに! そう思うと世の中なんて不平等なんだ――――とさえ感じてしまう。
「眼鏡でちゅ」
「人間になったでちゅ」
チュッチュトークのままだけど、小リスたちは可愛らしい双子の姿になり、バウムさんは今日もカッコいい欧風イケメンだ。
そしてこの人――――。
「タフィーさん……ですか?」
「タフィーだよぉぉぉ~」
タフィーさんは声量のあるビブラートの利かせた声で、思いっきり発声をする。それはまるでミュージカル俳優みたいだ。いや、寧ろミュージカル俳優でしょ! って言いきれそうなくらい、華やかで派手な出で立ちだった。そして美形だ。
バウムさんとは真逆な、アメリカンな雰囲気で少し垂れ目がちな瞳がセクシーさを際立たせ、赤みの掛かった金髪に付け根に斑にいったプラチナブロンドが凄くゴージャスで存在感があり過ぎる。
可愛らしい洗い物をしていた姿からは、程遠い――――。てかこんな派手なのに、皿洗いでいいのでしょうか?
ある程度の予想はしていたんだ。きっとタフィーさんだって、美形に違いないって。でもちょっとくらい予測を裏切ってくれたっていいんじゃなか!
「やっぱり……」
やっぱり、世の中も、もこもこの世界も物凄く理不尽だぁぁぁ――――!
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