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第六章 もっこもこのお買い物!
本日、休日出勤にて
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もっこもこカフェで働き始めてから一週間が経った――――。
まだまだ慣れない作業ばかりでぎこちないけど、少しずつコツを掴んできてはいるような――気はしている。
朝は早くて辛い時もあるけど、それでも頑張れているのは、もこもこたちがフォローしてくれたり、励ましてくれるからだ。
あの俺様猫様を除いては、だけど――――。
相変わらず、俺とタルトの仲は微妙だ。
このまま永遠にタルトとは上手くやれない自信さえ付きそうな、ある日の出来事だった――――。
「樹木さん、これから買い出しに行って貰えませんか?」
ステラさんがテーブルクロスにアイロンを掛けながら、サラッと言ってきた。
今日はもっこもこカフェの定休日。
カフェでの仕事を始めてから初の休日。思いっきり寝倒そうと思っていたけれども、定休日とは言っても何気にやることが色々あって、結局呼び出されて仕事をしている。
そんな状況で、俺が買い出し部隊ですと!? 一体何を買いに行かされるんだ? 俺の休日は、何処へ~!
「俺が行くんですか?」
「はい! 樹生さんが買い出しに慣れて頂けると、何かと便利になりますので!」
「便利……ですか?」
ステラさんの天使の微笑みと言うなの、『絶対命令の微笑み』が出た時には、逆らうことはほぼ無理だ。強制的に指令は執行される。
「分かりました。買い物のリストとかありますか?」
「はい! バウムさんが、メモしているのでそれを買って来て頂けますか」
「承知しました~」
俺は引き攣りそうな顔でステラさんに返事をしてから、バウムさんが作業しているキッチンへ向かった。
今日の俺は、『忍びの眼鏡』を掛けていない。なので作業をしている皆の姿は、漏れなくもこもこバージョンである。
キッチンに行くと巨大な白い毛玉――――みたいになっているのシロクマのバウムさんを発見した。
もこもこメンバーの中でも一番身体が大きいのに、キッチンの狭い隅々まで綺麗に掃除をしている。
こういう時こそ、小リスたちに任せればいいと思うのだけど、バウムさんの性格上、自分の持ち場は自分で責任もって管理するんだろうな。そういう所も、無論リスペクトしてしまう。
作業中に声を掛けるのが心苦しく思いつつ、恐る恐るバウムさんに問い掛ける。
「バウムさん、買い出しに行くようにステラさんに言われたんですけど」
「あぁ、樹木か」
俺の呼び掛けにバウムさんは一旦手を止めて立ち上がり、巨大な毛玉から大きなシロクマの姿に戻った。
目の前に聳える白い巨熊。毎日見ていても、迫力は衰えない――――。バウムさんの凄まじいオーラに、思わず頭を下げてしまう小心者の俺だった。
「す、すみません! 作業のお邪魔して!」
「いや、構わんよ。そこにメモを置いてある。大変だろうけど宜しく頼む」
バウムさんの言い方は端的で、声も低いから威圧的に聞こえるかも知れないけど、言っていることは無駄がない上に、相手のことを気遣ってくれている。嫌味ばかりのあいつとは雲泥の差だ。
「はいっ! 喜んで!」
「嬉しいのか? まぁ道中、気を付けてな」
変な返事の俺に首を傾げるバウムさん。深く追求してこない所も男前だ!
カウンターに置いてあったメモを手に取り、内容に目を通す。書かれていたものは、殆ど料理に使う材料がメインだった。
「俺、家の買い物とか荷物持ちくらいしかしてないんだけどな。美味しそうなのとか見分け付くかな……」
さっきバウムさんに『喜んで!』っと景気よく言った癖に、早速不安になってきた。
メモを見ながら顔を顰めていると、お約束通りあの二人がひょっこりと現れる。
「樹木、買い出しでちゅか?」
「一緒に行きたいでちゅ!」
キッチンの掃除をしていた小リスのビスケとサブレが、ピョンピョンと俺の周りを飛び跳ねる。
二人が来たら騒がしくはあるけど、目利きはしてくれそうな気がする。だからって俺が勝手に、買い物担当を決める訳にはいかないだろう。
「う~ん。バウムさんが、一緒に行っても良いって言ったらね!」
軽いノリで言ってみた途端、二人の顔が珍しく神妙になった。
「それはでちゅ……」
「難しいでちゅ……」
どうやら今日は、二人は買い物に行かせて貰えなさそうだ。実際普段はどうなのであろう? それはまた、後でステラさんにでも聞いてみることにしようかな――――。
「そっか、じゃぁまたの機会に一緒に行こうね。今日は俺一人で頑張るよ!」
「はいでちゅ!」
「樹木、一人でちゅか?」
てっきり一人で行かされるもんだと思った。だけどメモに掛かれた買い物の量は結構あるし、一人で持つには正直厳しい。
「え、他に一緒に誰か行ってくれるのかな?」
「いつも、何人かで行くでちゅ」
「一人は、大変でちゅ」
サブレとビスケは、一緒に小さな手をバタバタさせて主張する。何でも一所懸命で、可愛い。ちびっ子たちに、ほっこり和んだ。
「そっか、そうだよね。じゃぁ誰が一緒に行くのかな?」
ステラさんは違うだろうし、それならカカオとかが無難そうだけど、今日はまだ姿を見ていない。
俺は用意されていた大き目のエコバックを持って、ステラさんの所へ戻った。
「ステラさん、買い出しは俺一人で行くんですかね?」
勿論、一人じゃないと言ってくれ! と思った矢先――――
「あ、一人じゃ大変なので、今日はタルトと行ってください!」
――――瞬時に、心の中で切実に叫んだ。
『やっぱり一人で、行かせてくれぇぇぇ!』
もっこもこカフェ、初めてのお使い――――無事に終わる気がしないのは、きっと予感じゃなくて確信だと思うんですけど。
まだまだ慣れない作業ばかりでぎこちないけど、少しずつコツを掴んできてはいるような――気はしている。
朝は早くて辛い時もあるけど、それでも頑張れているのは、もこもこたちがフォローしてくれたり、励ましてくれるからだ。
あの俺様猫様を除いては、だけど――――。
相変わらず、俺とタルトの仲は微妙だ。
このまま永遠にタルトとは上手くやれない自信さえ付きそうな、ある日の出来事だった――――。
「樹木さん、これから買い出しに行って貰えませんか?」
ステラさんがテーブルクロスにアイロンを掛けながら、サラッと言ってきた。
今日はもっこもこカフェの定休日。
カフェでの仕事を始めてから初の休日。思いっきり寝倒そうと思っていたけれども、定休日とは言っても何気にやることが色々あって、結局呼び出されて仕事をしている。
そんな状況で、俺が買い出し部隊ですと!? 一体何を買いに行かされるんだ? 俺の休日は、何処へ~!
「俺が行くんですか?」
「はい! 樹生さんが買い出しに慣れて頂けると、何かと便利になりますので!」
「便利……ですか?」
ステラさんの天使の微笑みと言うなの、『絶対命令の微笑み』が出た時には、逆らうことはほぼ無理だ。強制的に指令は執行される。
「分かりました。買い物のリストとかありますか?」
「はい! バウムさんが、メモしているのでそれを買って来て頂けますか」
「承知しました~」
俺は引き攣りそうな顔でステラさんに返事をしてから、バウムさんが作業しているキッチンへ向かった。
今日の俺は、『忍びの眼鏡』を掛けていない。なので作業をしている皆の姿は、漏れなくもこもこバージョンである。
キッチンに行くと巨大な白い毛玉――――みたいになっているのシロクマのバウムさんを発見した。
もこもこメンバーの中でも一番身体が大きいのに、キッチンの狭い隅々まで綺麗に掃除をしている。
こういう時こそ、小リスたちに任せればいいと思うのだけど、バウムさんの性格上、自分の持ち場は自分で責任もって管理するんだろうな。そういう所も、無論リスペクトしてしまう。
作業中に声を掛けるのが心苦しく思いつつ、恐る恐るバウムさんに問い掛ける。
「バウムさん、買い出しに行くようにステラさんに言われたんですけど」
「あぁ、樹木か」
俺の呼び掛けにバウムさんは一旦手を止めて立ち上がり、巨大な毛玉から大きなシロクマの姿に戻った。
目の前に聳える白い巨熊。毎日見ていても、迫力は衰えない――――。バウムさんの凄まじいオーラに、思わず頭を下げてしまう小心者の俺だった。
「す、すみません! 作業のお邪魔して!」
「いや、構わんよ。そこにメモを置いてある。大変だろうけど宜しく頼む」
バウムさんの言い方は端的で、声も低いから威圧的に聞こえるかも知れないけど、言っていることは無駄がない上に、相手のことを気遣ってくれている。嫌味ばかりのあいつとは雲泥の差だ。
「はいっ! 喜んで!」
「嬉しいのか? まぁ道中、気を付けてな」
変な返事の俺に首を傾げるバウムさん。深く追求してこない所も男前だ!
カウンターに置いてあったメモを手に取り、内容に目を通す。書かれていたものは、殆ど料理に使う材料がメインだった。
「俺、家の買い物とか荷物持ちくらいしかしてないんだけどな。美味しそうなのとか見分け付くかな……」
さっきバウムさんに『喜んで!』っと景気よく言った癖に、早速不安になってきた。
メモを見ながら顔を顰めていると、お約束通りあの二人がひょっこりと現れる。
「樹木、買い出しでちゅか?」
「一緒に行きたいでちゅ!」
キッチンの掃除をしていた小リスのビスケとサブレが、ピョンピョンと俺の周りを飛び跳ねる。
二人が来たら騒がしくはあるけど、目利きはしてくれそうな気がする。だからって俺が勝手に、買い物担当を決める訳にはいかないだろう。
「う~ん。バウムさんが、一緒に行っても良いって言ったらね!」
軽いノリで言ってみた途端、二人の顔が珍しく神妙になった。
「それはでちゅ……」
「難しいでちゅ……」
どうやら今日は、二人は買い物に行かせて貰えなさそうだ。実際普段はどうなのであろう? それはまた、後でステラさんにでも聞いてみることにしようかな――――。
「そっか、じゃぁまたの機会に一緒に行こうね。今日は俺一人で頑張るよ!」
「はいでちゅ!」
「樹木、一人でちゅか?」
てっきり一人で行かされるもんだと思った。だけどメモに掛かれた買い物の量は結構あるし、一人で持つには正直厳しい。
「え、他に一緒に誰か行ってくれるのかな?」
「いつも、何人かで行くでちゅ」
「一人は、大変でちゅ」
サブレとビスケは、一緒に小さな手をバタバタさせて主張する。何でも一所懸命で、可愛い。ちびっ子たちに、ほっこり和んだ。
「そっか、そうだよね。じゃぁ誰が一緒に行くのかな?」
ステラさんは違うだろうし、それならカカオとかが無難そうだけど、今日はまだ姿を見ていない。
俺は用意されていた大き目のエコバックを持って、ステラさんの所へ戻った。
「ステラさん、買い出しは俺一人で行くんですかね?」
勿論、一人じゃないと言ってくれ! と思った矢先――――
「あ、一人じゃ大変なので、今日はタルトと行ってください!」
――――瞬時に、心の中で切実に叫んだ。
『やっぱり一人で、行かせてくれぇぇぇ!』
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