永遠の愛を手に入れよう

トマトマル

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一章

事件を考えてみよう

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新聞が手からパサりと抜け落ちた。

「え・・・?ビリアン・ゴヴィリーが死んだ?」

新聞の一面の端っこに細々と書かれた記事。
これは幸いとだけ思える頭だったらどんなに良いか。


────王家直属宰相補佐兼、執事長を務めていた、ビリアン・ゴヴィリー氏が今朝、亡くなっていたと憲兵が発表した。死因は事故。○月✕日の深夜、馬車に轢かれて即死していたと調べがついている。ただし、事件性はないとして────────


(おかしい・・・絶対におかしい)

○月✕日は私がローザと出会った日、つまり私の誕生日の一日前。
深夜に死んでいたとなれば、私がゴヴィリーに啖呵をきった後だ。
そうなればどう考えてもおかしい。
私は次の日の誕生日でもゴヴィリーと顔を合わせているはずだ。
ローザに絡んでいた時、ゴヴィリーと話した。これは確かだ。

もしかしたら、私があの時話したのは、ゴヴィリーではなかったのだろうか・・・?

(ゆ、幽霊・・・?)

いや、信じない。信じたくない。
では幽霊でなかったら何で説明を付ける?


幽霊よりは現実的かつ、未開発のものとなれば・・・・・・・・・・・・


「────魔法しかない・・・」


コンコン


呟いた瞬間、扉をノックする音が聞こえた。
リリーしかいない執務室で、不気味にノック音がこだました。
何もやましい事はしていないのに、心臓が飛び出そうなくらい動揺してしまった。

「リリー様、ご昼食の準備ができております」

ローザの声だった。リリーは安心しきった。

(なんだ、ローザね。もしかしたら、幽霊になったゴヴィリーかも?って怯えちゃったじゃない)


「リリー様?入ってもよろしいでしょうか?」

なかなか返事をしないリリーを心配したのか、ローザの声が不安気に揺れた。

「だ、大丈夫よ!今から行くわ」

扉を急いで開けに行くと、眉を下げてしおらしい顔をしたローザがいた。

「すぐに返事をしないので、心配しました」

ローザだけでは無いが、リリーは使用人達の呼び出しには比較的早く返事をしてきた。
だから余計に心配だったのか、私のほっぺたや首筋を優しくなぞりながら、どこにも怪我がないかリリーの身体を見回す。

「そんなに心配しなくても、私は大丈夫よ?」

「いけません。リリー様はすぐ無茶をすると、王妃様からお聞きしました」

「お母様は心配性なのよ」

「そんな事はありません。真っ当な意見です」

「ふふっ。ローザもすっかり心配性ね」

出会って数日しか経っていないのに、ここまで懐くとは思ってもいなかった。

(五歳も年上なのに、本当にかわいいわ・・・)

「あ、そうだわ!本を片付けないと!」

朝から読んでいた政治の本を出しっぱなしだったのを思い出した。
もしかしたら、叔父様が使うかもしれないのに・・・!!

「も、もう少し待って!ローザ!!本を片付けてからお昼ご飯に行くわ!」

「それでしたら、俺が片付けておきますよ」

「で、でも自分が出したんだし・・・」

「王妃様が食堂で待っています。早く行って差し上げて下さい」

「え!お母様が!?嬉しい!!」

「俺はすぐに追いつきますから」

「あ、ありがとう!!」

(お母様、今日はお身体の調子が良いのね!!嬉しい!!!)

執務室から出て詳細を衛兵に伝え、食堂で向かった。








────────────────────────────…………

本棚に分厚くて大きい本を戻す。
ふと気付いた。新聞紙が引き出しからはみ出ている事に。

しわくちゃになってしまっている、新聞紙を広げて記事を見た。

(あぁ、成程ね・・・)

この記事を見て、リリー様は怯えていたのだろうか。
リリー様の首筋を触った時、いつもより、体温が下がっていたし脈は早くなっていた。

微々たる変化かもしれないが、ローザはそれを容易く感じ取っていた。


(俺には怯えていなかった・・・つまり、怯えていたのは幽霊、とかかな??)

だとしたら、可愛すぎる。
ローザはリリーの普段しっかりとした立ち振る舞いから垣間見える、歳相応の態度が可愛くてたまらなかった。
きっとどんなリリーを見たって可愛いに違いない。
だから、色んな表情をしたリリーを見たい。



しかし、幽霊に怯えたりするとは言え、リリー様は五歳になったばかりとは思えないほどに頭が回る。
知識が深いとは言えないが、洞察力は大人顔負けである。
もしかしたら、この事件のタネを既に見破られているかもしれない。

いつかは、バレるかもしれない。
どれだけ俺が汚れているのか、どれだけこの手で命を奪ってきたか。
それに気付いたら、俺のことを軽蔑の目で見るかもしれない。
だが、その感情さえもその瞬間は俺だけに向けられているモノだと思うと嬉しくてたまらない。


ローザは新聞紙を綺麗に畳み、引き出しに戻した。


─────たとえ、奴隷制度廃止令が正式に施行される日が来ても、俺はずっとリリー様の奴隷でいたい。

そうすれば、永遠に一緒にいれる。友人や恋人なんて、すぐに切れてしまう関係などいらない。
俺もリリー様が居るなら、『永遠の愛』が欲しい。
きっと手に入れてみせる。
そためなら、何を無くしても、誰を犠牲にしても構わない。




だって貴方は汚い俺を拾ってくれた。
同情と言う一時的な感情でも、俺にとっては永遠に感じる優しさだった。
貴方だけだ、なんの躊躇いもなく俺の手を握ってくれたのは。
貴方だけだ、ずっと縛られ続けた俺を自由にしてくれたのは。


────────────だから、だから、どうか俺を捨てないで下さい。


これは愛情なのだろうか?
きっと愛情なんて言葉で表せれるような感情ではなかった。
執着?狂愛?ある意味憎しみ? どんな感情も当てはまらない。

ただ、貴方が『永遠の愛』をまだ求めているのなら、この感情はきっと『愛』なのだろう。
そう、永遠に続く愛だ。貴方だけに向けた、『永遠の愛』だ。





────────────────────────────…………

扉を静かに閉めて、足早にリリーを追った。

いつか、リリー様が彼女の母に向ける、絶対的信頼と愛情は俺に向けられる時は来るだろうか。
────そう思いながら・・・・・・



ローザが次に邪魔なのは王妃だった・・・。

















────────────────────────────────✍︎

1日、2回更新!

申し訳ないですが、明日はサボります。


なかなか、本編進みません。
もう少し経ったら、多分、17歳とかそう言う大人になるまでぶっ飛びます。
そうなると、もしかしたら、R-18に入っちゃうかも_(꒪ཀ꒪」∠)_

ごめんなさい<(_ _)>



ところで、ビリアン・ゴヴィリーを覚えておいででしょうか?
あいつです。あいつです。
まぁ、あいつです。(作者もうろ覚え・・・)( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン
多分、初期に出てきた従者ですよね。
だる絡み代表のあいつです。


では、また┏○ペコ
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