永遠の愛を手に入れよう

トマトマル

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一章

修行を受けてみよう

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食堂でお父様が言った。

「お前達、修行を受けなさい」

この提案が地獄の始まりだった。



────────────────────────────…………

─────ハァ、ハアッ、うゥっ

炎天下の中、ヴァルデリア王国皇女たるご貴人が汗水垂らして、必死に走っている。

(しんどい・・・!!こんなに苦労するなんてっ!!)



王様から提案された修行は魔法取得のため、と言う事である。
遠い異国から、外交官として魔法使いを王国に呼び出し、リリーとローザに修行をつけるといったものだった。

キツい修行だろうと予測はしていた。
だが、リリーが真に不満に思っているのは、修行内容ではない。

(気に食わないっ!なんで、ローザが!!!!!!)

そう、ローザは所謂、''天才''だったらしく、異国から来た講師が腰をぬかす程の魔法の才能を持っていた。

ローザがたいへん優秀なのはリリーも知っていた。この国に来たばかりなのに、文化や国民性、国の内情ばかりか、お偉いさん方の性格までもを一日足らずで理解していただろう。

(だからと言って、魔法の才能まで完璧にしなくてもいいじゃない!!!!)

神は平等に人を創ると言うけれど、それは優秀ではない人々が優秀な人に嫉妬して作り上げた言葉なのではないだろうか?
そう思えるほど、ローザは天才だった。いや、鬼才と呼ぶべきかもしれない。

リリーは同年代の友達や知り合いが周りにいなかったので比べられたことなどなかった。
それどころか、蝶よ花よと育てられてきたし、十分にリリーは優秀だった。

だが、他人に比べられなくても分かる。分かってしまうぐらいのローザとの圧倒的実力差。
リリーは初めて他人に劣等感と嫉妬を抱いた。

(悔しいっ!!悔しい!!!!)

リリーのプライドと言うプライドが全て折られた音がした。






───────「体力を伸ばせば、自分の身体と魔力の調和が取れます」

魔法講師がそう言ったのでリリーは今までにないくらいに必死に走っている。
皇宮内では息切れする事もないのに、そう思いながらも、ローザには負けたくない一心で修行に明け暮れた。

朝は早起きして、魔法の朝練。
朝ごはんを食べた後には、地歴公民の学習。
奴隷制度廃止令の見直しや改善すべき所を余すことなく考える。
外国からいらっしゃるお客様への、挨拶。
お昼ごはんは食べれたら、かなり良い方。
午後からは魔法の修行。
夕方になったら、医学の勉強。
夜ごはんを食べたら、お風呂に入って、また勉強。

リリーはなかなかのハードライフを続けていた。
周りに心配されても、どうにか言い逃れをして、修行も勉強も一切手を抜きたがらなかった。

ローザの方がきっとキツい修行になっているだろうし、近衛隊の訓練も始まったらしい。

ローザと会うのは夜更けで、一緒のベッドで寝るぐらいだった。
お互い疲れているのか会話は少なく、ただ抱き合って、泥のように眠った。

ローザに対して、確かに劣等感などを抱いているはずなのに、不思議とローザは憎くなかった。
どちらかと言うと、いつかは越えたいライバルのような存在だった。

(楽しい・・・ずっと退屈だったから)

リリーはその優秀さゆえに、物心ついた時には自分の容姿と実力を持ってさえすれば、だいたいの野望は実現できてしまう事に気付いてしまった。

だから、並外れた努力をしなければ越えられないであろう相手は、正に運命の人のようだった。
リリーは幼いながらも、ローザに恋をしていたのだろう。



時間は進み、季節は巡った。






────────────────────────────…………

六歳を迎えて、修行を始めてから一年過ぎた頃だった。

冬に入ろうとしていた時期だった。
緑の葉っぱがたくさん付いていた木は枯れたように静かだった。


────ある訃報が入った。

「王妃様が、先程息を引き取りました・・・」



持っていた、本がドサリと足元に落ちた。

「え・・・・・・う、うそよ」








「───嗚呼、やっとですか」

ローザネリアが、それはそれは嬉しそうに口角をつり上げた。




風が強く吹いては、落ち葉が舞い、嫌な音を立てた。


















────────────────────────────────✍︎

ごめんなさいm(__)m

めっちゃ忘れてました。
更新サボってたのさえ気にせず、寝ていました。



ついに、お妃様が死亡してしまいました。
気付かないうちにリリー様は六歳超えてます。


では、また明日頑張ります。┏○ペコ
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