2 / 5
一夫多妻?...一昨日来やがれ。
頭、大丈夫ですか?1
しおりを挟む
「そのお話しは、きっぱりとお断りいたします。
私はこの、シェルザード王国の民ではありませんし、国に運命の婚約者もおりますから。
それでは、失礼いたします。」
宿屋にて寛いでいたところを、突然、シェルザード王国の騎士隊に囲まれ、この王宮に連れてこられましたが...この王子はアホなのですか?
「...運命の人。
貴女を正妃とすることは、神の思し召しですよ?
貴女に断ることなどできません。
ですので、貴女がこの王宮から去ることはありません。」
「...拉致監禁なさるおつもりなのですね?
これは立派な犯罪行為ですよ?
そこのところ、分かっておられますか?」
「正妃となるということは、自分と結婚するということです。
拉致も監禁も...犯罪など何も犯していないのに、何を言っているのですか?」
「お話になりませんね。
私が、ここ、シェルザード王国に参ったのは、私の従姉妹であるユリーシャの結婚式の為です。
国に帰り次第、私も結婚式を控えております。」
何度も何度も、根気よく繰り返し説明しているのに、全く理解してくれません。
というか...貴方、ついさっき派手めな結婚式をしたばかりですよね?
私の従姉妹ユリーシャを...5人目の側妃として迎えた筈ではありませんか?
「貴方の花印はベラリア...でしたよね?」
「はい、ベラリアです。
貴女を初めて見た時、私の華が疼いたのです。
ですから、正妃は貴女だと...そう気付けたのです。」
切なそうに眉をひそめる様は、恋い焦がれる男性の正にそれです。
ですが...今、疼いてはいないでしょう?
私が疼いていませんもの。
「あの時私は、ユリーシャと共に居りました。
貴方の花が疼いたのはユリーシャなのではありませんか?
そもそも..........私の花印はベリージャです。」
運命の花印は、同じ花で、同じ場所でなければならないことをお忘れですか?
もしもそれを忘れているようなら、救いようがありませんけど...。
「ッ?!そんな筈はありません。
ユリーシャとは何度か会ったことがあります。
その時に疼いたことはありません。」
「.....貴方は、我が国のしきたりをご存知無いのですか?
我が国では、貴族の娘は徹底的に隠されます。
ですから、結婚前に花嫁の姿を知るには、絵姿以外には人伝に聞くしかありません。
貴族の家では、運命の人を見つける為に未婚の男性が家を訪れたら、その男性の様子を娘の姿を隠して見せるのです。
結婚するまで、絶対に、貴方がユリーシャに会える筈はありません。
むしろ、誰と会っていたのですか?」
この方は、王でありながら友好国である我が国の事を何も知らないのですね。
これでは......嫁いだユリーシャが可哀想です。
この方が運命の人なのだと、嬉しそうに頬を赤らめておりましたのに......とんだ浮気者のようですわ。
そもそも、ユリーシャが運命の人だと認識したのにも関わらず、何故側妃なのかと疑問ではありました。
そうですか...我が国のしきたりを知らなかった様ですし、ユリーシャと誰かを勘違いして運命の人ではないと結論付けたのでしょう。
愚かとしか言えません。
*
私はこの、シェルザード王国の民ではありませんし、国に運命の婚約者もおりますから。
それでは、失礼いたします。」
宿屋にて寛いでいたところを、突然、シェルザード王国の騎士隊に囲まれ、この王宮に連れてこられましたが...この王子はアホなのですか?
「...運命の人。
貴女を正妃とすることは、神の思し召しですよ?
貴女に断ることなどできません。
ですので、貴女がこの王宮から去ることはありません。」
「...拉致監禁なさるおつもりなのですね?
これは立派な犯罪行為ですよ?
そこのところ、分かっておられますか?」
「正妃となるということは、自分と結婚するということです。
拉致も監禁も...犯罪など何も犯していないのに、何を言っているのですか?」
「お話になりませんね。
私が、ここ、シェルザード王国に参ったのは、私の従姉妹であるユリーシャの結婚式の為です。
国に帰り次第、私も結婚式を控えております。」
何度も何度も、根気よく繰り返し説明しているのに、全く理解してくれません。
というか...貴方、ついさっき派手めな結婚式をしたばかりですよね?
私の従姉妹ユリーシャを...5人目の側妃として迎えた筈ではありませんか?
「貴方の花印はベラリア...でしたよね?」
「はい、ベラリアです。
貴女を初めて見た時、私の華が疼いたのです。
ですから、正妃は貴女だと...そう気付けたのです。」
切なそうに眉をひそめる様は、恋い焦がれる男性の正にそれです。
ですが...今、疼いてはいないでしょう?
私が疼いていませんもの。
「あの時私は、ユリーシャと共に居りました。
貴方の花が疼いたのはユリーシャなのではありませんか?
そもそも..........私の花印はベリージャです。」
運命の花印は、同じ花で、同じ場所でなければならないことをお忘れですか?
もしもそれを忘れているようなら、救いようがありませんけど...。
「ッ?!そんな筈はありません。
ユリーシャとは何度か会ったことがあります。
その時に疼いたことはありません。」
「.....貴方は、我が国のしきたりをご存知無いのですか?
我が国では、貴族の娘は徹底的に隠されます。
ですから、結婚前に花嫁の姿を知るには、絵姿以外には人伝に聞くしかありません。
貴族の家では、運命の人を見つける為に未婚の男性が家を訪れたら、その男性の様子を娘の姿を隠して見せるのです。
結婚するまで、絶対に、貴方がユリーシャに会える筈はありません。
むしろ、誰と会っていたのですか?」
この方は、王でありながら友好国である我が国の事を何も知らないのですね。
これでは......嫁いだユリーシャが可哀想です。
この方が運命の人なのだと、嬉しそうに頬を赤らめておりましたのに......とんだ浮気者のようですわ。
そもそも、ユリーシャが運命の人だと認識したのにも関わらず、何故側妃なのかと疑問ではありました。
そうですか...我が国のしきたりを知らなかった様ですし、ユリーシャと誰かを勘違いして運命の人ではないと結論付けたのでしょう。
愚かとしか言えません。
*
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
17
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる