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3:冒険者ギルド
ギルド再び。7
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「これがクリスの荷物らしい。」
「へー、あけてもいい?」
「あぁ、一応ヤバイもんが入っていないかはギルドの職員によって確認されているから、大丈夫だと思う。」
「ありがと。」
ふむふむ、見た目は普通の茶色いカバンですね。
3歳の幼女が持つには少し大きいから、護衛の冒険者に持っててもらったんだろうね。
中身も、旅行に行ったりするときの普通の荷物。
幼女用の下着と服、薄いひざ掛けっぽいのと、何も入っていない財布と思しきもの。
うん、金属の匂いがするから多分これにお金が入ってたんじゃない?
で、中身は冒険者達に取られたのかな?
あ、底の方に、小さい手縫いだろうヌイグルミ見付けた!
これは...食堂の常連だった、マリアさんのお手製のウサギ?
ん?あー、ちょっとだけ思い出せたみたい。
母の顔も、ちょっぴり分かる。
結構美人な母じゃない?
淡い金色の髪の毛をお団子にしてて、優しそうな水色のタレ目で、お仕事してるときもワタシの世話をしてるときも、いつも楽しそうに笑ってる母。
笑顔が溌溂としていて、テキパキと動くから周りの人達に愛されてるんだよね。
「クリス、大丈夫だ。」
「ちゃんと、お母さんの様子を調べてもらうからね。」
「...ん。」
-大丈夫、父さんがなんとかする。-
「ん?どしたの?」
「いや、泣いてるだろ?
お前、気付いてないのか?」
「ん?あらら?ホントだ。」
「クリスちゃん、ここには貴女の味方しかいないのよ?
だから、大丈夫。」
「うん、ありがと。」
少しだけ記憶を思い出して、ワタシは泣いてたみたい。
一番思い出したかったことが思い出せたから、まーいっか!
「クリスの母親については、依頼について確認する必要もあるから職員を派遣している。
ゲーテリにいるのか、シュフレーにいるのか...昨日発ったばかりでまだ連絡が無いから分からないが、少し待てば分かる筈だ。」
「わかった。」
「記憶が戻ったのね?」
「うん、すこしだけ。」
「そう。」
「ははのかお。
この子の...ミーのことも。」
「そう、その子はミーっていうのね。」
「うん、マリアつくってくれた。」
「ミーちゃんはマリアという方が作ってくれたのね。」
「うん、めいにもつくったからって。」
「そう、優しい人ね。」
「うん、ははの、おみせの、じょうれんさん。
まいにちきて、ははに、きゅうこんしてたの。」
「そう、毎日来てくれてた人なのね...え?求婚?!」
「うん、マリアはおとこのひと。
おれっていってた。」
「そっかそっか、名前的に女の人だと思ってたから、びっくりしたのよ。」
「マリアは、マルシェリオってなまえだよ?」
「あら、その名前なら男の人だね。」
「うん、みんなマリアってよんでた。」
うんうん、女の人みたいな名前だよね。
でも、周りが普通にそう呼んでたから、違和感なくこの人はマリアって認識してるんだよね。
キラッキラの1つに纏めて3つ編みをした腰まである銀髪で、笑うと垂れる目の色は濃いピンク色。
ヒョロっとした長身で、あまり筋肉なさそうな男の人。
「クリス、マルシェリオって、こんな人じゃない?」
「ん?えっと......うん、マリアににてる。」
「ハァー、王弟殿下...何やってるの?」
王弟殿下?え、あのマリアさんが王弟殿下?!
母に求婚しては玉砕してたマリアさんが?!
ワタシのことを何故か溺愛してくれてて、シレッとワタシにパパって言葉を教え込んで、自分のことをパパって呼ばせようとしてたあのマリアさんが?!
パパ候補が何人もいたから、混乱したのかワタシは誰のこともパパと呼ばなかったみたいだけどね。
そっか、マリアさんって王弟殿下だったんだー...いやいや!王弟殿下が普通の町にいるもんなの?!
食堂に来るときも、護衛とか特にいなかったような?
あれ?ワタシの思い出した記憶の中にいないだけめ、もしかしていたのかな?
*
「へー、あけてもいい?」
「あぁ、一応ヤバイもんが入っていないかはギルドの職員によって確認されているから、大丈夫だと思う。」
「ありがと。」
ふむふむ、見た目は普通の茶色いカバンですね。
3歳の幼女が持つには少し大きいから、護衛の冒険者に持っててもらったんだろうね。
中身も、旅行に行ったりするときの普通の荷物。
幼女用の下着と服、薄いひざ掛けっぽいのと、何も入っていない財布と思しきもの。
うん、金属の匂いがするから多分これにお金が入ってたんじゃない?
で、中身は冒険者達に取られたのかな?
あ、底の方に、小さい手縫いだろうヌイグルミ見付けた!
これは...食堂の常連だった、マリアさんのお手製のウサギ?
ん?あー、ちょっとだけ思い出せたみたい。
母の顔も、ちょっぴり分かる。
結構美人な母じゃない?
淡い金色の髪の毛をお団子にしてて、優しそうな水色のタレ目で、お仕事してるときもワタシの世話をしてるときも、いつも楽しそうに笑ってる母。
笑顔が溌溂としていて、テキパキと動くから周りの人達に愛されてるんだよね。
「クリス、大丈夫だ。」
「ちゃんと、お母さんの様子を調べてもらうからね。」
「...ん。」
-大丈夫、父さんがなんとかする。-
「ん?どしたの?」
「いや、泣いてるだろ?
お前、気付いてないのか?」
「ん?あらら?ホントだ。」
「クリスちゃん、ここには貴女の味方しかいないのよ?
だから、大丈夫。」
「うん、ありがと。」
少しだけ記憶を思い出して、ワタシは泣いてたみたい。
一番思い出したかったことが思い出せたから、まーいっか!
「クリスの母親については、依頼について確認する必要もあるから職員を派遣している。
ゲーテリにいるのか、シュフレーにいるのか...昨日発ったばかりでまだ連絡が無いから分からないが、少し待てば分かる筈だ。」
「わかった。」
「記憶が戻ったのね?」
「うん、すこしだけ。」
「そう。」
「ははのかお。
この子の...ミーのことも。」
「そう、その子はミーっていうのね。」
「うん、マリアつくってくれた。」
「ミーちゃんはマリアという方が作ってくれたのね。」
「うん、めいにもつくったからって。」
「そう、優しい人ね。」
「うん、ははの、おみせの、じょうれんさん。
まいにちきて、ははに、きゅうこんしてたの。」
「そう、毎日来てくれてた人なのね...え?求婚?!」
「うん、マリアはおとこのひと。
おれっていってた。」
「そっかそっか、名前的に女の人だと思ってたから、びっくりしたのよ。」
「マリアは、マルシェリオってなまえだよ?」
「あら、その名前なら男の人だね。」
「うん、みんなマリアってよんでた。」
うんうん、女の人みたいな名前だよね。
でも、周りが普通にそう呼んでたから、違和感なくこの人はマリアって認識してるんだよね。
キラッキラの1つに纏めて3つ編みをした腰まである銀髪で、笑うと垂れる目の色は濃いピンク色。
ヒョロっとした長身で、あまり筋肉なさそうな男の人。
「クリス、マルシェリオって、こんな人じゃない?」
「ん?えっと......うん、マリアににてる。」
「ハァー、王弟殿下...何やってるの?」
王弟殿下?え、あのマリアさんが王弟殿下?!
母に求婚しては玉砕してたマリアさんが?!
ワタシのことを何故か溺愛してくれてて、シレッとワタシにパパって言葉を教え込んで、自分のことをパパって呼ばせようとしてたあのマリアさんが?!
パパ候補が何人もいたから、混乱したのかワタシは誰のこともパパと呼ばなかったみたいだけどね。
そっか、マリアさんって王弟殿下だったんだー...いやいや!王弟殿下が普通の町にいるもんなの?!
食堂に来るときも、護衛とか特にいなかったような?
あれ?ワタシの思い出した記憶の中にいないだけめ、もしかしていたのかな?
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今のところは、どこともリンクしておりません。
今後、リンクするかもしれませんが...まだ分かりません。
どんな呪文にするか悩んでいたとき、調理しようとしたキャベツに付いてたアオムシを見て、これだ!と思いました。
最後まで楽しんでいただけますと幸いです。