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3:冒険者ギルド

ギルド再び。6

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「あぁ、愛人の存在に気付いた妻によりクレアは遠い街にある孤児院に出され、父親や母親とは疎遠になったようだ。
無事に成長し成人したクレアは、孤児院を出る日に院長から自分の詳しい出自を聞いたらしい。
貴族に関わるのは面倒だからとダリージェ子爵家やクルスク家、バルマン家にも連絡をすることなく平民として生活をしていたそうだ。
小さい食堂を開き娘も産まれ、それなりに幸せに暮らしていたが不治の病になり、幼い娘をどうするかと悩んでいたときにクルスク家のことを思い出したらしい。」

「じゃあ、ワタシのははは、もうしんでるかもしれないの?」

「この手紙には病名も書かれていないし、クリスの母親の生死は分からない。」

そっか、仕方ないよね。
あれ?どうして同行しなかったんだろ?
手紙に残すよりも、自分で説明する方が良くない?
うーん、分からん。

「クリス、手紙を読ませてもらってもいいか?」

「うん、どうぞ?」

「ありがとう。」

「どうしてクルスク家にクリスを向かわせたのかが気になるな。
バルマン家やダリージェ子爵家も、親戚になるんだろう?」

「あぁ、ダルス・バルマンの死によりバルマン家はもう無くなってるみたいだ。
ダリージェ子爵家は典型的な古き良き貴族だから、クリスを頼むのは気が引けたんじゃないか?
爵位はあるが、准男爵家のクルスク家の方が平民に近いから頼みやすいと思ったんだろうな。」

「...ん、ほぼ平民。」
-面倒臭いから爵位なんかいらん!って、先祖がごねたらしいよ。
王様とか当時の筆頭貴族が説得に説得を重ねて、准男爵にってことで納得したって伝わってる。-

いやいや、王様相手にごねたんかい!
まぁ、爵位って面倒臭そうだなとは思うけど、権力者相手によくごねられたよね。
身分とか関係なく発言できるくらいに、仲が良かったのかな?

「ハァー、クリス、この手紙は代官様にお渡ししても良いか?」

「うん、わかった。」

どうせ今のワタシには読めないし、なんとなく父様に渡しておいた方が良い気がするので、お願いしまーす。

「君の処遇についてとかは代官様と話し合うとして、当面は君達のパーティが保護するのか?」

「はい、そのつもりです。」

「...クリス、貴族無理。」
-うちでのびのび育てる。-

「うちにはザイルがいるし、最初に森で見付けて保護したのは俺だからな。」

「おたのみもうします?」

「なんで疑問形なんだ?」

「わからん!」

うーん、これについてはなんとなくとしか言えない。
ごめんね?ガルドさん。

「クリスが同席してないといけないのはここまでだな。
まだ幼いし、ここにあまり長居しない方がいいだろう。
あー、そうだ、荷物の引き渡しも済ませておくか。」

「そうですね。
2人組の冒険者について、また何か情報が入りましたらご連絡ください。」

「あぁ、分かった。
荷物を取ってくるから、ちょっと待ってろ。」

「はーい。」

荷物?あぁ、2人組の冒険者達が持ってたのかな?
ワタシの荷物かぁ...手紙の内容を聞いたけど、記憶は戻らなかったからなぁー。
荷物を見たら思い出すこともあるかな?
母の顔、思い出したいんだけどなぁ。
はいはい、もう少しで帰れるのなら、ワタシは大人しく待ってますよ。





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