「やり直しなんていらねえ!」と追放されたけど、セーブ&ロードなしで大丈夫?~崩壊してももう遅い。俺を拾ってくれた美少女パーティと宿屋にいく~

風白春音

文字の大きさ
41 / 108

41話 デビルメイデンAランクに降格する

しおりを挟む
 ラーク達が順調な歩みを見せている頃、デビルメイデンは転落人生を歩む一方だった。


 「くそ、何故だ! 俺達が失敗する筈ねえ!」
 「バレッドどうするの? このままだと……」
 「次こそはだ」


 バレッド達はダークオーガ討伐に失敗してから更に歯車が狂ったようにクエストを達成できず失敗続きでいた。

 まあそれもその筈、バレッド達は焦りすぎていた為自分たちの実力とはかけ離れたクエストばかり受注していた。


 ダークウルフ、ダークドッグ、ファイアオーガ、ファイアドラゴンなどなどだ。

 結果的に今まで味わったことのない程の屈辱を【デビルメイデン】は受けた。


 そして更にバレッド達に悲劇が襲い掛かる。


 「デビルメイデン様少しお話があります。宜しいでしょうか?」
 「ああっ!? 何の話だ?」
 「非常に重要なお話となります」
 「そうか。貴族からの直々の依頼だな」


 この期に及んでバレッド達は夢を見ている。

 貴族からの直々の依頼などと。

 来る筈ないのだ。

 これだけ失敗続きで信頼度を無くしている【デビルメイデン】に。


 バレッド達は受付嬢から話を受けるためにソファに腰を下ろした。

 相変わらず態度が悪く、まるで傲慢な王族や貴族のような態度だ。

 それを見た受付嬢は内心哀れに思った。

 悲しい人物だと。

 醜い人物だと。


 「それで話って何だ? 早くしてくれ」
 「デビルメイデン様の信頼度が落ちている話は前回したと思います」
 「だから何だ!!」
 

 バレッドは受付嬢に向かって怒声を浴びせた。

 受付嬢は眉一つ動かさず淡々と続きを口に出す。


 「この度デビルメイデン様のランクをAランクへと降格することが決定いたしました」
 「は!?」
 「もう一度言います。Aランクへと降格することが決定いたしました」


 バレッド達は受付嬢の言葉の意味を理解できなかった。

 こいつは何を言っているんだ?

 俺達が降格? あり得ねえ。

 そんな感情が渦を巻いている。


 「冗談言うためにわざわざ呼んだのか!! ああっ!!」
 「いえ冗談ではありません。これは冒険者ギルド本部からの通達で、決定事項です」
 「嘘だ!! 俺が、俺達が降格なんてあり得ねえ!!」
 「再びSランクへ昇格できるよう祈っています。ではお話はこれで全部です」


 そう言って受付嬢は去っていく。

 バレッド達は放心状態である。

 そしてバレッドは苛立ちの余り、ソファを思いっきり蹴った。


 「糞がああああああああああああああ!!」
 「何よ。私達が降格? あり得ないわ!!」
 「意味が分からないよ。僕たちが降格? 冗談はきついね」
 「私達が降格。そんな筈ありません。あり得ません」
 「私が降格。ははっ、何かの冗談に違いない」


 全員現実を認めようとしなかった。

 当然だ。僅か一年で【デビルメイデン】はSランクまで上り詰めたのだ。

 それがラークを追放してから、僅か数週間で降格など彼らのプライドが現実を認められる筈なかった。

 それでも現実は残酷だ。

 結局認めるしかないのだ。


 バレッドは内心思った。

 ラークを追放してから順調ではなくなったのではないかと。

 あいつが疫病神で疫病だけを残していなくなったのだと。

 バレッドは決してラークのお陰で成り立っていたパーティーだとは認めたくなかった。

 その為上記のような考えが浮かんだのだ。


 「降格したのは仕方ねえ。直ぐにもう一度Sランクへ昇格するぞ」
 「ええ。さっさと昇格しましょ」
 「同感だね」
 「はい。そうです、さっさと昇格しましょ」
 「私がAランクなどあり得ない。私は最高の存在なんだ」


 バレッド達は再びSランク昇格を目指す。

 だがバレッド達は気づいていない。

 自分たちがもう二度とSランクに昇格できない事を。

 【デビルメイデン】が日の目を見ることは無い事を。

 それでも彼らは勘違いして歩みを進める。

 一方のラークは幸せな人生を歩んでいる。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

暗算参謀は王国を追放される――戦わずして勝ち続けた男の失脚譚――

まさき
ファンタジー
現代日本から異世界へ転生した主人公。 彼に与えられた唯一の能力は、瞬時にあらゆる数値を弾き出す「暗算」だった。 剣も魔法も使えない。 だが確率と戦略を読み解くことで、王国の戦を幾度も勝利へ導いていく。 やがて王国の戦略顧問として絶大な信頼を得るが、 完璧すぎる功績は貴族の嫉妬を招き、巧妙な罠により不正の罪を着せられてしまう。 証明できぬ潔白。 国の安定を優先した王の裁定。 そして彼は、王国を追放される。 それでも彼は怒らない。 数字は嘘をつかないと知っているからだ。 戦わずして勝ち続けた参謀が、国を去るその日までを描く、 知略と静かな誇りの異世界戦略譚。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

【完結】大聖女は無能と蔑まれて追放される〜殿下、1%まで力を封じよと命令したことをお忘れですか?隣国の王子と婚約しましたので、もう戻りません

冬月光輝
恋愛
「稀代の大聖女が聞いて呆れる。フィアナ・イースフィル、君はこの国の聖女に相応しくない。職務怠慢の罪は重い。無能者には国を出ていってもらう。当然、君との婚約は破棄する」 アウゼルム王国の第二王子ユリアンは聖女フィアナに婚約破棄と国家追放の刑を言い渡す。 フィアナは侯爵家の令嬢だったが、両親を亡くしてからは教会に預けられて類稀なる魔法の才能を開花させて、その力は大聖女級だと教皇からお墨付きを貰うほどだった。 そんな彼女は無能者だと追放されるのは不満だった。 なぜなら―― 「君が力を振るうと他国に狙われるし、それから守るための予算を割くのも勿体ない。明日からは能力を1%に抑えて出来るだけ働くな」 何を隠そう。フィアナに力を封印しろと命じたのはユリアンだったのだ。 彼はジェーンという国一番の美貌を持つ魔女に夢中になり、婚約者であるフィアナが邪魔になった。そして、自らが命じたことも忘れて彼女を糾弾したのである。 国家追放されてもフィアナは全く不自由しなかった。 「君の父親は命の恩人なんだ。私と婚約してその力を我が国の繁栄のために存分に振るってほしい」 隣国の王子、ローレンスは追放されたフィアナをすぐさま迎え入れ、彼女と婚約する。 一方、大聖女級の力を持つといわれる彼女を手放したことがバレてユリアンは国王陛下から大叱責を食らうことになっていた。

処理中です...