「やり直しなんていらねえ!」と追放されたけど、セーブ&ロードなしで大丈夫?~崩壊してももう遅い。俺を拾ってくれた美少女パーティと宿屋にいく~

風白春音

文字の大きさ
67 / 108

67話 能力が覚醒したので救いました

しおりを挟む
 冒険者狩りという一連の事件を解決した俺達は無事にAランクへと昇格した。

 だが一つだけ心残りがあった。

 それは【アイアンブリザード】に殺された冒険者達だ。

 【アイアンブリザード】の連中とルーデイン公爵は別に殺されてもいいとして、というか実際俺が殺した。

 特にルーデイン公爵は数千回殺した。つまり十六時間程度体感でルーデイン公爵の首を刎ねたことになる。

 それだけ俺は腸が煮え繰り返っていた。

 弱者を殺すその姿に。


 しかしどうするか?

 俺は現在悩んでいた。

 何故なら冒険者たちが殺された事実は看破できない。

 よってやり直したいのはやまやまだ。

 しかしやり直すならスロット3にロードしなければならない。

 再び犠牲者を出さず【アイアンブリザード】の連中やルーデイン公爵を事前に殺すにはそれしかないだろうな。

 俺は一人散歩して悩んでいた。

 そんな時脳内に無機質で無感情の声が響く。


 『セーブ&ロードの能力がレベルアップしました』
 『今度は何だ?』
 『ラーク様の思いがレベルアップさせました』
 『とすると?』
 『都合のいい部分だけを現在にセーブできるようになりました。つまりスロット間のデータを共有できるようになりました』
 『つまりどういう事だ?』
 『つまりアイアンブリザードとルーデイン公爵を殺した事実だけを現在にセーブして、スロット3に保存されている冒険者狩りで死んだ者達が生きている状態をこの世界線にセーブできるようになりました』
 『つまり丸く収まったと?』
 『はいその通りです』
 『じゃあ早速スロット3の一部をスロット1へ共有する』
 『畏まりました。動作が完了いたしました』


 俺がその動作を行うと世界が変わったように一瞬歪んで見えた。

 そしてその後冒険者狩りに殺されたであろう冒険者がそこら中を歩いていた。

 どうやら俺の能力で死ななかったことになったようだ。

 いよいよ完全チート化してきたな。
 
 俺の能力も。


 そして現在冒険者ギルドに設置された椅子に座って俺は事情を仲間に説明した。


 「私達は記憶を共有できているのよね!! つまりどういう事?」
 「簡単に説明するとアイアンブリザードとルーデイン公爵が殺されただけの世界線だな。事前に俺達が防いだ世界線になっているらしい」
 「つまり私達は未然に事件を防いだという事ね。そして犠牲者はアイアンブリザードとルーデイン公爵だけと」
 「そういう事だ。事前に防いだ事実は冒険者ギルド本部が把握しているらしい。俺も難解すぎて詳しくは分からない」


 そして再び俺の脳内に無機質で無感情な声が響く。


 『説明し忘れていました。簡単に説明すると世界の上書きセーブです。冒険者狩りが行われなかった世界にする為にラーク様が上書きセーブしたのです』
 『つまり俺達はこの世界で事件を未然に防いだ事になっていると?』
 『はい記憶を共有しない方たちにとっては上書きセーブする前の解釈とは違います』
 『それでも英雄扱いは変わらないんだな』
 『未然に事件を防ぎましたからね』
 『今考えた理想をこの世界に上書きセーブする事は出来るのか?』
 『それは現在できません。更なるレベルアップが必要でしょう』
 『そうか分かった』
 『あくまでスロット間のデータ共有ですので』


 一見難解に思えるがつまり簡単に説明すると以下になる。


 ===========================================

 スロット1がベースとなる。

 スロット3の一部のデータ(ここでいう冒険者たちが生きている状態)をスロット1へ共有する。

 スロット1にスロット3の一部のデータが共有されてスロット1+スロット3の世界が出来上がる。

 記憶を共有している俺と俺の仲間だけがその事実を知っている。

 ============================================

 
 こんな所だろう。

 つまり前は冒険者狩りを殺した犯人を殺して英雄扱いになった。

 だが現在では冒険者狩りを行おうと計画を立てていた犯人を殺して未然に計画を防いだ結果英雄扱いになった。

 つまり丸く収まったと。

 ハッピーエンドである。


 まあ俺が【アイアンブリザード】とルーデイン公爵を殺した事実は変わらないが。

 それと欲を言うなら一瞬で数千回殺せる能力が欲しいな。

 ルーデイン公爵に地獄を味わわせる為に十六時間程度体感で時間を要した。

 それを一瞬の体感時間にしてほしい。


 「スロット間の共有が出来るならかなり便利ですね!!」
 「そうだな。色々共有して理想の世界に出来そうだな。まあ魔力消費量は結構なものだが!!」
 「あまり無茶はしないでくださいね!!」
 「ああ分かってる!!」


 俺は今日こうして冒険者たちを無事に救えた。

 さあセーブしよう。

 セーブは凄く大事だ。


 「セーブ」


 =========================

 スロット1 ファイシード国冒険者ギルド

 スロット2 ファイシード国食堂

 スロット3 ファイシード国宿屋

 スロット4 空き

 =========================

 俺はスロット1に上書きセーブをした。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

【完結】大聖女は無能と蔑まれて追放される〜殿下、1%まで力を封じよと命令したことをお忘れですか?隣国の王子と婚約しましたので、もう戻りません

冬月光輝
恋愛
「稀代の大聖女が聞いて呆れる。フィアナ・イースフィル、君はこの国の聖女に相応しくない。職務怠慢の罪は重い。無能者には国を出ていってもらう。当然、君との婚約は破棄する」 アウゼルム王国の第二王子ユリアンは聖女フィアナに婚約破棄と国家追放の刑を言い渡す。 フィアナは侯爵家の令嬢だったが、両親を亡くしてからは教会に預けられて類稀なる魔法の才能を開花させて、その力は大聖女級だと教皇からお墨付きを貰うほどだった。 そんな彼女は無能者だと追放されるのは不満だった。 なぜなら―― 「君が力を振るうと他国に狙われるし、それから守るための予算を割くのも勿体ない。明日からは能力を1%に抑えて出来るだけ働くな」 何を隠そう。フィアナに力を封印しろと命じたのはユリアンだったのだ。 彼はジェーンという国一番の美貌を持つ魔女に夢中になり、婚約者であるフィアナが邪魔になった。そして、自らが命じたことも忘れて彼女を糾弾したのである。 国家追放されてもフィアナは全く不自由しなかった。 「君の父親は命の恩人なんだ。私と婚約してその力を我が国の繁栄のために存分に振るってほしい」 隣国の王子、ローレンスは追放されたフィアナをすぐさま迎え入れ、彼女と婚約する。 一方、大聖女級の力を持つといわれる彼女を手放したことがバレてユリアンは国王陛下から大叱責を食らうことになっていた。

処理中です...