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4章
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しおりを挟む小さな、小さな女の子がうずくまって泣いている。
どうしたの?と声をかけてもその子は顔を上げることはない。
おなかすいたの?
どこか痛いの?
お母さんとはぐれちゃったの?
どんなに声をかけてもずっと泣いている。
こんなとき、どうしたらいいの?
考えて考えて、私が幼かった頃のことを思い出す。
友達と喧嘩した時、
逆上がりが出来なかった時、
試合に負けて悔しかった時。
お母さんはいつも優しく抱きしめてくれた。
何も言わずに頭を撫でながら、
あたたかく抱きしめてくれた。
私はそっと抱きしめた。
知らない人間に抱きしめられたくないかな?
そんな不安を抱えつつも、
そっと抱きしめて頭を撫でた。
最初、少女はこわばっていた。
でも頭を撫でているうちに、徐々に体の力が抜けていくのがわかり、
肩が震えていた。
そして、大きな声で泣き始めた。
大きな大きな声で体中から叫ぶように泣き始めた。
「さびしいよう」って。
ああ、さびしかったんだね。
もう、大丈夫だよ。
一人じゃないよ・・・・・・。
ぼんやりと視界が広くなる。
だんだんとはっきりと見えてきた。
「あ・・・れ。ロン?」
私を心配そうに見守るロンが見えた。ロンに抱きかかえられてるみたい。
煙に包まれていつの間にか気を失って倒れてしまったのを、
ロンが支えてくれたんだね。ありがとう。
久しぶりに間近で見るロンの顔。
ここに来るまで親衛隊がいたり、スターター国の国王が邪魔したり大変だったろうに
彼は傷一つないみたい。よかった。
周りを見回してみると、みんなの顔があった。
ニコ、ロール、ルル、アラン王子、そしてカイ。
心配そうに私を呆然と見て、動きが止まっている。
私はみんなに微笑んで、そしてまたロンを見た。
ロンの顔にそっと指をかける。
「ヒナタ!オレがわかるの?」
ああ、いっぱい心配かけたんだよね。記憶がなくなっていた間のことも全部覚えていた。
そう、全部。
怪我をした私を、ずっと看病してくれたり話しかけてくれていたことも全部。
そして不思議な夢も。
「わかる、わかるよ。ごめん、心配かけて」
涙があふれそうになって我慢していたらロンに抱きしめられた。
「ヒナタ!」
「ロン・・・・。ごめんなさい」
ひたすら謝ることしか出来ない私はその言葉だけを繰り返して
ロンの胸のなかで必死にしがみついていた。
片手でそっと私の頬をなでながら瞼にキスをした。
そのキスはとても熱かった。
瞼からゆっくりと唇を離したロンは、すくっと私も一緒に立ち上がり
リリと向き合う。
「もう、二度とお前にヒナタは渡さない。そして、フォレット国も」
手をつないだまま、真直ぐにリリを見つけて静かに言った。
リリはぐっとこっちを睨んでいる。
「そんなこと言えるのは今のうちだから」
リリ。それはあなたの本当の言葉じゃない。
「それにそんな小娘、いらない」
そうやってあなたは突っ張って立つことしか出来ないことも私は知っている。
私はロンの手を離してゆっくりとリリの元へ歩きだす。
部屋にいたみんなが私を見て息を呑んだのがわかった。
私はリリを抱きしめた。
小さな小さな女の子を抱きしめたように。
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