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1章
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しおりを挟む「コンコンコンコン・・・」
硬いもので窓を叩く音がした。
その音で私は目が覚めた。
『よかった~。お姉ちゃん目が覚めた。』
窓の外から声が聞こえた。顔だけ動かして声がするほうを見る。
リスみたいなものが数匹心配そうに私を見ていた。
不思議な動物を眺めて改めて思う。
ああ、やっぱり夢じゃなかったんだ。
ムクッと上半身だけ起き上がり部屋の中を見渡す。
見たことのないような豪華なお部屋。まるでヨーロッパの中世期時代の
ソファーやテーブル、そして壁には風景画が飾ってある。私には映画のワンシーンのようでしかない。
上を見上げると、私が寝ていたベッドは天蓋突き。
私自身もジャージから白のフリフリのついたネグリジェに着替えてある。
ネグリジェだなんて普段から着慣れてないから恥ずかしいというかなんというか。
「なんでこんな服・・・私のジャージはどこ?」
服を摘みながら思わず呟いた。
「なんだ、言葉が通じるんですね」
私の呟きに対して横から声がした。
びっくりして声の方をみると銀髪で青い目をした青年がいるじゃありませんか。
全く気がつかなかった。気配消してたのかしら。
「おお~。王子様までいるよ。びっくり」
「今は王子じゃなくて相違したから国王なんですが。ところでご気分はいかがですか?」
え、本物ですか。冗談じゃなく。
大丈夫だと意味を含めてこくこくとうなずく。
しっかし、なんてかっこいいんだろう。いや、綺麗というべきか。
こんなに綺麗な人はじめて見たよ。別嬪さんや。
それに全身白で揃えられた衣装はいやはや、眩しいっす。
私からすると西洋の軍服のコスプレした人に見えるけど、本物よね。
だって、めちゃくちゃ似合ってる。
でも、瞳はさびしそうな・・・・・・・。
「君は名前はなんというのですか?」
寂しそうな瞳をつい見つめてたら表情一つ変えずに聞かれた。
丁寧な言葉だけど威圧感が半端ない。口元は微笑んでるけど目は笑ってない。
が、しかし。なんと、失礼なんだろう。人に聞く前に自分が名乗るものでしょ?
というのが口に出てたらしく、びっくりした表情になった。
あ、王様相手に失礼なのは私なのかな。でも、私はこの国の人間じゃないしこの国のルールなんて知らない。
「・・・・・・。僕はロナルド・ブレギュラー・13世。
これで名前は名乗りましたよ。君は?」
「私は菊池 ひなた。ここはどこなの?私、知らないおじさんたちに襲撃されて戦って
芝生の上で倒れたまでは覚えてるんだけど」
「ここはフォレットという国です。彼らはスターターの国の者で、とある理由で君を殺しに来たものです。
いったい、誰が彼らを倒したんですか?あなたの周りの動物たちが手助けしたのですか?」
「あれは私一人でやっつけたんだけど」
「はぁ?ありえないでしょう。彼らは殺し屋たちです。山賊レベルではない。
それなりの剣の使い手でした。
それをあなたみたいな女性にはしかも一人では無理ではないかと」
ここでは女性が剣を使うというのはないのかな。
とても信じられないという顔で見られる。
私自身も実はそんなに筋肉があるように見えない。細マッチョだと友達にもよく言われてた。
でもね、両握力45以上だし、背筋力は100超えるんだな。これが。
腕が太いからって剣が上手く扱えるわけでは無い。瞬発力というのかな。一瞬の動きに全て込める。
あまりにも筋力ばかりだと動きが鈍る時もあるからね。
まあ、そんなことをこの人たちに説明してもしょうが無いのだろうけども。
「こんなときに嘘ついでもしょうがないでしょ?
こうみえても一応、武道をたしなんでるので護身ぐらいは出来るわよ。
その道を進むために何年も費やしたのだから」
王子様、もとい、国王様はまじまじと私の顔を見た。
みられたら私も見つめ返した。うそ、ついてないもん。うそは嫌いだもん。
お互い、ジーっと見つめあって数秒、
「嘘はついてないようですね。信じましょう」
と言いながら席をたった。
「貴方に話さなければいけないことがあります。
今、メイドを呼びますので着替えを手伝ってもらい私の部屋まで案内してもらってください」
言うだけ言って彼はマントを翻して部屋を出ていった。
しばしドアの方を見つめたまま呆然としてしまった。
メイド?本格的にお姫様扱いだね。
メイドなんて本当にいるんだ。
着替えのことを言われてふと思い出した。ベッドの周りを見回すと私のスポーツバックがちゃんと置いてあった。
ベッドから飛び出し中身を確認したら、制服と携帯、水筒、財布、手帳、タオル、ブラシ、
下着、それと後で食べようと思っていたお気に入りのお菓子数個が入っていた。
よかった、試合の後だからいつも使うものが全部入ってる。
とりあえず、メイドさんの手を煩わせるのも申し訳ないので制服を取り出して着替え始めた。
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