Smile

アオ

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1章

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 国王の部屋の前で深呼吸。部屋の前に立っている護衛の人は私を不思議そうに見た。
 「あの、ちょっと話があるのでいいですか?お仕事中ですか?」
 護衛の人はニッコリと笑って
 「大丈夫です。予言の少女は何よりも優先するよう言われてますので」
 と言ってくれたのでお礼を言いコンコンと片手でノックをした。
 「どうぞ」
 中から声がしたのでドアをゆっくりと開ける。
 「失礼します」
 こわごわと国王の部屋に入る。気持ち的には職員室に入る見たい。
 大きなデスクがこっち向きになっており、書類に埋もれている国王が見えた。
 その横にはロールが立っており、別の書類を持っていた。
 お仕事してるみたいなんだけどいいのかな?
 「大丈夫だよ。昨日の返事をしにきてくれたんだろ?」
 話口調が変わっていたのに気が付いた。
 「あ、敬語じゃなくなってる・・・・」
 「あんなに大きな声でお願いされたらことわれないよなぁ?」
 そばに立っていたロールに話しかけた。
 やだ、みんな聞いてたんだ。はずかしいなぁ、もう。
 真っ赤になって下を向いてたら笑い声が。
 「ひどい!!笑わなくてもいいじゃない。そんなんじゃ
 予言の少女とやらにならないんだから!!」
 「ごめん、ごめん。ついさ。じゃあ、やってくれるんだね」
 笑顔いっぱいの国王の顔が眩しすぎた。あまりイケメンの笑顔に耐性がない私には毒だわ。
 「昨日いろんな人にあって、ここの国の人たちがすっきり
 好きになったよ。力になれるなら力になりたい。
 それに戦争とかなってほしくない。あなたは
 戦争にならない方法を見つけるんだよね?だからあなたは私が必要なんだよね?」
 「そうだよ、国民を第一に考えると戦争は避けたいんだ。だから力を貸してほしかった。
  みなも喜ぶよ。ありがとう」
 彼は私の両手を握ってキラキラの笑顔で言った。
 だから、毒だって・・・誤解するって・・・・・。その微笑みは・・・・。
 もろ好みなんだよ。正直に認めるよ、好みなんだよ~。
 性格は置いといて。
 「じゃあ、お披露目をしないと。ロール、早速準備を。予定は1週間後だ。出来るか?」
 「なに、そのお披露目って?」
 なんだか、嫌な予感がする。
 「国王の前で儀式をするんだ。内容は、まあ頑張ります、みたいな。
 その後はテラスに立って国民に挨拶をするんだ。
 国民はもう何年も君の出現を待っていた。それを頼りに頑張ってきたんだ。
  彼らに敬意と誓いをたてるんだ。彼らも君みてもっと頑張ろうって思うだろう。
 もちろん、警護は十分にする」
 私にざっと説明をし、ロールに口頭であれこれと指示してる姿をなんだか、
 どんどん大事になってきてるような気がしてきた。
 それだけ予言の少女って大きなものを背負うんだろうな。
 簡単に答えを出したわけじゃないけど緊張が走った。
 「わかった。一度やるって言ったんだもん。出来る限りのことはきちんとやるよ」
 「てっきり文句言われると思ったんだが」
 意外そうな顔で私を見た国王。ひどいなぁ。
 「失礼ね。女に二言はないのよ!!
 言葉に出したのなら自分が責任もつ。それは当たり間のことでしょう。」
 「そこらへんの男よりずっと男前だな」
 フフッと笑いながらロールに同意を求めるように言うと、
 ロールも頷いた。
 
 それって、ほめ言葉?乙女に向かってどうよ、この人。

 「ほめ言葉だよ」

 極上の笑顔で言われた・・・・。し、心臓に悪い。この人の側は。
 「じゃあ、もう部屋に戻るね。お仕事中にごめんね」
 そういってひなたは部屋を飛び出した。
 が、言い忘れたことがあって扉から顔だけをひょっこり出した。
 「これからわからないことだらけだけど、よろしくね」
 
 パタンとドアを閉めた後、ロールとロンは顔を見合わせた。
 そして二人で少しだけ笑ってしまった。
 彼女の行動は読めない。この世界ではとてもじゃないが女性らしい態度とは言えないし、
 国王に対しての態度ではなかった。
 しかし、どこか憎めない。それどころか、次に何を言うのか楽しみで仕方がなかった。

 まったく、飽きない人だ。

 ロンはにやけながら書類に目を通し再び仕事を再開した。
 一週間後までにやることが増えたが、心は軽くなっていた。
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