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第一章

3、夢から覚めたら悪夢

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鳥の鳴き声でぼんやりと意識が戻った朝方、フランツは自分の胸板に感じたことの無い程に柔らかい物が触れているのを感じた。

眠りから覚めきらないままそれに手を伸ばすと、しっとりとフランツの手に吸い付くような絶妙な胸の感触だった。

(昨日は自分の部屋で寝たはずだが……)

そう思いつつも、頭の左右が少し痛み、目を開けても、視野にもやが掛かって意識も朦朧としている。
そうかこれは夢の中かと思い至り、それならと、大胆に胸を揉みしだく。

手の平を胸の上で滑らすと、甘勃ちした小さな乳首が指と指の隙間にいちいち引っ掛かる。

思わず片方の乳輪に吸い付くと、頭上から「あぁ……ん……」と甘い声が聞こえる。

その声は女の子がもうかなり濡れている時に出す、甘える様な鼻に抜ける声で、フランツの既に硬くなり始めていたペニスを直に刺激した。

高まった欲望を扱こうと己に手を伸ばした所でズキンと頭に激痛が走る。

あまりの痛みに一気に汗が吹き出し目が覚め、目の前の視界がクリアになった。

(エレオノーラ様……!)

申し訳程度の紐と小さい面積の布で作られた夜着が彼女のお腹の辺りに引っ掛かっているが、下着は着けていないし、要するに全裸に等しい。

さっきのなまめかしい声がエレオノーラの声だとしたら、彼女は起きているのだろうか。

「エレオノーラ様……」

その穏やかな天使の様な寝顔に声を掛けるも返事は無い。

(大変な事になった……)

フランツは自分が絞首台へと歩いていく様が脳裏を過った。
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