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排便処置
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夕方になり弟たちが帰宅すると、一気に騒がしさが増す。
「朔にぃ!今日から給食が始まったんだよ!しかもちらし寿司だった!入学お祝い給食なんだって!」
帰宅早々、体全体で嬉しい感情を放出させながら、まとわりついて来た末っ子の尚。
床に置かれたブラウンのランドセルには、黄色のランドセルカバーが着いていてなんだか可愛い。
「良かったな。友達もできたか?」
「うん!休み時間に鬼ごっこした!6年生のお兄さんも一緒に!」
「そうなんだ。」
2人が宿題をしてゲームをするのを眺めていると、あっという間にお風呂に入る時間になった。
「匠ー!尚ー!風呂沸いたから、ちゃちゃっと入ってこーい。」
次男 浬の一声で、素直にゲーム機を片付けて、2人は風呂場に駆けて行った。
「朔は、排便するぞ。おいで。」
毎日必ずお風呂前に排便処置をする。
大腸に便が溜まっていると栄養剤の吸収を妨げるし、腸閉塞になりやすくなるためきちんと処置を受けないといけなかった。
ただ反抗期真っ只中の浬は直ぐにキレるから、処置されるのも嫌だった。
「…蒼が帰って来るまで待ってる。」
「だから!蒼は残業があるから遅くなるってさっきも言ったろ?俺にされるのが嫌なら母さんにやってもらうか?」
「…なら、父さんは?」
「親父は9時上がりだ。明日も学校なんだから早くすませるぞ。」
イライラしているのが伝わり、これ以上怒らせると怖いから、素直に部屋へ移動した。
防水シーツとバスタオルを敷いたベッドに座り、浬が処置の準備をしている間にズボンを脱いで紙パンツも足から引き抜き浬に尻を向けて横になった。
「準備できたな。お尻に指入れて解すな。」
パチンとゴム手袋を着けた手が尻の肉を持ち上げ、ジェルの纏った指が肛門に入って来た。
「…ぅあ"……はぁ…ぃでッ!」
「……今日てんかん発作起きた?」
「…な、に?」
「てんかん」
「……起きてない。なんで?」
「…いや。深呼吸して力抜いて。」
「力抜いてる。」
「ホントに?…吸って……吐いて……。もう少し肛門緩めれない?」
「…肛門筋が硬直してんの?」
「そう。今日から学校だったし疲れから発作起きるかもよ。」
てんかん発作の前触れで、体の筋肉が硬直する事は良くある。
自分ではどうする事もできなくて、正直…怖い。
薬を飲んでいても未だ手術で取りきれなかった脳に巣食う腫瘍のせいで、神経が圧迫されて細胞も破壊されて、頻繁にてんかん発作に繋がる。
腫瘍は良性だし進行も止まっているけど、破壊された脳細胞は再生する事はない。
「カテーテル入ったよ。水流すから力めよ。」
にゅるりと体内に挿入されたカテーテルの違和感から体動が多くなり、浬にペシッと尻を叩かれた。
カテーテルの先に着けたシリンジから洗腸液を注入されて、じわじわと水様便が漏れて排出されるのを受ける為に尻に吸水パットをあてがわれた。
グルル…ギュル…と腹が嫌な音を立てて、大腸が活発に動き出す。
「ッふぅん!…気持ちわりぃ…。」
「腹擦るな?…いい感じに排便できてるよ。」
もう一度シリンジから洗腸液を注入して、水様便が漏れ出なくなるまで続ける。
俺は自力で腹圧をかけて排便する事が難しくて、リハビリのお陰で僅かに力めるようになったが、排便の大半は大腸の動きによって漏れ出てくるのを待って処置を終える。
浬は、肛門からカテーテルを抜き取ると、僅かに漏れ出た水様便と潤滑ジェルをウエットティッシュで綺麗に拭き取り、処置に使った物をテキパキと片付けていく。
「……ぁ…りがと。」
「…気にすんな。風呂の準備しとけよ。」
処置の直後は、気恥ずかしさから顔を合わせずらい俺の気持ちを察して、そそくさと部屋を出て行ってくれた。
いつも浬には、素っ気ない態度や憎まれ口を叩いてしまうけど、本当は凄く感謝してる。
反抗期で親と口を聞かなくなった今でも、処置が自分でできない俺の代わりにやってくれるのだから。
「朔にぃ!今日から給食が始まったんだよ!しかもちらし寿司だった!入学お祝い給食なんだって!」
帰宅早々、体全体で嬉しい感情を放出させながら、まとわりついて来た末っ子の尚。
床に置かれたブラウンのランドセルには、黄色のランドセルカバーが着いていてなんだか可愛い。
「良かったな。友達もできたか?」
「うん!休み時間に鬼ごっこした!6年生のお兄さんも一緒に!」
「そうなんだ。」
2人が宿題をしてゲームをするのを眺めていると、あっという間にお風呂に入る時間になった。
「匠ー!尚ー!風呂沸いたから、ちゃちゃっと入ってこーい。」
次男 浬の一声で、素直にゲーム機を片付けて、2人は風呂場に駆けて行った。
「朔は、排便するぞ。おいで。」
毎日必ずお風呂前に排便処置をする。
大腸に便が溜まっていると栄養剤の吸収を妨げるし、腸閉塞になりやすくなるためきちんと処置を受けないといけなかった。
ただ反抗期真っ只中の浬は直ぐにキレるから、処置されるのも嫌だった。
「…蒼が帰って来るまで待ってる。」
「だから!蒼は残業があるから遅くなるってさっきも言ったろ?俺にされるのが嫌なら母さんにやってもらうか?」
「…なら、父さんは?」
「親父は9時上がりだ。明日も学校なんだから早くすませるぞ。」
イライラしているのが伝わり、これ以上怒らせると怖いから、素直に部屋へ移動した。
防水シーツとバスタオルを敷いたベッドに座り、浬が処置の準備をしている間にズボンを脱いで紙パンツも足から引き抜き浬に尻を向けて横になった。
「準備できたな。お尻に指入れて解すな。」
パチンとゴム手袋を着けた手が尻の肉を持ち上げ、ジェルの纏った指が肛門に入って来た。
「…ぅあ"……はぁ…ぃでッ!」
「……今日てんかん発作起きた?」
「…な、に?」
「てんかん」
「……起きてない。なんで?」
「…いや。深呼吸して力抜いて。」
「力抜いてる。」
「ホントに?…吸って……吐いて……。もう少し肛門緩めれない?」
「…肛門筋が硬直してんの?」
「そう。今日から学校だったし疲れから発作起きるかもよ。」
てんかん発作の前触れで、体の筋肉が硬直する事は良くある。
自分ではどうする事もできなくて、正直…怖い。
薬を飲んでいても未だ手術で取りきれなかった脳に巣食う腫瘍のせいで、神経が圧迫されて細胞も破壊されて、頻繁にてんかん発作に繋がる。
腫瘍は良性だし進行も止まっているけど、破壊された脳細胞は再生する事はない。
「カテーテル入ったよ。水流すから力めよ。」
にゅるりと体内に挿入されたカテーテルの違和感から体動が多くなり、浬にペシッと尻を叩かれた。
カテーテルの先に着けたシリンジから洗腸液を注入されて、じわじわと水様便が漏れて排出されるのを受ける為に尻に吸水パットをあてがわれた。
グルル…ギュル…と腹が嫌な音を立てて、大腸が活発に動き出す。
「ッふぅん!…気持ちわりぃ…。」
「腹擦るな?…いい感じに排便できてるよ。」
もう一度シリンジから洗腸液を注入して、水様便が漏れ出なくなるまで続ける。
俺は自力で腹圧をかけて排便する事が難しくて、リハビリのお陰で僅かに力めるようになったが、排便の大半は大腸の動きによって漏れ出てくるのを待って処置を終える。
浬は、肛門からカテーテルを抜き取ると、僅かに漏れ出た水様便と潤滑ジェルをウエットティッシュで綺麗に拭き取り、処置に使った物をテキパキと片付けていく。
「……ぁ…りがと。」
「…気にすんな。風呂の準備しとけよ。」
処置の直後は、気恥ずかしさから顔を合わせずらい俺の気持ちを察して、そそくさと部屋を出て行ってくれた。
いつも浬には、素っ気ない態度や憎まれ口を叩いてしまうけど、本当は凄く感謝してる。
反抗期で親と口を聞かなくなった今でも、処置が自分でできない俺の代わりにやってくれるのだから。
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