Y-o-L-o

ajisai

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古田1

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「なんかさぁ、大きな塊の中の一粒なんだよ、結局俺もお前も。なんつーか、つまんねぇよな。俺は集合体恐怖症なんだよ。自分に鳥肌立つわ。」

新しいガム噛みたくない?♪などとガムを差し出してくる古田を、僕は嫌いじゃない。

一昔前に流行った芸人のネタを使うくどすぎないユーモア、こんなに飄々としているのに的を得たことを言うところ、控えめに言って素晴らしい。と古田が言った。

「ウザすぎ。」

それでもやっぱり、自分のことを理解してるこいつはすごいと思う。とてもじゃないが僕は自分を理解できていないし、もしかしたら理解したくないのかもしれない。

それから、なんとなく家に帰りたくない僕たちはいつものように飲み屋に向かった。

その日はとてもどんよりとした天候で、雨が降りそうで降らない。4月の生暖かい風が吹いていた。

グループワークの愚痴や説明会の情報交換を一通り言い合った後、古田が言った。

「やれることはやっておかなきゃだよ大木くん!」

酔っ払いは返事をする。

「そうだー!その通りだ古田くん!」

と僕たちはいきなり立ち上がり、店から退散した。

今思い出せば、店員も周囲の客も、すごくいろんな角度から見て引いていただろう。




それから、どうしただろう。

僕たちは"今しかできない"ことを探した。

それはとても抽象的だから、なんでも出来そうで、何も出来なそうだったが、最終的に投げやりになった僕たちは、若者で溢れるクラブに流れ着いた。

よく知らない、別段可愛くもなければ愛想がいいわけでもない女の子にお酒を奢り、一緒に踊った。

それで、断片的な何かが思い出された。
自分が、なんだかとても深く、暗いところまで沈んでいくような。胸がぎゅっとなるのは水圧のせいだ。

僕は一気に浮いた。

古田が、なんとも言えない軽快な、そして奇妙なステップを踏んでいる。古田にもノリで出来ないことってあるんだな、と優越感に浸りながら、たくさんの副流煙を吸い込んで、吐き出した。

「甘いぞ臣!もっと音楽に乗るんだ!そう!俺たちは超すごいスポンジ!吸収だ!」

「もうちょっとマシな例えはないのか。」

僕はショットをグッと流し込み、静かに感覚を失っていった。

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