15 / 21
恋人
13.初めての夜②
しおりを挟む
さっき散々弄られた胸の先を再び愛撫され、鎖骨にぢゅっと音を立てて吸い付かれる。全身を大きな掌で撫で回され、お腹の奥に燻るような快感が溜まっていく。
中に挿れられた指が、ぐぽぐぽと水音を立てるのを聞きながら、私は堪らなくなって身を捩る。
「あ、そこ……へん、な、かんじ…っ」
「……気持ちよさそうだけど」
耳の中を舌でぐちゅぐちゅと舐められて、足の間だけでなく、頭にまで水音が響くようで。耳朶を甘噛みされてから、首筋を舌の先で辿られる。
「腰揺れてる…可愛い」
「あっ、だめ、なんか…あ、あっ…」
「中うねってる…もう挿入るかな…」
「や、ん…あ、あああっ…!!」
嬌声を封じ込めるように唇を重ねられる。びくびくっと体が震えて、再び どっと倦怠感に襲われる。さっきもあったこれが、達するということなのかもしれない。
すると、いつの間にか避妊具を装着した彼が私の脚を大きく開き、その間に体を滑り込ませ、またも探るように足の間の膨らみを捏ねる。それは達したばかりの体には強すぎる快感で。
「まだ、からだ、へんだから、だめ……っ!」
「変じゃないよ、大丈夫」
あやすように優しく頭を撫でられて息をついたのも束の間、彼のものがぴたりと蜜口に当てられたのがわかって、緊張感に体が強張る。
そのことに気付いたのか、彼は私の頬や肩をくすぐるように優しく刺激する。
「若菜、キスしよ」
「ん…」
「キスしながらさ、明日したいこと考えて」
硬くなった彼のものが私の体の中心に触れ、押し広げるように入ってくる。
「美味しいもの食べたいとか、疲れてたら昼寝したいとか」
息をするように瞼や頬にキスが落とされて、合間に話しかけられる。その度に少しずつ彼のものが奥を目指して進んでくる。
「どっかお店寄って帰ってもいいね」
異物感は、正直なところものすごくある。でも、思っていたほどの痛みはない。さっき散々ほぐされたからかもしれない。
むしろ、気を逸らそうと、一生懸命に話しかけてくれている彼の眉間に寄った皺の方が気になるくらい。
それなら。
「宏隆…っ」
すると、彼は心配そうに動きを止める。でも、その後すぐに私にそれが伝わらないように、ゆっくりと頭を撫でてくれる。
「……やめておく?」
「ちが、う…」
「ん?」
「へいき、だから…」
「…若菜」
「ちゃんと、おくまで、いれてほし…っ」
「……っ、もう…!」
その直後、大きく息を吐いた彼が、ぐぐっと私の中に入ってくる。
「あああぁっ…!!」
「きつ…めちゃくちゃしまるんだけど…」
痛みが全くないわけではないけれど、体の中で彼のものがどくどくと脈打っているのがなんとなくわかるから、そんなことよりも満たされた気持ちになる。
「…大丈夫?」
「…宏隆こそ」
「俺の心配なんかしなくていいよ」
彼は、汗で張り付いた私の前髪を避けながら額に小さく口づけを落とした。
「…宏隆は、ちゃんと、きもちいい?」
「…うん、想像とは比べ物にならないくらい気持ちいい」
その言葉に安心して微笑むと、私の顔の横に肘をついた彼がのしかかるように体を倒し、腰を小さく揺らす。
「…動いてもいい?」
「うん…」
「ゆっくりするから」
じわじわと抜かれ、またゆっくり奥まで押し込まれる。
はじめは少し引き攣るような感覚があったけれど、さっき指で弄られていた時には届かなかった場所を穿たれて、またもや全身が甘い痺れに支配され始める。
蜜が抽送を助けるように溢れ、秘所が泡立っているようにすら感じる。痛みよりも気持ちよさが勝って、喘ぎ声がどんどん甘ったるくなってくる。
そんな私の様子を目を細めて見つめながら、彼もまた時折 快感に小さく呻くから。
「ねえ…っ、どうしよう…」
「…っ、ん?痛い?」
私のことを気遣うように再びぴたっと動きを止めた彼の頬に手を添えて、猫のようにその唇をぺろっと舐めてみる。
「…なんか、きもちよく、なっちゃってる、かも…」
「……っ…!」
普段はあまり驚いたり慌てたりすることがなく、穏やかに凪いだ様子でいることの多い彼が、息を呑んだのがわかる。
でも、もう気遣わなくてもいい。自分本位に動いてもらっても多分大丈夫だと、ちゃんと伝えたかった。
私の言葉に、大きく息を吐いた彼は体を起こして私の腰を掴む。
「若菜のこと、大体のことは知ってると思ってた。でも、こんな風に煽ってくるなんて知らなかった」
「ごめ、ん…」
「どうして謝るの。大好きな人がベッドの中ではこんなにいやらしいなんて、最高だよ」
「そ、な…っ、こと…んぁっ…!」
「絶対に俺にしか見せないでね」
「見せる、わけ、ない…っ」
「…さすがに理性飛びそう」
言葉通り、さっきよりも腰の律動が速くなる。中を味わうようにしっかり奥まで貫かれて、また快感に上り詰めていくような感覚に包まれる。耐えられず彼にしがみつくと、潰されるのではないかと思うくらい強く抱き締められた。
「締め付けやばい…っ…気持ち良すぎて腰が溶けそう…」
「あんっ…や、あ…も、もう無理…っ!」
「俺も、もうだめかも…」
刺激の大きさに背中が弓形に反ってしまうけれど、彼にぎゅうぎゅう抱き締められているので快感を逃すこともできず。
強烈な刺激が体中を一気に駆け巡り、びくんびくんと全身が震えた。
ぼんやりする頭で体の力を抜くと、まるで慈しむようにそっと頭を撫でられる。
「ありがとね、若菜」
「んーん…こちらこそ…」
「やばいな…どんどん好きになる」
「私も…」
そのまま瞼が重くなり、うつらうつらしてしまう私のこめかみに、彼は小さく口づける。それがあまりにも優しくて、私は静かに意識を手放した。
中に挿れられた指が、ぐぽぐぽと水音を立てるのを聞きながら、私は堪らなくなって身を捩る。
「あ、そこ……へん、な、かんじ…っ」
「……気持ちよさそうだけど」
耳の中を舌でぐちゅぐちゅと舐められて、足の間だけでなく、頭にまで水音が響くようで。耳朶を甘噛みされてから、首筋を舌の先で辿られる。
「腰揺れてる…可愛い」
「あっ、だめ、なんか…あ、あっ…」
「中うねってる…もう挿入るかな…」
「や、ん…あ、あああっ…!!」
嬌声を封じ込めるように唇を重ねられる。びくびくっと体が震えて、再び どっと倦怠感に襲われる。さっきもあったこれが、達するということなのかもしれない。
すると、いつの間にか避妊具を装着した彼が私の脚を大きく開き、その間に体を滑り込ませ、またも探るように足の間の膨らみを捏ねる。それは達したばかりの体には強すぎる快感で。
「まだ、からだ、へんだから、だめ……っ!」
「変じゃないよ、大丈夫」
あやすように優しく頭を撫でられて息をついたのも束の間、彼のものがぴたりと蜜口に当てられたのがわかって、緊張感に体が強張る。
そのことに気付いたのか、彼は私の頬や肩をくすぐるように優しく刺激する。
「若菜、キスしよ」
「ん…」
「キスしながらさ、明日したいこと考えて」
硬くなった彼のものが私の体の中心に触れ、押し広げるように入ってくる。
「美味しいもの食べたいとか、疲れてたら昼寝したいとか」
息をするように瞼や頬にキスが落とされて、合間に話しかけられる。その度に少しずつ彼のものが奥を目指して進んでくる。
「どっかお店寄って帰ってもいいね」
異物感は、正直なところものすごくある。でも、思っていたほどの痛みはない。さっき散々ほぐされたからかもしれない。
むしろ、気を逸らそうと、一生懸命に話しかけてくれている彼の眉間に寄った皺の方が気になるくらい。
それなら。
「宏隆…っ」
すると、彼は心配そうに動きを止める。でも、その後すぐに私にそれが伝わらないように、ゆっくりと頭を撫でてくれる。
「……やめておく?」
「ちが、う…」
「ん?」
「へいき、だから…」
「…若菜」
「ちゃんと、おくまで、いれてほし…っ」
「……っ、もう…!」
その直後、大きく息を吐いた彼が、ぐぐっと私の中に入ってくる。
「あああぁっ…!!」
「きつ…めちゃくちゃしまるんだけど…」
痛みが全くないわけではないけれど、体の中で彼のものがどくどくと脈打っているのがなんとなくわかるから、そんなことよりも満たされた気持ちになる。
「…大丈夫?」
「…宏隆こそ」
「俺の心配なんかしなくていいよ」
彼は、汗で張り付いた私の前髪を避けながら額に小さく口づけを落とした。
「…宏隆は、ちゃんと、きもちいい?」
「…うん、想像とは比べ物にならないくらい気持ちいい」
その言葉に安心して微笑むと、私の顔の横に肘をついた彼がのしかかるように体を倒し、腰を小さく揺らす。
「…動いてもいい?」
「うん…」
「ゆっくりするから」
じわじわと抜かれ、またゆっくり奥まで押し込まれる。
はじめは少し引き攣るような感覚があったけれど、さっき指で弄られていた時には届かなかった場所を穿たれて、またもや全身が甘い痺れに支配され始める。
蜜が抽送を助けるように溢れ、秘所が泡立っているようにすら感じる。痛みよりも気持ちよさが勝って、喘ぎ声がどんどん甘ったるくなってくる。
そんな私の様子を目を細めて見つめながら、彼もまた時折 快感に小さく呻くから。
「ねえ…っ、どうしよう…」
「…っ、ん?痛い?」
私のことを気遣うように再びぴたっと動きを止めた彼の頬に手を添えて、猫のようにその唇をぺろっと舐めてみる。
「…なんか、きもちよく、なっちゃってる、かも…」
「……っ…!」
普段はあまり驚いたり慌てたりすることがなく、穏やかに凪いだ様子でいることの多い彼が、息を呑んだのがわかる。
でも、もう気遣わなくてもいい。自分本位に動いてもらっても多分大丈夫だと、ちゃんと伝えたかった。
私の言葉に、大きく息を吐いた彼は体を起こして私の腰を掴む。
「若菜のこと、大体のことは知ってると思ってた。でも、こんな風に煽ってくるなんて知らなかった」
「ごめ、ん…」
「どうして謝るの。大好きな人がベッドの中ではこんなにいやらしいなんて、最高だよ」
「そ、な…っ、こと…んぁっ…!」
「絶対に俺にしか見せないでね」
「見せる、わけ、ない…っ」
「…さすがに理性飛びそう」
言葉通り、さっきよりも腰の律動が速くなる。中を味わうようにしっかり奥まで貫かれて、また快感に上り詰めていくような感覚に包まれる。耐えられず彼にしがみつくと、潰されるのではないかと思うくらい強く抱き締められた。
「締め付けやばい…っ…気持ち良すぎて腰が溶けそう…」
「あんっ…や、あ…も、もう無理…っ!」
「俺も、もうだめかも…」
刺激の大きさに背中が弓形に反ってしまうけれど、彼にぎゅうぎゅう抱き締められているので快感を逃すこともできず。
強烈な刺激が体中を一気に駆け巡り、びくんびくんと全身が震えた。
ぼんやりする頭で体の力を抜くと、まるで慈しむようにそっと頭を撫でられる。
「ありがとね、若菜」
「んーん…こちらこそ…」
「やばいな…どんどん好きになる」
「私も…」
そのまま瞼が重くなり、うつらうつらしてしまう私のこめかみに、彼は小さく口づける。それがあまりにも優しくて、私は静かに意識を手放した。
12
あなたにおすすめの小説
罪悪と愛情
暦海
恋愛
地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。
だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
課長と私のほのぼの婚
藤谷 郁
恋愛
冬美が結婚したのは十も離れた年上男性。
舘林陽一35歳。
仕事はできるが、ちょっと変わった人と噂される彼は他部署の課長さん。
ひょんなことから交際が始まり、5か月後の秋、気がつけば夫婦になっていた。
※他サイトにも投稿。
※一部写真は写真ACさまよりお借りしています。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
嘘をつく唇に優しいキスを
松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。
桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。
だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。
麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。
そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる