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恋人
16.そんなこんなで
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数ヶ月後。
段ボール箱の中から、いつか二人で買ったお揃いのマグカップを取り出す。今考えるとあまりにもベタなそれを眺めていると、大きな手に横からひょいとそれを攫われる。
「少し休憩しない?」
換気のために開け放たれた窓から見えるのは、近くにある大きな公園。そよそよと気持ちのいい風が吹き込んでくる。桜が咲いているうちにお花見にでも行けるだろうか。
「紅茶とコーヒー、どっちがいい?」
「んー…どっちでも嬉しい」
私の適当過ぎる返事を聞いて笑ってから、まだ使用感のないキッチンに立ち、電気ケトルに水を入れる宏隆をリビングから見つめて、ふぅと息をつく。
駅から程近い新居。リビングにはソファにローテーブル、テレビくらいしかなくてまだがらんとしているけれど、すぐにものが増えていくだろう。
これまで、同じアパートに住んでいるとはいえ部屋はもちろん違ったので、寝食を共にするようになってからは私が彼の部屋に転がり込むような形になっていた。ただ、単身者用の部屋で、どう考えても手狭だったこともあり、引っ越そうという話になったのは至極当然な流れだった。
そんなわけで二人でいくつか内見をして、とんとん拍子に引っ越しが決まった。「若菜が荷物を取りに自分の部屋に戻るのを見送る時間が好きじゃない」と事あるごとに言っていた彼が、ほぼすべての契約や手続きをあっという間にすませてくれたので、私は荷造りに集中することができた。
今日から二人で住み始めるマンションは、セキュリティーがしっかりしているし、日当たりも良好。あまり広くはないけれどお互いの個人部屋も確保できる3LDK。家賃もそれなりなのだけれど、以前のアパートの2部屋分合わせたよりは少しだけ安くなる。
職場からは少し遠くなってしまったけれど、これまでが近過ぎたのだと思えば、さほど苦ではない。
彼が飲み物を用意してくれている間に少しでも荷解きをと思い、適当に近くにあった小さな段ボール箱に手をつける。
ガムテープを剥がして開いてみると、そこに入っていたのはアルバムだった。
「うわ、懐かしい…」
小学校の卒業アルバムから、高校の卒業式でのツーショット、ウエディングドレスを着て撮った写真。最近二人で旅行に行った時に旅先で撮ってもらったスナップまできちんと入っていた。
彼はこういうところもまめである。
でも、とことん荷物が少なく、何かというとデジタル派の彼が、私との写真をこんな風に保管していると知り、なんだかちょっと嬉しくなる。
アルバムのページをめくっていると、当の本人がマグカップを持って戻ってくる。
「懐かしいもの広げてるね」
「あ、ごめん。よく確認しないで開けちゃって」
「いいよ。その箱に 見られて困るものは特に入れてないし」
その箱に…ということは、他の箱には入っているのだろうか。ちょっと気になるところではあったけれど、あまり詮索しないようにする。夫婦であってもある程度のプライバシーは大事にしたい。
そんなことを考えている私に「熱いから気をつけて」と、彼から渡されたマグカップには、ミルクたっぷりのカフェオレが入れられていた。
「わ、これ好き」
「うん。そう思って」
隣に座ってブラックコーヒーを啜る見慣れた横顔が愛おしくて じっと見つめると、「俺の顔になんかついてる?」と笑う。
「ううん、なんか…ずっと一緒にいるなあと思って。宏隆と」
「確かにそうだね」
「このアルバムとかもそう。一緒に写ってるやつばっかり」
「そりゃそうだよ。だってそれ…」
その時、私のスマホがメッセージの受信を知らせるように震えた。一度ならスルーしてしまうところだけど、何度か続いたので画面を確認する。
「…お母さんだ」
「なんて?」
「引っ越して少し落ち着いたら顔見せに来なって」
「行こうよ、ついでに俺の実家にも寄ってくれる?」
「もちろん!宏隆のご両親にも会いたいし」
「若菜に会ったらうちの家族はみんな騒ぎそうだな」
そう言って苦笑する宏隆は三人兄弟の真ん中だ。大きくなるまでは家族ぐるみの付き合いが多かったこともあり、私と彼の結婚についてもすごく喜んでくれていたのを思い出す。特に宏隆の弟の一輝は、よく家にも遊びに来ていた。4つ下だから今は大学3年生だろうか。
「ねえ、さっきなんて言いかけたの?」
「ん?」
「だってそれ、って」
「ああ」
すると、彼はなんということもないように言う。
「若菜が写ってる写真か、若菜と映ってる写真しか入ってないもん」
「えっ」
「仕事が煮詰まってきた時に眺めて、『ああやっぱり好きだな』ってなって、また仕事に戻るためのアイテムだから」
「そ、そんなものがあるの…」
「うん。でも最近は結婚してからの写真を眺めてることが多いかな。俺の奥さん、可愛いなあって」
いや、そういうことでなく…。
薄々感じていたけれど、宏隆は私のことをやや神格化しているような気がする。私の微妙な反応を見て、しかし彼は自信満々で続ける。
「でも、本当に効果あるよ。ああ、こんなことで時間無駄にできない、若菜が隣にいる時に仕事しなくちゃいけないなんてことにならないようにしないとって気合いが入るから」
「そ、そうなの?」
でも確かに、以前私も宏隆との予定が仕事のせいでなくなってしまいそうになったときは、とてつもない集中力で作業することができたような気がする。それなら。
「…私も、そういうのほしいな」
「そういうの?」
「元気が出る画像みたいな。あ、でもさすがに写真は恥ずかしいから、スマホで撮るけど」
「じゃあ今撮る?引っ越しの記念に」
宏隆がスマホのカメラアプリを起動する。
マグカップをローテーブルに置いて、隣同士に座り直した。肩に手を回されて、スマホのカメラを見るように促される。
「撮るよ」
「あ、うん」
カシャカシャと何度か連続で撮影する音が聞こえてすぐ、顔を寄せ合って画面を確認する。
「いいんじゃない?よく撮れてる」
嬉しそうな彼を見て、ふと思い出す。
「なんかこんな写真、高校の卒業式でも撮ったような気がする」
「確かに。校門の前でね」
「あの時、七瀬が『若菜と織井くんは大学も一緒なんだから、記念写真撮らなくたっていいんじゃないの?』って笑ってたよ」
「いやいや、撮るよ。高校最後の日だったんだから」
思い出話をしながら、お互いの指を絡める。
「ねえ、ちなみに制服ってまだとっておいてある?」
「あると思うよ」
「今度着てみない?宏隆が着てるとこ見てみたい。楽しそう」
「意外だな、若菜ってコスプレとか興味あるんだ」
「コスプレとはちょっと違うでしょ」
「ブレザーだったから俺はスーツと大して変わらないような気もするけど…」
「いいのいいの」
別にコスプレに興味があるわけではなかったのだけれど、こんな懐かしい写真を見ていたら、ちょっと見てみたくなったのだ。幼馴染みとして仲良くしてくれていたけれど、ずっと好きでいてくれたという当時をちょっとだけリアルに思い出してみたくて。
でもあえて口には出さず、カフェオレを一口飲むと、宏隆は「あ、でもそうなったら…」と続ける。
「若菜も着てくれるんだよね?俺だけじゃ恥ずかしいよ」
「う、うーん…まあ、そうだね」
「じゃあ着る」
急に即答して「楽しみがまた増えた」と嬉しそうに笑うからなんだか面白くて、私も笑う。
緩やかに過ぎる時間を味わいながら その顔を見つめると、息をするように唇が触れ合った。
「…好きだよ」
「私も。大好き」
私たちのこれまでとこれからが、幸せなものでありますように。
あまりにも甘くなってしまった空気に、その後 荷解きもそこそこに、寝室になだれ込むことになったのはここだけの話。
段ボール箱の中から、いつか二人で買ったお揃いのマグカップを取り出す。今考えるとあまりにもベタなそれを眺めていると、大きな手に横からひょいとそれを攫われる。
「少し休憩しない?」
換気のために開け放たれた窓から見えるのは、近くにある大きな公園。そよそよと気持ちのいい風が吹き込んでくる。桜が咲いているうちにお花見にでも行けるだろうか。
「紅茶とコーヒー、どっちがいい?」
「んー…どっちでも嬉しい」
私の適当過ぎる返事を聞いて笑ってから、まだ使用感のないキッチンに立ち、電気ケトルに水を入れる宏隆をリビングから見つめて、ふぅと息をつく。
駅から程近い新居。リビングにはソファにローテーブル、テレビくらいしかなくてまだがらんとしているけれど、すぐにものが増えていくだろう。
これまで、同じアパートに住んでいるとはいえ部屋はもちろん違ったので、寝食を共にするようになってからは私が彼の部屋に転がり込むような形になっていた。ただ、単身者用の部屋で、どう考えても手狭だったこともあり、引っ越そうという話になったのは至極当然な流れだった。
そんなわけで二人でいくつか内見をして、とんとん拍子に引っ越しが決まった。「若菜が荷物を取りに自分の部屋に戻るのを見送る時間が好きじゃない」と事あるごとに言っていた彼が、ほぼすべての契約や手続きをあっという間にすませてくれたので、私は荷造りに集中することができた。
今日から二人で住み始めるマンションは、セキュリティーがしっかりしているし、日当たりも良好。あまり広くはないけれどお互いの個人部屋も確保できる3LDK。家賃もそれなりなのだけれど、以前のアパートの2部屋分合わせたよりは少しだけ安くなる。
職場からは少し遠くなってしまったけれど、これまでが近過ぎたのだと思えば、さほど苦ではない。
彼が飲み物を用意してくれている間に少しでも荷解きをと思い、適当に近くにあった小さな段ボール箱に手をつける。
ガムテープを剥がして開いてみると、そこに入っていたのはアルバムだった。
「うわ、懐かしい…」
小学校の卒業アルバムから、高校の卒業式でのツーショット、ウエディングドレスを着て撮った写真。最近二人で旅行に行った時に旅先で撮ってもらったスナップまできちんと入っていた。
彼はこういうところもまめである。
でも、とことん荷物が少なく、何かというとデジタル派の彼が、私との写真をこんな風に保管していると知り、なんだかちょっと嬉しくなる。
アルバムのページをめくっていると、当の本人がマグカップを持って戻ってくる。
「懐かしいもの広げてるね」
「あ、ごめん。よく確認しないで開けちゃって」
「いいよ。その箱に 見られて困るものは特に入れてないし」
その箱に…ということは、他の箱には入っているのだろうか。ちょっと気になるところではあったけれど、あまり詮索しないようにする。夫婦であってもある程度のプライバシーは大事にしたい。
そんなことを考えている私に「熱いから気をつけて」と、彼から渡されたマグカップには、ミルクたっぷりのカフェオレが入れられていた。
「わ、これ好き」
「うん。そう思って」
隣に座ってブラックコーヒーを啜る見慣れた横顔が愛おしくて じっと見つめると、「俺の顔になんかついてる?」と笑う。
「ううん、なんか…ずっと一緒にいるなあと思って。宏隆と」
「確かにそうだね」
「このアルバムとかもそう。一緒に写ってるやつばっかり」
「そりゃそうだよ。だってそれ…」
その時、私のスマホがメッセージの受信を知らせるように震えた。一度ならスルーしてしまうところだけど、何度か続いたので画面を確認する。
「…お母さんだ」
「なんて?」
「引っ越して少し落ち着いたら顔見せに来なって」
「行こうよ、ついでに俺の実家にも寄ってくれる?」
「もちろん!宏隆のご両親にも会いたいし」
「若菜に会ったらうちの家族はみんな騒ぎそうだな」
そう言って苦笑する宏隆は三人兄弟の真ん中だ。大きくなるまでは家族ぐるみの付き合いが多かったこともあり、私と彼の結婚についてもすごく喜んでくれていたのを思い出す。特に宏隆の弟の一輝は、よく家にも遊びに来ていた。4つ下だから今は大学3年生だろうか。
「ねえ、さっきなんて言いかけたの?」
「ん?」
「だってそれ、って」
「ああ」
すると、彼はなんということもないように言う。
「若菜が写ってる写真か、若菜と映ってる写真しか入ってないもん」
「えっ」
「仕事が煮詰まってきた時に眺めて、『ああやっぱり好きだな』ってなって、また仕事に戻るためのアイテムだから」
「そ、そんなものがあるの…」
「うん。でも最近は結婚してからの写真を眺めてることが多いかな。俺の奥さん、可愛いなあって」
いや、そういうことでなく…。
薄々感じていたけれど、宏隆は私のことをやや神格化しているような気がする。私の微妙な反応を見て、しかし彼は自信満々で続ける。
「でも、本当に効果あるよ。ああ、こんなことで時間無駄にできない、若菜が隣にいる時に仕事しなくちゃいけないなんてことにならないようにしないとって気合いが入るから」
「そ、そうなの?」
でも確かに、以前私も宏隆との予定が仕事のせいでなくなってしまいそうになったときは、とてつもない集中力で作業することができたような気がする。それなら。
「…私も、そういうのほしいな」
「そういうの?」
「元気が出る画像みたいな。あ、でもさすがに写真は恥ずかしいから、スマホで撮るけど」
「じゃあ今撮る?引っ越しの記念に」
宏隆がスマホのカメラアプリを起動する。
マグカップをローテーブルに置いて、隣同士に座り直した。肩に手を回されて、スマホのカメラを見るように促される。
「撮るよ」
「あ、うん」
カシャカシャと何度か連続で撮影する音が聞こえてすぐ、顔を寄せ合って画面を確認する。
「いいんじゃない?よく撮れてる」
嬉しそうな彼を見て、ふと思い出す。
「なんかこんな写真、高校の卒業式でも撮ったような気がする」
「確かに。校門の前でね」
「あの時、七瀬が『若菜と織井くんは大学も一緒なんだから、記念写真撮らなくたっていいんじゃないの?』って笑ってたよ」
「いやいや、撮るよ。高校最後の日だったんだから」
思い出話をしながら、お互いの指を絡める。
「ねえ、ちなみに制服ってまだとっておいてある?」
「あると思うよ」
「今度着てみない?宏隆が着てるとこ見てみたい。楽しそう」
「意外だな、若菜ってコスプレとか興味あるんだ」
「コスプレとはちょっと違うでしょ」
「ブレザーだったから俺はスーツと大して変わらないような気もするけど…」
「いいのいいの」
別にコスプレに興味があるわけではなかったのだけれど、こんな懐かしい写真を見ていたら、ちょっと見てみたくなったのだ。幼馴染みとして仲良くしてくれていたけれど、ずっと好きでいてくれたという当時をちょっとだけリアルに思い出してみたくて。
でもあえて口には出さず、カフェオレを一口飲むと、宏隆は「あ、でもそうなったら…」と続ける。
「若菜も着てくれるんだよね?俺だけじゃ恥ずかしいよ」
「う、うーん…まあ、そうだね」
「じゃあ着る」
急に即答して「楽しみがまた増えた」と嬉しそうに笑うからなんだか面白くて、私も笑う。
緩やかに過ぎる時間を味わいながら その顔を見つめると、息をするように唇が触れ合った。
「…好きだよ」
「私も。大好き」
私たちのこれまでとこれからが、幸せなものでありますように。
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