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弐号
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しおりを挟む「んー、ほな5日?」
「日数の問題じゃないって。もー、そういう馬鹿なところはさすがレンマだよ。でも……クスクス。馬鹿なレンマのおかげで力が抜けた」
「そりゃおーきに!って、馬鹿は余計や!しかも2回も言うたなっ」
シャノンの体をまとっていた闇が薄くなり、心に吸収されたようだ。真剣に明るく振る舞うレンマと笑い合うシャノンはもう、失敗のせいで死のうとはしない。
だってこんなにも、楽しそうに心から笑っている。レンマを「馬鹿」と言ってからかうくらいの心の余裕まである。
もう後悔していないということではない。ない、が、次は同じ過ちを繰り返さないようにしようと、そのためにどうすればいいのかと考え方を変えた。
レンマのようになろうとしているのではない。彼のやり方を参考に、シャノンは自分のやり方で自分の闇を乗り越える方法を探すことにしたのだ。
そんな心の変化を喜ぶレンマが手を離し頭を撫でようとして、すかさず「子供扱いしないでくださいっ」と跳ねのけられる。
やれやれ。レンマはシャノンに触れたくてしょうがないらしい。すぐ上の兄にもう何年も触れていなかったから、甘えたいのだ。
だがシャノンはプライドが高い。最高峰。頭を撫でさせるのなんて、せいぜいチユニとライトくらいだ。それでも多少は嫌がるのだが。
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