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母との再会、仲間との決別
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しおりを挟む未来を変えれば何が起こるかわからない、世界が壊れる。というのはお決まりのこと。ライトはそんなこと、恐れない。
何せもうすでに彼は、未来を変えている。変えようとしている。
「神楽さんの夢が僕の夢。神楽さんの願いが僕の願い。ライトにとってチユニさんが1番で絶対に守りたい人であるように、僕にとっては神楽さんがそうなんだよ」
「チユニさんは神楽さんとは違う。あの人は優しいから、俺がその優しさに付け込んで利用してきたにすぎないんです。彼女の心は純粋で、神楽さんのように穢れきっていない」
「ちょっと、神楽さんを侮辱しないでよ。心が穢れていなかったらいいんだ?僕の心はこんなにも、綺麗な透明のままなのに。うん、いいんだ。きっともうすぐ、僕達の行いが正しかったってわかるんだから」
「母さんが統べる世界など正しいはずがない。この世界は、この世界を統べる1番の存在を必要としていない。けれど、親孝行として最後まで俺はあなた達に利用されることを選んだんです」
「だから、私達を睨み殺してしまいそうな怖い顔で戻ってきてやったと?」
「えぇ。俺にとって母さんは最も尊い存在ですからね、向こうにいた時のあなた方を恨む心が邪魔をして親孝行できません」
「途中から言っていることが矛盾しているぞ。私達の敵としてノコノコついてきたのか、諦めて元鞘に納まるのかはっきりしないな」
「はい。俺の心は今、グラグラ揺れているんです。正直もう辛すぎて疲れました。だから一層のこと、俺の心を………………壊してしまってください。楽になりたいんです」
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