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距離
6P
しおりを挟む目が合った。というかすごく、穴が開きそうなくらいジィーっと見つめてくるんだが。瞬きもしてねぇぞ。
首をかしげるとリアはハッと我に返って、顔を真っ赤にさせた。さっきからボーっとしているし、熱でもあるんじゃねぇか?
手を伸ばし額に触れる。顔を近づける。女みたいに小さい顔がさらにボンッ!と、耳や首まで真っ赤になった。許せ、完全に無意識だ。
何やってんだよ俺!頭が痛すぎておかしくなったか?疲れも溜まっているってアランに言われたばっかりだしな。
リアの顔が赤いのも、妙に熱っぽいのも、俺を見つめる真紅の瞳がゆらめいているのも。別に風邪をひいているんじゃない。それはわかっているっていうのに。
体が勝手に動いた。まったく、跳び退いた俺まで顔が熱い。夕暮れ時特有の冷たい風が吹いて、早く俺達の熱を冷まさせてくれ。
リアもリアだ、人のことをジロジロ見やがって。
ドクンッと心臓が跳ねて、妙な感じがした。この感覚、昔にもあったような気がする。リアがいなくなる前くらいに、ガキリアが今みたいに俺を見つめていたんだ。
「ねぇノル、オレ……」
おわぁっ!?意識しないようにリアから顔を反らしていたら急に、袖を引っ張られた。
普段なら心の中でもこんな笑える、驚いた声は出さねぇぞ。というか今「オレ」って言わなかったか?
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