ユキ・シオン

那月

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オモチャで遊んでやる

7P

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 女はそれからずっと俺と遊んで、男は他のネコに近寄ることも近づけさせることもなく座っていた。


 あの男たぶん、タバコを吸いたかったんだと思うぜ。途中からソワソワ、貧乏ゆすりもして指でトントンしてたしな。


 でも俺をずっと見てた。惚れたか?なんてな。


「――あぁーーーーーーーーっ!つっっっっっっっっかれたぁぁぁぁぁぁぁぁ……もぉー、精神的に疲れたぁぁぁ」


「来週末も来るって言ってたわよ」


「うえぇー……店長、来週末は俺風邪ひくんで休みます」


「バカ言わないで。ほら、ゴホウビ奮発してあげるから。明日は1時間目からでしょ?早く帰って早く寝なさい。お疲れ様!」


 閉店後、精神も体もボロボロの俺は栄養ドリンクを3本持たされて外に締め出された。


 あの女も一応は何らかの仕事をしているようだし、休みは週末だけか。俺もそうだけどな。大学生だし。明日からまた学生生活。


 はぁ、マジで風邪でも引かねぇかな。なんて考えながら栄養ドリンクを一気飲み。


 ふぅ、と一息ついてから薄暗い街を歩く。その5分後くらいか。聞き覚えのあるハイテンションな声が聞こえた。


「えー、あと4時間くらいなら平気でしょー?もうちょっと遊んでよー、せっかくのお休みじゃん」


「あーもう無理無理、オジサンはもう年だからしんどいの。明日からまた朝が早いんだから、今日はここでお開き。電話してきても出てやれないからな」


 あのアホカップルかよ!てか、まだこの近くにいたのかよ!オッサン、振り回されてグッタリしてんじゃねーか。


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