ユキ・シオン

那月

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ネコヒメ

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 実は俺、ばっちゃんに隠していることがあるんだ。


 猫カフェのバイトだけじゃ足りないから、他の方法で金を集めてんだ。不定期で、収入はまぁまぁ。


「よぉ。今日は嗜好を変えてやるって、どんなプレイさせる気だよ?普段の生活に支障が出るようなことはしねぇからな」


「そんな怖いことはしないしない。ちょーっとだけ飽きてきたからぁ、こんなものを用意してみましたー。どう、着てみてくんない?」


「おまっ!こんなの、どこで仕入れてきてんだよ、変態。他校の女子の制服、しかもスカート丈短っ」


「大丈夫大丈夫、君なら絶対に似合うし。僕も俄然やる気になっちゃうよ。まぁ、着てくれないんなら今日はやらない、さっさと帰って?」


 保健室の一件があった数日後の放課後。空は薄暗く、ほとんどの生徒は帰ってしまった。


 俺はよくつるんでいる男に呼び出されて、滅多に使うことのない、けれど俺達はよく使っている棟の用具室に足を踏み入れた。


 そこで待っていた男はニコニコ、紙袋の中から「じゃーん」と真新しい女子のセーラー服を引っ張り出す。


 おい、ご丁寧に下着までそろえてきてやがるぜ。俺が呆れて首を横に振ると男は「あっそ」と、制服を紙袋に戻して「制服の分、上乗せしようと思ったのになぁ」と呟く。


「…………貸せ。ったく。どうせ脱がすのに、なんでわざわざこんなの着なきゃいけねぇんだよ」


 男は俺の扱い方を熟知している。金の話を持ち出せば食いつくと。そう、これは商売だ。大人にバレたらヤバい方の、スリル満点の商売。


 俺は渋々、男から紙袋をブン取って背中を向けると着替え始める。ぶ、ブラもつけるのかよ。やりにくいけど、なんとか後ろに手が回ってつけられた。


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