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ネコ、拾いました
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しおりを挟む「ん?“ありがとうございます。口止め料は払えねぇが、助けてもらった礼にご奉仕でもいかがですか?”っておい!オジサンをからかうんじゃない」
なぁんだ、冗談じゃなかったんだけどな。不真面目先生だし、これを機に関係を持って新しい客になってもらおうと思ったのに。
俺が舌打ちをすると「こら」と頬をつねる先生は、うっすら目の下にクマが見える。付きっきりで介抱してくれたのかよ。
「明日もここにいていいから休みなさいね。お?あー……カップ麺でもいいか?」
うっ、腹が鳴った。笑うんじゃねぇ!恥ずかしくて顔を背けながらもうなずくと「そうか、ちょっと待ってなさい」と頭を撫でる。
密着していた体が離れ、俺は優しく寝かされる。おい、まず何かしらの服を着せてくれよ。
寒いんだよ。先生に支えてもらっている間は先生の体温が心地よくて、それにいい匂いがして……
「ん、どうした?悪いがオジサンは料理は全くできないんだ。嫁もいないし、ここにいる間はカップ麺かコンビニ食で我慢してくれ」
気づいたら見つめていたらしい。俺の視線に先生は困った表情。目を反らし頬を掻いて、苦笑する。
彼女はいるだろう。俺は知ってるんだからな。あのタイプなら料理してもゲテモノができそうだが。
先生はまた俺の頭を撫でて背を向けると、何を思い出したのか「クスッ」とまた笑ってから部屋を出て行った。
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